- 売上高: 216.30億円
- 営業利益: 10.78億円
- 当期純利益: 8.03億円
- 1株当たり当期純利益: 79.87円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 216.30億円 | 213.66億円 | +1.2% |
| 売上原価 | 147.33億円 | 148.17億円 | -0.6% |
| 売上総利益 | 68.97億円 | 65.48億円 | +5.3% |
| 販管費 | 58.18億円 | 55.74億円 | +4.4% |
| 営業利益 | 10.78億円 | 9.74億円 | +10.7% |
| 営業外収益 | 1.13億円 | 81百万円 | +39.5% |
| 営業外費用 | 10百万円 | 19百万円 | -47.4% |
| 経常利益 | 11.81億円 | 10.36億円 | +14.0% |
| 税引前利益 | 12.88億円 | 12.26億円 | +5.1% |
| 法人税等 | 4.85億円 | 4.32億円 | +12.3% |
| 当期純利益 | 8.03億円 | 7.94億円 | +1.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 8.03億円 | 7.94億円 | +1.1% |
| 包括利益 | 10.72億円 | 6.90億円 | +55.4% |
| 支払利息 | 3百万円 | 2百万円 | +50.0% |
| 1株当たり当期純利益 | 79.87円 | 74.46円 | +7.3% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 79.66円 | 74.25円 | +7.3% |
| 1株当たり配当金 | 60.00円 | 60.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 177.90億円 | 182.28億円 | -4.38億円 |
| 現金預金 | 90.49億円 | 94.20億円 | -3.71億円 |
| 売掛金 | 57.95億円 | 62.09億円 | -4.14億円 |
| 棚卸資産 | 10.29億円 | 7.85億円 | +2.44億円 |
| 固定資産 | 185.61億円 | 177.90億円 | +7.71億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 3.7% |
| 粗利益率 | 31.9% |
| 流動比率 | 229.7% |
| 当座比率 | 216.4% |
| 負債資本倍率 | 0.44倍 |
| インタレストカバレッジ | 359.33倍 |
| 実効税率 | 37.7% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +1.2% |
| 営業利益前年同期比 | +10.8% |
| 経常利益前年同期比 | +14.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +1.1% |
| 包括利益前年同期比 | +55.3% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 10.88百万株 |
| 自己株式数 | 898千株 |
| 期中平均株式数 | 10.06百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,531.52円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 60.00円 |
| 期末配当 | 63.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| ClinicalTesting | 0円 | 9.36億円 |
| DispensingPharmacy | 0円 | 2.41億円 |
| ICT | 6.81億円 | 1.66億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 436.00億円 |
| 営業利益予想 | 25.00億円 |
| 経常利益予想 | 26.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 19.50億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 192.01円 |
| 1株当たり配当金予想 | 62.50円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2のファルコホールディングスは、緩やかな増収のもとでコスト抑制が奏功し、営業段階の収益性が改善した堅実な四半期でした。売上高は216.3億円で前年同期比+1.2%、営業利益は10.78億円で+10.8%と増益幅が売上成長を上回りました。営業利益率は約5.0%(=10.78/216.3)で、前年の約4.5%から約+45bp改善したと推計されます。経常利益は11.81億円(+14.1%)で、経常利益率は約5.46%となり、前年の約4.84%から約+62bpの改善と見られます。一方、当期純利益は8.03億円(+1.1%)で純利益率約3.71%とほぼ横ばい(前年比ほぼ±0bp)でした。粗利益率は31.9%と安定しており、販管費58.18億円の抑制が営業段階の改善に寄与したとみられます。営業外収益は1.13億円で、そのうち受取配当金が0.71億円と非営業の底上げ要因になりました。支払利息は0.03億円と極小で、インタレストカバレッジは359倍と極めて良好です。貸借対照表は総資産363.5億円、純資産252.7億円、負債110.8億円と堅固で、流動比率230%、当座比率216%と流動性は厚めです。