- 売上高: 1,704.62億円
- 営業利益: 105.67億円
- 当期純利益: 42.16億円
- 1株当たり当期純利益: 36.38円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,704.62億円 | 1,610.49億円 | +5.8% |
| 売上原価 | 1,360.96億円 | - | - |
| 売上総利益 | 343.66億円 | - | - |
| 販管費 | 237.99億円 | - | - |
| 営業利益 | 105.67億円 | 113.50億円 | -6.9% |
| 営業外収益 | 41.14億円 | - | - |
| 営業外費用 | 13.18億円 | - | - |
| 持分法投資損益 | 32.47億円 | 66.97億円 | -51.5% |
| 経常利益 | 133.63億円 | 183.00億円 | -27.0% |
| 税引前利益 | 90.87億円 | - | - |
| 法人税等 | 48.70億円 | - | - |
| 当期純利益 | 42.16億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 43.81億円 | 135.90億円 | -67.8% |
| 包括利益 | 24.80億円 | 176.87億円 | -86.0% |
| 減価償却費 | 56.93億円 | - | - |
| 支払利息 | 6.21億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 36.38円 | 112.91円 | -67.8% |
| 1株当たり配当金 | 24.00円 | 10.00円 | +140.0% |
| 年間配当総額 | 40.93億円 | 40.93億円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 1,541.76億円 | - | - |
| 現金預金 | 219.82億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 597.69億円 | - | - |
| 固定資産 | 940.28億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 499.03億円 | - | - |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 338.03億円 | -167.25億円 | +505.28億円 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -89.29億円 | -87.56億円 | -1.73億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -278.50億円 | 236.08億円 | -514.58億円 |
| フリーキャッシュフロー | 248.74億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 営業利益率 | 6.2% |
| 総資産経常利益率 | 5.1% |
| 配当性向 | 30.1% |
| 純資産配当率(DOE) | 2.9% |
| 1株当たり純資産 | 1,199.81円 |
| 純利益率 | 2.6% |
| 粗利益率 | 20.2% |
| 流動比率 | 208.3% |
| 当座比率 | 127.5% |
| 負債資本倍率 | 0.64倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +5.8% |
| 営業利益前年同期比 | -6.9% |
| 経常利益前年同期比 | -27.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -67.8% |
| 包括利益前年同期比 | -86.0% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 133.18百万株 |
| 自己株式数 | 12.76百万株 |
| 期中平均株式数 | 120.41百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,254.80円 |
| EBITDA | 162.60億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 10.00円 |
| 期末配当 | 24.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 1,620.00億円 |
| 営業利益予想 | 72.00億円 |
