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50762026 第3四半期プライムIFRS

インフロニア・ホールディングス(5076) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は7,686億円(前年同期比+27.2%)、営業利益は605.4億円(同+94.0%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

建設・資材/建設業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥7686.3億¥6044.2億+27.2%
営業利益¥605.4億¥312.0億+94.0%
税引前利益¥763.9億¥332.6億+129.7%
純利益¥522.3億¥206.1億+153.5%
ROE8.6%3.8%-

Executive Summary

2026年度第3四半期(9ヶ月累計)決算は、売上高7686億円(前年同期比+1642億円 +27.2%)、営業利益605億円(同+293億円 +94.0%)、税引前当期純利益764億円(同+354億円 +86.3%)、親会社帰属当期純利益515億円(同+308億円 +149.3%)と大幅な増収増益を達成。売上成長を大幅に上回る営業利益の伸びは収益構造の改善を示唆し、基本的1株当たり当期利益は200.74円(前年80.54円)と2.5倍に拡大。売上総利益1125億円で粗利益率は14.6%、営業利益率7.9%は前年5.2%から2.7pt改善したが、業種標準と比較して依然低位。

業績変動要因

【売上高】売上高7686億円は前年6044億円から+27.2%の大幅増収。売上債権が1795億円へ増加(前年比で契約資産を含め大幅増)していることから、大型プロジェクトの受注拡大と収益認識の進展が増収を牽引したと推察される。棚卸資産も172億円へ+34.4%増加しており、事業拡大に伴う在庫投入と進行中案件の増加が確認できる。為替や海外子会社の編入影響も寄与した可能性があるが、明細開示がないため推定に留まる。【損益】売上総利益1125億円(粗利率14.6%)から販管費等を控除し営業利益605億円(営業利益率7.9%)を計上、営業利益は前年312億円から+94.0%と売上成長率を大幅に上回る。この営業レバレッジの効果は固定費の吸収が進んだことを示す。金融収益215億円が営業外収益に寄与し、税引前利益764億円は前年比+86.3%。一時的要因として特記すべき特別損益の開示はないが、金融収益の規模から持分法投資損益や金融商品評価益の可能性がある。税引前利益764億円に対し親会社帰属純利益515億円で実効税率は約32.5%、前年(実効税率約33.3%)から微減し税負担はやや軽減。経常利益と純利益の乖離は主に税金と非支配持株主持分(非支配株主利益8億円)によるもので、構造的な乖離は確認されない。結論として、大幅な増収増益を達成し、収益性改善が顕著。

主要財務指標

【収益性】ROE 8.5%(前年同期推定値より改善、自社過去推移では純利益率6.8%・営業利益率7.9%と収益性は向上傾向)、営業利益率7.9%(前年5.2%から+2.7pt改善)、純利益率6.7%(前年3.4%から+3.3pt改善)、売上総利益率14.6%は建設業としては低位。ROE分解ではデュポン3因子で純利益率6.7%×総資産回転率0.405×財務レバレッジ3.12倍=ROE約8.5%、財務レバレッジの高さがROEを押し上げる構造。【キャッシュ品質】現金及び現金同等物1894億円で前年同期比増加、営業CF277億円は純利益522億円の0.54倍と低く、利益の現金化に課題。営業CF小計576億円から売上債権増加等の運転資本変動で営業CFが圧縮される構造。短期負債カバレッジは短期性の社債及び借入金2026億円に対し現金1894億円で約0.93倍、流動性バッファは限定的。【投資効率】総資産回転率0.405回転(年換算0.54回転)と低位、有形固定資産回転率は推定で約17.7回転と高水準だが、無形資産・のれん計4121億円が総資産の21.7%を占め資産効率を押し下げる。【財務健全性】自己資本比率30.3%(前年37.4%から-7.1pt低下)、負債資本倍率2.12倍と高レバレッジ構造。流動比率は流動資産9361億円÷流動負債(推定)で算出不可だが、流動資産が総資産の49.3%を占める一方、負債合計12893億円の内短期性負債2026億円が存在し満期ミスマッチリスクは確認要。有利子負債は社債及び借入金6008億円(短期2026億円+長期3982億円)で、負債依存度は高い。

