- 売上高: 1,757.89億円
- 営業利益: -183.32億円
- 当期純利益: -181.62億円
- 1株当たり当期純利益: -235.31円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,757.89億円 | 4,271.90億円 | -58.8% |
| 売上原価 | 1,919.62億円 | 4,389.97億円 | -56.3% |
| 売上総利益 | -161.72億円 | -118.07億円 | -37.0% |
| 販管費 | 21.60億円 | 27.63億円 | -21.8% |
| 営業利益 | -183.32億円 | -145.70億円 | -25.8% |
| 営業外収益 | 15.20億円 | 24.12億円 | -37.0% |
| 営業外費用 | 14.29億円 | 15.23億円 | -6.2% |
| 経常利益 | -182.41億円 | -136.81億円 | -33.3% |
| 税引前利益 | -182.76億円 | -155.10億円 | -17.8% |
| 法人税等 | -1.14億円 | 6.28億円 | -118.2% |
| 当期純利益 | -181.62億円 | -161.39億円 | -12.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | -181.75億円 | -161.57億円 | -12.5% |
| 包括利益 | -219.27億円 | -89.70億円 | -144.4% |
| 減価償却費 | 30.91億円 | 38.02億円 | -18.7% |
| 支払利息 | 10.45億円 | 10.66億円 | -2.0% |
| 1株当たり当期純利益 | -235.31円 | -209.32円 | -12.4% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 2,435.35億円 | 2,427.83億円 | +7.52億円 |
| 現金預金 | 130.52億円 | 142.74億円 | -12.22億円 |
| 売掛金 | 612.89億円 | 785.19億円 | -172.30億円 |
| 棚卸資産 | 1,634.63億円 | 1,436.64億円 | +197.99億円 |
| 固定資産 | 1,349.18億円 | 1,301.97億円 | +47.21億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | -349.20億円 | -102.22億円 | -246.98億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 387.74億円 | 120.07億円 | +267.67億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | -10.3% |
| 粗利益率 | -9.2% |
| 流動比率 | 87.6% |
| 当座比率 | 28.8% |
| 負債資本倍率 | 5.00倍 |
| インタレストカバレッジ | -17.54倍 |
| EBITDAマージン | -8.7% |
| 実効税率 | 0.6% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 78.18百万株 |
| 自己株式数 | 943千株 |
| 期中平均株式数 | 77.24百万株 |
| 1株当たり純資産 | 816.72円 |
| EBITDA | -152.41億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 12.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 5,274.00億円 |
| 営業利益予想 | -152.00億円 |
| 経常利益予想 | -162.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | -158.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | -204.62円 |
| 1株当たり配当金予想 | 0.00円 |
