| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥11248.8億 | ¥8475.5億 | +32.7% |
| 営業利益 | ¥758.0億 | ¥471.5億 | +60.8% |
| 税引前利益 | ¥1072.5億 | ¥497.6億 | +115.5% |
| 純利益 | ¥781.9億 | ¥328.4億 | +138.1% |
| ROE | 12.1% | 6.1% | - |
2026年3月期決算は、売上高11,248.8億円(前年比+2,773.3億円 +32.7%)、営業利益758.0億円(同+286.5億円 +60.8%)、経常利益989.1億円(同+465.4億円 +88.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益765.7億円(同+441.6億円 +136.2%)となり、大幅な増収増益を達成した。売上高は3期データが不足するため単年評価となるが、営業利益率は6.7%で前年比+1.2pt、純利益率は7.0%で前年比+3.4pt改善し、収益性の構造的向上が確認できる。土木事業が売上+81.0%と急拡大し営業利益2,606.0億円を計上、建築事業も売上+36.9%で営業利益2,216.0億円と主力2事業が牽引した。金融収益396.8億円の増加と関連会社株式売却益149.1億円が税引前利益を押し上げる一方、減損損失74.3億円が一部相殺した。営業CFは1,927.8億円(前年比+386.8%)と純利益の2.5倍に達し、フリーCF1,535.2億円は配当177.4億円を大幅に上回り、財務健全性と株主還元の両立が可能な状況となった。
【売上高】 売上高は11,248.8億円で前年比+32.7%と大幅増収を達成した。セグメント別では建築事業4,977.3億円(+36.9%)、土木事業2,649.5億円(+81.0%)、舗装事業2,822.4億円(+7.3%)、インフラ運営事業374.2億円(+21.6%)が主要貢献した。機械事業は395.0億円(-3.7%)と微減となった。建築事業は集合住宅・物流施設の需要取り込みと三井住友建設との統合効果が寄与、土木事業は橋梁・トンネル等の大型案件進捗が加速、舗装事業はアスファルト合材市況の安定と公共工事の継続が下支えした。インフラ運営事業は再生可能エネルギー事業の稼働拡大と公共コンセッション案件の運営開始が売上増に寄与した。売上総利益は1,639.7億円(前年1,155.1億円)で粗利率14.6%(前年13.6%)と+1.0pt改善し、価格転嫁の成功と工種ミックスの適正化が確認できる。
【損益】 営業利益は758.0億円(前年471.5億円、+60.8%)で営業利益率6.7%(前年5.6%)と+1.2pt改善した。販管費は941.6億円で販管費率8.4%(前年8.1%)と+0.3pt増加したが、粗利率改善がこれを上回り営業レバレッジが発現した。持分法による投資損益は-5.8億円(前年+13.6億円)と転じたものの、関連会社投資に係る売却益149.1億円の計上により事業利益は841.3億円(前年485.4億円)に達した。その他の収益22.2億円に対しその他の費用105.5億円(うち減損損失74.3億円)を計上し、営業利益は758.0億円となった。金融収益は396.8億円(前年105.0億円)と大幅増加し、配当収入29.7億円、利息収入24.3億円に加え評価益等が寄与した。金融費用は82.4億円(前年78.9億円)で微増にとどまり、経常利益は989.1億円(前年497.7億円、+88.9%)となった。法人税等は290.5億円(前年169.1億円)で税負担率27.1%、親会社株主に帰属する当期純利益は765.7億円(前年324.2億円、+136.2%)で純利益率7.0%(前年3.8%)と+3.2pt改善した。結論として、増収増益の好決算となった。
建築事業は売上4,977.3億円(+36.9%)、事業利益221.6億円(前年142.2億円)で事業利益率4.4%(前年3.9%)と+0.5pt改善した。集合住宅や工場・物流施設の受注拡大と三井住友建設統合による規模拡大が寄与した。土木事業は売上2,649.5億円(+81.0%)、事業利益260.6億円(前年157.9億円)で事業利益率9.8%(前年10.8%)と-1.0pt低下したが、絶対額では大幅増益となり橋梁・トンネル等の大型案件進捗が牽引した。舗装事業は売上2,822.4億円(+7.3%)、事業利益213.8億円(前年199.1億円)で事業利益率7.6%(前年7.6%)と横ばいを維持、公共工事の堅調推移とアスファルト合材の価格転嫁が下支えした。機械事業は売上395.0億円(-3.7%)、事業利益19.3億円(前年22.8億円)で事業利益率4.9%(前年5.5%)と-0.6pt低下し、建設機械レンタル市場の一時的調整が影響した。インフラ運営事業は売上374.2億円(+21.6%)、事業損失-17.5億円(前年-22.0億円)で赤字幅は縮小したが、再生可能エネルギー・コンセッション事業の初期投資負担が継続した。その他セグメントは売上30.4億円、事業利益154.6億円(前年18.5億円)で関連会社投資売却益149.1億円の計上により大幅増益となった。