キャッシュフロー分析

営業CFは277億円で純利益515億円の0.54倍に留まり、利益の現金裏付けに課題がある。営業CF小計576億円から運転資本の大幅な変動が営業CFを押し下げており、主因は売上債権の増加1040億円(契約資産含む)で、受注拡大に伴う資金の一時的な流出が確認できる。営業債務の増加や前受金の変動等も影響するが、総じて売掛金回収サイトの長期化(DSO約85日)が営業CF圧迫の背景。投資CFは-94億円で、主に有形固定資産の取得337億円が主因。設備投資は積極的で成長投資姿勢が窺えるが、投資が営業CFを超過し、フリーCFは184億円と限定的。財務CFは-95億円で配当177億円と自己株式取得6億円が主要な資金流出、一方で社債及び借入金の純増減は明細未開示ながら有利子負債は高水準を維持。現金は期中277億円増加し1894億円へ積み上がったが、この増加は営業CF+投資CF+財務CFの合計と整合し、資金繰りは現状安定的も営業CF改善が今後の鍵。短期負債に対する現金カバレッジ約0.93倍で流動性バッファはタイトであり、運転資本効率改善による営業CF正常化が急務。

収益の質

税引前利益764億円に対し営業利益605億円で、非営業純増は約159億円。内訳は金融収益215億円が大きく、持分法による投資損益や受取利息・配当、為替差益等が含まれると推察される。金融費用57億円を控除しても営業外純益は約158億円で、金融収益が売上高の2.8%を占める。経常利益と税引前利益の乖離は小さく、一時的な特別損益の影響は限定的。営業CFが純利益を下回る状況(営業CF/純利益0.54倍)から、収益の質には注意が必要。売上債権や契約資産の増加が会計上の利益を先行させているため、現金回収の進展が収益品質の改善指標となる。また、金融収益への依存度がやや高く、コア事業の営業利益からの持続性が重要な監視点。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高1兆1300億円(前期比+33.3%)、営業利益696億円(+47.6%)、親会社帰属純利益600億円(+85.1%)。第3四半期累計実績は売上高7686億円で進捗率68.0%(標準進捗75.0%に対し-7.0pt)、営業利益605億円で進捗率87.0%(標準75.0%に対し+12.0pt)、純利益515億円で進捗率85.8%(標準75.0%に対し+10.8pt)。売上進捗はやや遅れるが、営業利益・純利益は標準を上回るペースで進捗し、収益性改善が顕著。第4四半期に売上高3614億円、営業利益91億円、純利益85億円が必要だが、通常第4四半期は建設業の納期集中等で業績が偏重する傾向があり、予想達成は視野に入る。ただし、営業CFの改善と売掛金回収の正常化が予想達成と財務健全性維持の前提条件となる。

株主還元

年間配当は62円(第2四半期配当30円、期末配当予想30円)で、前年配当実績の明細未開示のため前年比較は省略。親会社帰属純利益515億円(Q3累計)を通期予想600億円で除すと年換算約687億円、配当性向は配当総額約159億円÷通期純利益予想600億円≒26.5%と推定(発行済株式数約2.566億株で計算)、報告の想定配当性向32.0%とやや乖離するが、いずれも持続可能な水準。自己株式取得は6億円と小規模で、総還元性向は配当中心に約28~32%程度と保守的。フリーCF184億円に対し配当177億円でFCFカバレッジは約1.04倍と概ねカバーされるが、設備投資が継続する中で営業CF改善が配当維持の条件。配当政策は現状利益水準と現金残高から安定的だが、運転資本管理と営業CF回復が今後の持続性を左右する。