ROEは3.2%と資本効率は低位にとどまり、ROICも3.9%とベンチマーク(>7-8%)を大きく下回っています。営業キャッシュフローが未開示のため、利益の質(営業CF/純利益)評価は現時点では実施できません。配当性向(計算値)は166.7%と高く、当期純利益ベースでは持続可能性に懸念が残ります。投資有価証券40.71億円と現金90.49億円を有し、財務柔軟性は高い一方、成長投資の資本効率改善が中期課題です。今後は、検査数量の伸長とミックス改善、オペレーション効率化による営業利益率の上振れ余地が焦点になります。非営業収益への依存は限定的で、コア事業収益力の底上げがROIC/ROEの改善に直結します。業種特性上、診療報酬改定や人件費上昇の影響を受けやすく、継続的な原価・販管費コントロールが重要です。総じて、財務安全性は高いが資本効率が課題で、キャッシュフロー開示待ちの論点が多い決算と評価します。
ステップ1(ROE分解): ROE 3.2% = 純利益率3.7% × 総資産回転率0.595 × 財務レバレッジ1.44倍。ステップ2(寄与度): 最大の改善は営業段階(営業利益+10.8% vs 売上+1.2%)に起因し、総資産回転率は0.595と低位で大きな変化は確認できず、レバレッジも0.44倍の負債資本倍率に対応する1.44倍で安定的。ステップ3(ビジネス上の理由): 販管費の伸び抑制と粗利維持により営業利益率が約+45bp改善、加えて受取配当金0.71億円を含む営業外収益が経常段階を押し上げ。ステップ4(持続性評価): 営業利益率の改善は販管費コントロール等に基づき一定の持続性が見込める一方、非営業の配当収益は市況・保有証券構成に左右され変動性を伴う。ステップ5(懸念トレンド): ROIC 3.9%と資本効率が依然低位で、総資産回転率0.595も効率性のボトルネック。販管費明細未開示であるが、医療人材コスト等が上振れする局面では販管費成長率が売上成長率を上回るリスクが残存。
売上は+1.2%と低成長ながら増収を確保。営業利益は+10.8%と伸長し、レバレッジ効果が発現。非営業では受取配当金0.71億円が下支え。中期的な成長ドライバーは、地域検査のシェア取り、付加価値検査(遺伝子・特殊検査)へのミックス改善、ラボの自動化・DXによるスループット向上にあると推定。足元の営業利益率約5.0%は同業大手の水準(一般に1桁台後半〜10%程度)に比べると低位で、改善余地は大きい。既存顧客基盤の安定と現金・投有の潤沢さはM&A/設備投資余力を示すが、ROIC 3.9%での拡大は希薄化リスクがあり、選別投資が前提。ガイダンス未記載のため見通しは限定的だが、コストコントロール継続と検査数量の回復が続けば営業利益率の段階的な上振れ余地。規制(診療報酬改定)や労務費上昇が逆風となる可能性に留意。
流動比率229.7%、当座比率216.4%と流動性は非常に良好。総資産363.5億円に対し負債110.8億円、負債資本倍率0.44倍で資本構成は保守的。短期負債77.44億円に対し現金等・売掛金合計148億円超で短期の満期ミスマッチリスクは低い。借入金は短期4.0億円、長期7.59億円と小規模で、金利上昇耐性も高い。投資有価証券40.71億円を保有し市場価格変動による評価影響には一定の注意が必要。オフバランス債務の情報は未記載で確認不可。
営業CF、投資CF、フリーCFが未記載のため営業CF/純利益やFCFの持続可能性評価は現時点で実施不可。損益面では営業利益の伸長が非営業に依存せず達成されており、利益の質は相対的に良好と評価できるが、運転資本の増減(売掛金・棚卸・買掛)由来のキャッシュ創出/吸収は未把握。現金90.49億円の保有は短期的な配当・投資・借入返済のクッションとなるが、CF不明はリスク評価上のブラインドスポット。
配当性向(計算値)166.7%は当期純利益ベースでは明確に高く、単年度の利益水準では非持続的。FCFカバレッジが未算出のため最終判断は留保するが、持続可能な配当には(1)営業CFの安定確保、(2)投資規模とのバランス、(3)自己資本効率の改善が前提。潤沢な現金水準により短期的な配当支払いは可能だが、中期的には利益成長または配当方針の見直しが必要となる可能性。
ビジネスリスク:
- 診療報酬・検査点数改定による単価下落リスク
- 検査数量の変動(季節性・感染症動向)の影響
- 人件費・試薬費の上昇による原価・販管費の圧迫
- 地域競争激化による価格競争・収益性低下
- 設備更新・自動化投資の遅れによる効率性劣化
財務リスク:
- ROIC 3.9%と資本効率の低位停滞
- 投資有価証券40.71億円の価格変動リスク
- 営業CF未開示によるキャッシュ創出力の不確実性
- 高配当性向(計算値)による内部留保の目減り
主な懸念事項:
- ROE 3.2%・ROIC 3.9%とWACCを下回る可能性
- 営業CF/純利益が不明で利益の質評価に不確実性
- 営業利益率約5%と同業比で低位、改善の遅延リスク
- 人件費インフレ局面で販管費の上振れ
重要ポイント:
- 低成長下でもコストコントロールで営業利益率は約+45bp改善
- 財務安全性・流動性は厚く、短期の資金繰りリスクは低い
- ROE/ROICが低位で資本効率が主要課題
- 配当性向(計算値)>100%で配当持続可能性に懸念
- 非営業の受取配当金は安定性に限界、コア利益の強化が必要
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益(>1.0倍を目標)
- 営業利益率の推移(5%台の定着と上抜け)
- 総資産回転率(0.60→改善)
- ROIC(>5%回復のタイミング)
- 人件費・試薬費の伸び率 vs 売上成長率
- 投資有価証券の評価損益・配当収入の動向
セクター内ポジション:
同業(臨床検査)大手に比べ営業利益率は低位、財務安全性は優位、成長投資余力は高いが資本効率改善が不可欠という位置づけ。
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