- 売上高: 366.65億円
- 営業利益: 25.72億円
- 当期純利益: 26.44億円
- 1株当たり当期純利益: 258.43円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 366.65億円 | 377.51億円 | -2.9% |
| 売上原価 | 285.32億円 | 299.40億円 | -4.7% |
| 売上総利益 | 81.33億円 | 78.11億円 | +4.1% |
| 販管費 | 55.60億円 | 54.05億円 | +2.9% |
| 営業利益 | 25.72億円 | 24.05億円 | +6.9% |
| 営業外収益 | 9.76億円 | 5.27億円 | +85.2% |
| 営業外費用 | 4.91億円 | 2.15億円 | +128.4% |
| 経常利益 | 30.57億円 | 27.18億円 | +12.5% |
| 税引前利益 | 32.27億円 | 28.69億円 | +12.5% |
| 法人税等 | 5.82億円 | 7.50億円 | -22.4% |
| 当期純利益 | 26.44億円 | 21.18億円 | +24.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 26.41億円 | 21.00億円 | +25.8% |
| 包括利益 | 14.93億円 | 39.71億円 | -62.4% |
| 減価償却費 | 18.03億円 | 18.37億円 | -1.9% |
| 支払利息 | 1.52億円 | 1.03億円 | +47.6% |
| 1株当たり当期純利益 | 258.43円 | 205.66円 | +25.7% |
| 1株当たり配当金 | 30.00円 | 30.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 404.19億円 | 404.09億円 | +10百万円 |
| 現金預金 | 89.57億円 | 107.91億円 | -18.34億円 |
| 売掛金 | 215.98億円 | 197.05億円 | +18.93億円 |
| 棚卸資産 | 69.23億円 | 70.02億円 | -79百万円 |
| 固定資産 | 537.23億円 | 544.44億円 | -7.21億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 23.28億円 | 20.05億円 | +3.23億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -22.27億円 | -26.92億円 | +4.65億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 7.2% |
| 粗利益率 | 22.2% |
| 流動比率 | 198.7% |
| 当座比率 | 164.7% |
| 負債資本倍率 | 0.72倍 |
| インタレストカバレッジ | 16.92倍 |
| EBITDAマージン | 11.9% |
| 実効税率 | 18.0% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -2.9% |
| 営業利益前年同期比 | +6.9% |
| 経常利益前年同期比 | +12.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +25.8% |
| 包括利益前年同期比 | -62.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 11.15百万株 |
| 自己株式数 | 924千株 |
| 期中平均株式数 | 10.22百万株 |
| 1株当たり純資産 | 5,355.90円 |
| EBITDA | 43.75億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 30.00円 |
| 期末配当 | 105.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| GlassContainers | 10百万円 | 18.52億円 |
| Logistics | 54百万円 | 3.84億円 |
| NewGlass | 4百万円 | 2.62億円 |
| PlasticsContainers | 2.12億円 | 4.33億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 740.00億円 |
| 営業利益予想 | 33.00億円 |
| 経常利益予想 | 39.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 30.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 293.50円 |
