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48272026 第3四半期JGAAP

ビジネス・ワンホールディングス(4827) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は123.5億円(前年同期比+5.3%)、営業利益は11.1億円(同+10.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥123.5億¥117.3億+5.3%
営業利益¥11.1億¥10.1億+10.7%
経常利益¥9.8億¥8.5億+15.4%
純利益¥6.9億¥5.7億+20.4%
ROE10.2%9.4%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計決算は、売上高123.5億円(前年比+6.2億円 +5.3%)、営業利益11.1億円(同+1.0億円 +10.7%)、経常利益9.8億円(同+1.3億円 +15.4%)、親会社株主に帰属する純利益6.5億円(同+1.1億円 +21.3%)と増収増益を達成。営業利益率は9.0%(前年8.6%から+0.4pt)、純利益率は5.6%(前年5.1%から+0.5pt)へ改善。ROE 10.2%は業種中央値8.1%を上回る水準。売上高は3期連続増収で推移。

業績変動要因

【売上高】売上高123.5億円(前年比+5.3%)の内訳は、顧客との契約から生じる収益106.7億円(売上高の86.4%)とリース賃貸料等その他の収益16.9億円(同13.6%)で構成される。セグメント別では不動産事業が72.4億円(全体の58.6%、前年70.5億円から+2.7%)で最大規模を占め、建設事業16.8億円(前年12.3億円から+36.5%)が大幅伸長、マンション管理事業17.3億円(前年15.3億円から+13.1%)、賃貸事業10.6億円(前年9.0億円から+18.4%)が増収に寄与。家具・家電レンタル事業5.9億円(前年5.4億円から+9.3%)、ファイナンス事業3.1億円(前年2.5億円から+21.4%)も堅調。建設事業の拡大は連結子会社株式会社ナカケンの通期寄与が主因で、第3四半期期首のみなし取得により前年比較では大幅増。【損益】売上原価93.3億円(売上高比75.5%)、売上総利益30.2億円(粗利率24.5%、前年24.3%から+0.2pt)。販管費19.1億円(販管費率15.5%、前年16.0%から△0.5pt)は販管費比率の低下により営業レバレッジが効き、営業利益11.1億円(営業利益率9.0%)は前年10.1億円から+10.7%増。営業外収益0.6億円に対し営業外費用2.0億円(うち支払利息1.9億円)で営業外収支は△1.3億円、経常利益9.8億円(前年比+15.4%)。特別利益0.1億円(固定資産売却益)、特別損失0.0億円で、税引前利益9.9億円、法人税等3.0億円、非支配株主利益0.4億円を控除後、親会社株主に帰属する純利益6.5億円(前年比+21.3%)。営業増益率+10.7%に対し純利益増益率+21.3%と経常利益から純利益への段階で増益が加速しており、税効果や持分損益の改善が寄与。一時的要因として固定資産売却益0.1億円があるが影響は限定的。増収増益で着地。

セグメント別分析

不動産事業は売上高72.4億円(全体の58.6%)、営業利益5.5億円(利益率7.6%)で主力事業に位置づけられる。建設事業は売上高16.8億円(同13.6%)、営業利益0.3億円(利益率1.7%)で、株式会社ナカケンの連結効果により売上規模が前年12.3億円から+36.5%増となったが利益率は低位。マンション管理事業は売上高17.3億円(同14.0%)、営業利益0.8億円(利益率4.6%)で前年比増収増益。賃貸事業は売上高10.6億円(同8.6%)、営業利益3.9億円(利益率36.9%)と最高利益率を誇るストック型事業。ファイナンス事業は売上高3.1億円(同2.5%)、営業利益1.4億円(利益率44.3%)でセグメント中最高の利益率を示す。家具・家電レンタル事業は売上高5.9億円(同4.8%)、営業利益0.1億円(利益率2.2%)、ソフトウェア事業は売上高1.7億円(同1.4%)、営業利益0.4億円(利益率23.1%)。セグメント間では利益率に大きな差異があり、賃貸とファイナンスが高収益事業、建設と家具レンタルが薄利事業となっている。

