- 売上高: 2,405.10億円
- 営業利益: 135.75億円
- 当期純利益: 103.49億円
- 1株当たり当期純利益: 164.50円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 2,405.10億円 | 2,387.25億円 | +0.7% |
| 売上原価 | 719.13億円 | - | - |
| 売上総利益 | 1,668.12億円 | - | - |
| 販管費 | 1,479.97億円 | - | - |
| 営業利益 | 135.75億円 | 188.15億円 | -27.9% |
| 営業外収益 | 20.38億円 | - | - |
| 営業外費用 | 1.68億円 | - | - |
| 経常利益 | 135.43億円 | 206.85億円 | -34.5% |
| 税引前利益 | 184.92億円 | - | - |
| 法人税等 | 81.42億円 | - | - |
| 当期純利益 | 103.49億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 93.87億円 | 94.12億円 | -0.3% |
| 包括利益 | 67.76億円 | 97.96億円 | -30.8% |
| 支払利息 | 3百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 164.50円 | 164.96円 | -0.3% |
| 1株当たり配当金 | 70.00円 | 70.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 2,187.21億円 | 2,403.36億円 | -216.15億円 |
| 現金預金 | 862.49億円 | 1,139.70億円 | -277.21億円 |
| 売掛金 | 492.64億円 | 500.20億円 | -7.56億円 |
| 棚卸資産 | 467.03億円 | 402.16億円 | +64.87億円 |
| 固定資産 | 1,552.77億円 | 1,464.56億円 | +88.21億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 4,739.07円 |
| 純利益率 | 3.9% |
| 粗利益率 | 69.4% |
| 流動比率 | 356.5% |
| 当座比率 | 280.4% |
| 負債資本倍率 | 0.29倍 |
| インタレストカバレッジ | 4525.00倍 |
| 実効税率 | 44.0% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +0.7% |
| 営業利益前年同期比 | -27.8% |
| 経常利益前年同期比 | -34.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -0.3% |
| 包括利益前年同期比 | -30.8% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 60.59百万株 |
| 自己株式数 | 3.52百万株 |
| 期中平均株式数 | 57.07百万株 |
| 1株当たり純資産 | 5,086.79円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 70.00円 |
| 期末配当 | 70.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 3,360.00億円 |
| 営業利益予想 | 200.00億円 |
| 経常利益予想 | 207.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 138.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 241.83円 |
| 1株当たり配当金予想 | 70.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3のコーセーは、売上は微増も利益は大幅減益で、コスト上昇と販促投下が重く乗った四半期でした。売上高は2,405.1億円で前年比+0.7%と横ばい圏を維持しました。営業利益は135.8億円と前年比-27.8%と大幅減、営業利益率は5.6%で前年の約7.9%から約224bp低下しました。売上総利益は1,668.1億円、粗利率は69.4%と依然高水準ですが、販管費1,480.0億円(売上比61.5%)が利益を圧迫しました。経常利益は135.4億円で前年比-34.5%と営業段階からさらに落ち込みが拡大しました。一方で営業外収益20.4億円(受取利息7.2億円、受取配当金1.3億円等)が一定の下支えとなりました。税引前利益は184.9億円と経常利益を上回り、特別利益の計上が示唆されます(詳細内訳は未記載)。当期純利益は93.9億円で前年比-0.3%とほぼ横ばいを確保し、純利益率は3.9%でした。実効税率は44.0%と高く、税負担が純利益の伸びを抑制しました。デュポン分解によるROEは3.2%(=純利益率3.9%×総資産回転率0.643×財務レバレッジ1.29)と低位で、資本効率は伸び悩みました。ROICは3.7%と警戒水準(<5%)で、投下資本収益性の改善余地が大きい状況です。財務安全性は極めて高く、流動比率356.5%、当座比率280.4%、負債資本倍率0.29倍、短期借入金7.8億円と保守的な資本構成です。現金預金は862.5億円で、景気変動に対する耐性は高い一方、低ROICが現預金過多や資産効率の課題を示唆します。キャッシュフロー情報は未記載のため、営業CF対純利益やFCFの持続可能性を定量評価できない点は制約です。配当性向(計算値)は90.4%と高水準で、利益の低迷と合わせて持続可能性にやや懸念が残ります。先行きは、販促・人件費の伸びを吸収できる売上成長(価格・ミックス、チャネル拡大、海外再加速)と、在庫・運転資本の適正化によるCF創出が鍵です。短期的にはコスト高で利益率は下押しも、非営業収益の下支えと強固な財務で下方耐性は高い一方、ROICの構造的改善が中期テーマとなります。