| 1株当たり配当金予想 | 75.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の日本山村硝子は、売上減少の中で採算改善により利益を伸ばした堅調な決算と評価する。売上高は366.65億円で前年比-2.9%と減収だが、営業利益は25.72億円で+6.9%、経常利益は30.57億円で+12.5%、当期純利益は26.41億円で+25.8%と増益を確保した。粗利率は22.2%(81.33億円/366.65億円)と良好で、販管費は55.60億円、販管費率は15.2%に抑制され、営業利益率は7.0%まで改善した。前年実績を逆算すると営業利益率は約6.37%→7.02%へ約+65bp改善、経常利益率は約7.19%→8.34%へ約+115bp改善、純利益率は約5.56%→7.20%へ約+164bp改善した。営業外収益は9.76億円と営業外収入比率が37.0%に達し、経常段階の増益を下支えした。インタレストカバレッジは16.9倍と金利負担耐性は強い。流動比率198.7%、当座比率164.7%と流動性は厚く、負債資本倍率0.72倍でレバレッジも控えめである。一方、ROICは3.2%と5%を下回り、資本効率に課題が残る。営業CFは23.28億円で純利益26.41億円に対する営業CF/純利益は0.88倍と理想の1.0倍をやや下回り、利益の現金化は概ね良好ながら改善余地がある。設備投資は17.51億円で、営業CF−設備投資の簡便FCFは約5.77億円と黒字だが、投資CF詳細未開示のため全体FCFは判定困難である。BSでは現金89.57億円、売掛金215.98億円、棚卸69.23億円に対し、短期借入64.66億円、買掛74.44億円を十分にカバーし、満期ミスマッチのリスクは限定的とみられる。EPSは258.43円で、期中平均株式数から算定した純利益と整合している。配当は開示不足だが、提示の配当性向57.0%は一般的な持続可能域の上限に近く、キャッシュ創出次第で上振れ余地と抑制の両面がありうる。売上が減少する中での利益率改善は、価格改定・ミックス改善・コストコントロールの寄与が示唆される。もっとも、営業外収益の寄与が大きい点は再現性に注意が必要である。今後は燃料・原材料価格の変動管理と価格転嫁の継続、炉の更新等の投資効率改善によるROIC引き上げが主要テーマとなる。加えて、運転資本の効率化と営業CF/純利益の1倍超回復が持続的成長の鍵となる。データには未開示項目が多く、一部の判断は保守的仮定に基づく点に留意が必要である。
DuPont分解:ROE 4.8% = 純利益率7.2% × 総資産回転率0.389 × 財務レバレッジ1.72倍。今期のROEを押し上げた最大要因は純利益率の改善であり、売上が-2.9%である一方、純利益が+25.8%と伸びたことからもマージン拡大が主因と判断する。営業利益率は約+65bp、経常利益率は約+115bp、純利益率は約+164bp改善しており、営業外収益の増加と費用抑制が効いた。総資産回転率0.389は資産集約的なガラス事業の特性と運転資本の厚みを反映し低位で、ROEの抑制要因となっている。財務レバレッジ1.72倍は適度で、ROE押上げ効果は限定的かつ安定。ビジネス面の背景としては、価格改定・製品ミックス改善、燃料費の安定化・固定費吸収の改善、ならびに営業外での受取利息・配当等の寄与が考えられる。これらのうち価格改定・ミックスは一定の持続性がある一方、営業外収益(今期9.76億円)の一部は市況・金利環境に左右されやすく変動的。販管費率は15.2%で抑制されているが、売上の減少下でのコストコントロールが続くかは注視点。懸念すべきトレンドとして、総資産回転率の低さ(固定資産・運転資本の厚み)と、営業外依存度の高さ(経常段階での感応度増大)がある。結論として、短期的なROE改善の主因はマージン改善であり、持続的なROE引き上げには資産効率(回転率)とROICの改善が不可欠である。
売上は-2.9%減で、数量減または需要軟化の示唆がある一方、利益は増加しており、価格・ミックス改善やコストダウンが寄与したとみられる。営業利益の増加率(+6.9%)が売上の減少率を上回るため、正の営業レバレッジが効いている。粗利率22.2%、営業利益率7.0%、純利益率7.2%はいずれも前年から改善し、採算は好転。利益の質は、営業外収益の寄与(9.76億円、営業外比率37%)が大きく、当社の持続成長に向けては本業収益(営業利益)の伸長をより重視したい。設備投資は17.51億円で維持更新投資中心と推定され、炉・省エネ投資の効果が中期的に原価低減と稼働率安定に寄与する可能性がある。外部環境では燃料・原材料価格の変動と、飲料・食品向け需要の季節性・景気感応度がトップラインに影響。短期見通しは、価格政策とコスト管理の継続で利益率の底上げを見込む一方、数量回復の遅れが売上の重荷となるリスク。中期では運転資本の効率化と高効率設備へのシフトでROIC改善余地がある。未開示項目が多く、事業別・地域別の成長ドライバーの解像度に制約がある。