| 経常利益予想 | 109.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 64.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 53.15円 |
| 1株当たり配当金予想 | 10.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
クミアイ化学工業(4996、連結、JGAAP)の2025年度Q4通期は、売上高1,704.62億円(前年比+5.8%)と増収ながら、営業利益105.67億円(-6.9%)、経常利益133.63億円(-27.0%)、当期純利益43.81億円(-67.8%)と減益幅が拡大した。粗利益率は20.2%と一定の水準を確保した一方、販管費率が13.9%(237.99億円/売上高)と高止まりし、営業利益率は6.2%にとどまった。非営業では持分法投資利益32.47億円や受取利息1.34億円が寄与し、経常段階での利益率は7.8%と営業段階を上回った。経常から税引前にかけては約42.8億円の特別損失(概算)が発生したとみられ、これが当期純利益率2.6%への大幅な低下と実効税率53.6%の上振れにつながった可能性が高い。ROEは2.9%(デュポン分解:純利益率2.6%、総資産回転率0.687、財務レバレッジ1.64倍)と低水準で、収益性の弱さが自己資本効率を抑制している。総資産は2,482.05億円、純資産1,511.07億円で自己資本比率は約60.9%(当社試算)と堅牢な財務基盤を維持。負債資本倍率は0.64倍、ネット有利子負債は約291億円(有利子負債約511億円-現金預金220億円)で、ネットD/Eは約0.19倍と保守的である。流動比率208.3%、当座比率127.5%と流動性は良好で、短期借入金367.82億円に対する現金カバレッジは約59.7%と一定のバッファがある。営業CFは338.03億円と純利益の7.72倍に達し、運転資本の取り崩し等が寄与してキャッシュ創出力は非常に強かった。投資CFは-89.29億円で、減価償却費56.93億円に対して設備投資82.77億円(D/Capex比約0.69)と先行投資を継続。財務CFは-278.50億円と資金流出で、借入返済や株主還元の実施が示唆されるが、配当や自己株式の詳細は未開示。フリーCFは248.74億円と潤沢で、インタレストカバレッジは17.0倍(EBIT/支払利息)と利払い余力は高い。棚卸資産は597.69億円(売上比35.1%)と大きく、需給調整・在庫回転の動向が次期収益性に影響しうる。包括利益は24.80億円と当期純利益を下回り、投資有価証券(386.40億円)の評価差額等のOCIマイナスが示唆される。総じて、売上の伸長に比べ利益のモメンタムが弱く、特別損失や税率上振れの一過性要因が純利益を圧迫した一方で、キャッシュフローとバランスシートは堅調というコントラストが鮮明である。今後は在庫適正化、税負担の正常化、非営業・特別損益の平準化がROE改善のカギとなる。データには未記載項目が散見されるため、一部指標は当社試算・推計に基づく。
デュポン分解では、ROE 2.9% = 純利益率2.6% × 総資産回転率0.687 × 財務レバレッジ1.64倍。営業利益率は6.2%(105.67/1704.62)で、粗利率20.2%から販管費率13.9%を差し引いた水準に整合。経常利益率は7.8%(133.63/1704.62)と非営業収益(特に持分法益32.47億円)の寄与が大きいが、特別損失(概算-42.8億円)発生で税前利益率は5.3%(90.87/1704.62)へ低下。実効税率53.6%と高水準で税後利益が大きく目減りし、純利益率2.6%に圧縮。EBITDAマージンは9.5%(162.60/1704.62)と、製造業としては中位。営業レバレッジ観点では、売上+5.8%に対し営業利益-6.9%と負のレバレッジが確認され、コストの固定化やミックス悪化、価格改定の遅れ等の影響が示唆される。インタレストカバレッジは17.0倍(EBIT/支払利息6.21)で、金利負担は利益に対して軽微。非営業依存度は経常利益に占める持分法益比率約24%(32.47/133.63)とやや高く、基礎的な営業収益力の強化が課題。
売上は+5.8%と堅調で、海外含む需要の底堅さが示唆される一方、営業利益は-6.9%と伸び悩み、粗利から販管費への転嫁が十分でなかった可能性。経常利益-27.0%、純利益-67.8%は、非反復的な特別損失と税率上振れの影響が大きい。利益の質は、営業CF/純利益7.72倍、OCF/EBITDA約2.08倍とキャッシュ創出面で良質だが、これは運転資本の解放寄与が大きい点に留意。棚卸資産が売上比35.1%と高めで、在庫の正常化が続けば今期のキャッシュ改善の反動に注意。中期的には、価格戦略・製品ミックスの改善、原材料コストの落ち着き、在庫圧縮が実現すれば、営業レバレッジの正転化が期待される。非営業の持分法益依存度を下げ、特別損益の変動を抑制できれば、ROEの持続的改善余地。外部環境(為替、農薬需要サイクル、規制)の変動がトップラインとマージンに影響する点はリスク。足元は増収基調維持を前提に、利益の回復は一過性損失の剥落と税率正常化が鍵。