ステップ1: ROE=純利益率(3.9%)×総資産回転率(0.643)×財務レバレッジ(1.29)=約3.2%。ステップ2: 最も変化が大きい要素は純利益率で、営業利益率が前年約7.9%から5.6%へ約224bp低下したことが主因。ステップ3: 低下の背景は、売上が+0.7%にとどまる中で販管費比率が高止まり(売上比61.5%)し、広告宣伝・販売促進、人件費(給料手当403.8億円)などの固定・半固定費の伸びが営業レバレッジを悪化させたため。ステップ4: 販促強化・人員投資は中期成長に資する可能性があるが、短期的には一時的な圧迫に留まるかは、価格改定・高付加価値ラインの伸長と海外需要(特にインバウンド・中国関連)の回復に依存し、現時点では持続的低下リスクをやや警戒。ステップ5: 懸念されるトレンドとして、売上成長(+0.7%)に対し販管費の伸びが上回っている可能性が高く(内訳の多数が未記載である点は留意)、営業外収入比率が21.7%と上昇していることは本業依存度の低下を示し、利益の質の観点で注意が必要。
売上は+0.7%と低成長で、需要の地域差やチャネルミックスが伸びを抑制したとみられます。粗利率は69.4%と高水準を維持しており、価格・ミックスの質は悪化していませんが、販促・人件費の先行投資が利益成長を相殺しました。営業利益は-27.8%と大幅減で、固定費吸収の弱さが顕在化しました。非営業収益(20.4億円)が経常段階を下支えしましたが、持続的な成長牽引役にはなりにくいです。純利益は-0.3%に踏みとどまりましたが、実効税率44%の高さが続く場合、純利益成長は圧迫されやすいです。先行きは、国内外の高単価ブランドの拡販、免税・越境ECの回復、価格改定の浸透が売上の持続性を左右します。運転資本(売掛金492.6億円、在庫467.0億円)の適正化と、販促効率の改善が利益回復のカタリストになります。
流動比率356.5%、当座比率280.4%と流動性は非常に厚く、短期的な支払能力に懸念はありません。負債資本倍率0.29倍、短期借入金7.8億円とレバレッジは極めて低いです。インタレストカバレッジは4,525倍と金利負担は無視できる水準です。満期ミスマッチも、流動資産2,187.2億円に対し流動負債613.5億円で十分な余裕があります。オフバランス債務の情報は未記載のため評価できません。自己資本は2,704.8億円で、のれん56.6億円・無形244.6億円は資本の質に大きな毀損を与える規模ではありません。
営業CF、投資CF、フリーCFの開示が未記載のため、営業CF/純利益比率やFCFカバレッジを定量評価できません。営業CF/純利益が0.8倍未満であれば品質懸念となりますが、現時点では判断保留です。運転資本は売掛金492.6億円、在庫467.0億円と大きく、売上の停滞局面では在庫回転・回収サイトの悪化がCFを毀損しやすい点には注意が必要です。現金預金862.5億円の厚い手元資金が短期CFの変動を緩衝しますが、ROIC低位の一因となっている可能性があります。
配当性向(計算値)90.4%は基準値(<60%)を大きく上回り、利益低迷局面では持続性に懸念が生じます。CF情報未記載のため、FCFによる配当カバレッジは評価不能です。期中平均株式数57.07百万株・純利益93.9億円から逆算すると、総配当は約84.9億円、DPSは概ね149円相当と推定されます(公表値未記載のため参考)。純現金基調と低レバレッジにより短期の配当維持余力はあるものの、中期的には利益成長または投資配分の見直しが伴わない限り、配当方針は見直し圧力を受けやすいです。
ビジネスリスク:
- 販促・人件費の固定費化に伴う営業レバレッジ悪化リスク
- チャネルミックス・地域ミックスの変化による売上成長の鈍化
- 高実効税率(44%)の継続による純利益圧迫
- 在庫水準の高さに起因する値引き・廃棄リスク
財務リスク:
- ROIC 3.7%と低位のため、資本効率低下が継続するリスク
- 手元流動性過多による資産回転率の停滞
- キャッシュフロー開示不足によるFCF・配当カバレッジの不確実性
主な懸念事項:
- 営業利益率の約224bpの悪化と販管費比率の高止まり
- 営業外収入比率21.7%と本業依存度の低下
- 配当性向90.4%と利益成長鈍化のミスマッチ
重要ポイント:
- 売上は+0.7%ながら営業利益-27.8%とコスト増を吸収できず、営業利益率は5.6%へ低下
- ROE 3.2%、ROIC 3.7%と資本効率は課題、特に資産回転率0.643と手元資金の厚さが影響
- 財務安全性は極めて高く、短期の下方耐性は強い
- 配当性向90.4%は高水準で、中期持続性には利益回復とCF改善が前提
注視すべき指標:
- 販管費率(広告宣伝費・人件費)と営業利益率の回復度合い
- 在庫回転日数・売掛金回転期間と営業CF
- 価格・ミックス改善度(粗利率の推移)
- 実効税率の正常化進展
- 非営業収益依存度(営業外収益比率)の低下
セクター内ポジション:
国内化粧品大手の中で財務の健全性は最上位クラスだが、成長鈍化とコスト高により収益性・資本効率は相対的に見劣り。短期耐性は高い一方、中期はROIC改善と本業収益の再強化が必須。
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