流動性は流動比率198.7%、当座比率164.7%と健全域にあり、短期資金繰りは良好。支払能力面ではインタレストカバレッジ16.92倍、負債資本倍率0.72倍と保守的な資本構成で、D/E>2.0の警戒水準には程遠い。総資産941.43億円に対し、負債393.97億円、純資産547.45億円と自己資本厚い。満期ミスマッチは、現金89.57億円と売掛金215.98億円、棚卸69.23億円の合計が流動負債203.38億円を十分に上回り、短期借入64.66億円のロールオーバーリスクは限定的。長期借入金143.30億円が存在し、金利上昇局面での利払い増加リスクはあるが、現状の金利負担は軽微。オフバランスの債務(リース・保証など)は本データからは把握できず、注記未開示ゆえ評価に限界がある。自己資本比率は数値未開示だが、株主資本551.51億円/総資産から高水準と推定される。
営業CFは23.28億円、純利益26.41億円に対する営業CF/純利益は0.88倍で、理想の1.0倍超に僅かに届かないが0.8倍を上回り、利益の現金化は概ね許容範囲。運転資本では売掛金215.98億円・棚卸69.23億円が厚く、期末水準の高さが営業CFをやや圧迫した可能性がある。設備投資は17.51億円で、営業CF−設備投資ベースの簡便FCFは約+5.77億円と黒字。もっとも、投資CFの詳細(有形固定資産以外の投資・有価証券売買等)が未開示のため、厳密なFCFは算出不能。財務CFは-22.27億円で、配当・借入返済・自社株買いのいずれかを通じた資本還元あるいはデレバレッジが示唆されるが、内訳未開示。営業CF/純利益<1.0の要因として、売上減少下での売掛金回収タイミング・棚卸調整の影響が考えられ、次四半期の反転(>1.0倍)を確認したい。運転資本操作の明確な兆候はデータ不足で判定困難だが、売掛と棚卸の高水準は効率化余地を示唆する。
配当は詳細未開示だが、提示の配当性向は57.0%と一般的な持続可能域の上限近辺。純利益26.41億円に対し理論配当総額は約15億円規模と推定される一方、営業CF−設備投資ベースの簡便FCFは約5.77億円で、他の投資CF・資産売却等の無い前提ではFCFカバレッジは不足する可能性がある。もっとも、実際の投資CF内訳・配当総額が未開示のため、確度は限定的。ネットデット/EBITDAは厳密に算出不能だが、有利子負債と現金水準からみて過大なレバレッジではなく、短期的な配当維持余力は一定。将来の持続性は、営業CF/純利益の1倍回復、運転資本効率化、ROICの引き上げ(>5%)に依存度が高い。方針面のガイダンス未開示ゆえ、配当性向の安定ターゲット有無は不明。
ビジネスリスク:
- 燃料・エネルギー価格の上昇による溶解炉コスト増と粗利圧迫
- 飲料・食品業界の需要減速や代替素材(PET、アルミ等)へのシフト
- 価格転嫁の遅れ・交渉力低下によるマージン縮小
- 設備稼働率・炉更新計画の遅延に伴う固定費の非効率化
- 環境規制強化(CO2排出、リサイクル要件)に伴う追加投資負担
財務リスク:
- ROIC 3.2%と資本効率の低さが長期価値創造を制約
- 長期借入金143.3億円の金利再設定・リファイナンス時の金利上昇リスク
- 営業外収益への依存度上昇(営業外収入比率37%)による業績変動性
- 運転資本(売掛・棚卸)の厚みがキャッシュ創出を抑制するリスク
主な懸念事項:
- 売上減少下での利益率改善の持続性(価格・ミックス要因の継続可否)
- 営業CF/純利益が1.0倍未満で推移する場合の配当・投資両立の難度
- 資本効率(ROIC)の低位固定化と総資産回転率の改善停滞
- 未開示項目の多さに起因する一時損益・投資損益の見落としリスク
重要ポイント:
- 減収ながらコスト管理と価格・ミックス改善で各段階マージンが拡大
- 営業外収益の寄与が大きく、経常利益の再現性評価が重要
- 流動性・レバレッジは健全で、短期の財務耐性は高い
- ROIC 3.2%は警戒域で、資産効率改善が株主価値向上のカギ
- 営業CF/純利益0.88倍は概ね許容だが、1.0倍超への回復確認が必要
注視すべき指標:
- 営業利益率・粗利率の四半期トレンド(bpベース)
- 営業外収益の内訳(受取配当・利息・その他投資損益)
- 営業CF/純利益、運転資本回転(売掛・在庫日数)
- エネルギーコスト指数と価格転嫁のタイムラグ
- 設備投資(炉更新・省エネ投資)の投下回収(ROIC)
- ネット有利子負債/EBITDAとインタレストカバレッジ
セクター内ポジション:
国内ガラス容器セクター内で財務健全性は良好・収益性は中位、資本効率(ROIC・総資産回転率)は同業比で劣後傾向。需要環境に左右されやすい一方、価格政策とコスト改善で安定化を図る局面。
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