- 売上高: 1,250.02億円
- 営業利益: 119.52億円
- 当期純利益: 69.70億円
- 1株当たり当期純利益: 34.58円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,250.02億円 | 1,253.95億円 | -0.3% |
| 売上原価 | 228.03億円 | - | - |
| 売上総利益 | 1,025.92億円 | - | - |
| 販管費 | 917.74億円 | - | - |
| 営業利益 | 119.52億円 | 108.17億円 | +10.5% |
| 営業外収益 | 11.42億円 | - | - |
| 営業外費用 | 2.34億円 | - | - |
| 経常利益 | 112.24億円 | 117.25億円 | -4.3% |
| 税引前利益 | 114.22億円 | - | - |
| 法人税等 | 44.51億円 | - | - |
| 当期純利益 | 69.70億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 76.52億円 | 69.48億円 | +10.1% |
| 包括利益 | 81.72億円 | 66.26億円 | +23.3% |
| 支払利息 | 83百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 34.58円 | 31.41円 | +10.1% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 34.55円 | 31.37円 | +10.1% |
| 1株当たり配当金 | 21.00円 | 21.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 959.46億円 | 1,061.20億円 | -101.74億円 |
| 現金預金 | 462.68億円 | 451.76億円 | +10.92億円 |
| 売掛金 | 168.52億円 | 174.65億円 | -6.13億円 |
| 棚卸資産 | 135.83億円 | 120.94億円 | +14.89億円 |
| 固定資産 | 975.01億円 | 942.00億円 | +33.01億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 729.04円 |
| 純利益率 | 6.1% |
| 粗利益率 | 82.1% |
| 流動比率 | 395.8% |
| 当座比率 | 339.8% |
| 負債資本倍率 | 0.20倍 |
| インタレストカバレッジ | 144.00倍 |
| 実効税率 | 39.0% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -0.3% |
| 営業利益前年同期比 | +10.5% |
| 経常利益前年同期比 | -4.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +10.1% |
| 包括利益前年同期比 | +23.3% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 229.14百万株 |
| 自己株式数 | 7.87百万株 |
| 期中平均株式数 | 221.27百万株 |
| 1株当たり純資産 | 730.21円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 21.00円 |
| 期末配当 | 31.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| BeautyCare | 1.26億円 | 118.55億円 |
| RealEstate | 3.61億円 | 3.75億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 1,740.00億円 |
| 営業利益予想 | 145.00億円 |
| 経常利益予想 | 147.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 85.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 38.42円 |
| 1株当たり配当金予想 | 31.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3のポーラ・オルビスHDは、売上が微減ながら営業増益で、収益性の改善が確認できる四半期でした。売上高は1,250.02億円で前年比-0.3%と横ばい圏、対して営業利益は119.52億円で同+10.5%と二桁増。営業利益率は9.6%程度(119.52/1,250.02)まで上昇し、前年の約8.6%から約94bp改善したと推定されます。粗利率は82.1%と高水準を維持しており、製品ミックスや販路ミックスの最適化が寄与した可能性があります。一方、経常利益は112.24億円で同-4.3%と減益となり、営業外損益の悪化が営業増益を相殺した可能性が示唆されます。営業外収益は11.42億円(有価証券売却益2.66億円、受取利息1.85億円など)ある一方、営業外費用2.34億円やその他の項目影響で、通期の金融関連損益はやや逆風要因とみられます。税引前利益は114.22億円、当期純利益は76.52億円で同+10.1%と増益、実効税率は39.0%と高めで純利益の伸びを抑制。総資産は1,934.47億円、現金預金は462.68億円、長期借入金は0.32億円と実質無借金でバランスシートは極めて保守的です。総資産回転率0.646倍、財務レバレッジ1.20倍、純利益率6.1%のデュポン分解からROEは4.7%にとどまり、資産超過と現預金・投資有価証券の厚さが資産回転の鈍さに繋がっています。ROICは6.3%で社内目標(一般的な目安7–8%)に届かず、資本効率は改善余地あり。流動比率395.8%、当座比率339.8%と流動性は極めて強固で、満期ミスマッチのリスクは低いと評価します。配当性向は計算値で155.7%と高水準であり、営業CF未開示のため持続可能性評価には不確実性が残ります。営業CF/純利益やフリーCFが未記載で、利益のキャッシュ裏付けの確認ができない点は品質評価の制約です。営業増益の質は、販管費効率化と粗利維持に支えられたとみられ、持続性は広告宣伝投下やチャネル投資の強度に依存します。四半期ベースでは国内外需要の伸び悩みを販売効率で吸収した格好で、来期に向けては需要回復(インバウンド、海外)とコスト規律の両立が鍵となります。資本配分面では、潤沢な現金と低レバレッジを踏まえた株主還元余力はある一方、ROIC/ROEの引き上げに向けた成長投資と還元のバランスが焦点です。総じて、収益性の改善と財務健全性は確認できるものの、資本効率と配当の持続可能性(キャッシュ裏付け)の検証が今後の最重要論点です。
