| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥26775.8億 | ¥27999.5億 | -4.4% |
| 営業利益 | ¥1447.9億 | ¥1282.5億 | +12.9% |
| 経常利益 | ¥1492.5億 | ¥1507.6億 | -1.0% |
| 純利益 | ¥822.4億 | ¥589.3億 | +39.6% |
| ROE | 11.2% | 8.3% | - |
2026年3月期通期決算は、売上高26,775.8億円(前年比-1,223.7億円 -4.4%)、営業利益1,447.9億円(同+165.4億円 +12.9%)、経常利益1,492.5億円(同-15.1億円 -1.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益822.4億円(同+233.1億円 +39.6%)。売上高は原油価格下落と数量減で減収となったが、精製・販売マージンの改善と販管費抑制により営業段階で大幅増益。粗利率は12.5%(前年10.9%)へ+1.5pt改善、営業利益率は5.4%(前年4.6%)へ+0.8pt改善した。経常利益は営業外収益の為替差益縮小(32.4億円、前年162.1億円)で微減だが、営業基盤の強化でカバー。純利益は事業構造改革費用168.6億円を計上したものの、前年同費用168.6億円から横ばいで、法人税負担の適正化と非支配株主利益の増加(82.2億円、前年12.6億円)を経て+39.6%の大幅増益を達成した。
【売上高】売上高は26,775.8億円(前年比-4.4%)と減収。主因は原油・製品価格の下落と数量減で、石油事業は23,855.7億円(-4.8%)、石油化学事業は3,327.7億円(-2.2%)、石油開発事業は1,303.5億円(-3.2%)とコア3事業が揃って減少。一方、再生可能エネルギー事業は165.1億円(+24.2%)と拡大し、ポートフォリオ多角化が進展。セグメント別売上構成は石油89.1%、石油化学12.4%、石油開発4.9%、再エネ0.6%で、石油事業への依存度が高い。
【損益】営業利益は1,447.9億円(+12.9%)と増益。売上総利益は3,360.2億円(粗利率12.5%、前年10.9%から+1.5pt改善)で、精製マージンの改善と製品ミックスの最適化が寄与。販管費は1,912.3億円(販管費率7.1%)と前年1,785.7億円から+7.1%増加したが、粗利増(+1,754億円)で十分吸収し、営業利益率は5.4%(前年4.6%)へ改善。営業外では為替差益が32.4億円(前年162.1億円)へ縮小したが、受取利息49.2億円(前年61.5億円)と持分法投資利益2.1億円(前年31.3億円)の減少を経ても、営業段階の増益で経常利益1,492.5億円(-1.0%)と微減に留めた。特別損益はネット-37.1億円(投資有価証券売却益66.4億円、事業構造改革費用168.6億円等)で、前年同費用水準と同様の一時的費用を計上。法人税等は632.9億円(実効税率43.5%)で前年660.2億円から減少し、税引後純利益は822.4億円(+39.6%)の大幅増益。結論として減収増益を達成した。
石油事業は営業利益762.6億円(前年618.1億円、+23.4%)で主力セグメント。精製マージン改善と販売数量の維持が寄与し、セグメント利益率3.2%。石油化学事業は-30.8億円(前年-50.4億円)と赤字だが、赤字幅は縮小。スプレッド悪化と需給軟化が継続するも、コスト削減で改善傾向。石油開発事業は652.7億円(前年824.2億円、-20.8%)と高採算を維持するも減益。原油価格下落と生産減が影響したが、セグメント利益率50.1%と極めて高い収益性を確保。再生可能エネルギー事業は27.5億円(前年12.6億円、+118.3%)と倍増。風力発電所の稼働拡大が寄与し、セグメント利益率16.7%と高水準。その他は50.1億円(前年56.4億円)。調整額30.3億円を経て、連結経常利益は1,492.5億円。
