- 売上高: 13,337.82億円
- 営業利益: 602.54億円
- 当期純利益: 276.27億円
- 1株当たり当期純利益: 143.93円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 13,337.82億円 | 13,211.31億円 | +1.0% |
| 売上原価 | 11,817.96億円 | 11,962.57億円 | -1.2% |
| 売上総利益 | 1,519.86億円 | 1,248.73億円 | +21.7% |
| 販管費 | 917.31億円 | 836.60億円 | +9.6% |
| 営業利益 | 602.54億円 | 412.13億円 | +46.2% |
| 営業外収益 | 50.50億円 | 215.08億円 | -76.5% |
| 営業外費用 | 120.96億円 | 39.31億円 | +207.7% |
| 経常利益 | 532.08億円 | 587.90億円 | -9.5% |
| 税引前利益 | 526.47億円 | 522.72億円 | +0.7% |
| 法人税等 | 250.20億円 | 267.03億円 | -6.3% |
| 当期純利益 | 276.27億円 | 255.69億円 | +8.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 236.31億円 | 206.39億円 | +14.5% |
| 包括利益 | 280.18億円 | 244.28億円 | +14.7% |
| 減価償却費 | 288.06億円 | 280.25億円 | +2.8% |
| 支払利息 | 27.51億円 | 25.98億円 | +5.9% |
| 1株当たり当期純利益 | 143.93円 | 118.58円 | +21.4% |
| 1株当たり配当金 | 150.00円 | 150.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 10,309.57億円 | 10,791.08億円 | -481.51億円 |
| 現金預金 | 1,266.73億円 | 1,269.26億円 | -2.53億円 |
| 売掛金 | 3,512.10億円 | 3,496.93億円 | +15.17億円 |
| 棚卸資産 | 2,162.36億円 | 1,963.06億円 | +199.30億円 |
| 固定資産 | 10,838.10億円 | 10,773.70億円 | +64.40億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 1,204.07億円 | 211.74億円 | +992.33億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -710.85億円 | 282.90億円 | -993.75億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 1.8% |
| 粗利益率 | 11.4% |
| 流動比率 | 113.0% |
| 当座比率 | 89.3% |
| 負債資本倍率 | 1.95倍 |
| インタレストカバレッジ | 21.90倍 |
| EBITDAマージン | 6.7% |
| 実効税率 | 47.5% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +1.0% |
| 営業利益前年同期比 | +46.2% |
| 経常利益前年同期比 | -9.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +14.5% |
| 包括利益前年同期比 | +14.7% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 165.04百万株 |
| 自己株式数 | 923千株 |
| 期中平均株式数 | 164.19百万株 |
| 1株当たり純資産 | 4,369.08円 |
| EBITDA | 890.60億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 150.00円 |
| 期末配当 | 180.00円 |
| セグメント | 売上高 |
|---|
| OilExplorationAndProduction | 371.02億円 |
| Petrochemical | 235.35億円 |
| Petroleum | 451.82億円 |
| RenewableEnergy | 1.26億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 25,800.00億円 |