リスク要因

(1) 低粗利構造による収益性リスク(粗利率14.6%、営業利益率7.9%)は、原価上昇や競争激化時に営業利益を圧迫する構造的脆弱性を内包。(2) 売掛金回収の長期化と運転資本負担(DSO約85日、売上債権1795億円)は営業CF圧迫と資金繰り悪化リスクを増大、売上債権の増加1040億円は今期顕著で注視要。(3) 高レバレッジと満期ミスマッチリスク(D/E 2.12倍、短期性負債2026億円vs現金1894億円)は金利上昇局面で利払い負担増と借換リスクをもたらし、自己資本比率30.3%は業種中央値60.5%を大幅に下回る財務脆弱性を示す。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 建設業種(2025年第3四半期、比較対象4社)との相対評価。収益性:営業利益率7.9%は業種中央値4.1%(IQR 1.9~5.8%)を上回り業種内で上位水準、純利益率6.7%も業種中央値2.8%(IQR 1.3~4.0%)を大幅に上回る。ROE 8.5%は業種中央値3.7%(IQR 1.7~6.6%)を上回り、レバレッジを活用した資本効率は相対的に高い。売上成長率+27.2%は業種中央値-3.5%(IQR -13.7~+6.2%)を大きく上回り、業種内で最も高い成長性。健全性:自己資本比率30.3%は業種中央値60.5%(IQR 56.2~67.8%)を大幅に下回り、業種内で最も低く財務レバレッジ依存度が高い。流動比率は算出困難だが、業種中央値2.07倍(IQR 1.90~3.18倍)と比較すると流動性バッファは限定的と推定。ネットデット/EBITDA倍率は業種中央値2.31(IQR 0.06~11.12)に対し自社値未算出だが、有利子負債6008億円とEBITDA推定約730億円から約8.2倍と推定され業種内で高水準。総括:高成長・高収益性を実現する一方、財務健全性は業種内で最も低く、成長投資と借入依存のトレードオフが顕著。業種:建設業(4社)、比較対象:2025年第3四半期、出所:当社集計。

決算上の注目ポイント

(1) 営業利益率の大幅改善(前年5.2%→7.9%)と売上成長率+27.2%の両立は、固定費レバレッジの効果と事業拡大による規模の経済が奏功している点が注目ポイント。今後の収益性持続には粗利率改善と原価管理の進展が鍵。(2) 営業CF/純利益0.54倍と利益の現金化が不十分な点は、売掛金回収サイト長期化(DSO約85日)と契約資産の膨張が要因。今後のモニタリングでは運転資本効率の改善と営業CFの正常化(目標営業CF/純利益0.8以上)を確認すべき。(3) 自己資本比率30.3%・D/E 2.12倍の高レバレッジ構造は、成長投資と有利子負債依存のバランスを示すが、業種内最低水準の財務健全性は金利上昇局面での脆弱性を内包。通期予想達成と営業CF改善が財務リスク軽減の条件となる。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度Q3累計は、連結範囲の拡大と収益性改善を背景に、売上高・営業利益・親会社所有者帰属利益がいずれも大幅増となった。売上高は前年同期比27.2%増の7,686.34億円である。営業利益は同94.0%増の605.41億円となり、増収率を大きく上回った。親会社所有者帰属利益は同149.3%増の514.59億円で、EPSは200.74円まで上昇した。売上総利益率は前年同期の13.1%から14.6%へ151bp改善した。販管費率は8.0%から7.9%へ約11bp低下し、増収効果が営業レバレッジとして表れている。営業利益率は5.2%から7.9%へ272bp上昇した。親会社帰属利益率も3.4%から6.7%へ328bp改善した。もっとも、営業利益率7.9%は一般的な8%超の良好水準にわずかに届かず、建設事業としては工事採算とコスト上昇の吸収力をなお確認する必要がある。税引前利益763.90億円は営業利益を158.49億円上回っており、215.47億円の金融収益が利益拡大に大きく寄与した。金融収益は売上高の2.8%に相当し、前年同期の58.88億円から大きく増加しているため、純利益の伸びを全額経常的な本業収益力とは評価しにくい。営業CFは277.26億円にとどまり、親会社帰属利益514.59億円に対する比率は0.54倍である。契約資産の増加が1133.45億円の営業CF押下要因となっており、工事進捗に伴う未請求・未回収資金の増加がキャッシュ転換を制約した。通期会社計画に対するQ3累計の営業利益進捗率は87.0%、親会社帰属利益進捗率は85.8%であり、ともに標準的な75%を10%以上上回る。一方、売上高進捗率は68.0%であり、通期達成には第4四半期の売上計上が重要となる。今後は、契約資産の回収、DSO、資材・労務費上昇下での完成工事総利益率、ならびに金融収益の再現性が業績評価の焦点となる。

