| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥8846.4億 | ¥7149.4億 | +23.7% |
| 営業利益 | ¥1749.7億 | ¥1124.8億 | +55.5% |
| 税引前利益 | ¥1690.8億 | ¥1074.8億 | +57.3% |
| 純利益 | ¥1400.0億 | ¥372.5億 | +8.7% |
| ROE | 16.7% | 5.2% | - |
2026年3月期(通期)は、売上高8,846億円(前年比+1,697億円 +23.7%)、営業利益1,750億円(同+625億円 +55.5%)、経常利益1,082億円(同+525億円 +94.1%)、親会社帰属純利益1,046億円(同+364億円 +53.3%)と大幅増収増益を達成した。営業利益率は19.8%(前年15.7%から+4.1pt改善)、純利益率は11.8%(同9.6%から+2.2pt改善)と収益性が大きく向上した。増益の主因は基礎材料セグメントの資源価格・リサイクルスプレッド改善と持分法投資利益の1,145億円(前年610億円から+88%増)への急拡大で、資源系関連会社の貢献が税前利益の67.7%を占める構造となっている。
【売上高】売上高8,846億円(前年比+23.7%)は、全セグメントで二桁成長を実現した。基礎材料(メタル・リサイクル)が3,909億円(+28.6%)で売上構成比44.2%を占め、銅・貴金属価格上昇とリサイクル原料の集荷拡大が寄与した。情報通信材料が3,146億円(+20.6%)で同35.6%、半導体材料が1,766億円(+19.8%)で同20.0%と、ICT・半導体需要の回復が機能材料の出荷増を後押しした。粗利率は22.8%(前年21.9%から+0.9pt改善)で、原材料高の価格転嫁と製品ミックス改善により売上総利益は2,017億円(+28.5%)へ拡大した。
【損益】販管費は1,075億円(+7.3%)で販管費率は12.1%(前年14.0%から-1.9pt改善)と、売上の伸びに対しコスト増を抑制した。営業利益は1,750億円(+55.5%)で営業利益率19.8%へ大幅改善した。持分法投資利益は1,145億円(前年610億円から+535億円増)と倍増し、資源系関連会社の利益貢献が顕著である。経常利益は1,082億円(+94.1%)で、金融収支は-59億円(金融収益22億円、金融費用81億円)、その他収支は-337億円(その他収益37億円、その他費用374億円)の純費用計上となった。税前利益1,691億円に対し法人税等403億円(実効税率23.9%)を控除後、当期利益は1,287億円(前年814億円から+58.2%)、親会社帰属純利益は1,046億円(+53.3%)と大幅増益を確保した。包括利益は1,626億円(前年805億円)で、為替換算差額275億円、確定給付再測定40億円のプラス寄与があった。セグメント別営業利益では、基礎材料が1,395億円(+87.2%、利益率35.7%)、半導体材料が395億円(+47.7%、利益率22.4%)、情報通信材料が315億円(+25.5%、利益率10.0%)と全て増益となり、結論として増収増益を達成した。
基礎材料(メタル・リサイクル)は売上3,909億円(前年比+28.6%)、営業利益1,395億円(+87.2%、利益率35.7%)と大幅増益で、銅・貴金属市況上昇とリサイクル原料の集荷・受託製錬拡大がスプレッド改善を牽引した。情報通信材料は売上3,146億円(+20.6%)、営業利益315億円(+25.5%、利益率10.0%)で、圧延銅箔・チタン銅・電磁波シールドフィルムのICT需要回復が寄与した。半導体材料は売上1,766億円(+19.8%)、営業利益395億円(+47.7%、利益率22.4%)と高マージンを維持し、スパッタリングターゲット・化合物半導体の出荷増が主因である。その他は売上26億円(+0.2%)、営業利益18億円(+210.5%、利益率71.0%)で小規模ながら高収益を確保した。
【収益性】営業利益率19.8%(前年15.7%)、純利益率11.8%(同9.6%)、ROE15.6%(同11.0%)と全て改善し、持分法投資利益の拡大と資源スプレッド改善が主因である。粗利率22.8%(前年21.9%)は原材料高の価格転嫁と製品ミックス改善により+0.9pt向上した。【キャッシュ品質】営業CF1,075億円/当期利益1,287億円=0.84倍で、在庫増-676億円と売上債権増-253億円が運転資本を圧迫した。OCF/EBITDA(2,196億円)は0.49倍と低位で、在庫回転日数184日、CCC188日と運転資本効率が悪化した。持分法配当受取676億円がOCFを下支えしている。【投資効率】総資産回転率0.59回転/年(前年0.56回転)、CapEx755億円/減価償却447億円=1.69倍と積極投資局面にある。【財務健全性】自己資本比率48.3%(前年48.0%)、Debt/EBITDA1.48倍、流動比率177%で投資適格水準を維持している。短期借入金1,460億円が有利子負債の45%を占め、現金663億円とのカバーは0.45倍で借換え管理が重要である。
営業CFは1,075億円(前年2,154億円から-50.1%減)で、税前利益1,691億円に対し、減価償却447億円、持分法投資利益の控除-1,145億円、在庫増-676億円、売上債権増-253億円、買掛金増346億円、引当金増280億円、持分法配当受取676億円を調整後、法人税支払-271億円を経て確保した。投資CFは-773億円で、設備投資-755億円(Capex/減価償却1.69倍)、M&A支出-8億円、短期貸付金回収50億円を実施した。財務CFは-249億円で、短期借入金増196億円、長期借入金返済-77億円、配当支払-223億円(うち親会社223億円、非支配株主146億円)、自社株買い-15億円を実行した。FCFは303億円(営業CF1,075億円+投資CF-773億円)で、配当223億円を1.36倍でカバーし、総還元(配当+自社株買い238億円)をFCFで賄える水準を維持した。現金残高は663億円(前年583億円から+80億円)へ増加し、為替換算差+26億円を含め最終的に+54億円の増加となった。
