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50112026 第3四半期プライムJGAAP

ニチレキグループ(5011) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は548.5億円(前年同期比-2.6%)、営業利益は38.4億円(同-15.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

エネルギー資源/石油・石炭製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥548.5億¥563.2億−2.6%
営業利益¥38.4億¥45.5億−15.7%
経常利益¥40.9億¥48.8億−16.2%
純利益¥29.1億¥31.8億−8.6%
ROE3.8%4.1%-

Executive Summary

当期は減収減益となり、特にトップラインの減少幅を上回る営業利益の落ち込みが特徴である。売上高は548.5億円(前年同期比-2.6%)、営業利益は38.4億円(同-15.7%)、経常利益は40.9億円(同-16.2%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は29.0億円(同-9.0%)となった。営業利益率は7.0%と前年同期から約1.1pt低下しており、アスファルト応用加工製品事業の採算悪化が主因である。純利益の減益幅が営業利益より小さいのは、受取配当金や為替差益などの営業外収益、投資有価証券売却益などの特別利益が下支えしたためである。

業績変動要因

【売上高】売上高は548.5億円で前年同期比-2.6%の減収。セグメント別ではアスファルト応用加工製品事業が188.0億円(同-7.8%)と大幅減収となった一方、道路舗装事業は358.1億円(同+0.4%)とほぼ横ばいを維持した。連結売上の減少は、構成比34%を占めるアスファルト応用加工製品事業の需要・採算悪化に起因する。

【損益】営業利益は38.4億円(同-15.7%)で、売上減少率を上回る減益となり営業レバレッジの悪化がみられる。アスファルト応用加工製品事業のセグメント利益は29.1億円(同-24.2%)、利益率は11.5%と前年の13.8%から低下した。道路舗装事業の利益率は7.8%とほぼ横ばい。全社費用も24.9億円(同+3.8%)と増加し、減収局面での固定費負担が利益率を圧迫した。経常利益は40.9億円(同-16.2%)、純利益は29.0億円(同-9.0%)で、営業外収益(受取配当金2.9億円、為替差益1.0億円)と特別利益(投資有価証券売却益1.3億円)が減益幅を緩和した。結論として減収減益である。

セグメント別分析

アスファルト応用加工製品事業は売上高254.3億円(構成比46.4%、外部売上188.0億円、同-7.8%)、営業利益29.1億円(同-24.2%)、利益率11.5%(前年13.8%)と、連結減益の主因となった。道路舗装事業は売上高358.1億円(外部売上同+0.4%)、営業利益27.9億円、利益率7.8%(前年7.7%)とほぼ横ばいで推移した。両事業計のセグメント利益は57.0億円で前年同期比-16.4%となり、売上減少率を上回る利益の落ち込みとなっている。全社費用(未配分費用)は24.9億円で前年同期の24.0億円から3.8%増加し、セグメント利益から連結営業利益への調整過程でも利益を押し下げている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は7.0%で前年同期の約8.1%から約1.1pt低下し、純利益率は5.3%となった。ROEは3.8%(累計ベース、年換算では約5.0%)と、7.0%の営業利益率と総資産回転率0.49倍の組合せにより、高収益水準には至っていない。【キャッシュ品質】法人税等13.3億円を控除後の税引前利益42.4億円から純利益29.1億円への変換効率は実効税率31.4%と標準的な範囲にある。【投資効率】総資産1124.6億円に対し投資有価証券は122.3億円(総資産比10.9%)を占め、建設仮勘定129.9億円は有形固定資産386.7億円の33.6%に達しており、投資先の稼働・収益化の進捗が今後の資本効率を左右する。【財務健全性】自己資本比率は68.9%、流動比率は325.7%(流動資産504.6億円/流動負債154.9億円)と極めて高く、有利子負債173.0億円に対しインタレストカバレッジは20.1倍と利払い余力も十分である。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の詳細開示はないが、貸借対照表の推移から資金動向をみると、現金及び預金は250.9億円で前年同期の316.2億円から65.3億円減少している。一方で投資有価証券は122.3億円と前年同期の92.5億円から29.8億円増加し、建設仮勘定も129.9億円から106.7億円と積み増しが進んでおり、手元資金を投資有価証券や設備投資(建設仮勘定)に振り向けた可能性がうかがえる。長期借入金は153.0億円で前年同期の162.1億円から減少しており、有利子負債の圧縮も進んでいる。自己株式は55.1億円と前年同期の31.7億円から増加しており、株主還元としての自社株取得が資金使途の一部を占めたとみられる。総じて、営業利益の減少局面にありながらも、投資・株主還元・借入返済を並行して進める財務運営がなされている。