| 営業利益予想 | 1,230.00億円 |
| 経常利益予想 | 1,210.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 530.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 323.76円 |
| 1株当たり配当金予想 | 90.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度第2四半期のコスモエネルギーHDは、売上横ばいのなかで営業利益が大幅増益となり、営業段階の収益性改善が際立つ決算でした。売上高は13,337.82億円(前年同期比+1.0%)と微増ながら、営業利益は602.54億円(+46.2%)へ大幅増加し、営業利益率は約4.52%と前年から改善しました。試算ベースで営業利益率は約140bp拡大(前年約3.12%→当期約4.52%)し、グロスマージン(11.4%)と販管費コントロール(販管費率約6.9%)の改善寄与が示唆されます。一方で、経常利益は532.08億円(-9.5%)と減益で、営業外費用(120.96億円)の増加が営業段階の改善を相殺しました。営業外収益50.50億円に対し営業外費用120.96億円とネットで-70億円規模のマイナスであり、非営業要因(為替・ヘッジ・持分法・金利など)の逆風を示します。当期純利益は236.31億円(+14.5%)と二桁増益を確保したものの、実効税率が47.5%と高水準で、純利益率は1.8%にとどまっています。デュポン分解上のROEは3.3%で、総資産回転率0.631倍、財務レバレッジ2.95倍に対して純利益率の低さがボトルネックです。ROICは3.1%と警戒水準(<5%)で、投下資本効率の改善余地が大きいです。流動比率は113%(当座比率89.3%)と短期流動性は下限寄りながら、インタレストカバレッジ21.9倍と利払い耐性は強固です。営業キャッシュフローは1,204.07億円と純利益の5.1倍で、利益の質は期中時点では非常に高く、運転資本の解放または在庫/原油価格効果が寄与した可能性があります。推計FCFは約875億円(営業CF1,204億円−設備投資329億円)と大幅プラスで、財務CFは-711億円とレバレッジ抑制・株主還元(自己株買い47億円)に充当されたもようです。もっとも、配当性向(計算値)230.5%は純利益ベースでの過大を示し、利益ではなくCFベースでの政策運営の可能性が高い点に留意が必要です。総じて、営業段階は強い一方で、非営業損益と高税率が最終利益を圧迫しており、ROIC/ROEは資本コストを下回る水準にとどまっています。将来に向けては、非営業損益の正常化、税負担の平準化、在庫・原油価格のボラティリティ管理が最終利益の安定化と資本効率改善の鍵となります。短期的には営業CFの強さが資金繰りの安全弁となる一方、当座比率<100%や有利子負債水準を踏まえると、運転資本と借入の管理が重要です。資源・エネルギー市況(クラックマージン、原油/LNG)と為替の動向が来期以降の業績弾力性を規定すると見られます。データ上、持分法投資利益は未記載であり、商社型の利益ドライバー分析には制約がある点を明記します。結論として、営業力は改善しているが、非営業要因と税率が資本効率を抑制しており、CF創出力をてこにレバレッジとROICの改善をどこまで進められるかが焦点です。
ステップ1(ROE分解): ROE 3.3% ≒ 純利益率1.8% × 総資産回転率0.631 × 財務レバレッジ2.95。ステップ2(変化の大きい要素): 営業利益は+46.2%で営業利益率は約140bp改善した一方、非営業損益悪化と高税率で純利益率が伸び悩み、ROEの主要な抑制要因は純利益率です。ステップ3(ビジネス上の理由): 原油・精製マージンや製品スプレッドの改善、販管費の抑制で営業段階が改善した一方、為替差損やヘッジ損、金利費用や評価損などの営業外費用(120.96億円)が増加し、さらに実効税率47.5%が最終益を押し下げたと推測されます。ステップ4(持続性評価): 営業改善はマージン環境と自助努力に起因し一定の持続可能性はあるものの、非営業損益(為替・デリバティブ・在庫評価)と税率は市況・制度要因に左右されやすく一過性の振れも大きいです。ステップ5(懸念トレンド): 売上成長+1.0%に対し営業利益+46.2%と正の営業レバレッジが効いたが、経常利益-9.5%と非営業の逆風が強い点が懸念。純利益率の低位(1.8%)とROIC 3.1%は資本効率の継続的な課題を示します。
