- 売上高: 15,121.41億円
- 営業利益: 948.38億円
- 当期純利益: 477.04億円
- 1株当たり当期純利益: 186.25円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 15,121.41億円 | 15,342.24億円 | -1.4% |
| 売上原価 | 11,624.56億円 | - | - |
| 売上総利益 | 3,717.68億円 | - | - |
| 販管費 | 2,793.09億円 | - | - |
| 営業利益 | 948.38億円 | 940.12億円 | +0.9% |
| 持分法投資損益 | 15.53億円 | - | - |
| 税引前利益 | 731.90億円 | -743.94億円 | +198.4% |
| 法人税等 | 200.20億円 | - | - |
| 当期純利益 | 477.04億円 | -944.15億円 | +150.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 394.88億円 | -1,064.10億円 | +137.1% |
| 包括利益 | 181.43億円 | -67.69億円 | +368.0% |
| 減価償却費 | 1,367.87億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 186.25円 | -502.08円 | +137.1% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 185.95円 | -502.08円 | +137.0% |
| 1株当たり配当金 | 105.00円 | 105.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 10,012.70億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 4,541.43億円 | - | - |
| 固定資産 | 18,883.95億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 15,508.62億円 | - | - |
| 総資産 | 28,741.61億円 | 28,896.65億円 | -155.04億円 |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 1,944.27億円 | - | - |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -1,243.59億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -1,033.29億円 | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 1,079.88億円 | - | - |
| フリーキャッシュフロー | 700.68億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 2.6% |
| 粗利益率 | 24.6% |
| 負債資本倍率 | 0.74倍 |
| EBITDAマージン | 15.3% |
| 実効税率 | 27.4% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -1.4% |
| 営業利益前年同期比 | +0.9% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 217.43百万株 |
| 自己株式数 | 5.08百万株 |
| 期中平均株式数 | 212.01百万株 |
| 1株当たり純資産 | 7,716.56円 |
| EBITDA | 2,316.25億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 105.00円 |
| 期末配当 | 105.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 20,500.00億円 |
| 営業利益予想 | 1,200.00億円 |
| 当期純利益予想 | 680.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 570.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 268.84円 |
| 1株当たり配当金予想 | 105.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
AGC株式会社の2025年度Q3(IFRS、連結)の業績は、売上高15,121.41億円(前年比-1.4%)と微減ながら、営業利益は948.38億円(+0.9%)と小幅増益を確保し、コスト管理と価格施策の奏功が示唆されます。粗利益率は24.6%で安定、営業利益率は約6.3%(=948.38/15,121.41)と前年からわずかに改善した可能性があります。EBITDAは2,316.25億円、EBITDAマージン15.3%とキャッシュ創出力は堅調で、減価償却費1,367.87億円の重さを十分に吸収しています。税引前利益は731.90億円と営業利益を下回り、営業外損益がネットで約-216億円発生した(金融費用や持分法損益、為替等)構図です。当期純利益は394.88億円、純利益率は2.6%にとどまり、資本効率はROE 2.4%と低位です。デュポン分析では総資産回転率0.526、財務レバレッジ1.75倍が示す通り、資産効率の伸び悩みと低マージンがROEの制約要因です。営業キャッシュフローは1,944.27億円と当期純利益の4.92倍で、利益のキャッシュ化は非常に良好です。フリーキャッシュフロー(FCF)は700.68億円とプラスを確保し、投資CFのマイナス1,243.59億円を吸収しています。財務CFは-1,033.29億円で、配当金支払-445.67億円と自己株買い-12.56億円、負債関連のネット返済等により資金流出しています。貸借対照表は総資産28,741.61億円、純資産16,386.81億円、負債合計12,179.67億円で、負債資本倍率0.74倍、自己資本比率49.1%と財務基盤は健全です。現預金残高は開示がなく、短長借入の内訳も不明ですが、営業CFの厚みが流動性リスクを緩和しています。配当は支払総額445.67億円から逆算すると1株当たり概算約210円で、EPS186.25円を上回り、配当性向は115.6%と高水準です。一方でFCFカバレッジは1.53倍とキャッシュ面の余力はあり、短期的な配当持続性は担保されています。包括利益は181.43億円と純利益を下回り、為替や有価証券評価などその他包括損益の逆風がうかがえます。運転資本は好転(CFOがNIを大きく上回る)している可能性が高く、在庫・売掛の圧縮や回収改善が進んだとみられます。総じて、売上は横ばい圏ながら、コスト適正化と価格ミックスにより営業利益を維持、強固なキャッシュフローが財務健全性と株主還元能力を下支えしています。他方、ROEは2.4%と資本コストを大きく下回る水準で、継続的な収益性の底上げと資産効率改善が中期の課題です。開示に未記載項目が多く、金利負担や流動比率の精緻な評価は困難で、推定に依存する部分がある点は留意が必要です。