収益性分析

年換算ROEは11.3%で、純利益率6.7%×総資産回転率0.540倍×財務レバレッジ3.12倍に分解される。ROEは10~15%の良好レンジに位置するが、資本効率は収益性だけでなく3.12倍のレバレッジにも支えられている。最も大きな改善要因は利益率であり、営業利益率は前年同期比272bp、親会社帰属利益率は同328bp上昇した。粗利益率が151bp改善し、販管費率も約11bp低下したことから、増収と固定費吸収が営業利益の前年同期比94.0%増につながった。売上高の前年同期比27.2%増に対し販管費は25.4%増にとどまり、販管費の増加率が売上成長率を下回った点は正の営業レバレッジである。連結子会社の新規連結が22社あることは、売上規模拡大と固定費吸収に寄与した可能性が高い。一方、税引前利益が営業利益を26.2%上回る構造は、金融収益215.47億円と金融費用56.98億円による純金融収益158.49億円に依存する。CFA5因子では税負担係数0.674であり、実効税率31.6%を反映して0.70未満となった一方、金利負担係数1.262は純金融収益により1を上回る。建設業では案件採算、設計変更、資材・外注費および工期進捗によって利益率が変動し得るため、金融収益を除く営業利益率7.9%の持続性を優先して確認すべきである。なお、その他費用68.83億円の中に減損損失50.71億円が計上されており、営業段階での一過性コストの有無も今後のマージン評価に重要である。

成長性評価

売上高は前年同期比27.2%増、営業利益は同94.0%増であり、増収を上回る利益成長を達成した。新規連結子会社22社に加え、契約資産が前年同期の2,301.41億円から4,705.33億円へ104.5%増加していることから、施工・案件規模の拡大が売上成長の基盤となっている。もっとも、契約資産の急増は進捗に対する請求・回収のタイミングが後ずれする局面では資金負担を伴う。通期計画は売上高1兆1,300億円、営業利益696億円、親会社所有者帰属利益600億円である。Q3累計の売上高進捗率は68.0%で、標準的な75%を7.0ポイント下回る。対して営業利益進捗率は87.0%で標準を12.0ポイント、親会社帰属利益進捗率は85.8%で同10.8ポイント上回る。第4四半期には売上高3,613.66億円、営業利益90.59億円、親会社所有者帰属利益85.41億円が計画達成の目安となる。売上計画の未達リスクは第4四半期の工事完成・収益認識の集中度に左右される一方、利益計画には現時点で相応のバッファーがある。なお、親会社帰属利益の進捗優位には本業の採算改善に加え、金融収益の増加も寄与しており、利益計画の上振れ余地を評価する際には同収益の継続性を分けてみる必要がある。

財務健全性

流動資産9,353.41億円に対し、流動負債は負債合計1兆2,893.08億円から固定負債5,567.04億円を控除した7,326.04億円であり、流動比率は127.7%である。流動資産が流動負債を2,027.37億円上回っており、短期の満期ミスマッチは現時点で顕著ではない。現金及び現金同等物は1,894.03億円で、短期借入金・社債2,025.62億円および流動リース負債168.69億円への対応力を補完する。もっとも、流動資産には契約資産4,705.33億円が含まれ、建設工事の請求・回収時期に依存するため、流動性の実効性は契約資産の現金化速度に左右される。品質アラートである負債資本倍率2.12倍は2.0倍を超えており、負債による事業・買収資金の活用度が高いことを示す。実際に短期借入金・社債は前年同期比236.6%増の2,025.62億円、非流動の借入金・社債は18.9%増の3,981.73億円となった。自己資本比率は前年同期の35.8%から30.3%へ5.5ポイント低下しており、資産拡大が資本の増加を上回った。リース負債は流動・非流動合計411.90億円で、使用権資産357.27億円と併せて固定的な支払義務として管理を要する。固定引当金376.92億円および退職給付債務310.31億円も中長期の資金需要に関係する。のれんは1,823.50億円で純資産の30.0%、総資産の9.6%を占める。のれん/純資産は健全目線の30%の上限近傍であり、現時点で50%超の警戒域ではないものの、買収先の収益計画未達時には減損が自己資本に与える影響を監視すべきである。無形資産は総資産の12.1%であり、20%未満のバランスの取れた水準に収まる。