主要財務指標

【収益性】ROE 10.2%(業種中央値8.1%を上回る)、営業利益率9.0%(前年8.6%から+0.4pt、業種中央値4.7%を上回る)、純利益率5.6%(前年5.1%から+0.5pt、業種中央値6.5%と近似)。【キャッシュ品質】現金及び預金39.3億円、短期負債161.8億円に対するカバレッジ0.24倍で短期流動性は限定的、流動資産180.4億円に対し流動負債161.8億円で流動比率111.5%(業種中央値203.0%を大幅に下回る)。【投資効率】総資産回転率0.39倍(業種中央値0.82倍を下回る)、ROIC 7.3%。【財務健全性】自己資本比率21.4%(業種中央値52.3%を大幅に下回る)、財務レバレッジ4.68倍(業種中央値1.90倍を大幅に上回る)、負債資本倍率3.68倍で高レバレッジ構造。長期借入金83.4億円、短期借入金を含む有利子負債は総資産の69.9%を占める。

キャッシュフロー分析

現金及び預金は39.3億円(前年38.5億円から+0.8億円)と微増にとどまり、短期借入金を含む流動負債161.8億円に対する現金カバレッジは0.24倍で短期流動性は脆弱。総資産は316.1億円(前年305.5億円から+10.6億円)へ増加し、主な増加要因は有形固定資産127.8億円(前年120.4億円から+7.4億円)の積み上がりで、不動産・賃貸資産への投資が資産拡大の主因。流動資産は180.4億円(前年173.8億円から+6.6億円)へ増加し、棚卸資産や営業債権の増加が推定される。負債面では長期借入金83.4億円(前年78.0億円から+5.4億円)と有利子負債が増加し、資産投資の資金調達を有利子負債に依存する構造。利益剰余金は59.8億円(前年55.2億円から+4.6億円)で、純利益6.5億円に対する内部留保は相応に進んでいる。

収益の質

経常利益9.8億円に対し営業利益11.1億円で、営業外費用の純額1.3億円が営業利益を減少させる要因となっている。営業外費用の主因は支払利息1.9億円で、有利子負債に対する金利負担が収益を圧迫。営業外収益0.6億円は売上高の0.5%にとどまり、本業外収益の貢献は限定的。営業利益率9.0%に対し経常利益率7.9%で、金融コストによる利益圧縮が1.1ptある。純利益6.5億円に対し現金及び預金は微増にとどまり、営業CF創出力は四半期では評価困難だが、有形固定資産の積み上がりや有利子負債増加から投資CFが資金流出を生じている可能性が高い。収益の質は営業段階では堅調だが、金融コストと資産投資の資金調達構造に留意が必要。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高170.0億円(前年比+5.6%)、営業利益16.0億円(同+9.5%)、経常利益13.0億円(同+3.2%)に対し、第3四半期累計実績は売上高123.5億円(進捗率72.6%)、営業利益11.1億円(同69.4%)、経常利益9.8億円(同75.4%)。標準進捗率75.0%に対し、売上高は△2.4pt、営業利益は△5.6pt下回るが、経常利益は+0.4ptと概ね標準進捗で推移。第4四半期単独では売上高46.5億円、営業利益4.9億円、経常利益3.2億円の計画となり、営業利益率は10.5%と第3四半期累計実績9.0%を上回る高水準が見込まれる。会社計画は第4四半期の利益率改善を前提としており、季節性要因や不動産販売タイミングが影響する可能性がある。予想修正は行われていない。

株主還元

年間配当は10.00円(期末一括)を予想し、予想EPS 204.87円に対する配当性向は4.9%と極めて保守的な水準。前年実績の配当データは記載がなく、配当政策の継続性や増配実績は評価できない。自社株買いの開示はなく、株主還元は配当のみで実施される見込み。配当性向が低く、内部留保を優先する資本政策が示唆される。純利益6.9億円(通期予想ベース)に対し配当総額は0.4億円(発行済株式4,149千株×10円)で、配当負担は純利益の6%程度と負担感は小さい。現預金39.3億円に対し配当負担0.4億円は流動性面でも問題ない水準だが、高い有利子負債比率を踏まえると財務改善を優先する姿勢と評価できる。