• デュポン分解: ROE 4.7% = 純利益率6.1% × 総資産回転率0.646 × 財務レバレッジ1.20倍。
• 変化の最大要因: 今期は売上微減下で営業増益(営業利益+10.5%)を達成しており、純利益率の改善(営業利益率約+94bpの拡大)がROEを下支えしたと評価。総資産回転率とレバレッジの構造的改善は限定的。
• 背景要因: 高粗利(82.1%)を維持しつつ、販管費効率化(販管費率約73.4%)や価格・ミックス最適化により営業レベルの利益率が改善。営業外では一部費用や評価影響で経常段階の伸びが鈍化。
• 持続性評価: 粗利はブランド力・直販/EC比率に依存し比較的粘着性がある一方、販促・広告投下の再加速や市場環境次第で販管費率は再び上昇し得るため、マージン改善の一部は循環的。一方で固定費コントロールが定着すれば持続性は高まる。
• 懸念トレンド: 売上成長(-0.3%)を下回る形で経常利益が減益(-4.3%)となっており、営業外の逆風が続く場合は純利益率改善が頭打ちとなるリスク。資産効率(総資産回転率0.646)の低さがROEのボトルネックで、余剰資金の滞留は資本効率の希薄化要因。
• 売上持続可能性: 売上は-0.3%と足踏み。国内の需要鈍化やチャネルミックス変化、海外(特に中国)の回復遅れが背景の可能性。インバウンド需要やEC拡大が回復ドライバーとなり得る。
• 利益の質: 営業増益は粗利維持と販管費効率化に起因し、営業レベルの質は良好。一方、経常段階では伸び悩みがみられ、金融関連や評価性の項目がノイズに。
• 見通し: マージンは短期的に底堅いが、成長の加速には新製品ヒット・海外回復・インバウンド捕捉が必要。資本効率向上には運転資本と余剰資金の最適化、選択的投資が有効。
• 流動性: 流動比率395.8%、当座比率339.8%で極めて健全。現金預金462.68億円が短期負債242.42億円を大きく上回り、満期ミスマッチリスクは低い。
• レバレッジ: 負債資本倍率0.20倍、長期借入金0.32億円と実質無借金。D/E>2.0や流動比率<1.0の警告条件には該当せず。
• 支払能力: インタレストカバレッジ144倍で利払い余力は非常に高い。
• オフバランス: 開示情報からは特段のオフバランス債務は把握不可(リース等の詳細は未記載)。
• 営業CF/純利益: 未記載のため算定不可。ベンチマーク上は>1.0倍が望ましいが、本決算では評価留保。
• FCFと投資余力: 設備投資額・投資CF・営業CFが未開示のため、FCFの持続性評価は限定的。ただし、現金残高は厚く短期的な還元・投資余力は高い。
• 運転資本: 運転資本717.04億円と大きく、在庫135.83億円・売掛金168.52億円の回転効率がキャッシュ創出に与える影響は大きい。運転資本の圧縮はROIC改善余地。
• 配当性向: 計算値155.7%と高水準で、単年度の利益水準に対して過大。特別配当や利益水準の一時的要因がなければ、持続性には慎重評価が必要。
• FCFカバレッジ: 営業CF・FCF未記載につき判定不可。現金残高は厚いが、継続的な超過還元の裏付けとしてはCF開示の確認が必要。
• 方針見通し: 低レバレッジ・高流動性により還元余力はある一方、ROIC向上と成長投資のバランスが重要。期末時点の通期見通しとCF実績で配当方針の持続性を再評価すべき。
ビジネスリスク:
- 国内外需要の鈍化(売上-0.3%)による成長停滞リスク
- 中国・アジアの回復遅延およびインバウンドの変動
- ブランド投資・広告宣伝費の再拡大によるマージン圧迫
- 新製品ヒット依存度と商品ミックスの悪化リスク
財務リスク:
- 配当性向が155.7%と高水準で、営業CFが伴わない場合の還元持続性リスク
- 総資産回転率0.646の低さによるROE/ROICの伸び悩み
- 営業外損益のボラティリティ(有価証券売却益・評価影響等)
- 為替変動による海外売上・調達コストへの影響
主な懸念事項:
- 営業増益にもかかわらず経常減益(-4.3%)となった非営業要因の継続性
- ROIC 6.3%が目安7–8%に未達で、資本効率改善の必要性
- 営業CF・FCF未開示による利益のキャッシュ裏付け評価の不確実性
- 高流動資産(現金・投資有価証券)の滞留による資本効率希薄化
重要ポイント:
- 売上横ばい下でも営業利益は二桁増、営業利益率は約94bp改善
- 経常段階は減益で非営業の逆風が残存、純利益は+10.1%増
- 強固なバランスシート(実質無借金、流動比率396%)で耐性は高い
- ROE 4.7%、ROIC 6.3%と資本効率は改善余地が大きい
- 配当性向155.7%は高く、CF裏付け確認が不可欠
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益とフリーCF(通期開示時)
- 販管費率のトレンド(広告・販促の再加速有無)
- 在庫・売掛金の回転指標(運転資本効率)
- 海外(特に中国)需要・インバウンド関連売上
- 非営業損益(投資有価証券関連・為替差損益)の変動
セクター内ポジション:
財務健全性と高粗利でディフェンシブ性は高い一方、売上成長の鈍さと資本効率の低さが相対的な課題。需要回復局面での営業レバレッジ獲得と運転資本効率化が同業内での競争力差となる。
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