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49012026 第3四半期プライムUS-GAAP

富士フイルムホールディングス(4901) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は2兆4,297億円(前年同期比+4.4%)、営業利益は2,485億円(同+11.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

素材・化学/化学


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥24297.2億¥23275.2億+4.4%
営業利益¥2484.5億¥2232.8億+11.3%
税引前利益¥2621.9億¥2371.5億+10.6%
純利益¥1933.8億¥1815.4億+6.5%
ROE5.2%5.4%-

Executive Summary

当期は増収増益となり、収益性は業種比較でも良好な水準を維持した。売上高は2兆4,297.2億円(前年比+4.4%)、営業利益は2,484.5億円(同+11.3%)、税引前利益は2,621.9億円(同+10.6%)、純利益は1,933.8億円(同+6.5%)となった。営業利益率は10.2%で前年から改善し、税引前利益が営業利益を137.4億円上回る構造は営業外損益が利益を押し上げたことを示す。通期会社予想に対する進捗率は売上高73.6%、営業利益74.2%、純利益73.1%で、Q3標準進捗率75%に概ね沿った推移である。

業績変動要因

【売上高】売上高は2兆4,297.2億円で前年の2兆3,275.2億円から+4.4%増加した。通期予想3兆3,000億円に対する進捗率は73.6%で、Q3累計として概ね計画線上にある。セグメント別の詳細な内訳は開示されていないが、全体として着実な増収基調にある。

【損益】営業利益は2,484.5億円(前年比+11.3%)、営業利益率10.2%は前年から改善した。税引前利益は2,621.9億円で営業利益を137.4億円(売上高比5.7%)上回り、金利負担係数1.055倍からも営業外損益がプラス寄与したことがうかがえる。純利益は1,933.8億円(同+6.5%)で、税負担係数は約0.738(実効税率約26.2%)と平年並みの水準である。増収増益であり、利益成長率(+11.3%)が売上成長率(+4.4%)を上回る点で、営業段階での収益効率改善が示唆される。

主要財務指標

【収益性】営業利益率10.2%、純利益率8.0%はいずれも前年から改善しており、業種内でも良好な水準にある。【キャッシュ品質】営業キャッシュフロー等のCF計算書データが開示されていないため、本セクションでは損益・BSデータに基づく分析に限定する。【投資効率】ROEは5.2%で、純利益率8.0%×総資産回転率0.413倍×財務レバレッジ1.58倍のデュポン分解により説明される。収益性は良好である一方、総資産回転率の低さがROEを抑制する主因である。【財務健全性】自己資本比率は63.2%と高水準で、前年の63.8%からわずかに低下したものの、総資産・純資産がともに拡大するなかでの緩やかな変化にとどまり、財務基盤は引き続き厚い。

キャッシュフロー分析

CF計算書の営業・投資・財務キャッシュフローのデータは開示されていないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。総資産は5兆8,830.9億円と前年の5兆2,499.1億円から+12.1%拡大し、純資産も3兆7,249.7億円と前年比+11.1%増加した。純資産の増加額(3,722.9億円)は当期純利益(1,933.8億円)を上回っており、その他の資本剰余や利益剰余金の積み増しに加え、資産・資本の双方が拡大する形での財務体質強化が進んでいることがうかがえる。自己資本比率は63.2%とわずかに低下したが、これは総資産の伸びが純資産の伸びをやや上回ったことによるもので、財務健全性への懸念を示すものではない。

収益の質

税引前利益は営業利益を137.4億円上回り、これは売上高の5.7%に相当する規模である。金利負担係数が1.055倍と1.0倍を超えていることから、当期は営業外損益が利益を押し上げる方向に寄与したと考えられるが、その内訳(受取利息・持分法投資損益・為替差損益等)の詳細は開示されていない。営業利益ベースの収益性(10.2%)は着実に改善しており、本業の稼ぐ力自体は確認できるが、税引前利益・純利益の伸び(+10.6%、+6.5%)が営業外損益の構成次第で変動しうる点は、利益の質を評価するうえで留意すべき点である。純利益の伸び率(+6.5%)が税引前利益の伸び率(+10.6%)を下回るのは、税負担の影響によるものである。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想(売上高3兆3,000億円、営業利益3,350億円、純利益2,645億円)に対し、Q3累計の進捗率は売上高73.6%、営業利益74.2%、純利益73.1%となった。いずれもQ3の標準進捗率75%を1~2pt下回る程度で、概ね計画線上の進捗である。通期予想ベースの営業利益率10.15%はQ3累計の営業利益率10.23%とほぼ同水準であり、期末にかけて大幅な利益率変動を見込まない保守的な計画と読み取れる。残るQ4で必要となる金額は売上高8,702.8億円、営業利益865.5億円、純利益711.3億円である。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり35.00円であり、Q3累計純利益に対する配当性向は22.5%である(配当のみを対象とした比率で、自社株買いは含まない)。会社予想の年間配当は1株当たり70.00円で、予想EPS219.45円に対する通期予想配当性向は31.9%となる。この水準は利益に対して無理のない還元設計であり、自己資本比率63.2%という厚い財務基盤も配当の安定性を支えている。内部留保を一定程度残す方針がうかがえる。

リスク要因

  1. 営業外損益の構成不透明性: 税引前利益は営業利益を137.4億円(売上高比5.7%)上回り、金利負担係数1.055倍がこれを裏付けるが、内訳が開示されていないため、当該上振れの反復性は営業利益の伸びとは分けて評価する必要がある。

  2. 資本効率(ROE)の相対的低さ: ROE5.2%は一般的な優良基準8%を下回り、総資産回転率0.413倍が主因である。純利益率8.0%は良好であるため、資産効率の改善が今後の資本生産性向上の論点となる。

  3. 成長ペースの変動可能性: 成長一貫性スコアが低いとされ、売上・利益の伸びには期ごとの変動余地がある。マージン自体は3期で横ばい傾向にあり、収益構造の安定性と成長ペースの再現性は別軸で評価する必要がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率10.2%8.6% (4.3%–12.7%)+1.6pt
純利益率8.0%6.4% (2.8%–10.3%)+1.5pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を上回り、収益性は業種内で良好な位置にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)8.0%3.3% (-2.1%–8.9%)+4.7pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、業種内の成長率上位グループに位置する。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率10.2%、純利益率8.0%はともに前年から改善し、業種中央値も上回る水準である。増収に加え利益率の改善が進み、増収増益の構造が確認できる。

  2. 通期計画への進捗は売上高73.6%、営業利益74.2%、純利益73.1%と標準進捗率75%におおむね沿っており、通期予想の達成には特段の上乗せを前提としない現実的な水準にある。

  3. ROE5.2%は自己資本比率63.2%という保守的な資本構成のもとで、総資産回転率0.413倍の低さに規定されている。収益性の高さを資本効率へどう転化するかが、財務構造面での今後の観察点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,929円
base(基準)2,987円
bull(強気)3,034円
算出前提
1株純資産(BPS)3,087円
調整後予想EPS235.9円
株主資本コスト r8.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向31.9%
予想EPSの信頼度調整×1.075(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.97倍 / 12.7倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,903円〜3,075円、ω±0.1で 2,983円〜2,989円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。