B/S変動のポイント

契約資産: +2,403.92億円(+104.5%)- 施工・案件規模の拡大を示す一方、営業CFでは1,133.45億円の資金流出となった。請求・検収・回収への転換が最重要の監視項目。短期借入金・社債: +1,423.83億円(+236.6%)- 運転資金および事業拡大に対する短期資金調達の増加。負債資本倍率2.12倍と併せ、借換え・金利上昇への耐性を注視。総資産: +4,470.62億円(+30.8%)- 契約資産を中心とする運転資本と事業基盤の拡大。自己資本比率は35.8%から30.3%へ低下した。棚卸資産: +44.07億円(+34.4%)- 金額規模は総資産の0.9%にとどまるが、工事関連資産の滞留や案件進捗との整合性を確認すべき変動。買掛金: +622.20億円(+22.9%)- 調達・外注規模の拡大を反映する可能性がある。もっとも営業CF上は197.91億円の仕入債務減少となっており、支払進行がキャッシュを抑制した。のれん: +237.08億円(+14.9%)- 事業取得・連結範囲拡大に伴う増加とみられる。純資産に対する比率は30.0%であり、取得事業の収益性と減損リスクを継続監視。利益剰余金: +413.69億円(+14.9%)- 利益蓄積が進んだが、総資産の拡大ペースを下回り、自己資本比率の低下を完全には相殺していない。

キャッシュフロー品質

営業CFは277.26億円で、親会社所有者帰属利益514.59億円に対する営業CF/純利益は0.54倍となり、0.8倍を下回る品質アラートに該当する。根本要因は、契約資産の増加による1,133.45億円の資金流出である。建設業では工事進捗と出来高請求・入金の時差により契約資産が増加し得るが、残高が4,705.33億円まで拡大しているため、回収遅延や大型案件の精算遅れが長期化すれば資金繰りを圧迫する。売上債権は104.04億円の減少により営業CFを支えたものの、DSOは64日と60日超のアラート水準にある。これは売上規模拡大に対して売掛金残高が1,795.13億円と前年同期比19.1%増加していることを反映しており、請求・回収管理は継続課題である。仕入債務は197.91億円減少しており、支払の進行も営業CFを抑制した。棚卸資産増加による影響は13.26億円の小幅な流出にとどまる。アクルーアル比率1.2%は5%未満であり、会計上の利益に過度な見積計上があることを示す水準ではない。営業CFから設備投資336.84億円を控除した設備投資後の現金収支は59.58億円のマイナスであり、配当支払177.38億円を内部営業キャッシュだけで賄う構造ではない。一方、投資CF全体は93.47億円の流出にとどまるため、営業CFと投資CFを合算した報告ベースのFCFは183.79億円のプラスである。財務CFは506.71億円のプラスであり、借入金等による資金調達が現金及び現金同等物の699.01億円増加を支えた。したがって、当期のキャッシュフロー品質は契約資産の回収進展と、投資・株主還元を賄う営業キャッシュの改善が確認できるまで慎重に評価すべきである。

配当持続性

会社予想の年間配当は1株当たり92.00円であり、Q2までの30.00円に対して期末配当は62.00円が前提となる。予想EPS229.71円に対する予想配当性向は約40.1%で、配当のみの基準として60%未満に収まる。通期の親会社所有者帰属利益予想600.00億円に対しても、年間配当総額は発行済株式数ベースで約252.86億円となり、配当性向は約42.1%である。自己株式取得額は0.01億円と極めて小さいため、総還元性向ではなく配当性向で評価するのが適切である。Q3累計の配当支払177.38億円に対して、報告ベースのFCF183.79億円は2.23倍のカバレッジとされ、累計配当の支払い自体はカバーしている。ただし、設備投資後の営業キャッシュは59.58億円のマイナスであり、FCFカバレッジは設備投資以外の投資キャッシュフローを含む定義に依存する。営業CF/純利益0.54倍、契約資産の大幅増加、ならびに財務CFへの依存を踏まえると、配当の持続性は会計利益より契約資産の回収による営業CF回復が鍵となる。現状の予想配当性向は利益面では無理のない水準であるが、設備投資と配当を同時に継続するにはキャッシュ転換の改善が望ましい。