リスク要因

  1. 高レバレッジリスク: 自己資本比率21.4%、負債資本倍率3.68倍と高い有利子負債依存で、支払利息1.9億円は営業利益11.1億円の17.1%を占め、金利上昇局面では収益圧迫リスクが顕著。財務レバレッジ4.68倍は業種中央値1.90倍の2.5倍に達し、借入条件変化に対する脆弱性が高い。
  2. 短期流動性リスク: 現金及び預金39.3億円に対し流動負債161.8億円で、短期負債カバレッジ0.24倍と極めて低位。流動比率111.5%は業種中央値203.0%を大幅に下回り、短期資金繰りは借入ロールオーバーに依存する構造で、リファイナンスリスクが存在。
  3. 不動産市況リスク: 主力の不動産事業(売上構成比58.6%)は市況変動の影響を受けやすく、建設事業も含め不動産・建設依存度が高いため、地価下落や建設需要減少が業績に直結。有形固定資産127.8億円は総資産の40.4%を占め、保有資産の評価変動リスクも内包。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 当社の収益性は業種内で上位に位置する。営業利益率9.0%は業種中央値4.7%を+4.3pt上回り、ROE 10.2%も業種中央値8.1%を+2.1pt上回る水準。純利益率5.6%は業種中央値6.5%を△0.9pt下回るが概ね中位圏。一方で財務健全性には課題があり、自己資本比率21.4%は業種中央値52.3%を△30.9pt大幅に下回り、財務レバレッジ4.68倍は業種中央値1.90倍の2.5倍と高レバレッジ依存が顕著。流動比率111.5%も業種中央値203.0%を大幅に下回り、短期流動性は業種内で劣位。効率性では総資産回転率0.39倍が業種中央値0.82倍を下回り、資本集約型事業構造を反映。売上高成長率+5.3%は業種中央値+5.7%と概ね並ぶ。収益力は高いが有利子負債依存が強く、キャッシュ創出力とリファイナンス計画が重要な監視ポイントとなる。 ※業種: 不動産・建設業(10社)、比較対象: 2025-Q3、出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

決算上の注目ポイントは以下3点。第一に、営業増益率+10.7%が売上成長率+5.3%を上回る営業レバレッジの効果で、販管費率の低下(16.0%→15.5%)が利益率改善を牽引している点。第二に、セグメント別利益率の大きな差異で、賃貸事業36.9%やファイナンス事業44.3%の高収益事業が全体利益を支える一方、建設事業1.7%や家具レンタル2.2%は薄利事業となっており、セグメントミックスの変化が収益性に影響を与える構造。第三に、高レバレッジと短期流動性の脆弱性で、負債資本倍率3.68倍、現金/短期負債0.24倍は財務安定性への懸念材料であり、今後の資金調達環境や金利動向が業績と資本政策に直結する点が構造的特徴である。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度第3四半期累計は、売上高123.50億円(前年同期比5.3%増)、営業利益11.13億円(同10.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益6.50億円(同21.3%増)となり、増収増益を維持した。営業利益の増益率は売上高成長率を5.4pt上回り、営業レバレッジが働いた。売上総利益は30.21億円となり、粗利益率は24.5%と前年同期の23.5%から約101bp上昇した。販売費及び一般管理費は19.08億円で前年同期比9.4%増となったが、粗利益の増加がこれを吸収した。営業利益率は9.0%となり、前年同期の8.6%から約44bp改善した。経常利益は9.81億円で同15.4%増となり、経常利益率は7.9%と前年同期比約69bp上昇した。親会社株主に帰属する四半期純利益率は5.3%で、前年同期の4.6%から約70bp拡大した。純利益の伸びが営業利益を上回った主因は、営業外収支の悪化幅が相対的に限定的であったこと、および特別利益0.08億円の計上である。もっとも、営業外費用1.97億円の大半を支払利息1.87億円が占めており、金利負担は収益拡大の取り分を抑制している。支払利息は前年同期の1.69億円から10.2%増加しており、借入依存度の高い資本構成を反映する。不動産事業がセグメント利益の最大の寄与先である一方、マンション管理事業の黒字転換とファイナンス事業の増益が全体の利益拡大を支えた。反面、建設事業のセグメント利益は前年同期比73.6%減となり、売上成長が収益性に結び付いていない。総資産は316.05億円、純資産は67.54億円で、自己資本を上回る有利子負債221.16億円を抱える。流動比率は111.5%を確保するが、現金預金39.26億円は短期負債に対して0.28倍にとどまり、短期資金の借換え・資産売却・販売用不動産の回収への依存が高い。通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高72.6%、営業利益69.6%、経常利益75.5%、親会社株主に帰属する当期純利益76.5%である。利益進捗は概ね標準的な75%近辺にあるが、営業利益進捗は69.6%とやや低く、第4四半期には建設事業の採算回復、不動産販売の利益率、および金利負担の抑制が重要となる。