流動性は、流動比率208.3%、当座比率127.5%と良好。運転資本は801.59億円(流動資産1,541.76-流動負債740.17)で厚い。支払能力は、総資産2,482.05億円に対し純資産1,511.07億円で自己資本比率は約60.9%(当社試算)。総負債970.98億円、うち短期借入金367.82億円・長期借入金143.24億円で、ネット有利子負債は約291億円(現金219.82億円差引)。ネットD/E約0.19倍、D/E(総負債/純資産)0.64倍と保守的。金利負担は軽微で、インタレストカバレッジ17.0倍が裏付ける。キャッシュ対短期借入金カバレッジは約59.7%と一定の安全域。在庫597.69億円と買掛金230.39億円のバランスは、在庫が厚い構造(買掛/在庫比約38.5%)で、在庫回転管理が資金効率の鍵。
営業CF338.03億円は純利益の7.72倍で、利益計上額を大きく上回るキャッシュ創出。これは運転資本の解放(在庫・債権の圧縮)が寄与した可能性が高く、持続性には注意が必要。EBITDA162.60億円に対するOCFは約2.08倍と極めて強いが、来期は反動で正常化するリスク。投資CFは-89.29億円で、設備投資82.77億円が主因。減価償却費56.93億円に対してCapexは約145%と、維持投資を上回る戦略投資フェーズ。フリーCFは248.74億円と潤沢で、財務CFの資金流出(-278.50億円)を大部分カバー。運転資本は801.59億円と厚く、在庫597.69億円の規模から、在庫回転の改善が継続的なOCFの安定に重要。支払利息6.21億円はOCF対比で2%未満と軽微で、キャッシュフローの質を毀損しない。
配当金総額・DPSは未記載だが、配当性向(計算値)103.4%は、当期の一過性要因で純利益が落ち込んだ影響を示唆。一方でFCFカバレッジ5.49倍から、当期のフリーCFは配当を十分に上回っており、キャッシュベースの持続可能性は高い。FCF248.74億円とFCFカバレッジから逆算すると、配当総額は概ね45億円規模(推計)で、発行済から自己株式を控除した実質株式数約1.204億株を用いると、DPSは概ね37~38円程度の水準感(推計)。DOE(報告値0.0%)は参考性に乏しく、実数値の再確認が必要。今後は、税負担の正常化と特別損失の剥落により、会計上の配当性向は自然に低下する見込み。キャッシュ創出力とバランスシートの余力から、少なくとも安定配当方針は維持可能とみられるが、在庫調整によるOCFの振れには留意。
ビジネスリスク:
- 在庫水準が高く、需要変動時の在庫評価損・値引き圧力
- 原材料価格・物流費の変動による粗利率のボラティリティ
- 為替変動(輸出入・海外子会社損益)による収益変動
- 規制・登録動向(農薬規制、各国承認)の影響
- 主要市場の気象・作況要因による需要変動
- 製品ミックスの悪化による営業レバレッジの逆回転
財務リスク:
- 特別損失発生の再発(減損、評価損等)による純利益の振れ
- 高い実効税率の持続による税後収益性の圧迫
- 短期借入金依存(367.82億円)と金利上昇局面での調達コスト上昇リスク
- 投資有価証券(386.40億円)の評価変動によるOCI・純資産のボラティリティ
主な懸念事項:
- 経常から税前で約-42.8億円の特別損失(概算)が発生し、純利益を大幅に圧迫
- 営業利益-6.9%と営業レバレッジが逆回転、販管費の伸びやミックスが課題
- 実効税率53.6%と高水準でROEを低下させている
- 在庫比率35.1%と厚く、回転・評価のモニタリングが必要
重要ポイント:
- トップラインは+5.8%と堅調だが、利益は一過性損失・税率上振れで大幅減益
- ROE 2.9%と自己資本効率は低く、営業利益率の改善が当面の最重要課題
- キャッシュフローは強靭(OCF/純利益7.7倍、FCF約2,487億円? → 248.74億円)で、財務体質も堅健(自己資本比率約61%)
- 非営業益(持分法益)の寄与が大きく、営業ベース収益力の底上げが必要
- 在庫圧縮と価格・ミックス改善が営業レバレッジの正転化に直結
注視すべき指標:
- 在庫回転日数と在庫評価差損の発生有無
- 営業利益率と販管費率の推移(価格改定・ミックス効果の浸透)
- 特別損益の発生頻度と内容、実効税率の正常化度合い
- 持分法投資利益の継続性と依存度
- ネットD/Eおよびネット有利子負債/EBITDA(約1.8倍)の推移
- FCFの持続性(運転資本の反動有無)
セクター内ポジション:
国内農薬・化学セクター内で、流動性・自己資本比率は上位、レバレッジは低位で安定。一方、ROE・営業利益率は同業中央値を下回る水準で、収益性は中位~やや劣後。キャッシュフロー創出は良好だが、在庫厚め・非営業依存度という構造課題を抱える。
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