- 売上高: 265.37億円
- 営業利益: 24.54億円
- 当期純利益: 15.62億円
- 1株当たり当期純利益: 47.00円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 265.37億円 | 251.72億円 | +5.4% |
| 売上原価 | 205.12億円 | 189.81億円 | +8.1% |
| 売上総利益 | 60.25億円 | 61.91億円 | -2.7% |
| 販管費 | 35.71億円 | 34.57億円 | +3.3% |
| 営業利益 | 24.54億円 | 27.34億円 | -10.2% |
| 営業外収益 | 1.53億円 | 2.99億円 | -48.8% |
| 営業外費用 | 4.53億円 | 1.17億円 | +288.3% |
| 経常利益 | 21.54億円 | 29.17億円 | -26.2% |
| 税引前利益 | 22.19億円 | 29.27億円 | -24.2% |
| 法人税等 | 6.57億円 | 8.04億円 | -18.4% |
| 当期純利益 | 15.62億円 | 21.22億円 | -26.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 15.62億円 | 21.22億円 | -26.4% |
| 包括利益 | 14.44億円 | 34.66億円 | -58.3% |
| 減価償却費 | 11.09億円 | 10.12億円 | +9.6% |
| 支払利息 | 86百万円 | 96百万円 | -10.5% |
| 1株当たり当期純利益 | 47.00円 | 63.91円 | -26.5% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 46.99円 | 63.83円 | -26.4% |
| 1株当たり配当金 | 42.00円 | 42.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 488.63億円 | 495.27億円 | -6.64億円 |
| 現金預金 | 138.51億円 | 168.61億円 | -30.11億円 |
| 売掛金 | 183.81億円 | 166.74億円 | +17.07億円 |
| 棚卸資産 | 59.42億円 | 61.17億円 | -1.75億円 |
| 固定資産 | 283.02億円 | 222.09億円 | +60.93億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 4.88億円 | 32.59億円 | -27.71億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -22.75億円 | -22.45億円 | -30百万円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 1,451.00円 |
| 純利益率 | 5.9% |
| 粗利益率 | 22.7% |
| 流動比率 | 197.1% |
| 当座比率 | 173.1% |
| 負債資本倍率 | 0.60倍 |
| インタレストカバレッジ | 28.46倍 |
| EBITDAマージン | 13.4% |
| 実効税率 | 29.6% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +5.4% |
| 営業利益前年同期比 | -10.2% |
| 経常利益前年同期比 | -26.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -26.4% |
| 包括利益前年同期比 | -58.3% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 33.60百万株 |
| 自己株式数 | 323千株 |
| 期中平均株式数 | 33.24百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,450.99円 |
| EBITDA | 35.63億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 42.00円 |
| 期末配当 | 54.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| DisplayMaterials | 18.05億円 | 3.25億円 |
| ElectricInsulationMaterials | 12.65億円 | 92百万円 |
| ElectronicMaterials | 172.17億円 | 16.85億円 |
| IndustrialApplicationStructuralMaterials | 60.82億円 | 12.18億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 514.00億円 |
| 営業利益予想 | 45.00億円 |
| 経常利益予想 | 45.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 32.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 96.15円 |
| 1株当たり配当金予想 | 44.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の有沢製作所は、増収にもかかわらず減益となり、利益率の悪化とキャッシュフローの弱さが目立つ決算だった。売上高は265.37億円で前年同期比+5.4%と堅調に伸長した一方、営業利益は24.54億円で同-10.2%、経常利益は21.54億円で同-26.1%、当期純利益は15.62億円で同-26.4%と二桁減益となった。営業利益率は9.25%(=24.54/265.37)で、前年の推定10.85%から約160bp低下した。純利益率は5.89%(=15.62/265.37)と、前年の推定8.42%から約253bp低下した。粗利益率は22.7%と一定水準を維持したが、販管費率は13.45%(=35.71/265.37)で、営業レバレッジが効かずにマージンが圧縮された。営業外では収益1.53億円に対して費用4.53億円とネットで約-3.0億円の押し下げ要因となり、経常段階の落ち込みを拡大させた。税前利益は22.19億円で、経常利益との差(+0.65億円)は特別損益のプラス寄与が示唆される。ROEは3.2%(デュポン分解:純利益率5.9%×総資産回転率0.344×財務レバレッジ1.60)と資本コストを下回る水準で、ROICも4.0%とベンチマーク(7–8%)を大きく下回った。