記事一覧に戻る
47222026 第1四半期プライムJGAAP

フューチャー株式会社 2026年度 第1四半期 決算

フューチャー株式会社の2026年度第1四半期決算レポート

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥182.6億¥173.2億+5.4%
営業利益¥34.3億¥33.4億+3.0%
経常利益¥35.1億¥32.5億+7.9%
純利益¥23.6億¥20.0億+18.0%
ROE(年換算)14.9%12.7%-

Executive Summary

主力のITコンサルティング&サービス事業の増収を軸に増収増益となったが、営業利益率はやや低下しており、増益の質は営業外収支改善と税負担軽減に支えられている面がある。売上高は182.6億円(前年比+5.4%)、営業利益は34.3億円(同+3.0%)、経常利益は35.1億円(同+7.9%)、純利益は23.6億円(同+18.0%)となった。営業利益率は18.8%で前年同期19.3%から低下し、粗利率の悪化を販管費率の改善が一部相殺した構図である。純利益の伸びが営業利益の伸びを大きく上回ったのは、為替差益への転換と実効税率の低下による。

業績変動要因

【売上高】連結売上高は182.6億円、前年比+5.4%増となった。主力のITコンサルティング&サービス事業(売上構成比90.6%)が165.4億円、同+6.5%増と成長を牽引した一方、ビジネスイノベーション事業は16.9億円、同-5.1%減となった。会社計画の通期増収率+6.1%に近い水準を確保している。

【損益】営業利益は34.3億円、同+3.0%増にとどまり、売上原価が同+7.4%増と売上高の伸びを上回ったため、粗利率は45.9%(前年46.9%)に低下した。販管費率は27.1%(前年27.6%)と改善し利益率悪化を一部吸収した。経常利益は35.1億円、同+7.9%増となり、前年の為替差損(0.5億円)から当期は為替差益(0.2億円)へ転じたことが押し上げ要因である。純利益は23.6億円、同+18.0%増で、実効税率が32.8%(前年38.6%)に低下したことが増益率を高めた。増収増益だが、営業段階の増益率は限定的で、経常・純利益段階の増益は一時的・非経常的要因の寄与が大きい。

セグメント別分析

ITコンサルティング&サービス事業は売上高165.4億円(同+6.5%)、営業利益35.4億円(同-0.4%)で、利益率は21.4%と前年の22.9%から低下した。増収ながら利益がわずかに減少しており、案件採算や稼働構成の変化が影響したとみられる。ビジネスイノベーション事業は売上高16.9億円(同-5.1%)だが、営業損失は0.2億円で前年の1.2億円の損失から縮小し、赤字幅の改善がみられる。その他セグメントは売上高3.0億円(同+82.4%)、営業利益0.4億円で前年の損失から黒字化したが、有価証券投資関連事業を含むため利益の持続性は事業別に慎重な確認を要する。

主要財務指標

【収益性】営業利益率18.8%、純利益率12.9%はいずれも高水準だが、営業利益率は前年同期19.3%から約50bpの低下となっており、粗利率悪化(45.9%、前年46.9%)が主因である。【キャッシュ品質】売掛金は217.8億円で総資産の23.2%を占め、年換算DSOは109日と長期化しており、増収が現金化を伴っているかは今後の確認点である。棚卸資産は5.2億円と小さく、在庫滞留リスクは限定的である。【投資効率】年換算ROEは14.9%で、純利益率・総資産回転率・財務レバレッジの組み合わせにより達成されており、低レバレッジ下での資本効率は良好である。研究開発費は3.4億円、売上高比1.8%にとどまる。【財務健全性】自己資本比率67.4%、流動比率390.6%と資本構成・短期流動性は保守的で強固である。長期借入金は114.3億円、負債資本倍率は約0.48倍にとどまる。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示はないが、BS推移から資金動向を確認できる。現金及び預金は280.3億円で前年同期の328.0億円から47.7億円減少した一方、流動負債は136.0億円へ34.5億円減少しており、未払金の支払や借入金返済等に資金が配分された可能性がある。売掛金は217.8億円で前年同期比0.7億円増と概ね安定しており、増収の割に売掛金が急増していない点は資金効率上プラスに解釈できる。投資有価証券は136.9億円へ11.4億円増加し、評価差額金の拡大とともに資産構成の一部が市場性資産にシフトしている。現預金は減少したものの、流動負債の約2.1倍の水準を維持しており、短期の資金余力は依然厚い。

