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50212026 第3四半期プライムJGAAP

コスモエネルギーホールディングス(5021) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は2兆81億円(前年同期比-1.5%)、営業利益は878.4億円(同-0.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

エネルギー資源/石油・石炭製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥20081.0億¥20384.3億−1.5%
営業利益¥878.4億¥880.9億−0.3%
経常利益¥834.9億¥974.8億−14.4%
純利益¥407.7億¥505.8億−19.4%
ROE(年換算)7.6%9.5%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計は減収減益となり、主力の石油事業の市況減速と営業外収支の悪化が最終利益を圧迫した。売上高は2兆81億円(前年同期比-1.5%)、営業利益は878.4億円(同-0.3%)とほぼ横ばいだったが、経常利益は834.9億円(同-14.4%)、純利益(連結の当期純利益)は407.7億円(同-19.4%)と下段の利益ほど減少幅が拡大した。粗利率は改善したものの、販管費増加と為替差損への転換、高い実効税率が営業外・税負担段階で利益を削いだことが主因である。

業績変動要因

【売上高】売上高は2兆81億円で前年同期比-1.5%。主力の石油事業が同-2.1%の1兆7,157億円と全体を押し下げた一方、石油化学(+1.6%)、石油開発(+8.8%)、再生可能エネルギー(+25.6%)は増収を確保した。セグメント構成比は石油事業が全体の85%超を占め、単一事業への依存度が高い。

【損益】営業利益は878.4億円(同-0.3%)で本業収益はほぼ維持されたが、経常利益は834.9億円(同-14.4%)、純利益は407.7億円(同-19.4%)と下段ほど悪化が拡大した。要因は営業外収支の悪化で、前年同期の為替差益54億円が当期は為替差損21.3億円へ転換し、支払利息も増加した。特別損益は差引39.2億円の損失で、固定資産除却損66.5億円が主因の一時的要因である。税引前利益795.7億円に対し法人税等388.0億円で実効税率は48.8%と高く、税負担が純利益の下押しに寄与した。結論として減収減益である。

セグメント別分析

石油事業は売上高1兆7,157億円(同-2.1%)、セグメント利益369.3億円(同-7.9%)で経常利益の最大の貢献事業だが、利益率2.2%と低マージンにとどまる。石油化学事業は売上高2,246.8億円(同+1.6%)、セグメント損失15.6億円(前年の損失から67.9%改善)で赤字縮小が続く。石油開発事業は売上高366.8億円(同+8.8%)と増収だが、セグメント利益378.7億円(同-28.3%)と減益で、利益率は103.2%と突出して高く資源価格・生産量への感応度が大きい。再生可能エネルギー事業は売上高108.4億円(同+25.6%)、利益8.7億円で前年同期の損失から黒字転換した。事業ポートフォリオの多角化が進んでいる点が観察される。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は4.4%で前年同期4.3%とほぼ同水準、経常利益率は4.2%で前年同期4.8%から低下、純利益率(親会社株主帰属ベース)は1.7%で前年同期2.1%から縮小した。【キャッシュ品質】包括利益は424.2億円で純利益407.7億円を上回り、有価証券評価差額金18.6億円などのOCIがプラスに寄与した一方、為替換算調整額は-6.3億円とマイナス要因となった。【投資効率】ROE(年換算)は7.6%で、税引前利益795.7億円に対し法人税等388.0億円と実効税率は48.8%と高く、税前収益の改善が最終利益へ十分に転化しにくい構造である。【財務健全性】自己資本比率は32.8%で前年同期並みを維持し、総資産21,934.7億円、純資産7,190.7億円といずれも前年から増加した。現金及び預金は1,418.5億円で、有利子負債は短期借入金2,494.0億円、長期借入金2,216.0億円、社債528.1億円から構成される。

キャッシュフロー分析

CF計算書の直接データは開示されていないため、BS変動から資金動向を分析する。現金及び預金は1,418.5億円で前年同期の1,269.3億円から増加した一方、短期借入金は2,494.0億円へ+272.1億円増加し、短期資金調達への依存度が高まった。長期借入金は2,216.0億円へ-433.4億円減少しており、負債の満期構成が長期から短期へシフトしている。売掛金は3,743.4億円(+246.5億円)、製品在庫は2,216.0億円(+253.0億円)増加しており、これらの運転資本の積み増しが資金需要を高めている可能性がある。有形固定資産は8,848.0億円(+134.2億円)と投資が継続しており、資本集約型事業としての設備維持・更新投資が資金使途の中心にあるとみられる。