営業CFは4.88億円にとどまり、純利益15.62億円に対する営業CF/純利益は0.31倍と低く、利益の現金化の遅れが明確だ。流動比率は197.1%、当座比率は173.1%と流動性は十分で、インタレストカバレッジ28.46倍、Debt/EBITDA 2.36倍と財務耐性は良好に見える。もっとも、売上債権183.81億円・棚卸資産59.42億円の運転資本増加が営業CFを圧迫している公算が大きい。簡便FCF(営業CF−設備投資)は約+2.23億円と辛うじてプラスだが、持続性は運転資本の進捗に依存する。配当情報は未記載だが、提示の配当性向(計算値)206.5%は実態にそぐわない可能性があり、現段階では判断留保が妥当である。今後は、販管費効率化と運転資本の正常化による営業CFの回復、ならびに非営業損益のマイナス縮小が業績底上げの鍵となる。資本効率の改善(ROIC>7%)には、マージンの回復に加え、投下資本の選択と集中が求められる。短期的には在庫・債権回収の改善が現金創出に直結し、中期的には製品ミックスの改善と価格政策での粗利率向上が重要である。総じて、売上拡大の一方で、マージン圧迫とキャッシュ創出力の低下が課題として浮き彫りになった決算であり、改善の方向性は明確だが実行のトラックレコードが次の焦点となる。
デュポン分析(ROE=純利益率×総資産回転率×財務レバレッジ):ROE 3.2% = 5.9% × 0.344 × 1.60。最大の変化要因は純利益率の低下(前年推定8.42%→今期5.89%、約-253bp)であり、営業外損益の悪化(営業外費用が収益を上回る)と営業利益率の低下(約-160bp)が重なったことが主因。ビジネス上の背景としては、販管費の増勢や価格転嫁・製品ミックスの逆風、ならびに金利上昇環境下での支払利息(0.86億円)や為替影響などの非営業コスト増が考えられる。持続性評価としては、販管費の効率化と価格/ミックスの改善は経営アクションにより巻き戻し可能だが、外部環境(為替・金利)の影響は残存しうるため、純利益率の回復は段階的となる見立て。総資産回転率0.344は低位で大きな改善は時間を要するが、運転資本の適正化が進めば一定の押し上げ余地。財務レバレッジ1.60倍は抑制的で、ROEてこ入れ余地は主に利益率と資産効率の改善に依存。懸念トレンドとして、販管費成長率が売上成長率を上回っている可能性、ならびに非営業損益の継続的なマイナスがROE回復の足かせとなっている点を指摘する。
売上は+5.4%と堅調で、外形的には需要は底堅い。だが、営業利益が-10.2%と逆行し、価格/ミックスが伸びの質を毀損した可能性がある。粗利率22.7%は一定だが、販管費率13.45%の上昇(推定)で営業レバレッジが効いていない。営業外損益ネット約-3.0億円が経常段階を押し下げ、成長の見かけを悪化。今後の売上持続性は、主要顧客産業の需要動向と価格政策次第だが、在庫/債権水準の正常化が回転率・キャッシュ創出の改善につながる。短期見通しは、運転資本の是正とコストコントロール次第で下方硬直的、マージン回復にはやや時間を要する。中期は、製品ミックスの高付加価値化と選択的投資(ROIC>7%基準)により持続性が高まる余地。
流動比率197.1%、当座比率173.1%と短期流動性は健全域。負債資本倍率0.60倍、Debt/EBITDA 2.36倍、インタレストカバレッジ28.46倍とレバレッジは保守的で返済能力は強い。短期借入金50.98億円に対し、現金預金138.51億円・流動資産488.63億円を有し、満期ミスマッチは低い。買掛金78.55億円に対し売掛金183.81億円・棚卸資産59.42億円の運転資本需給はタイトで、資金繰り上は回収リスクと在庫回転低下が潜在的な懸念。オフバランス債務の開示はなく、現時点で特筆すべきオフバランス負担は確認できない(未記載による不確実性は残る)。
営業CF4.88億円に対し純利益15.62億円で営業CF/純利益0.31倍と低く、利益の現金化に課題(品質警告閾値<0.8)。主因は売上債権・棚卸資産の増加による運転資本の吸収とみられる。簡便FCF(営業CF−設備投資2.65億円)は+2.23億円と小幅プラスだが、運転資本が正常化しない限り脆弱。財務CFは-22.75億円と資金流出で、借入返済や配当の可能性が高いが配当金支払額は未記載。運転資本操作の兆候として、売上成長に比して売上債権の積み上がりが示唆され、回収条件の緩みや出荷積み増しの可能性に留意。減価償却11.09億円に対し設備投資2.65億円と、足元は維持投資以下でキャッシュアウトは抑制的。
配当情報は未記載で、配当金総額・四半期配当も不明。提示の配当性向(計算値)206.5%は本データセットの制約上の試算で実態と乖離の可能性があり、信頼性は限定的。営業CFベースの簡便FCFは+2.23億円と小さいため、高い配当還元を継続する余力は現時点で限定的に見える。持続可能性判断には、通期の営業CF回復(営業CF/純利益>1.0)と投資計画、実際の配当方針(DOEや安定配当方針)の開示確認が前提。
ビジネスリスク:
- 製品ミックス悪化・価格競争の深刻化による粗利率低下リスク
- 需要変動(エレクトロニクス関連サイクル)の影響による稼働率低下
- 原材料価格の上昇と為替変動によるコスト押し上げ
財務リスク:
- 営業CFの弱さ(営業CF/純利益0.31倍)による資金創出力低下
- 売上債権増加・在庫積み上がりによる運転資本の圧迫
- 非営業損益のマイナス継続(支払利息やその他費用)による利益感応度の上昇
主な懸念事項:
- ROIC 4.0%と資本効率が低位で、資本コストを下回る状況が続く懸念
- 営業利益率の低下(約-160bp)と純利益率の低下(約-253bp)が同時進行
- 経常段階での非営業コスト負担が利益回復のボトルネック
重要ポイント:
- 増収減益で営業・純利益率ともに縮小、ROE 3.2%・ROIC 4.0%と資本効率が課題
- 営業CF/純利益0.31倍とキャッシュ創出力が弱く、運転資本の正常化が急務
- レバレッジは低く財務耐性は良好、改善余地は主にマージンと資産効率
- 非営業損益のマイナスが経常利益を圧迫、縮小余地の把握が必要
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益(目標≥1.0)と売上債権回転日数・在庫回転日数
- 営業利益率と粗利率(価格・ミックス・コスト転嫁の進捗)
- 非営業損益(支払利息・為替差損益等)の推移
- ROIC(目標≥7–8%)と投下資本の回収見通し
- Debt/EBITDAとインタレストカバレッジの維持
セクター内ポジション:
同業内では財務レバレッジの低さと流動性は良好だが、2026年度Q2は利益率・キャッシュフロー質で見劣りし、資本効率の観点でも控えめなポジショニング。
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