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49582026 第1四半期プライムJGAAP

長谷川香料(4958) 2026年度第1四半期決算 増収・営業益18%減

2026年度第1四半期の売上高は177.9億円(前年同期比+0.8%)、営業利益は15.7億円(同-17.5%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

素材・化学/化学


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥177.9億¥176.4億+0.8%
営業利益¥15.7億¥19.0億−17.5%
経常利益¥17.8億¥22.9億−22.0%
純利益¥11.3億¥14.6億−22.4%
ROE0.9%1.2%-

Executive Summary

2026年度第1四半期は増収減益となり、営業利益率が前年同期から低下したことが今期の最重要ポイントである。売上高は177.9億円(前年比+0.8%)と小幅な増収にとどまる一方、営業利益は15.7億円(同△17.5%)、経常利益は17.8億円(同△22.0%)、純利益は11.3億円(同△22.4%)といずれも二桁減益となった。主因は日本セグメントの営業利益減少であり、粗利率40.8%に対し販管費率32.0%と、コスト吸収力の低下が営業利益率を8.8%(前年10.8%)へ押し下げた。

業績変動要因

【売上高】売上高は177.9億円で前年同期比+0.8%の小幅増収。地域別では、日本が103.6億円(前年比+1.3%)で最大の売上構成(構成比58.2%)、アジアが42.9億円(同△8.5%)、米国が38.4億円(同+12.5%)となった。米国の増収は評価できるが、アジアの減収が全体成長を抑制している。

【損益】営業利益は15.7億円(前年比△17.5%)、経常利益17.8億円(同△22.0%)、純利益11.3億円(同△22.4%)といずれも減益。日本セグメントは増収ながら営業利益が8.4億円(同△28.5%)と大きく落ち込み、利益率は8.1%(前年11.5%)に低下したことが全社減益の主因である。米国は営業損失3.2億円と前年(同5.3億円の損失)から改善したが依然赤字であり、アジアは減益ながら利益率23.9%と全社最高水準を維持した。特別損失は0.1億円と軽微で一時的要因の影響は小さい。経常利益と純利益の差は実効税率約36.3%によるもので、税負担が減益幅をさらに拡大させた。結論として、増収減益である。

セグメント別分析

セグメント別営業利益は、アジア10.2億円(利益率23.7%)、日本8.4億円(同8.1%)、米国△3.2億円(同△8.3%)である。アジアは全社営業利益(セグメント合計15.4億円)の66.2%を稼ぐ主力事業であり、売上は減少(△8.5%)したものの利益率の高さで貢献度を維持している。日本は増収ながら営業利益が28.5%減少し、全社減益の主因となった。米国は12.5%増収し、営業損失が前年の5.3億円から3.2億円へ縮小したが、黒字化には至っていない。なお、当第1四半期にベトナムのHoang Anh Flavors and Food Ingredients社を連結化し、アジアセグメントで36.8億円の暫定のれんが発生している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は8.8%で前年同期10.8%から約2.0pt低下、純利益率は6.4%で前年同期8.3%から低下した。粗利率40.8%に対し販管費率32.0%と、粗利からの目減りが大きい。【キャッシュ品質】売掛金206.8億円、棚卸資産93.4億円と運転資本項目の残高が大きく、売上規模に対する債権・在庫水準はやや重い。【投資効率】ROEはQ1累計ベースで0.9%、総資産は1,510.9億円、純資産は1,273.7億円である。のれん110.7億円、無形固定資産279.5億円と、M&Aを含む投下資産の比重が高く、その収益貢献の具体化が今後の焦点となる。【財務健全性】自己資本比率は84.3%、現金及び預金は322.2億円と厚く、流動資産719.5億円に対し流動負債は139.4億円にとどまり、財務基盤は極めて保守的である。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示はないが、BS項目から資金動向を分析すると、現金及び預金は322.2億円で前年同期の348.5億円から減少しており、のれん取得を伴う買収投資や在庫積み増しが資金を使用した可能性がある。売掛金は206.8億円(前年200.2億円)、棚卸資産は93.4億円(前年87.5億円)といずれも増加しており、売上高がほぼ横ばいであることを踏まえると、運転資本への資金拘束が強まっている。買掛金は60.2億円(前年58.1億円)で小幅増にとどまり、仕入債務による資金調達効果は限定的である。総じて、運転資本の伸びが利益成長を上回っており、当期の資金効率はやや低下している。

