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51012026 第1四半期プライムIFRS

横浜ゴム(5101) 2026年度第1四半期決算 増収・営業益35%増

2026年度第1四半期の売上高は3,038億円(前年同期比+10.4%)、営業利益は260.1億円(同+34.5%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

横浜ゴム株式会社

自動車・輸送機/ゴム製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥3038.1億¥2751.2億+10.4%
営業利益¥260.1億¥193.4億+34.5%
税引前利益¥259.6億¥138.8億+87.1%
純利益¥149.0億¥86.1億+73.1%
ROE1.4%0.8%-

Executive Summary

タイヤ事業の採算改善を主因に増収増益となり、利益成長が売上成長を大きく上回った。売上高は3,038.1億円(前年比+10.4%)、営業利益は260.1億円(同+34.5%)、税引前利益は259.6億円(同+87.1%)、親会社所有者に帰属する四半期利益は147.2億円(同+72.6%)となった。粗利率は前年同期比568bp改善して38.8%となり、タイヤ部門の価格・原価改善が連結収益性を押し上げた一方、その他費用の増加(減損損失38.6億円を含む)が営業利益への転化を一部相殺した。

業績変動要因

【売上高】連結売上高は3,038.1億円で前年同期比+10.4%増収した。主力のタイヤ事業が売上収益2,781.2億円(構成比91.5%)、前年比+11.1%と全体を牽引し、MB事業は239.9億円(同+4.2%)、その他は17.0億円(同-4.5%)にとどまった。

【損益】営業利益は260.1億円(前年比+34.5%)、営業利益率は8.6%と前年同期7.0%から改善した。セグメント事業利益ベースでは、タイヤの利益率が8.9%から15.1%へ大幅改善し、連結利益成長の主因となった。他方、その他収益・費用の純額はマイナス184.3億円と前年同期のマイナス47.3億円から拡大し、減損損失38.6億円を含む一時的要因が事業利益444.4億円から営業利益260.1億円への乖離を広げた。税引前利益は金融収支の改善(純費用が54.7億円から0.4億円へ縮小)もあり同+87.1%増加したが、実効税率42.6%と高水準のため、純利益の伸び(+73.1%)は税引前利益の伸びを下回った。増収増益。

セグメント別分析

タイヤ事業は売上収益2,781.2億円(前年比+11.1%)、事業利益420.2億円(同+89.2%)で、セグメント事業利益全体の94.6%を占める中核事業である。事業利益率は8.9%から15.1%へ621bp改善し、連結収益性改善の中心となった。MB事業は売上収益239.9億円(同+4.2%)、事業利益22.4億円(同+21.3%)、利益率は8.0%から9.3%へ改善したがタイヤに比べ水準は低い。その他事業(スポーツ事業等)は売上収益17.0億円(同-4.5%)と減収したが、事業利益は0.1億円から1.8億円へ改善した。連結利益成長はタイヤ事業への依存度が高い構造である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は8.6%で前年同期7.0%から改善し、純利益率も3.1%から4.8%へ改善した。ただし実効税率は42.6%と高く、税負担が純利益の伸びを抑制している。【キャッシュ品質】ROE(四半期累計ベース)は1.4%にとどまり、営業CFがマイナス291.1億円であることから、当期利益の現金化は弱い。【投資効率】自己資本比率は51.0%で前年同期51.6%からほぼ横ばいであり、総資産は2兆462.2億円、のれん3,366.0億円は純資産の32.0%を占める。【財務健全性】流動資産8,475.0億円に対し流動負債4,795.8億円で流動比率は176.7%と良好な水準にある一方、短期の社債及び借入金は期首比+677.3億円と増加しており、短期性資金調達への依存が高まっている。

キャッシュフロー分析

営業CFはマイナス291.1億円で、前年同期のマイナス188.6億円から悪化した。税引前利益259.6億円と減価償却費204.1億円を基礎に営業CF小計は258.4億円の黒字を確保したが、法人税等の支払530.9億円が最大の流出要因となり、棚卸資産の増加106.5億円や運転資本の流出も重なって営業CFは赤字化した。投資CFは設備投資325.9億円を中心にマイナス370.5億円となり、フリーCFはマイナス661.5億円に達した。この資金需要は短期借入金の純増344.3億円、コマーシャル・ペーパーの純増400.0億円を含む財務CF495.8億円で補われ、現金及び現金同等物は期首から138.0億円減少して935.9億円となった。税金支払いの一時的増加を踏まえても、税後キャッシュ創出力の回復が今後の焦点である。

