記事一覧に戻る
47202026 第3四半期スタンダードJGAAP

城南進学研究社(4720) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は43.5億円(前年同期比+0.7%)、営業利益は1.7億円(黒字転換)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥43.5億¥43.2億+0.7%
営業利益¥1.7億−¥0.2億+960.0%
経常利益¥1.7億−¥0.2億+1105.9%
純利益¥1.6億−¥1.4億+218.5%
ROE(年換算)14.1%−12.9%-

Executive Summary

第3四半期累計は、営業損益が前年同期の0.2億円の赤字から1.7億円の黒字へ転換したことが最大のポイントである。売上高は43.5億円(前年同期比+0.7%)とほぼ横ばいにとどまったが、営業利益は1.7億円(前年同期は-0.2億円)、経常利益も1.7億円(同)、純利益は1.6億円(前年同期は-1.4億円)と、いずれも黒字転換を果たした。低成長の売上に対し、粗利率改善と販管費削減による営業レバレッジが利益回復の主因である。

業績変動要因

【売上高】売上高は43.5億円で前年同期比+0.7%と伸びは限定的である。セグメント別ではEducation事業が40.8億円(構成比93.6%)、Sports事業が2.8億円(同6.4%)。Education内では映像授業部門が11.4%増、個別指導FC部門が6.1%増と伸びた一方、個別指導直営部門は14.1%減と落ち込み、成長ドライバーが一部部門に偏っている。Sports事業は3.8%減収となった。

【損益】営業利益は1.7億円(前年同期-0.2億円)へ転換し、営業利益率は4.0%(前年同期-0.5%)と441bp改善した。粗利率が25.5%(同+2.3pt)、販管費率が21.5%(同-2.1pt)と、原価・費用の両面で収益構造が改善している。Education事業が営業利益1.3億円(利益率3.1%、前年同期は赤字)へ転換した一方、Sports事業は営業利益0.5億円ながら前年同期比22.2%減益で利益率も16.4%(同-3.9pt)に低下した。経常利益は1.7億円で営業利益とほぼ同水準。税引前利益は2.3億円で、投資有価証券売却益0.8億円を含む特別利益0.8億円が特別損失0.2億円(減損損失)を上回ったことが押し上げ要因である。純利益は1.6億円となり、増収増益(営業・経常・純利益ベース)に区分される。ただし増益幅の一部は非経常的な売却益に依存する点に留意が必要である。

セグメント別分析

Education事業は売上高40.8億円(構成比93.6%)、営業利益1.3億円、利益率3.1%で、前年同期の営業赤字(-0.79億円、利益率-2.0%)から黒字転換した。売上自体は横ばい圏だが、映像授業・FC・デジタル教材部門の伸びと固定費削減が寄与したとみられる。Sports事業は売上高2.8億円(構成比6.4%)、営業利益0.5億円、利益率16.4%と連結内で最も高収益だが、前年同期比で売上3.8%減、営業利益22.2%減となり、高採算事業の収益力低下が連結利益の追加拡大を抑制した。教育事業では引き続き営業活動が継続的にマイナスの資産グループについて0.19億円の減損損失を計上している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は4.0%(前年同期-0.5%)、純利益率は3.8%(前年同期-3.2%)で大幅に改善したが、業種一般の目安とされる5%水準にはなお届いていない。【キャッシュ品質】現金及び預金は15.4億円で総資産の31.7%を占め、契約負債7.9億円という前受型の資金構造が運転資金を下支えする一方、投資有価証券は前年から77.4%減少しており、売却益計上と整合的である。【投資効率】年換算ROEは14.1%で、純利益率3.8%、総資産回転率、財務レバレッジの組み合わせにより形成されており、レバレッジ寄与の比重が相対的に大きい。【財務健全性】自己資本比率は31.9%(前年同期27.5%)、流動比率は132.9%で流動負債を上回るが、150%の一般的目安をやや下回る。長期借入金6.0億円、退職給付に係る負債4.4億円を抱え、負債構成には引き続きモニタリングの余地がある。

キャッシュフロー分析

CF計算書の個別開示はないが、貸借対照表の推移から資金動向を読み取ると、現金及び預金は15.4億円で前年同期の16.0億円から0.5億円減少した。総資産に占める現金比率は31.7%と高水準を維持しており、契約負債7.9億円という前受収益型の資金構造が運転資金面を支えている。一方、投資有価証券は1.4億円から0.3億円へ大きく減少しており、売却による資金化と特別利益計上が資金構成の変化と整合的である。利益剰余金は7.4億円から9.0億円へ増加し、当期利益の蓄積が自己資本の回復に寄与した。