【収益性】営業利益率5.4%(前年4.6%から+0.8pt改善)、純利益率3.1%(前年2.1%から+1.0pt改善)で、マージン改善とコスト規律が収益性を押し上げた。ROEは11.2%(前年9.7%から+1.5pt改善)で、純利益率の改善と総資産回転率1.22回転(前年1.30回転)、財務レバレッジ2.99倍(前年3.05倍)の組み合わせで構成される。EBITDAは2,031.4億円、EBITDAマージンは7.6%(前年6.6%から+1.0pt改善)。【キャッシュ品質】営業CF/純利益は2.60倍(営業CF2,137.4億円/純利益822.4億円)、営業CF/EBITDAは1.05倍と高く、利益の現金化は良好。アクルーアル比率は-17.5%((純利益822.4億円-営業CF2,137.4億円)/総資産21,965.6億円)で、キャッシュ主導の収益を示す。【投資効率】設備投資832.5億円は減価償却費583.5億円の1.43倍で、更新投資を上回る成長・効率化投資を実施。建設仮勘定608.9億円(有形固定資産比6.7%)は前年475.9億円から+28.0%増加し、将来稼働資産のパイプラインが拡大。【財務健全性】自己資本比率33.5%(前年32.8%から+0.7pt改善)、有利子負債4,419.6億円(短期借入金・CP3,016.2億円、長期借入金1,905.0億円、社債558.1億円)、Debt/EBITDA 2.18倍、インタレストカバレッジ26.8倍(EBITDA2,031.4億円/支払利息75.6億円)と負債耐性は良好。一方、流動比率108.6%、当座比率89.0%と短期流動性はタイトで、短期負債比率68.2%(流動負債9,948.9億円/総負債14,607.9億円)、現金/短期負債倍率0.55倍(現金1,659.0億円/流動負債9,948.9億円)とリファイナンスリスクには注意を要する。
営業CFは2,137.4億円(前年1,371.2億円、+55.9%)と大幅増加。営業CF小計(運転資本変動前)は2,546.8億円で、減価償却費583.5億円と堅調な税引前利益1,455.4億円が下支え。運転資本では売上債権の減少(+259.3億円)と棚卸資産の減少(+239.2億円)が資金流入に寄与し、仕入債務の微増(-22.2億円)を経て運転資本全体でプラス寄与。法人税等の支払447.0億円を差し引き、営業CFは2,137.4億円を確保。投資CFは-847.0億円(前年-1,456.9億円)で、設備投資832.5億円と投資有価証券の取得・売却ネット+29.3億円(取得31.0億円、売却82.9億円のネット影響)等を実施し、フリーCFは1,290.4億円(前年-85.7億円)と大幅改善。財務CFは-819.3億円で、長期借入金の返済602.5億円(調達195.0億円、返済602.5億円のネット-407.5億円)、自社株買い296.9億円、配当支払274.3億円を実施し、社債発行149.2億円とCP増加100.0億円で一部補填。期末現金は1,659.0億円(前年1,269.3億円、+30.7%)へ増加し、流動性バッファは強化された。
経常利益1,492.5億円に対し営業外収益137.1億円(受取利息49.2億円、為替差益32.4億円、その他55.5億円)、営業外費用92.5億円(支払利息54.1億円、その他38.4億円)で、営業外ネット+44.6億円は経常利益の3.0%と軽微。為替差益は前年162.1億円から32.4億円へ縮小し、一時的な為替押し上げ効果は剥落したが、営業段階の改善で補完。特別損益はネット-37.1億円(純利益の4.5%)で、投資有価証券売却益66.4億円、固定資産売却益12.1億円の一時的プラスに対し、事業構造改革費用168.6億円、減損損失5.7億円、固定資産除売却損1.4億円が一時的マイナス要因。前年も同水準の事業構造改革費用168.6億円を計上しており、構造改革は継続的だが利益水準の底上げに寄与する見込み。アクルーアル比率-17.5%はキャッシュ主導の収益を裏付け、営業CF/純利益2.60倍、営業CF/EBITDA1.05倍と利益の質は高い。実効税率43.5%は業種平均を上回り、税負担の高さが純利益を圧縮する要因となっている。
2027年3月期通期計画は売上高28,700.0億円(今期比+7.2%)、営業利益1,020.0億円(同-29.6%)、経常利益1,150.0億円(同-22.9%)、純利益440.0億円(今期比概算-46.5%、EPS277.10円)と保守的。売上増収見通しは原油価格・数量の前提改善を反映するが、営業・経常・純利益は大幅減益予想。主因は精製マージンの正常化と一時的好調の反転、石油化学の収益低迷継続、上流の減益を織り込む。通期配当は75.00円(今期実効165円相当から大幅減)で、配当性向は約27%と保守的に設定。進捗率は当期実績(半期時点で通期計画に対し約50%進捗と仮定)ベースでは順調だが、通期計画は下期のマージン後退と税負担正常化を慎重に見込む。会社は上記見通しに市況変動リスクを含むとし、実績は予想数値と異なる可能性を開示している。
