- 売上高: 1,920.45億円
- 営業利益: 119.04億円
- 当期純利益: 93.33億円
- 1株当たり当期純利益: 197.92円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,920.45億円 | 1,824.30億円 | +5.3% |
| 売上原価 | 1,382.40億円 | - | - |
| 売上総利益 | 441.89億円 | - | - |
| 販管費 | 332.50億円 | - | - |
| 営業利益 | 119.04億円 | 109.39億円 | +8.8% |
| 営業外収益 | 15.25億円 | - | - |
| 営業外費用 | 9.34億円 | - | - |
| 経常利益 | 131.13億円 | 115.30億円 | +13.7% |
| 税引前利益 | 120.24億円 | - | - |
| 法人税等 | 26.90億円 | - | - |
| 当期純利益 | 93.33億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 97.80億円 | 83.50億円 | +17.1% |
| 包括利益 | 58.98億円 | 94.18億円 | -37.4% |
| 支払利息 | 5.13億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 197.92円 | 167.24円 | +18.3% |
| 1株当たり配当金 | 25.00円 | 25.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 1,195.73億円 | 1,227.61億円 | -31.88億円 |
| 現金預金 | 166.94億円 | 157.17億円 | +9.77億円 |
| 売掛金 | 615.01億円 | 641.51億円 | -26.50億円 |
| 棚卸資産 | 191.26億円 | 193.02億円 | -1.76億円 |
| 固定資産 | 962.28億円 | 987.08億円 | -24.80億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 5.1% |
| 粗利益率 | 23.0% |
| 流動比率 | 198.2% |
| 当座比率 | 166.5% |
| 負債資本倍率 | 0.82倍 |
| インタレストカバレッジ | 23.20倍 |
| 実効税率 | 22.4% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +5.3% |
| 営業利益前年同期比 | +8.8% |
| 経常利益前年同期比 | +13.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +17.1% |
| 包括利益前年同期比 | -37.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 54.17百万株 |
| 自己株式数 | 5.04百万株 |
| 期中平均株式数 | 49.42百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,417.13円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 25.00円 |
| 期末配当 | 45.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| DigitalAndSpecialtyProducts | 33百万円 | 19.33億円 |
| PrintingInksAmericas | 5.64億円 | 44.05億円 |
| PrintingInksAndGraphicArtsMaterialsJapan | 6.67億円 | 9.01億円 |
| PrintingInksAsia | 1.50億円 | 50.67億円 |
| PrintingInksEurope | 4.42億円 | 1.74億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 2,680.00億円 |
| 営業利益予想 | 155.00億円 |
| 経常利益予想 | 160.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 108.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 217.67円 |
| 1株当たり配当金予想 | 45.00円 |
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2025年度Q3のサカタインクスは、売上・利益ともに増加し、営業・最終利益率が改善した堅調な四半期でした。売上高は1,920.45億円で前年同期比+5.3%、営業利益は119.04億円で+8.8%、経常利益は131.13億円で+13.7%、当期純利益は97.80億円で+17.1%と、増益率が売上成長を上回りました。営業利益率は6.20%(=119.04/1,920.45)で、前年の推計6.00%から約+20bp改善しました。純利益率は5.09%(=97.80/1,920.45)で、前年推計4.58%から約+51bp改善し、ボトムラインの伸びが顕著です。粗利益率は23.0%と良好で、販管費率は17.32%(=332.50/1,920.45)に抑制されています。営業外収益の純増(受取利息等により非営業損益は+5.91億円)と実効税率の22.4%が純利益の伸びに寄与しました。デュポン分析ではROEが8.2%(純利益率5.1%×総資産回転率0.890×財務レバレッジ1.82倍)と資本効率は目標レンジに近い水準です。バランスシートは総資産2,158.02億円、純資産1,187.50億円、負債970.51億円で、負債資本倍率0.82倍、流動比率198.2%、当座比率166.5%と流動性・健全性は良好です。インタレストカバレッジは23.2倍と利払い耐性も強固です。一方、営業キャッシュフローが未開示のため、利益のキャッシュ化(営業CF/純利益)やフリーキャッシュフローの持続性は現時点で検証できません。運転資本は592.53億円、売掛金615.01億円・棚卸191.26億円と、運転資本の積み上がりがキャッシュ創出に与える影響は注視が必要です。ROICは7.1%と同社目線の目標レンジ(7–8%)に到達しており、資本効率の底上げが進んでいます。営業外収入比率は15.6%で、基本的には本業の収益性改善がドライバーでありつつ、非営業も追い風になりました。総じて、価格改定・コスト低減・製品ミックス改善の効果が表れ、為替や資材価格の逆風が和らいだ局面と評価します。今後は価格転嫁の持続性、原材料の再上昇リスク、海外事業の為替感応度、運転資本の圧縮によるキャッシュ回収が重要なテーマです。配当性向は38.8%と保守的で、財務余力・資本効率を踏まえた株主還元の積み上げ余地も示唆されます。データ制約(キャッシュフローや減価償却の未開示)が残るため、CFの裏付け確認が次の焦点となります。