収益の質

当期の利益改善は本業の収益構造改善と非経常要因の両方から構成されており、質の評価には両者の区別が必要である。営業利益・経常利益の黒字転換は、粗利率改善と販管費削減という経常的な要因に支えられている一方、税引前利益2.3億円のうち0.55億円は営業利益を上回る部分であり、その主因は投資有価証券売却益0.8億円を中心とする特別利益である。純利益1.6億円にはこの非経常益が相応に含まれるため、通期進捗率の高さ(純利益ベースで176.3%)をそのまま経常的な収益力の高さと解釈すべきではない。また包括利益は1.15億円と純利益1.64億円を0.49億円下回り、有価証券評価差額金の悪化がその他包括利益を押し下げている点は、保有資産の時価変動が財務体質に与える影響として留意される。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想(売上高59.0億円、営業利益1.5億円、経常利益1.4億円、純利益0.9億円)に対する進捗率は、売上高73.8%(標準進捗75%をやや下回る)、営業利益115.4%、経常利益121.3%、純利益176.3%と、利益項目はすでに通期予想を上回っている。この超過達成は主に販管費抑制による採算改善と、投資有価証券売却益という非経常要因の両方に起因する。売上高の進捗が標準をやや下回る中での利益超過であるため、通期計画の前提となる収益構造との整合性については今後の動向確認が有用である。

株主還元

第2四半期配当は1株0円で、会社予想の年間配当は1株7円である。期中平均株式数803.2万株を基準とした予想配当総額は約0.56億円となり、通期純利益予想0.93億円に対する配当性向は約60.5%と算出される。これは配当のみに基づく配当性向であり、自社株買いを含む総還元性向ではない。第3四半期累計の純利益は既に1.6億円と通期予想を上回っているが、その一部は投資有価証券売却益によるものであり、配当原資の安定性は本業利益の継続的な水準に依存する。

リスク要因

  1. 教育事業の構造的リスク: 個別指導直営部門の売上高が前年同期比14.1%減となっており、少子化や競合激化の中で拠点稼働率の回復が課題である。教育事業では継続的赤字資産グループについて0.19億円の減損損失を計上している。

  2. 財務レバレッジと資産除去債務: D/E比率は2.13倍で、一般的な品質アラート基準である2.0倍を上回る。資産除去債務4.05億円は総負債の12.3%を占め、施設再編や退去時の資金需要集中リスクが存在する。インタレストカバレッジは13.88倍で当面の利払い余力は確保されている。

  3. 非経常益への依存: 純利益・通期進捗率の高さは投資有価証券売却益0.8億円を含んでおり、翌期以降はこの一時的要因の反動により利益水準が変動する可能性がある。また高採算のSports事業は前年同期比22.2%の営業減益であり、収益力の低下傾向が続く場合は連結利益への影響が想定される。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率4.0%8.3% (3.6%–18.6%)−4.4pt
純利益率3.8%6.1% (2.3%–12.8%)−2.3pt

黒字転換は達成したものの、収益性は業種中央値を下回る水準にとどまる。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)0.7%10.4% (-0.9%–19.9%)−9.8pt

売上成長率は業種内でも低位に位置し、利益改善は成長ではなくコスト構造改善に依存している。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 営業損益は前年同期の赤字から1.7億円の黒字へ転換し、営業利益率は441bp改善して4.0%となった。粗利率改善と販管費削減が中心的な要因である。

  2. 通期営業利益・経常利益予想に対する進捗率は既に100%を超えているが、純利益の進捗率176.3%には投資有価証券売却益0.8億円が含まれており、経常的な収益力とは区別して捉える必要がある。

  3. Education事業の黒字定着とSports事業の収益力低下傾向(営業利益率16.4%、前年同期比-3.9pt)が、今後の利益水準の再現性を評価する上での注目点である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)168円
base(基準)172円
bull(強気)173円
算出前提
1株純資産(BPS)193円
調整後予想EPS12.8円
株主資本コスト r10.87%(10年国債 2.87% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向60.2%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.89倍 / 13.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 167円〜176円、ω±0.1で 171円〜172円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(176%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-08 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。