【収益性】ROE13.6%は前年7.1%から+6.5pt改善し、業種中央値7.0%を+6.6pt上回る高水準となった。営業利益率6.7%は前年5.6%から+1.2pt改善し業種中央値5.5%を+1.2pt上回り、純利益率7.0%は前年3.8%から+3.2pt改善し業種中央値3.5%を+3.4pt上回った。粗利率14.6%(前年13.6%、+1.0pt)と販管費率8.4%(前年8.1%、+0.3pt)のバランスは良好で、販管費増加を粗利率改善が吸収し営業レバレッジが発現した。金融収益が売上高比3.5%を占め、営業外での利益押し上げ要因となった。【キャッシュ品質】営業CF1,927.8億円は純利益781.9億円の2.5倍、アクルーアル比率は-5.7%と極めて健全で、利益の現金裏付けは強固である。営業CF/EBITDA比率は約6.2倍(EBITDA=営業利益758.0+減価償却費446.1≒1,204.1億円)と高く、運転資本の入金超過(売掛金回収+契約負債増)が寄与した。DSO(売上債権回収日数)は約73日と建設業では標準的だが、契約資産3,721.9億円の増加に伴い出来高請求の回収リードタイムには注意が必要である。【投資効率】設備投資527.9億円は減価償却費446.1億円を上回り、成長投資姿勢が確認できる。のれん1,762.8億円は純資産6,452.3億円の27.3%で、のれん/EBITDA倍率は約5.7倍と許容レンジにあるが、継続的なM&Aに伴う減損リスクのモニタリングが重要である。【財務健全性】自己資本比率30.2%は前年37.4%から低下したが、業種中央値レンジに位置する。D/E比率は2.14倍(有利子負債5,733.0億円/純資産6,452.3億円の親会社持分6,106.0億円で計算すると約0.94倍)と高めだが、インタレストカバレッジは約9.2倍(EBIT758.0/金融費用82.4)で利払い耐性は高い。流動比率140%(流動資産1兆365.4億円/流動負債7,389.7億円)で短期資金繰りは良好、現金3,609.8億円は流動負債の約49%をカバーする。
営業CFは1,927.8億円(前年396.0億円、+386.8%)と大幅増加し、税引前利益1,072.5億円に対する現金転換率は179.8%と極めて高い。運転資本変動前の営業CF小計は2,245.8億円で、売上債権の減少574.4億円、仕入債務の増加237.9億円、契約負債の増加80.5億円が資金を生成した一方、契約資産の増加-159.7億円が資金を使用した。法人税等の支払293.1億円、利息の支払78.8億円、リース料の支払149.0億円を控除後も営業CFは潤沢であった。投資CFは-392.6億円で、設備投資-527.9億円(有形・無形合計)、子会社取得-346.8億円、公共施設運営権取得-44.2億円が主要支出となった。関連会社株式売却収入281.8億円とその他金融資産売却収入260.7億円が投資資金の一部を回収した。フリーCFは1,535.2億円(営業CF1,927.8-投資CF392.6)で前年121.0億円から大幅改善した。財務CFは866.8億円の流入で、短期借入金の純減少-833.5億円、長期借入金の返済-296.7億円、社債償還-150.0億円の一方、長期借入れ795.1億円、短期借入れ948.5億円、その他金融負債による収入686.8億円が資金を調達した。配当支払177.4億円を実施後も現金は2,414.8億円増加し、現金及び現金同等物残高は3,609.8億円(前年1,195.0億円)に達した。営業CFが純利益を大幅に上回る構造は、契約負債増と売掛金回収の進展に支えられ、キャッシュ創出力の高さを示している。
収益の主軸は建設事業の事業利益697.8億円(建築221.6+土木260.6+舗装213.8+機械19.3-インフラ運営17.5)で、営業ベースの経常的収益である。一時的要因として関連会社投資に係る売却益149.1億円が税引前利益を押し上げた一方、減損損失74.3億円が一時的費用として計上された。金融収益396.8億円は売上高比3.5%で、配当収入29.7億円、利息収入24.3億円に加え評価益等が含まれ、金利環境と有価証券評価に依存する外的要因のブレが潜む。持分法による投資損益-5.8億円は前年+13.6億円から転じ、関連会社業績の変動を反映した。営業CFが純利益の2.5倍に達しアクルーアル比率-5.7%と極めて良好なため、利益の現金裏付けは強固である。包括利益1,056.4億円は純利益781.9億円を+274.5億円上回り、その他の包括利益274.5億円(うち公正価値測定金融資産の評価益209.9億円、キャッシュフロー・ヘッジ56.9億円)が寄与した。評価益の実現可能性と金利環境の変動が今後の包括利益に影響する点に留意が必要である。経常的利益の中核は建設事業の事業利益であり、金融収益と関連会社売却益の一時的押し上げを除いた実力ベースの収益力を継続的に評価する必要がある。
翌期(2027年3月期)通期予想は売上高13,660.0億円(前年比+21.4%)、営業利益778.0億円(同+2.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益600.0億円(同-21.6%)、EPS予想229.26円、配当予想50.00円を計画している。売上は引き続き増収を見込むものの、純利益は減益計画となっている。これは関連会社投資売却益149.1億円と高水準の金融収益396.8億円の剥落、三井住友建設統合関連費用の先行計上、再生可能エネルギー・コンセッション事業の投資回収スケジュール、案件進捗配分の保守化を織り込んだものと推定される。営業利益は+2.6%増を計画し、事業基盤の収益力維持を想定している。配当予想50円は前年実績120円(期末90円+中間30円)から大幅減となっているが、これは予想の保守性と配当政策の見直しを反映した可能性がある。進捗率は営業利益ベースで97.4%(758.0/778.0)と高く、通期達成はほぼ確実だが、純利益は当期実績765.7億円に対し予想600.0億円で既に上回っており、上方修正の余地がある。