収益の質

経常的な収益力を示す営業利益は38.4億円で前年同期比-15.7%と減少しており、これが本業の実態である。これに対し、営業外収益5.3億円(受取配当金2.9億円、為替差益1.0億円、受取利息0.4億円)と特別利益1.8億円(投資有価証券売却益1.3億円、固定資産売却益0.2億円)が加わり、税引前利益は42.4億円、純利益は29.0億円となった。純利益の減益率-9.0%は営業利益の減益率-15.7%を大きく下回っており、この差は経常的でない、あるいは市場環境に依存する営業外・特別損益によって埋められている。包括利益は47.8億円で前年同期比+64.1%と大きく増加しているが、これは主にその他有価証券評価差額金20.0億円の増加によるもので、当期の事業活動そのものの成果ではなく市場価格変動の影響が大きい。したがって、純利益や包括利益の水準のみで収益力を評価すると、本業の営業利益率低下という構造的な変化を見落とすおそれがある。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高68.6%、営業利益54.9%、経常利益56.0%、純利益59.1%である。標準的な進捗率の目安である75%と比較すると、いずれも下回っており、特に営業利益の進捗遅れが20.1ポイントと大きい。会社予想(売上高800.0億円、営業利益70.0億円)を達成するには、第4四半期単独で売上高251.5億円、営業利益31.6億円が必要となり、これは累計営業利益38.4億円の82.2%に相当する規模である。会社予想の通期営業利益率8.8%は、累計の7.0%から約1.8pt改善する前提であり、道路舗装事業を中心とした年度末工事の進捗・採算とアスファルト応用加工製品事業の利益率回復が達成の鍵となる。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり40.00円で、会社予想の年間配当は80.00円である。予想EPS170.45円に基づく予想配当性向は46.9%であり、一般的な持続可能性の目安とされる60%を下回る水準にある。利益剰余金695.8億円、現金及び預金250.9億円という財務基盤を踏まえると、配当支払余力は総じて厚い。ただし、第3四半期累計の純利益進捗率は59.1%にとどまり、通期予想の純利益49.0億円達成が年間配当80.00円の前提となる点には留意が必要である。また自己株式は前年同期比で増加しており、配当に加えた株主還元の実施もうかがえる。

リスク要因

  1. アスファルト応用加工製品事業の採算悪化: 外部売上高が前年同期比-7.8%、セグメント利益が同-24.2%となり、利益率も11.5%へ低下した。原材料価格・販売数量・価格転嫁のいずれかまたは複合要因による収益性低下が連結業績の主な下押し要因となっている。

  2. 通期予想達成に向けた第4四半期への利益集中: 通期営業利益予想70.0億円の達成には第4四半期に31.6億円(利益率12.6%)が必要であり、累計営業利益に対する比率は82.2%に達する。年度末の工事進捗・天候・発注時期に業績が左右されやすい構造にある。

  3. 投資性資産・建設仮勘定の増加: 建設仮勘定は129.9億円で有形固定資産の33.6%を占め、投資有価証券も122.3億円(総資産比10.9%)に達する。これら資産の稼働開始時期や市場価格変動により、資本効率や包括利益が影響を受ける可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率7.0%8.6% (4.3%–12.7%)−1.6pt
純利益率5.3%6.4% (2.8%–10.3%)−1.1pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を下回り、収益性は業界内でやや低い水準に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−2.6%3.3% (-2.1%–8.9%)−5.9pt

同業他社の多くが増収を確保する中、自社は減収であり、成長性の面でも業種内で劣位にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は7.0%と前年同期比で約1.1pt低下しており、売上減少幅を上回る利益の落ち込みが生じている。この差はアスファルト応用加工製品事業の採算悪化と全社費用の増加によるもので、収益構造の変化として注視すべき点である。

  2. 通期予想達成には第4四半期に累計実績を上回る規模の営業利益(31.6億円、利益率12.6%)が必要であり、進捗ペースと会社予想との乖離が決算データから読み取れる。

  3. 自己資本比率68.9%、流動比率325.7%、インタレストカバレッジ20.1倍という財務基盤の強固さは、収益性の低下局面においても継続している。純利益・包括利益の増加は営業外収益や有価証券評価差額など本業以外の要因に依存する部分が大きい点が特徴である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,463円
base(基準)2,531円
bull(強気)2,554円
算出前提
1株純資産(BPS)2,724円
調整後予想EPS196.0円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向46.9%
予想EPSの信頼度調整×1.150(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.93倍 / 12.9倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,462円〜2,603円、ω±0.1で 2,525円〜2,535円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。