収益の質

当期の収益は経常的な事業収益と一時的要因が混在する。営業利益はほぼ前年並みを維持し本業の実力は安定的だが、経常利益以下で悪化が目立つのは、為替差損21.3億円への転換や支払利息40.5億円の負担など、非経常性の強い営業外項目の影響が大きい。特別損益は差引39.2億円の損失で、固定資産除却損66.5億円が中心であり、投資有価証券売却益10.1億円や固定資産売却益12.1億円と相殺されている。包括利益424.2億円は純利益407.7億円を上回り、有価証券評価差額金や繰延ヘッジ損益がプラス方向に寄与した一方、為替換算調整額はマイナスとなっており、包括利益と純利益の間には為替要因を軸とした一定の乖離が観察される。実効税率48.8%という高い税負担は、税前利益の改善が最終利益に十分反映されない構造的な要因であり、収益の質を評価する上で継続的な確認が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期予想は2025年5月公表分から変更されておらず、業績予想・配当予想の修正はいずれも「無」である。第3四半期累計の進捗率は売上高77.8%、営業利益71.4%、経常利益69.0%、純利益(親会社株主帰属ベース)65.9%と、標準的な75%進捗との比較で売上高は上回るが、利益系統は下回っている。通期の経常利益予想1,210.0億円(同-19.7%)は当期までの経常利益の落ち込みと整合的な水準であり、第4四半期の石油・石油開発事業の採算改善及び営業外収支の安定化が通期予想達成の鍵となる。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり150円である。2026年3月期は10月1日付で1株を2株とする株式分割を実施しており、分割の影響を考慮しない前提での年間配当予想は330円(中間150円、期末180円)となる。配当のみを対象とした配当性向は、当期累計の純利益水準との比較で60%を上回る水準にあり、配当のみの持続可能性の観点からはモニタリングが必要な水準といえる。自己株式は前年同期のマイナス38.7億円からマイナス1.4億円へ大幅に縮小しており、資本政策・株主還元に関連する取引の内容は配当性向とは別に確認する必要がある。

リスク要因

  1. 石油事業への収益集中: 石油事業は外部売上高の85%超、セグメント利益369.3億円を占める最大の収益源である。原油価格や国内製品マージンの変動が連結業績全体に大きく波及する構造である。

  2. 為替・営業外収支の変動: 前年同期の為替差益54.4億円が当期は為替差損21.3億円へ転換し、経常利益を押し下げた。輸入原油や外貨建て資金調達を通じた為替感応度の高さが観察される。

  3. 財務レバレッジと短期資金依存: 短期借入金が前年同期比+272.1億円増加し、短期負債は流動負債の過半を占める。現金及び預金と短期負債の比率は1倍を下回り、資金繰り環境の変化に対するモニタリングが必要である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率4.4%8.6% (4.3%–12.7%)−4.2pt
純利益率2.0%6.4% (2.8%–10.3%)−4.4pt

自社の収益性は業種中央値を下回り、営業利益率・純利益率ともに製造業平均の半分程度の水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−1.5%3.3% (-2.1%–8.9%)−4.8pt

自社の売上成長率は業種中央値を下回り、IQR下限に近い水準にある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 粗利率は前年同期から改善したが、販管費増加率が売上高減少率を上回ったため営業利益率は横ばいにとどまった。固定費・戦略投資の増減が今後の利益率改善の持続性を左右する構造が読み取れる。

  2. 石油化学事業の赤字縮小と再生可能エネルギー事業の黒字化は、石油事業への依存度が高いポートフォリオの中で、事業分散が進んでいることを示す変化点である。

  3. 通期予想は据え置かれているものの、第3四半期累計の利益進捗率(営業利益71.4%、純利益65.9%)は標準的な75%を下回っており、第4四半期の収益性回復の実現度が通期の利益予想達成を左右する注目点である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)4,181円
base(基準)4,324円
bull(強気)4,372円
算出前提
1株純資産(BPS)4,381円
調整後予想EPS386.1円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.150(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.99倍 / 11.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 4,202円〜4,450円、ω±0.1で 4,322円〜4,325円。

注記:

  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 43%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。