収益の質

経常利益の増益率7.9%は営業利益の増益率3.0%を上回っており、その差は営業外収支の改善によるものである。営業外収益は1.4億円で為替差益0.2億円を含み、営業外費用は0.7億円で前年に計上されていた為替差損0.5億円が消失したことが寄与した。したがって経常段階の増益には為替要因という非経常的な性格を持つ項目が一定程度含まれている。さらに純利益の増益率18.0%は経常利益の増益率を大きく上回り、実効税率が32.8%(前年38.6%)へ低下したことが主因である。営業利益段階の増益率3.0%が最も事業の実態に近い指標であり、経常・純利益段階の増益はこれに営業外・税務要因が加わって拡大した構図であるため、増益の持続性を評価する際は営業利益の動向を重視する必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高806.0億円(前年比+6.1%)、営業利益175.0億円(同+8.2%)である。第1四半期の進捗率は売上高22.7%、営業利益19.6%であり、標準的な四分の一(25%)をいずれも下回る。特に営業利益の進捗遅れは、通期計画が前提とする営業利益率21.7%が第1四半期実績18.8%を約290bp上回ることを意味し、残り四半期での利益率改善が計画達成の前提となる。当四半期において業績予想・配当予想の修正は行われていない。

株主還元

通期配当予想は1株48.00円、通期EPS予想133.07円に基づく配当性向は約36.1%であり、持続可能性の目安を下回る水準にある。第1四半期EPSは26.59円で通期予想に対する進捗率は20.0%であり、標準進捗25%をやや下回る。自己株式21.7億円を保有しているが、当期の自社株取得実績は確認できないため、配当のみに基づく配当性向として評価する。現金及び預金280.3億円、自己資本比率67.4%という財務基盤は配当継続を支える要素となる。

リスク要因

  1. 主力事業の利益率低下: ITコンサルティング&サービス事業は売上構成比90.6%を占める中核事業であり、売上高+6.5%増に対しセグメント利益は-0.4%減、利益率は21.4%(前年22.9%)に低下した。案件採算や稼働率の悪化が続けば、通期計画の利益率21.7%達成を圧迫する可能性がある。

  2. 売掛金回収の長期化: 年換算DSOは109日で、売上高の伸び5.4%に対し売掛金はほぼ同水準(+0.3%)で増加している。大型案件の検収・請求タイミングにより営業キャッシュフローが変動しうる点は継続的な確認が必要である。

  3. 研究開発投資の水準: 研究開発費は売上高比1.8%にとどまる。情報通信業における技術投資の重要性を踏まえると、投資水準の推移は中長期の競争力に関わる観察点である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率18.8%12.1% (6.7%–26.0%)+6.7pt
純利益率12.9%9.9% (3.9%–17.0%)+3.0pt

収益性は業種中央値を上回り、IT・通信業界の中でも上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)5.4%11.9% (3.6%–25.6%)−6.5pt

売上高成長率は業種中央値を下回り、成長性では相対的に劣後する位置にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 増収増益は確保したものの、営業利益の増益率(+3.0%)は経常利益(+7.9%)・純利益(+18.0%)の増益率を下回り、下段の増益は為替差益への転換と実効税率低下という非経常的要因に支えられた面がある。

  2. 主力のITコンサルティング&サービス事業は増収ながらセグメント利益がわずかに減少し、利益率が前年から低下した。通期計画は営業利益率21.7%を前提としており、第1四半期実績18.8%との差は今後の採算改善の余地を示す。

  3. 財務健全性は自己資本比率67.4%、流動比率390.6%と保守的な構造を維持しており、配当性向36.1%は利益水準に対して無理のない範囲にある。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)894円
base(基準)926円
bull(強気)965円
算出前提
1株純資産(BPS)714円
調整後予想EPS139.5円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向36.1%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.30倍 / 6.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 900円〜953円、ω±0.1で 921円〜934円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。