ROE分解(デュポン法): ROE 8.2% = 純利益率5.1% × 総資産回転率0.890 × 財務レバレッジ1.82倍。最大の改善は純利益率の上昇で、営業利益率が約+20bp改善し、非営業損益(+5.91億円)と実効税率22.4%の支援で純利益率は前年推計比+51bp拡大。総資産回転率0.890は堅調で、売上成長(+5.3%)により資産効率が維持・改善傾向。財務レバレッジ1.82倍は保守的で、レバレッジの寄与は限定的。ビジネス上の背景は、原材料価格の落ち着きと価格改定の定着、製品ミックス改善(パッケージ用途・機能性インキ比率上昇想定)、販管費のコントロールによる営業レバレッジ発現。これらの改善は、需給・競争環境および原材料価格に依存しつつも、価格政策とコスト構造の見直しが進展している限り、半持続的と評価。一方で、販管費伸びは開示不足だが、現状では売上成長(+5.3%)を上回った兆候は見えず、営業レバレッジはポジティブ。懸念としては、非営業の寄与が利益成長の一部を押し上げている点(営業外収入比率15.6%)で、コアの営業力強化を継続する必要がある。
売上は+5.3%増で、需要回復と価格改定の継続が示唆されます。営業利益は+8.8%増で営業利益率6.20%へ上昇し、コア収益性の改善が確認できます。純利益は+17.1%増で、非営業損益の改善と税率安定がボトムラインを押し上げました。地域・製品別の内訳は未開示のため、パッケージ印刷・機能材料の寄与度は定量化できませんが、粗利益率23.0%はコスト環境の正常化とミックス改善の兆候。売上の持続性は、価格改定の定着度合いと最終需要(出版・商印の構造的縮小、パッケージの底堅さ)のせめぎ合いに依存。非営業寄与に頼らず営業利益率を6%台前半から中盤へ引き上げられるかが中期的焦点。原材料(顔料、溶剤、樹脂)価格の再騰や為替(円安/円高)によるコスト・採算ぶれがリスク。ROICは7.1%で、投下資本の回転とマージン改善が両立すれば8%超えの余地。次四半期は運転資本の圧縮と固定費コントロールが実現すれば、フリーCF創出とともに成長の質が高まる見通し。
流動比率198.2%、当座比率166.5%と流動性は強固。短期借入金90.64億円に対し現金166.94億円、売掛金615.01億円があり、満期ミスマッチリスクは低位。総負債970.51億円、純資産1,187.50億円でD/E(負債資本倍率)0.82倍と保守的な資本構成。長期借入金196.16億円を含む有利子負債は現金を上回り、ネットデットは約119.9億円と軽度のネット有利子負債ポジション。インタレストカバレッジ23.2倍で利払い能力は十分。オフバランス債務は開示なしで確認不能。自己資本比率は推計約55.0%(=1,187.5/2,158.0)と高水準。財務警告基準(流動比率<1.0、D/E>2.0)には該当せず、財務健全性は良好。
営業キャッシュフロー、投資・財務CF、設備投資、FCFは未開示のため、利益のキャッシュ化やFCF持続可能性は定量評価不可。営業CF/純利益比率は算出不能で、品質評価は保留。運転資本は592.53億円(流動資産1,195.73−流動負債603.20)で、売掛金615.01億円・棚卸191.26億円が厚く、今後の回収・在庫圧縮がCFのカタリスト。非営業損益のプラス寄与(利息収入>支払利息)もあるが、キャッシュベースの裏付けは要確認。次の開示では営業CF、設備投資額(更新投資/成長投資の内訳)、運転資本増減の寄与を重視して検証したい。
配当性向は38.8%と保守的で、利益水準・財務余力から見て持続可能と評価。現金166.94億円と低D/E(0.82倍)が下支えだが、FCFカバレッジは未開示のため最終判断は保留。今後は営業CFの安定性、設備投資規模、ネットデット推移を踏まえ、増配余地や自己株買いの可能性を評価すべき。資本効率(ROE 8.2%、ROIC 7.1%)が改善軌道にあるため、利益成長とともに安定・漸増配を継続できる余地はある。
ビジネスリスク:
- 原材料価格の変動(顔料・樹脂・溶剤等)による粗利率圧迫
- 為替変動(主にUSD/EUR/新興国通貨)によるコスト・採算のぶれ
- 印刷需要構造変化(出版・商印の縮小、デジタル化進展)
- 海外子会社・仕入先の供給網リスク(物流混乱・地政学)
- 価格改定の定着遅れ・顧客抵抗によるマージン低下
財務リスク:
- ネット有利子負債約120億円による金利上昇耐性の低下余地
- 運転資本の高止まりによるキャッシュ創出の遅れ
- 非営業寄与(利息収入等)への過度依存のリスク
- 為替換算差の損益・包括利益への影響
主な懸念事項:
- 営業CF未開示により利益のキャッシュ化が検証不能
- 営業外収入比率15.6%と、非営業の寄与が業績の一部を押し上げている点
- 原材料市況の反転時における価格転嫁の速度・実効性
重要ポイント:
- 売上+5.3%、営業+8.8%、純利益+17.1%でコア収益性は改善、ボトムラインが強い
- 営業利益率は約+20bp、純利益率は約+51bp改善と、マージン拡大を確認
- ROE 8.2%、ROIC 7.1%で資本効率は目標レンジに近接
- 流動性・資本構成は健全(流動比率198%、D/E 0.82)で利払い耐性も強い
- CF未開示のため、成長の質(キャッシュ裏付け)は次期開示での検証が不可欠
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益比率(>1.0が望ましい)
- 運転資本回転(売掛金・棚卸の回収・圧縮進捗)
- 原材料コスト指数と価格転嫁のタイムラグ
- 営業利益率の持続性(6%台中盤への定着)
- ROICの8%超え達成可否
- 為替感応度(円高局面での採算レジリエンス)
セクター内ポジション:
印刷・パッケージ材料セクター内では、保守的なレバレッジと安定したマージン改善、ROIC 7%台の資本効率で中位上のポジショニング。構造的成長力では機能性材料・パッケージ寄与が鍵だが、デジタル化影響を受ける商印/出版エクスポージャーは相対的な重し。
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