収益の質

営業利益から経常利益への押し上げは、受取利息1.2億円、受取配当金0.4億円、為替差益0.4億円などの営業外収益2.4億円によるもので、売上高比1.3%にとどまり、本業外収益への過度な依存とは言えない水準である。特別損失は0.1億円と僅少で、経常利益と純利益の差は主に実効税率約36.3%の法人税等6.5億円によって生じている。包括利益は55.1億円と純利益11.3億円を大きく上回り、その差は為替換算調整額42.2億円によるところが大きい。これは海外子会社の円換算評価によるもので、本業の経常的な収益力とは区別して捉える必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想に対するQ1進捗率は、売上高23.3%(予想765.0億円)、営業利益16.6%(予想94.3億円)、経常利益17.8%(予想100.5億円)である。売上高進捗は単純比例の25%にほぼ近い一方、利益進捗は8~9pt下回っており、通期で営業利益+10.7%増を計画する中、Q1時点では計画に対する遅れが見られる。通期計画達成には、日本セグメントの採算改善とアジアの売上回復、米国の黒字化がQ2以降の焦点となる。

株主還元

通期予想の1株当たり配当金は100.00円、予想EPSは180.86円であり、これに基づく予想配当性向は約55.3%である。前年の実績配当は37円であり、通期予想配当は前年実績を上回る水準が示されている。自社株買いの実施状況は開示されておらず、本レポートでは配当性向のみを評価対象とする。現金及び預金322.2億円、自己資本比率84.3%という財務基盤は、配当支払いに対する裏付けとなる。

リスク要因

  1. 日本セグメントの採算悪化: 売上高103.6億円(前年比+1.3%)に対し営業利益8.4億円(同△28.5%)、利益率8.1%(前年11.5%)まで低下した。増収が利益に結びついておらず、コスト吸収力の改善が課題である。

  2. 米国セグメントの継続赤字: 売上高38.4億円(同+12.5%)に対し営業損失3.2億円。前年の5.3億円の損失から改善したものの、増収を黒字化につなげられるかが引き続き注視点である。

  3. M&A統合に伴うのれんリスク: ベトナム企業の連結化によりアジアセグメントで36.8億円の暫定のれんが発生した。取得原価配分は未確定であり、統合進捗次第では将来の減損・償却負担の見直しにつながり得る。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率8.8%7.2% (3.2%–12.5%)+1.6pt
純利益率6.4%5.9% (2.9%–12.5%)+0.5pt

自社の収益性は業種中央値をいずれも上回っており、利益率水準そのものは業種内で相対的に良好な位置にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)0.8%5.6% (1.1%–13.9%)−4.8pt

売上高成長率は業種中央値を下回り、IQRの下限付近に位置しており、成長性の面では業種内で相対的に劣後している。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 増収減益の構造は日本セグメントの利益率低下が主因であり、営業利益率は前年同期比で約2.0pt低下した。増収が利益成長につながっていない点が決算上の注目ポイントである。

  2. アジアセグメントは減収ながら利益率23.9%を維持し、全社営業利益の過半を稼ぐ収益基盤である一方、米国は増収ながら赤字継続であり、地域間で収益性の格差が拡大している。

  3. ベトナム企業の連結化に伴い36.8億円の暫定のれんが発生した。取得原価配分は未確定であり、今後の確定時期と統合後の収益寄与が財務諸表への影響を左右する。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,792円
base(基準)2,837円
bull(強気)2,873円
算出前提
1株純資産(BPS)3,141円
調整後予想EPS194.4円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向55.3%
予想EPSの信頼度調整×1.075(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.90倍 / 14.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,761円〜2,917円、ω±0.1で 2,827円〜2,843円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。