リスク評価

ビジネスリスクとして、高優先度(発生可能性: 中、影響度: 高): 契約資産は4,705.33億円で前年同期比104.5%増加し、営業CFでは1,133.45億円の資金流出要因となった。建設工事の出来高請求、変更契約、顧客検収または最終精算が遅延した場合、利益の現金化が遅れる。、高優先度(発生可能性: 中、影響度: 高): 建設業固有の資材価格・労務費・外注費の上昇、技能労働者不足、天候・自然災害による工期遅延は、7.9%まで改善した営業利益率を圧迫し得る。、中優先度(発生可能性: 中、影響度: 中): 粗利益率14.6%は20%未満の品質アラート水準であり、工事別採算の悪化、固定価格契約におけるコスト超過、追加工事の価格転嫁不足に対する耐性は高くない。、中優先度(発生可能性: 中、影響度: 中): 新規連結子会社22社を伴う事業拡大では、PMI、案件管理、内部統制および安全品質管理の統合が収益性の持続性を左右する。、中優先度(発生可能性: 中、影響度: 中): のれん1,823.50億円は純資産の30.0%を占める。取得事業の利益計画が未達となれば、将来の減損損失が発生し得る。が挙げられます。

財務リスクとしては、高優先度(発生可能性: 中、影響度: 高): 負債資本倍率2.12倍は2.0倍超のレバレッジ警告であり、自己資本比率も前年同期比5.5ポイント低下して30.3%となった。金利上昇や営業キャッシュの弱含みは資本構成への負荷を増幅する。、高優先度(発生可能性: 中、影響度: 高): 営業CF/純利益は0.54倍で、利益成長に対するキャッシュ転換が弱い。契約資産増加が継続すれば、運転資金を借入で補う必要性が高まる。、中優先度(発生可能性: 中、影響度: 中): DSO64日は60日超の警告水準である。売上債権の回収条件悪化や顧客別の入金遅延は運転資金負担を増加させる。、中優先度(発生可能性: 中、影響度: 中): 税引前利益は純金融収益158.49億円に支えられている。金融市場の変動や保有金融資産の収益低下により、営業利益を上回る税引前利益の構造が弱まる可能性がある。が挙げられます。

主な懸念事項としては、品質アラートの4項目、すなわち負債資本倍率2.12倍、営業CF/純利益0.54倍、DSO64日、粗利益率14.6%は相互に関連する。低マージンの工事で契約資産・売掛金の回収が遅れる場合、レバレッジの上昇を招きやすい。、通期営業利益計画に対する進捗は87.0%と高い一方、売上高進捗は68.0%である。第4四半期の売上認識の集中と工事採算の変動が、年間計画達成の主要な変数となる。、当期の純利益拡大には金融収益の増加が寄与しているため、本業の利益成長と非営業要因を区別して継続的に評価する必要がある。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、売上高前年同期比27.2%増に対し営業利益同94.0%増となり、粗利益率改善と販管費率低下による営業レバレッジが顕在化した。、年換算ROE11.3%は良好水準だが、財務レバレッジ3.12倍と純金融収益の寄与を含む資本効率である。、通期営業利益・親会社帰属利益はQ3時点で計画進捗が各87.0%、85.8%と高い。、契約資産の急増を主因に営業CF/純利益が0.54倍となっており、利益の現金化が最重要の確認事項である。、予想配当性向は約40%で利益面の余力はあるが、設備投資後営業キャッシュの弱さから、配当のキャッシュ裏付けは運転資本改善に依存する。が挙げられます。

注視すべき指標は、契約資産残高、契約資産から売上債権・現金への転換速度、DSO64日の改善・悪化と売上債権残高、工事別の粗利益率、資材費・労務費・外注費の価格転嫁、短期借入金・社債2,025.62億円および負債資本倍率2.12倍、金融収益215.47億円の構成と再現性、のれん1,823.50億円に対する取得事業の収益進捗と減損兆候、第4四半期の売上高3,613.66億円、営業利益90.59億円の計画達成状況です。

セクター内ポジションについては、収益性では営業利益率7.9%と年換算ROE11.3%が良好レンジに近接・または位置する一方、建設業のキャッシュフロー評価では契約資産の大幅増加、DSO64日、営業CF/純利益0.54倍が相対的な弱点である。流動比率127.7%により短期流動性は維持されるが、負債資本倍率2.12倍と自己資本比率30.3%は、資本保守性より成長・買収投資を優先した財務プロファイルを示す。