デュポン分解は、ROE 2.4% = 純利益率2.6% × 総資産回転率0.526 × 財務レバレッジ1.75倍。制約要因は純利益率の低さ(営業外損失寄与)と資産回転率の伸び悩み。営業利益率は約6.3%、粗利率24.6%、EBITDAマージン15.3%と、コアの収益力は一定水準を維持。税前段階から純利益への落ち込みは、実効税率27.4%と営業外費用の影響が主因。営業外収益・費用の明細は未記載だが、税引前利益731.90億円は営業利益より約216億円低く、金利・為替・持分法等が収益率を圧迫。営業レバレッジは、売上-1.4%でも営業利益+0.9%と改善しており、固定費削減や価格改定が効果。減価償却負担1,367.87億円と資産規模の大きさがROEの上値を抑制しており、資産回転率の改善(遊休資産の圧縮、非中核資産の売却、稼働率引き上げ)が鍵。
売上高は15,121.41億円で前年比-1.4%の微減。数量軟化または市況軟化を価格改定・ミックスで一部相殺した可能性。営業利益は+0.9%で、販管費2,793.09億円のコントロールが奏功。純利益は394.88億円で、営業外費用の影響が成長の足かせ。利益の質はCFO/純利益4.92倍と高く、会計利益よりもキャッシュ創出が強い。EBITDA 2,316.25億円はD&A 1,367.87億円を十分にカバーし、設備投資の継続余地あり。FCF 700.68億円を確保しており、成長投資と株主還元の両立余地。見通しは、エネルギー価格や為替、需要回復(建築用ガラス、電子材料、ケミカルズ等)のトレンド次第で上振れ余地。短期は価格維持とコスト最適化で利益の底堅さを見込み、中期は高付加価値領域の拡大が収益率改善のドライバー。データ制約によりセグメント別動向は評価不可。
総資産28,741.61億円、純資産16,386.81億円、負債12,179.67億円で負債資本倍率0.74倍、自己資本比率49.1%と健全。流動資産10,012.70億円、現金等の内訳は未記載だが、期末現金同等物は1,079.88億円。流動負債は未記載のため流動比率・当座比率は算出不可。長短借入の内訳や有利子負債残高が未記載で、ネットD/Eやインタレストカバレッジの評価は限定的。財務CF -1,033.29億円は、債務返済・配当・自己株買いによる資金流出を示唆。資本構成はエクイティ厚めで、ショック耐性は高い。包括利益181.43億円は純利益を下回り、その他包括項目のマイナスが純資産成長を抑制。
営業CF 1,944.27億円は純利益394.88億円の4.92倍と極めて良好。D&A 1,367.87億円の非現金費用に加え、運転資本はネットで約+180億円程度の解放が生じた可能性。投資CF -1,243.59億円を差し引いてFCFは700.68億円の黒字。投資CFの内訳(設備投資、M&A、金融投資)は未記載だが、D&A規模からみて実質的な設備投資は相応に継続していると推定。営業CFの安定性により、投資と株主還元(配当-445.67億円、自己株買い-12.56億円)を賄いつつ、現金同等物1,079.88億円を維持。利益の質は高く、会計利益の低さに比してキャッシュ創出が上振れ。
配当金支払額は445.67億円で、FCF 700.68億円に対するカバレッジは1.53倍と健全。EPS186.25円に対し、支払ベースの配当性向は約113%(445.67億円/当期純利益394.88億円、計算値115.6%)と高く、利益水準との整合性はややタイト。期中平均株式数212.01百万株から逆算した概算DPSは約210円でEPSを上回る。短期的には強いCFOにより配当継続の余地がある一方、利益回復が遅れると配当性向の高さが課題。会社方針の開示は未記載だが、現状のキャッシュ創出力と財務余力を踏まえると、少なくとも安定配当志向が示唆される。将来の持続性は、収益改善または配当水準の見直しのいずれかでバランスを取る必要。
ビジネスリスク:
- 建築・自動車向けガラス需要の景気感応度
- エネルギー価格・原燃料価格の高騰リスク
- 為替変動(特に円安・ユーロ/ドルの変動)
- 競争激化による価格下落圧力
- 高額な減価償却・資本装置産業に伴う固定費負担
- 環境規制対応・脱炭素投資の増加
- サプライチェーン混乱や物流コスト上昇
財務リスク:
- 金利上昇局面での金融費用増(支払利息未記載で定量評価不可)
- 包括利益の目減りによる純資産成長の鈍化
- 高配当性向の継続による内部留保の圧迫
- 投資CFの拡大によるFCFの変動性
主な懸念事項:
- ROE 2.4%と資本コストを大幅に下回る資本効率
- 営業外損益のマイナス(約-216億円)による純利益率の圧迫
- 配当性向115.6%と利益に対する還元の高さ
- 流動負債・有利子負債の未開示に伴う流動性・レバレッジ評価の不確実性
重要ポイント:
- 売上微減でも営業増益(営業利益+0.9%)でコスト/価格対応が進展
- CFO 1,944億円、FCF 701億円とキャッシュ創出は強固
- ROE 2.4%と資本効率は低位で改善余地大
- 高いD&A(1,368億円)に見合う投資継続と資産効率改善が焦点
- 配当性向>100%だがFCFで十分にカバー(1.53倍)
注視すべき指標:
- 営業外損益と支払利息(インタレストカバレッジ)
- 価格改定効果と数量動向(営業利益率の持続性)
- 在庫・売掛の回転日数(運転資本の効率)
- 設備投資額と成長投資のリターン(ROIC)
- エネルギーコストとヘッジ方針
- 為替感応度(売上/利益)
セクター内ポジション:
国内外のガラス・化学複合大手の中で財務健全性は相対的に良好だが、ROE・純利益率は中位以下。高付加価値製品の比率拡大と資産回転率の改善が実現すれば、同業他社対比での収益性ギャップ縮小が期待される。
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