売上は+1.0%と横ばいで、数量/価格(原油価格)のミックスに起因する微増とみられます。営業利益は大幅増で、精製マージンやコスト効率化の寄与が示唆され、短期的な営業成長の質は良好です。他方、経常段階は非営業費用の増で減益、最終利益は高税率下でも増益確保と、成長の源泉が営業に偏重しています。純利益率は1.8%にとどまり、税率・非営業のボラティリティがボトルネックです。EBITDAは890.60億円(マージン6.7%)で減価償却288.06億円を十分にカバーし、キャッシュ創出力は良好。中期的見通しは、市況(原油・クラック・為替)次第の弾力性が大きく、非営業損益の正常化と税効果の平準化が持続的なEPS成長の鍵です。
流動比率113.0%(>100%だが<150%)で、短期資金繰りは可もなく不可もなし。当座比率89.3%は100%を下回り、在庫依存・短期負債(短期借入金1,761億円・買掛金3,584億円)への感応度が残ります。D/E(負債資本倍率)1.95倍はやや高めだが2.0倍を下回り、レバレッジ管理は概ね許容範囲。インタレストカバレッジ21.9倍と利払い余力は強固。総資産21,149億円に対し有利子負債は短長合計4,287億円、現金1,267億円でネット有利子負債約3,021億円、Debt/EBITDA約4.81倍と許容レンジ内。満期ミスマッチは、短期借入金と買掛金が大きく、流動資産(現金・売掛・棚卸合計約6,941億円相当)で賄えるが、当座比率<100%ゆえ在庫の換金性・価格ボラに注意。オフバランス債務の情報は未記載です。
営業CFは1,204.07億円で純利益236.31億円の5.1倍と非常に高品質。運転資本の解放(売掛・棚卸の減少)や在庫評価の影響が寄与した可能性が高いが、詳細内訳は未記載。設備投資329.18億円を控除した推計FCFは約874.9億円と強力で、財務CF-710.85億円(借入返済・自己株買い等)を十分にカバー。営業CF/純利益>1.0のため利益の現金化は良好だが、市況変動により運転資本が再び吸収に転じるリスクは残ります。運転資本操作の明示的な兆候はデータ不足で判別不能ですが、当座比率<100%と高い営業CFの組み合わせは短期での負債削減・在庫圧縮の実行を示唆します。
配当性向(計算値)230.5%は純利益ベースでは明確に不健全域だが、期中ベース/通期見通しや特別配当・自己株買いの組合せの影響がありうるため、単純な断定は避けるべきです。推計FCF約875億円は大きく、キャッシュフロー起点では還元余力を確保。ただし、CFは市況と運転資本の振れに左右されやすく持続性は不確実。配当金支払額・通期ガイダンス未記載のため、FCFカバレッジの厳密評価は不可。方針面では、レバレッジ低減とROIC改善を優先しつつ、自己株買いは機動的に実施している兆候(-46.94億円)。結論として、現行の高い性向が通期で維持可能かは不透明で、利益またはFCFに整合した水準への調整可能性を視野に入れるべきです。
ビジネスリスク:
- 原油価格・クラックマージンの変動による収益性の急変
- 為替変動(USD/JPY)による仕入・在庫評価・為替差損益の振れ
- 在庫評価損益の振れによる粗利と非営業損益のボラティリティ
- 精製設備の稼働率・保全コスト・停止リスク
- 環境規制強化・脱炭素トレンドによる中長期の事業構造リスク
財務リスク:
- 当座比率89.3%と短期負債依存の高さによる流動性リスク
- ネット有利子負債約3,021億円・Debt/EBITDA4.81倍のレバレッジリスク
- 非営業損益のマイナス(営業外費用120.96億円)拡大による経常益下押し
- 実効税率47.5%の高止まりによる最終利益率の制約
主な懸念事項:
- ROIC 3.1%と資本コスト未満の資本効率
- 経常利益が-9.5%減益と非営業要因の逆風継続
- 配当性向(計算値)230.5%の持続性懸念(データ未記載により精緻評価は不可)
- 持分法投資利益未記載により利益構造の全体像把握に制約
重要ポイント:
- 営業段階は強含みで営業利益率は約140bp改善
- 非営業損益悪化と高税率が最終利益率を抑制
- 営業CFは1,204億円と高水準でFCFも大幅プラス推計
- ROIC 3.1%・ROE 3.3%と資本効率は依然低位
- 流動性は許容も当座比率<100%で在庫・短期負債の管理が鍵
注視すべき指標:
- クラックマージン・在庫評価の動向と粗利への影響
- 非営業損益(為替・ヘッジ・利息)の推移
- 実効税率の平準化進捗
- 運転資本回転(売掛・棚卸の推移)と営業CFの持続性
- レバレッジ(Debt/EBITDA、ネットD/E)とROICの改善度合い
セクター内ポジション:
国内エネルギー精製・販売ピアの中で、今期は営業面の回復力が目立つ一方、非営業・税負担の重さで資本効率は同業上位とは言い難い。キャッシュ創出力は強まり、財務体質改善の余地と余力を有する中位ポジション。
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