収益の質

当期の利益改善はタイヤ事業の構造的な採算改善に支えられている一方、その他費用193.8億円(うち減損損失38.6億円)という一時的性格の強い項目が事業利益444.4億円から営業利益260.1億円への乖離を広げている。金融収支は金融収益44.5億円・金融費用44.9億円とほぼ均衡し、前年同期の純費用54.7億円から大幅に改善したことが税引前利益の押し上げに寄与した。一方、営業CFはマイナス291.1億円で親会社帰属利益147.2億円を大きく下回り、法人税支払いと運転資本(棚卸資産・売上債権の増加)の影響で利益とキャッシュの乖離が大きい。包括利益は262.7億円(親会社株主分261.1億円)と純利益149.0億円を上回っており、在外営業活動体の換算差額93.6億円のプラス転換が主因である。これは為替変動による評価性の要素が大きく、経常的な収益力を示すものではない点に留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期計画は売上高1兆3,000億円、営業利益1,915.0億円(前年比+25.2%)、親会社帰属利益1,090億円(同+3.4%)である。Q1進捗率は売上高23.4%、営業利益13.6%、親会社帰属利益13.5%であり、単純な4分の1(25%)を下回る水準にとどまる。当四半期に業績予想の修正が行われており、通期計画に対する下期の収益性維持・改善が今後の確認点となる。配当予想には修正がない。

株主還元

通期配当予想は1株あたり172円で、通期EPS予想693.36円に基づく配当性向は約24.8%である。Q1の配当金支払額は134.2億円、自己株式取得は0.01億円と僅少であり、株主還元は配当が中心である。Q1のフリーCFはマイナス661.5億円で配当を賄えていないが、これは税金支払いや設備投資が集中した四半期特有の要因を含む。利益剰余金は7,102.2億円と厚く、配当原資の観点では余力があるものの、短期借入金・CP増加による資金調達構成は今後のモニタリング対象となる。

リスク要因

  1. 事業集中リスク: タイヤ事業がセグメント事業利益の94.6%を占め、同事業の販売数量・価格・原材料コストの変動が連結業績に直接的な影響を与える構造である。

  2. キャッシュフロー変動リスク: 営業CFはマイナス291.1億円、フリーCFはマイナス661.5億円であり、短期借入金純増344.3億円・CP純増400.0億円による資金補填が生じている。税金支払いや運転資本増加の一時性を今後の実績で確認する必要がある。

  3. のれん・非経常費用リスク: のれん3,366.0億円は純資産の32.0%を占め、IFRS下では非償却のため取得事業の収益性悪化時には減損が一括計上され得る。当期はその他費用に減損損失38.6億円が既に含まれており、非経常項目の再発有無が利益の持続性を左右する。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率8.6%7.2% (3.2%–12.5%)+1.4pt
純利益率4.9%5.9% (2.9%–12.5%)−1.0pt

営業利益率は業種中央値を上回るが、純利益率は税負担の重さから業種中央値を下回る。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)10.4%5.6% (1.1%–13.9%)+4.8pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、IQR上限に近い水準にある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高+10.4%に対し営業利益+34.5%、親会社帰属利益+72.6%となり、タイヤ事業の事業利益率が8.9%から15.1%へ改善したことが増益の中心である。連結営業利益率8.6%への転化はその他費用の増加により事業利益ほど高くない点は事実として押さえておきたい。

  2. 営業CFはマイナス291.1億円と親会社帰属利益147.2億円を下回り、法人税支払530.9億円や棚卸資産増加106.5億円が要因となっている。通期計画に対するQ1進捗率も営業利益13.6%・親会社帰属利益13.5%と、売上高進捗23.4%を下回っており、下期の利益とキャッシュ創出の実績確認が今後のポイントとなる。

  3. のれんは純資産の32.0%を占め、IFRS下で非償却のため、取得事業の収益性が資本の質に与える影響は継続的な観察対象である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)6,850円
base(基準)7,062円
bull(強気)7,266円
算出前提値
1株純資産(BPS)6,617円
調整後予想EPS764.6円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向24.8%
予想EPSの信頼度調整×1.103(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.07倍 / 9.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 6,861円〜7,272円、ω±0.1で 7,051円〜7,078円。

注記:

  • 純資産に対するのれんの比率が高く、減損が発生した場合は前提が大きく変わります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。