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49972026 第3四半期プライムJGAAP

日本農薬(4997) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益61%増

2026年度第3四半期の売上高は703.6億円(前年同期比+14.6%)、営業利益は58.4億円(同+60.6%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

素材・化学/化学


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥703.6億¥613.7億+14.6%
営業利益¥58.4億¥36.4億+60.6%
経常利益¥58.6億¥30.6億+91.3%
純利益¥34.9億¥21.1億+65.2%
ROE4.2%2.7%-

Executive Summary

農薬事業を中心とした増収に加え、粗利率改善による営業レバレッジが効き、増収増益となった。売上高は703.6億円(前年比+14.6%)、営業利益は58.4億円(同+60.6%)、経常利益は58.6億円(同+91.3%)、純利益(連結・当期純利益)は34.9億円(同+65.2%)となった。営業利益の伸びが売上成長を大きく上回り、営業利益率は8.3%と前年から改善している。

業績変動要因

【売上高】売上高は703.6億円で前年同期比+14.6%増収。セグメント別では農薬(Agrochemicals)が656.7億円(構成比93.3%)で前年比+14.8%増、農薬以外の化学品が31.2億円(同+7.8%増)と、主力の農薬事業が増収を牽引した。

【損益】営業利益は58.4億円(同+60.6%)で、売上総利益率34.7%の下で販管費増(185.9億円)を吸収し営業利益率8.3%へ改善した。農薬セグメントの利益率は8.3%、農薬以外の化学品は20.2%と高採算。経常利益は58.6億円(同+91.3%)だが、受取利息15.3億円・為替差益11.1億円と支払利息20.2億円・デリバティブ評価損等が相殺し、営業利益とほぼ同水準にとどまった。税引前利益は49.0億円で、経常利益との差9.6億円は訴訟和解金10.3億円を含む特別損失10.6億円が主因である。純利益は34.9億円(同+65.2%)となり、増収増益で着地した。

セグメント別分析

農薬セグメントは売上高656.7億円(前年比+14.8%)、セグメント利益54.7億円(同+53.3%)、利益率8.3%と連結収益の中核をなす。農薬以外の化学品は売上高31.2億円(同+7.8%)、セグメント利益6.3億円(同+22.8%)、利益率20.2%と規模は小さいが高採算。全社費用を含む調整額は△6.4億円で前年の△6.9億円から縮小し、連結営業利益を下支えした。売上・利益とも農薬事業への依存度が高く、同事業の天候・病害虫発生状況・販売時期が業績の変動要因となる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率8.3%は前年同期の約5.9%から約2.4pt改善し、粗利率34.7%の下での販管費吸収が寄与した。純利益率は5.0%である。【キャッシュ品質】現金及び預金は262.1億円で前年末比増加、売掛金276.1億円・棚卸資産317.8億円と運転資本は厚く、在庫のうち製品が317.8億円を占める。【投資効率】ROE4.2%は当期実績であり、総資産回転率は低水準にとどまり、資産効率面での改善余地がある。【財務健全性】自己資本比率56.8%、流動資産1099.4億円に対し流動負債437.1億円と流動性は厚い。有利子負債は長期借入金137.6億円、社債・1年内償還社債合計58.5億円を含み、支払利息20.2億円の負担がある。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示はないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。現金及び預金は262.1億円で前年末の233.3億円から増加し、資金余力は拡大している。一方、売掛金は276.1億円、棚卸資産は317.8億円(うち製品317.8億円、原材料160.2億円)と運転資本が大きく、増収に伴う債権・在庫の積み上がりが利益の現金化を遅らせる可能性がある。買掛金は203.3億円で、仕入債務に対し売上債権・在庫の規模が大きく、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの長さが資金効率上の論点となる。有形固定資産は166.3億円と横ばい圏で、大規模な設備投資による資金流出は限定的とみられる。

収益の質

営業利益58.4億円に対し経常利益58.6億円とほぼ同水準だが、その内訳では受取利息15.3億円・為替差益11.1億円といった営業外収益と、支払利息20.2億円を中心とする営業外費用が相殺関係にあり、金融損益の変動性が大きい。税引前利益49.0億円は経常利益を9.6億円下回るが、これは特別損失10.6億円(うち訴訟和解金10.3億円)という一時的要因によるものであり、経常的な収益力とは区別して評価する必要がある。包括利益は56.9億円で純利益34.9億円を上回り、為替換算調整額17.1億円を中心とするその他包括利益がプラスに寄与している。親会社株主に帰属する包括利益は60.5億円である。一時的な訴訟和解金の負担を除けば、営業段階の増益は農薬事業の増収と粗利改善という経常的な要因に支えられている。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画は売上高1093.0億円(前年比+9.3%)、営業利益92.0億円(同+7.3%)、経常利益80.0億円(同+12.9%)である。Q3累計の進捗率は売上高64.4%、営業利益63.5%と、標準的な進捗率75%をいずれも10pt超下回る。通期達成にはQ4で売上高389.4億円、営業利益33.6億円が必要となり、農薬事業の季節性を背景とした期末偏重の実現度が焦点となる。また通期計画の前年比営業増益率+7.3%はQ3累計の+60.6%を大きく下回り、Q4以降の増益ペース鈍化を織り込んだ計画となっている。

株主還元

会社予想の年間配当は1株27.00円で、中間配当12.00円を踏まえると期末配当は15.00円を見込む。通期純利益(親会社株主帰属分)予想54.0億円に対する予想配当性向は約39.1%であり、配当のみの水準として持続可能な範囲にある。現金及び預金262.1億円と自己資本比率56.8%は、配当支払いの財務的な下支えとなる。

リスク要因

  1. 事業集中リスク: 農薬セグメントが売上高656.7億円、セグメント利益ベースで84%超を占め、天候・病害虫発生状況・農薬規制の変化が業績全体に大きく波及する構造にある。

  2. 運転資本の長期化リスク: 売掛金276.1億円、棚卸資産317.8億円(うち製品317.8億円)と債権・在庫の規模が大きく、増収局面での資金滞留が利益の現金化を制約する可能性がある。

  3. 金融損益の変動リスク: 支払利息20.2億円が発生する一方、為替差益11.1億円・受取利息15.3億円が計上されており、金利・為替動向次第で経常利益の変動幅が拡大しうる。また訴訟和解金10.3億円を含む特別損失10.6億円は一時的負担として当期純利益を押し下げた。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率8.3%8.6% (4.3%–12.7%)−0.3pt
純利益率5.0%6.4% (2.8%–10.3%)−1.5pt

収益性は業種中央値をやや下回る水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)14.6%3.3% (-2.1%–8.9%)+11.3pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、増収ペースは業種内で相対的に高い。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は8.3%へ改善し、農薬事業の増収と全社費用の抑制が寄与した。増収と利益率改善が同時進行している点は業績の質を判断するうえでの注目点である。

  2. 通期計画に対するQ3累計進捗率は売上高64.4%、営業利益63.5%と標準進捗を下回っており、Q4への業績集中度が高い決算構造となっている。

  3. 売掛金・棚卸資産の規模が大きく、増収に伴う運転資本の積み上がりが利益成長とキャッシュ創出のタイムラグを生みうる点は、今後の資金動向を見るうえでの確認事項である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)962円
base(基準)980円
bull(強気)994円
算出前提
1株純資産(BPS)1,062円
調整後予想EPS74.1円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向39.1%
予想EPSの信頼度調整×1.075(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.92倍 / 13.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 953円〜1,008円、ω±0.1で 977円〜982円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。