収益性分析

年換算ROEは12.8%であり、デュポン3因子では純利益率5.3%×総資産回転率0.521回×財務レバレッジ4.68倍に分解される。ROEは10~15%の良好圏にあるものの、主な押上げ要因は4.68倍の高い財務レバレッジであり、収益力・資産効率だけによるROEではない。純利益率5.3%は良好圏の下限付近であり、前年同期比約70bpの改善が今回のROEを支えた。総資産回転率0.521回は、販売用不動産76.76億円、土地77.22億円を含む資産集約的な不動産・建設事業の性質を反映する。営業利益率は9.0%と前年同期比約44bp改善し、粗利益率の約101bp改善が販管費率の上昇を上回った。販管費は前年同期比9.4%増と売上高の5.3%増を上回っており、販管費の伸びが継続すれば営業マージン改善の制約となる。CFA5因子では、税負担係数は0.657、金利負担係数は0.889、EBITマージンは9.0%である。金利負担係数0.889は、営業利益から税引前利益への移行時に借入コストが一定の減速要因となっていることを示す。インタレストカバレッジは5.96倍で、現時点では5倍超を維持するものの、金利上昇または営業利益の下振れに対する余裕は大きくない。セグメント面では、不動産事業の利益率は7.6%、賃貸事業は36.9%、ファイナンス事業は44.3%であり、高マージンの賃貸・ファイナンスが収益性を補完する。建設事業の利益率は1.7%まで低下しており、売上増だけでは全社的な利益率改善の持続性を保証しない。JGAAP上ののれん償却は当第3四半期累計で0.10億円であり、営業利益11.13億円に対する影響は小さい。のれん残高も0.34億円、純資産比0.5%にとどまり、のれん償却や減損が収益性を大きく歪める構造ではない。

成長性評価

売上高は前年同期比5.3%増で、通期会社計画の前年比5.6%増と整合的な成長軌道にある。不動産事業は71.09億円で同0.8%増にとどまるが、セグメント利益は5.48億円で同5.6%増となり、主力事業として安定的に増益へ寄与した。マンション管理事業は売上高15.30億円で同15.2%増、セグメント利益は0.80億円となり、前年同期の0.06億円の損失から黒字化した。賃貸事業は売上高9.76億円で同9.1%増、セグメント利益3.91億円で同10.4%増となり、高い利益率を維持した。家具・家電レンタル事業は売上高5.88億円で同9.5%増である一方、セグメント利益は0.13億円で同28.3%減となり、採算悪化がみられる。ソフトウェア事業は売上高1.67億円で同3.9%増だが、セグメント利益は0.39億円で同10.7%減となった。ファイナンス事業は売上高3.09億円で同21.4%増、セグメント利益1.39億円で同50.9%増となり、増収増益の寄与が大きい。建設事業は売上高14.82億円で同20.1%増となった一方、セグメント利益は0.28億円で同73.6%減となり、原価・案件構成・工事進捗による利益変動が成長の質に対する主要な監視点である。その他事業は売上高1.90億円で同28.6%減となり、全社売上成長への寄与は限定的である。利益成長は不動産販売、マンション管理、賃貸、ファイナンスの分散した寄与で支えられているが、不動産販売の期ごとの案件構成、建設採算、借入金利が持続性を左右する。