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2026年度Q2の富士石油は、売上急減と在庫評価・精製マージンの悪化を背景に大幅赤字を計上し、流動性・レバレッジ指標も警戒水準に達した厳しい決算です。売上高は1,757.89億円で前年同期比-58.8%と大幅減、売上総利益は-161.72億円、営業利益は-183.32億円、最終損益は-181.75億円でした。営業利益率は-10.4%(-183.32/1,757.89)と深い赤字で、粗利益率も-9.2%とコストが売上を上回る異常値を示しています。販管費は21.60億円で売上比1.23%と抑制的ですが、粗利のマイナスを吸収できず営業赤字が拡大しました。経常損益は-182.41億円で、営業外収益15.20億円(うち受取利息1.16億円、受取配当0.51億円)と営業外費用14.29億円が相殺し、事業損失の軽減効果は限定的です。EPSは-235.31円、自己資本は630.84億円で1株当たり純資産は約816.72円に低下圧力がかかっています。営業CFは-349.20億円と大幅流出で、財務CFの+387.74億円(主に短期借入金1,511.03億円の積み増しが示唆)により資金繰りを賄った構図です。流動比率は87.6%、当座比率は28.8%と基準値を大きく下回り、短期資金繰りへの警戒が必要です。負債資本倍率は5.00倍、インタレストカバレッジは-17.54倍とレバレッジ・支払能力の両面で厳しい水準です。総資産回転率は0.464、財務レバレッジ6.0倍、純利益率-10.3%から計算ROEは-28.8%と資本効率も大幅悪化しました。bpでの利益率変化は、前年データ未記載のため厳密な比較は不可ですが、現状の営業利益率-1,043bp、EBITDAマージン-8.7%(-870bp)が示す通り、採算は大きく毀損しています。営業CF/純利益は1.92倍と表面上はしきい値を上回るものの、両者ともマイナスであり、むしろ運転資本流出(高水準の棚卸資産1,634.63億円と買掛金606.03億円のアンバランス)に起因するキャッシュバーンが強いと解釈すべきです。ROICは-8.4%と資本コストを大きく下回る水準で、事業ポートフォリオの採算是正が急務です。短期借入依存度の上昇と運転資本の膨張が継続すれば、満期ミスマッチによるリファイナンスリスクが高まり得ます。今後は、精製マージン(ガソリン/ディーゼルのクラッキングマージン)と在庫評価影響の改善、稼働率回復、棚卸資産圧縮と回収改善による運転資本の正常化が鍵となります。資金面では、短期債務の長期化、コミットメントラインの確保、金利上昇環境での支払利息抑制策の有無が注目点です。総じて、業況は資金繰りと採算の両面で厳しく、外部環境(原油価格、為替、需要)の改善と社内のコスト・在庫コントロールが同時に進むことが再建の前提条件となります。
ROE分解: -28.8% = 純利益率(-10.3%) × 総資産回転率(0.464) × 財務レバレッジ(6.0倍)。最もROEを押し下げているのは純利益率の悪化で、次いで売上急減に伴う総資産回転率の低下が影響しています。ビジネス上の背景は、精製マージンの低下および在庫評価損の可能性、原燃料費の高止まりや数量減による固定費吸収の悪化により、粗利がマイナス化したことです。販管費比率は1.23%と低位でコストコントロール自体は効いているものの、粗利の毀損が大きく利益段階の改善に寄与できていません。この変化の持続性については、精製マージンの回復や在庫影響の反転が得られれば部分的に一時的要因と位置付け得ますが、需要・稼働率・価格政策の立て直しが遅れれば損益悪化は継続的となるリスクがあります。懸念されるトレンドとして、売上高-58.8%に対し粗利益は-(マイナス化)で、数量減とマージン悪化で営業レバレッジが逆回転しており、設備稼働率の低下に伴う固定費負担増が示唆されます。また、営業CFが純損失を大きく上回るマイナスであることから、運転資本の膨張(棚卸資産の高水準)が利益の質をさらに損ねる悪循環となっています。
売上は-58.8%と急減し、主因は数量減と価格要因の双方(原油価格変動・製品市況)によるとみられます。粗利率-9.2%、営業利益率-10.4%、EBITDAマージン-8.7%は、精製マージンの縮小と在庫評価影響が複合的に作用した結果です。利益の質は、営業CFが-349.20億円と純損失-181.75億円を大きく上回るマイナスである点から脆弱で、運転資本(棚卸資産1,634.63億円)の圧縮が成長再開の前提となります。見通しは、外部環境の改善(クラッキングマージン回復、原油価格の安定、為替の落ち着き)と自助努力(稼働率引上げ、在庫最適化、コストダウン)の進捗次第で、短期的にはボラティリティの高い展開が続く公算です。数量回復と在庫処分が進めば売上は反発余地がある一方、価格競争やマージン回復遅延が続けば赤字縮小のペースは緩慢になり得ます。