当期の年間配当は120円(中間30円+期末90円)で配当性向は43.1%(配当総額177.4億円/親会社帰属純利益765.7億円×発行済株式数調整後)となった。FCFカバレッジは約4.7倍(FCF1,535.2億円/配当支払177.4億円)と厚く、減配耐性は高い。自社株買いはCF計算書上でほぼゼロ(-0.0億円)で、総還元は配当中心の設計となっている。配当性向43.1%は安定配当を重視した水準で、利益剰余金は3,491.6億円(前年2,785.4億円、+25.4%)と積み上がっており、増配余地は十分にある。翌期配当予想50円は保守的な計画で、業績進捗に応じた増配の可能性がある。DOE(株主資本配当率)は開示値で3.6%だが、自己資本の成長(+18.9%)と整合的である。配当性向は過去実績と比較可能なデータがないため単年評価となるが、FCFカバレッジの高さと利益剰余金の増加から持続可能性は高いと評価できる。
大型案件の採算変動リスク: 建築・土木事業は固定価格契約が多く、契約資産3,721.9億円(前年2,301.4億円、+61.7%)と大幅増加している。工期遅延・資材高騰・設計変更等により出来高利益率が変動すると、将来の利益認識と現金回収に影響を及ぼす。契約負債1,055.9億円も前年491.1億円から倍増しており、前受金性質の資金流入は短期流動性を支える一方、履行義務の確実な遂行が求められる。
財務レバレッジと金利上昇リスク: 有利子負債(社債・借入金)は5,733.0億円(流動1,584.5+非流動4,148.6)で前年3,951.8億円から+45.1%増加し、D/E比率は高水準となった。インタレストカバレッジは約9.2倍で耐性はあるものの、金利上昇局面では利払い負担が増加しFCFを圧迫する。固定金利比率とリファイナンス計画の開示がないため、金利変動への感応度は不透明である。
のれん・無形資産の減損リスク: のれん1,762.8億円(前年1,586.4億円、+11.1%)と無形資産2,282.7億円(前年2,343.4億円、-2.6%)の合計は4,045.5億円で純資産6,452.3億円の62.7%を占める。のれん/EBITDA倍率は約5.7倍(のれん1,762.8/EBITDA1,204.1)で許容レンジだが、M&A統合効果の未達・事業環境悪化により減損損失が発生するリスクがある。当期は減損損失74.3億円を計上しており、継続的な回収可能性モニタリングが必要である。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 自己資本利益率 | 13.6% | 7.0% (3.0%–9.5%) | +6.6pt |
| 営業利益率 | 6.7% | 5.5% (3.5%–7.2%) | +1.2pt |
| 純利益率 | 7.0% | 3.5% (2.5%–4.4%) | +3.4pt |
自社のROE13.6%、営業利益率6.7%、純利益率7.0%はいずれも業種中央値を大きく上回り、建設業界内で上位の収益性を示している。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 32.7% | 9.8% (-2.1%–15.1%) | +22.9pt |
売上高成長率32.7%は業種中央値9.8%を+22.9pt上回り、M&A統合効果と大型案件取り込みによる急拡大が際立つ。
※出所: 当社集計
収益性の構造的改善と強固なキャッシュ創出力: 粗利率14.6%(前年比+1.0pt)と営業利益率6.7%(同+1.2pt)の改善は、価格転嫁の成功と工種ミックスの適正化を示す。営業CFは純利益の2.5倍、FCF1,535.2億円は配当177.4億円を大幅に上回り、成長投資と株主還元の両立が可能である。ROE13.6%は業種中央値7.0%を+6.6pt上回り、資本効率の高さが確認できる。
セグメント収益の安定化と投資回収の進捗: 土木事業(事業利益260.6億円、+65.0%)と建築事業(事業利益221.6億円、+55.8%)が主軸となり、舗装事業も安定寄与している。インフラ運営事業は赤字幅が縮小(-17.5億円、前年-22.0億円)し、再生可能エネルギー・コンセッション事業の投資回収が徐々に進展している。翌期減益計画は保守的で、一過性益剥落と統合費用を織り込んだものと見られ、上方修正余地がある。
財務レバレッジの高さと金利・減損リスクのモニタリング: D/E比率は高水準だが、インタレストカバレッジ約9.2倍、流動比率140%、現金3,609.8億円と資金繰りは良好である。ただし有利子負債の増加(+45.1%)と契約資産の拡大(+61.7%)は資金効率とリスク管理の継続的な注視を要する。のれん1,762.8億円の減損テスト結果と金利上昇局面での利払い負担増が今後の留意点となる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。