財務健全性

流動比率および当座比率はともに111.5%であり、流動資産180.43億円が流動負債161.80億円を18.63億円上回る。もっとも、流動比率は一般的な健全目安である150%を下回り、短期負債に対する流動性の厚みは限定的である。D/E比率は3.68倍で2.0倍を大きく上回るため、レバレッジ警告に該当する。これは不動産・賃貸資産および販売用不動産の保有を借入で賄う資本構成を示すが、資産価値・売却回収・賃料収入が想定を下回る局面では株主資本への負荷が高まる。Debt/Capital比率は76.6%であり、資本の4分の3超を有利子負債が占める。有利子負債は221.16億円で、うち短期借入金137.79億円、長期借入金83.37億円である。短期負債比率は62.3%で40%を大きく上回るため、借入の満期ミスマッチとリファイナンスリスクが重要である。現金預金39.26億円の短期負債に対する比率は0.28倍で0.5倍を下回り、現預金のみでの短期債務対応力は低い。販売用不動産76.76億円は短期借入金の回収原資となり得る一方、売却時期・販売価格・市況に左右されるため、現金と同等の流動性を前提にはできない。REITレバレッジ警告として示されたLTV70.0%は55%の警戒水準を上回り、不動産価値の下落または担保余力低下が借入条件・資金調達余力に影響し得る。インタレストカバレッジ5.96倍は辛うじて強固とされる5倍を上回るが、支払利息の上昇傾向を踏まえると金利上昇耐性を継続的に確認する必要がある。前年同期比では総資産が10.51億円増、純資産が6.53億円増加した一方、短期借入金は11.38億円増加し、長期借入金は0.30億円減少した。したがって、資産・利益の積み上げと同時に資金調達の短期化が進んでいる。投資有価証券は0.99億円から1.34億円へ35.4%増加したが、総資産比0.4%にとどまり、財務安全性への直接的な影響は限定的である。利益剰余金は59.79億円で前年同期から6.09億円、11.3%増加し、内部留保の積み上げはレバレッジ耐性を小幅に補強した。のれんは0.34億円、無形固定資産は0.64億円で、無形資産由来の資本毀損リスクは低い。リース債務は流動・固定合計で約0.09億円であり、借入金規模に比べオフバランス性の高い債務負担は軽微である。

B/S変動のポイント

短期借入金: +11.38億円(前年同期比+11.1%)- 総資産の43.6%を占める短期借入が増加。短期負債比率62.3%、現金/短期負債0.28倍と併せ、借換え依存と資金繰りを継続監視する必要がある。販売用不動産: -2.26億円(前年同期比-2.9%)- 在庫圧縮は資金回収に寄与し得る一方、不動産販売の将来売上・粗利の確保との両面で評価する必要がある。土地: +4.36億円(前年同期比+6.0%)- 不動産関連資産の積み増しにより資産基盤は拡大したが、LTV70.0%のもとで資産価値・稼働収益・資金調達条件への感応度も高まる。建物及び構築物: -0.93億円(前年同期比-2.0%)- 減価償却や資産入替を反映した変動とみられ、土地増加と合わせた不動産ポートフォリオの収益性を確認したい。投資有価証券: +0.35億円(前年同期比+35.4%)- 伸び率は大きいが総資産比0.4%であり、財務リスクへの影響は限定的である。利益剰余金: +6.09億円(前年同期比+11.3%)- 累積利益により内部留保は増加し、純資産の拡充に寄与した。ただし有利子負債221.16億円に対する緩衝余力はなお限定的である。

キャッシュフロー品質

営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフロー、設備投資額および配当支払額の数値が開示されていないため、営業CF/純利益、フリーキャッシュフロー、配当・設備投資に対するキャッシュカバレッジは算定していない。利益の発生主義上の確認材料として、販売用不動産は76.76億円で前年同期の79.02億円から2.26億円減少しており、不動産在庫の圧縮は資金回収に寄与し得る。売掛金は3.48億円で総資産比1.1%、買掛金は2.30億円であり、通常の売上債権・仕入債務よりも不動産在庫および借入金が資金繰りを左右する構造である。短期借入金137.79億円と現金預金39.26億円の差が大きいため、営業キャッシュフローの安定性に加え、販売用不動産の売却回収および借換え条件がキャッシュフロー品質の実務上の重要指標となる。

配当持続性

第2四半期配当は1株当たり0円である。通期会社予想の年間配当金は1株当たり10円、予想EPSは204.87円であり、予想配当性向は配当金のみベースで約4.9%となる。これは60%を大きく下回る低い配当性向であり、会計利益に対する配当負担は小さい。第3四半期累計の親会社株主に帰属する四半期純利益6.50億円は、通期予想8.50億円に対して76.5%まで進捗しており、利益面では年間10円配当を支える余地がある。もっとも、有利子負債221.16億円、短期負債比率62.3%、現金/短期負債0.28倍という資本構成のため、配当の持続性は利益水準以上に借換え余力、金利、販売用不動産の換金進捗の影響を受ける。自社株買いに関する数値はなく、総還元性向は算定していない。