流動比率は87.6%(警告域)、当座比率28.8%(大幅に不十分)で短期流動性に明確なストレスがあります。運転資本は-345.70億円で、流動負債2,781.05億円に対し現金130.52億円と売掛金612.89億円では短期債務を賄い切れず、棚卸資産1,634.63億円の回転リスクに依存しています。総負債3,153.68億円、純資産630.84億円から負債資本倍率は5.00倍(>2.0、警告)と高レバレッジです。短期借入金1,511.03億円が厚く、満期ミスマッチリスクが高い構造で、長期借入金は162.56億円と小さいため借入の長期化が課題です。インタレストカバレッジは-17.54倍で支払利息(10.45億円)負担に対し利益創出力が不足しています。オフバランス債務の開示はなく把握不能ですが、リース等の潜在債務があれば追加的な負担となり得ます。自己資本比率は未算出ですが、純損失継続は資本の目減りを通じて財務余力をさらに狭めます。
営業CFは-349.20億円で純損失-181.75億円よりも大きくマイナス、営業CF/純利益は1.92倍としきい値上は>1.0ですが、両者とも負であり実質的にはキャッシュ創出力が弱い状態です。営業CFの悪化は、棚卸資産の高水準や買掛金とのミスマッチから運転資本がキャッシュを吸い上げた可能性が高いと推測されます。投資CFは未記載ながら、設備投資額-45.38億円の支出が示され、FCFは未算出ですが営業CFが大幅マイナスである以上、配当や投資を内部資金で賄うのは困難です。財務CF+387.74億円に依存して資金ギャップを埋めており、持続可能性は借入環境と与信枠次第となります。運転資本操作の兆候として、短期借入の積み増しと在庫高止まりが併存し、在庫評価や回転期間延伸がキャッシュを圧迫している点が懸念です。
配当情報は未記載で、当期純損失-181.75億円、営業CF-349.20億円の状況を踏まえると、内部資金からの安定配当は難易度が高いと評価します。配当性向(計算値)は-5.2%と参考性が低く、FCFカバレッジは未算出ですが、営業CFがマイナスである以上、配当余力は財務CF(借入)次第という脆弱な構図です。自己資本の維持と流動性確保を優先する局面であり、配当方針は業績回復とCF正常化の進捗に連動して見直しが生じ得ます。
ビジネスリスク:
- 精製マージン(ガソリン/ディーゼル等クラッキングマージン)の悪化継続
- 原油価格・為替の急変による在庫評価損とコスト上昇
- 需要減少や稼働率低下による固定費吸収の悪化
- 環境規制・品質規格の強化に伴う追加投資負担
- サプライチェーンのボトルネックによる原材料・物流コストの上振れ
財務リスク:
- 流動比率87.6%、当座比率28.8%に示される短期流動性リスク
- 負債資本倍率5.00倍、短期借入金1,511.03億円偏重によるリファイナンスリスク
- インタレストカバレッジ-17.54倍の利払い耐性の弱さ
- 営業CFの大幅マイナス継続による追加借入依存・与信制約
- 在庫高水準に伴う評価損・回転期間延伸リスク
主な懸念事項:
- 粗利益率-9.2%、営業利益率-10.4%と採算の深刻な悪化
- 営業CF-349.20億円のキャッシュバーンと運転資本膨張
- 短期借入依存と満期ミスマッチ、借換え条件悪化の懸念
- ROE-28.8%、ROIC-8.4%と資本効率の大幅毀損
- 資本の劣化による財務柔軟性低下
重要ポイント:
- 売上-58.8%と粗利マイナスで2026年度Q2は大幅赤字、利益率・資本効率ともに悪化
- 営業CF-349億円、財務CF+388億円と外部資金依存で資金繰りを維持
- 流動比率87.6%、当座比率28.8%、D/E=5.0倍と流動性・レバレッジに明確な警戒シグナル
- ROIC-8.4%で資本コストを大きく下回り、事業採算の是正が急務
- 在庫圧縮・稼働率回復・マージン改善が短期の最重要KPI
注視すべき指標:
- 精製マージン(ガソリン/ディーゼルのクラッキングマージン)と在庫評価影響
- 棚卸資産水準と在庫回転日数、売掛回転日数
- 営業CFとFCF、短期借入金の推移および借入期間の長期化進捗
- 稼働率・処理量の回復度合いと固定費吸収率
- 利払い負担(支払利息)とインタレストカバレッジの改善
セクター内ポジション:
国内大手精製各社に比べ規模が小さく財務耐性が限定的で、短期資金繰り・在庫回転の改善が遅れる場合は外部環境悪化の影響を受けやすいポジショニング。逆にマージン回復局面では感応度が高い一方、ボラティリティも大きい。
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