今期配当は第2四半期末150円、期末90円の合計240円だが、2025年10月1日付で1株を2株に株式分割したため、実効年間配当は165円相当(分割考慮後の第2四半期末75円相当+期末90円)。配当性向は49.1%(配当のみベース、分割考慮後のEPS453.06円に対し)で、純利益の約半分を配当還元。自社株買いは296.9億円を実施し、総還元(配当274.3億円+自社株買い296.9億円)は571.2億円で総還元性向は69.5%。フリーCF1,290.4億円で総還元を十分にカバーし、FCFカバレッジは2.26倍と持続性は高い。現預金1,659.0億円、営業CF2,137.4億円と資金余力は潤沢で、配当・自社株買いの継続は可能。2027年3月期の配当計画は75.00円(今期実効165円から減額)で、配当性向は約27%(計画EPS277.10円ベース)と保守的に設定。利益見通しの慎重化とバランスシート強化を優先する方針が示唆される。
石油事業への高依存と市況変動リスク: 売上構成の89.1%を石油事業が占め、精製マージン・原油価格・需要サイクルの変動に業績が強く連動。通期計画では営業利益-29.6%の大幅減益を見込むが、精製マージンの想定下振れや需要低迷が深刻化すれば、利益水準は計画を下回る可能性。石油化学事業の赤字(-30.8億円)も継続しており、スプレッド悪化が長期化すれば固定費吸収が悪化し、全社利益への下押し圧力が強まる。
短期流動性とリファイナンスリスク: 流動比率108.6%、当座比率89.0%と短期流動性はタイトで、短期負債比率68.2%、現金/短期負債倍率0.55倍とリファイナンス感応度は高い。CP・短期借入金合計3,016.2億円(流動負債の30.3%)の借り換え環境が悪化すれば、資金調達コスト上昇や流動性逼迫のリスク。資産除去債務331.5億円(負債比2.27%)は業界標準の上限に近く、将来のキャッシュアウトが長期の資金繰りに影響を与える可能性。
高税負担と収益性圧迫: 実効税率43.5%(法人税等632.9億円/税引前利益1,455.4億円)は業種平均を上回り、純利益率を圧縮。税制変更や租税特別措置の縮小があれば、税負担がさらに増加し、株主還元や投資余力に影響。再エネ売上は+24.2%と拡大するが、全体の0.6%に留まり、脱炭素ポートフォリオ転換が加速しなければ、カーボンプライシングや環境規制の強化が将来のコスト負担増につながる。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 5.4% | 7.8% (4.6%–12.3%) | -2.3pt |
| 純利益率 | 3.1% | 5.2% (2.3%–8.2%) | -2.1pt |
営業利益率・純利益率ともに製造業中央値を下回り、業種内では中位~下位の収益性。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -4.4% | 3.7% (-0.4%–9.3%) | -8.1pt |
売上高成長率はマイナスで製造業中央値を大きく下回り、業種内では最下位グループ。
※出所: 当社集計
マージン改善と営業CF創出力の強さが決算の核心。売上-4.4%減ながら営業利益+12.9%、純利益+39.6%と増益を達成し、営業CF2,137.4億円(前年比+55.9%)、フリーCF1,290.4億円と資金創出は極めて強い。粗利率+1.5pt、営業利益率+0.8ptの改善は精製マージン改善とコスト規律の賜物で、石油事業の利益率改善と上流(石油開発)の高採算維持が下支え。一方、石油化学の赤字と為替差益縮小は利益のボラティリティを高める要因で、来期計画は営業利益-29.6%と大幅減益を織り込む。
短期流動性と負債構造に要注意。流動比率108.6%、当座比率89.0%と短期流動性はタイトで、短期負債比率68.2%、現金/短期負債0.55倍とリファイナンスリスクは中程度。有利子負債4,419.6億円のうちCP・短期借入金が3,016.2億円を占め、市況悪化時の資金調達コスト上昇リスクがある。長期借入金は744.4億円削減(-28.1%)し、デレバレッジは進展したが、短期調達への依存は高く、金利・流動性環境の変化に敏感。資産除去債務331.5億円(負債比2.27%)も長期キャッシュアウトの潜在負担。
脱炭素ポートフォリオ転換の進展と配当政策の平準化。再エネ売上は+24.2%と拡大し、建設仮勘定+28.0%増は将来の能力拡大を示唆。石油依存度89.1%と高いが、再エネの利益率16.7%と上流の利益率50.1%が高採算ポートフォリオを形成。配当は今期実効165円相当から来期75円へ減額するが、計画純利益440億円に対する配当性向27%は保守的で、利益見通しの慎重化とバランスシート強化を優先。自社株買い296.9億円を含む総還元はFCFでカバーされ、還元姿勢は維持されている。
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