リスク評価

ビジネスリスクとして、高優先度:不動産市況・金利上昇リスク。販売用不動産76.76億円と土地77.22億円を保有しており、販売価格・回転期間・担保価値が金利上昇や不動産需給悪化の影響を受ける。LTV70.0%は55%の警戒水準を上回るため、資産価値下落時の影響度は高い。、高優先度:建設事業の採算変動。売上高は前年同期比20.1%増だが、セグメント利益は73.6%減、利益率は1.7%である。資材費・労務費上昇、案件採算、工事進捗の変動が全社利益の下振れ要因となる。、中優先度:主力不動産事業への利益依存。不動産事業はセグメント利益5.48億円で、調整前セグメント利益合計12.87億円の42.6%を占める。主力事業の販売案件・市況変動が連結利益に大きく影響する。、中優先度:高マージンのファイナンス事業における信用・調達環境リスク。売上高3.09億円、セグメント利益1.39億円と高収益だが、金利上昇や信用コストの変化が収益性を損なう可能性がある。、中優先度:家具・家電レンタルおよびソフトウェア事業の利益率低下。両事業は増収ながらセグメント利益が前年同期比でそれぞれ28.3%減、10.7%減となっている。が挙げられます。

財務リスクとしては、高優先度:レバレッジ警告。D/E比率3.68倍、Debt/Capital比率76.6%であり、利益変動や資産評価変動が純資産に与える感応度が高い。不動産保有型の事業構造として一定の借入活用はあり得るが、一般的な保守水準を大きく上回る。、高優先度:リファイナンスリスク。短期借入金137.79億円を中心に短期負債比率62.3%であり、借換え金利・金融機関の融資姿勢・担保評価の変化への感応度が高い。、高優先度:流動性ストレス。現金/短期負債は0.28倍で、短期債務への現金バッファーは薄い。流動比率111.5%は100%を上回るものの、流動資産には販売用不動産が含まれるため、資産の即時換金性には差がある。、中優先度:金利負担の増加。支払利息は1.87億円で前年同期比10.2%増、金利負担係数は0.889である。借入金利の上昇は経常利益と配当余力を圧迫する。、低優先度:のれん・無形資産リスクは限定的。のれんは0.34億円で純資産比0.5%、総資産比0.1%にとどまり、M&A価値の毀損による大規模な減損リスクは低い。が挙げられます。

主な懸念事項としては、最重要の確認項目は、短期借入金137.79億円の満期分散、借換え条件、ならびに金利上昇時の支払利息感応度である。、販売用不動産の回転・粗利率・評価損の有無は、流動性とLTV70.0%の双方を左右する。、建設事業の低採算化が一過性の案件要因か、コスト上昇を転嫁できない構造的問題かを見極める必要がある。、ROIC4.2%は5%の警戒基準を下回る。高いレバレッジでROE12.8%を形成している一方、投下資本からのリターンは十分高くなく、資本コストを上回る価値創造の持続性が課題である。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、売上高5.3%増に対して営業利益10.7%増、親会社株主に帰属する四半期純利益21.3%増と、当第3四半期累計の損益モメンタムは良好である。、粗利益率は前年同期比約101bp、営業利益率は約44bp改善し、収益性は上向いた。、不動産、マンション管理、賃貸、ファイナンスの増益が成長を支える一方、建設事業は増収減益であり、案件採算の改善が必要である。、ROE12.8%は良好圏だが、財務レバレッジ4.68倍への依存度が高い。、ROIC4.2%は低位であり、借入コストと不動産保有に見合う投下資本収益性の改善が重要である。、通期予想への純利益進捗は76.5%と標準的だが、営業利益進捗69.6%は第4四半期の収益性改善を必要とする。、予想配当性向約4.9%は低く、利益ベースの配当余力は大きいが、実際の還元余力は資金調達・借換え環境に左右される。が挙げられます。

注視すべき指標は、短期借入金、長期借入金、有利子負債、および借入金の満期構成、現金/短期負債比率、流動比率、販売用不動産の回転・評価・売却進捗、LTVおよび不動産担保価値の変動、支払利息、インタレストカバレッジ、金利負担係数、建設事業のセグメント利益率と工事原価の推移、不動産事業の販売粗利率、賃貸事業・ファイナンス事業の高マージン維持、ROICと資本コストのスプレッドです。

セクター内ポジションについては、営業利益率9.0%、純利益率5.3%、年換算ROE12.8%は一般的な良好圏にあるが、ROEは高い財務レバレッジによって増幅されている。D/E比率3.68倍、Debt/Capital比率76.6%、LTV70.0%は保守的な財務運営と比べて積極的であり、収益性の改善を評価する際には、低いROIC4.2%と短期資金依存を併せてみる必要がある。