当期利益1,287億円のうち、持分法投資利益1,145億円が税前利益の67.7%を占め、関連会社からの利益寄与が非常に大きい構造である。営業利益1,750億円に対し金融収支は-59億円の純費用で、支払利息58億円がコスト要因となった。その他収支は-337億円の純費用で、その他費用374億円のうち減損損失等の一時的費用は前年67億円から当期は含まれず、営業外の一時的損益は前年比で改善した。包括利益1,626億円と当期利益1,287億円の差339億円は、為替換算差額275億円(プラス寄与)、確定給付再測定40億円(プラス寄与)、持分法OCIの再分類不能項目7億円、再分類可能項目-39億円から構成され、経常的な利益品質とは別に為替変動の影響を受けている。営業CFの在庫増-676億円と売上債権増-253億円は、市況上昇局面での在庫積み増しと回収遅延を示唆し、アクルーアルの観点から運転資本の非効率がキャッシュ創出を圧迫している。持分法配当受取676億円がOCFを下支えするため、関連会社からの分配継続性が収益の質を左右する構造である。
2027年3月期通期予想は、売上高9,300億円(前年比+5.1%)、営業利益1,900億円(+8.6%)、親会社帰属純利益1,140億円(+8.9%)と慎重な増益計画である。当期実績比では営業利益率20.4%、純利益率12.3%と微増で、資源価格・為替前提の平準化と運転資本の正常化を織り込んだ計画と推測される。当期実績に対する進捗率(上半期未公表のため通期比較)では、営業利益は年間予想の92.1%を達成済みで、来期は慎重な前提で設定されている。配当予想は10円(当期31円から大幅減)で、配当方針変更により投資・財務健全性を優先する資本配分へ転換した。
当期の年間配当は31円(中間6円+期末25円)で、配当総額223億円、配当性向は27.5%(親会社帰属純利益1,046億円対比)と持続可能な水準である。FCF303億円に対し配当223億円でFCFカバレッジは1.36倍、自社株買い15億円を含めても総還元238億円をFCFで賄えている。2027年3月期は配当方針変更により年間予想10円と大幅減で、配当性向を引き下げ投資・財務柔軟性を優先する方針へ転換した。非支配株主への配当は146億円で前年128億円から増加している。
資源価格変動リスク: 持分法投資利益1,145億円が税前利益の67.7%を占め、銅・貴金属市況とリサイクルスプレッドの変動が利益を大きく左右する。在庫3,451億円(前年2,732億円から+26.3%増)は原材料高局面で積み増されたため、市況反転時には評価損リスクが顕在化する。
運転資本効率悪化リスク: 在庫増-676億円、売上債権増-253億円で営業CFは前年比-50.1%減の1,075億円へ縮小し、OCF/EBITDA0.49倍と低位である。在庫回転日数184日、CCC188日と滞留が進み、キャッシュ転換効率の改善が喫緊の課題となっている。
短期負債の借換え依存リスク: 短期借入金1,460億円が有利子負債の45%を占め、現金663億円に対するカバーは0.45倍と薄い。流動比率177%で短期流動性は確保されているが、借換え環境悪化時の金利上昇・リファイナンスリスクがある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 自己資本利益率 | 15.6% | 6.3% (3.2%–9.9%) | +9.3pt |
| 営業利益率 | 19.8% | 7.8% (4.6%–12.3%) | +12.0pt |
| 純利益率 | 15.8% | 5.2% (2.3%–8.2%) | +10.6pt |
自社のROE15.6%、営業利益率19.8%は製造業中央値を大きく上回り、資源スプレッドと持分法寄与により業種内で上位の収益力を示している。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 23.7% | 3.7% (-0.4%–9.3%) | +20.0pt |
売上高成長率23.7%は業種中央値3.7%を大幅に上回り、資源価格上昇と需要回復を背景とした高成長を実現している。
※出所: 当社集計
営業利益率19.8%、ROE15.6%、純利益率11.8%と収益性が明確に改善し、持分法投資利益1,145億円(税前利益の67.7%)と基礎材料セグメントの資源スプレッド改善が主因である。ただし利益の大半が関連会社依存のため、資源市況と持分法先の配当政策が業績変動性を左右する構造にある。
運転資本効率の悪化(在庫増-676億円、売上債権増-253億円)によりOCF/EBITDA0.49倍へ低下し、在庫回転日数184日、CCC188日と滞留が進んでいる。来期のキャッシュ創出力改善には在庫・債権の正常化が最重要課題であり、市況反転局面での資金繰りと運転資本管理が注目点となる。
配当方針変更により2027年3月期予想配当10円(当期31円から大幅減)へ引き下げ、Capex/減価償却1.69倍の積極投資と財務柔軟性を優先する資本配分へ転換した。短期借入金1,460億円が有利子負債の45%を占め現金カバー0.45倍で借換え管理が重要であり、投資・配当・負債バランスの規律維持が中期のバリュードライバーとなる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。