- 売上高: 222.75億円
- 営業利益: 13.98億円
- 当期純利益: 11.37億円
- 1株当たり当期純利益: 150.62円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 222.75億円 | 207.53億円 | +7.3% |
| 売上原価 | 173.05億円 | 162.07億円 | +6.8% |
| 売上総利益 | 49.70億円 | 45.46億円 | +9.3% |
| 販管費 | 35.72億円 | 33.14億円 | +7.8% |
| 営業利益 | 13.98億円 | 12.32億円 | +13.5% |
| 営業外収益 | 1.25億円 | 1.48億円 | -15.6% |
| 営業外費用 | 14百万円 | 4百万円 | +274.0% |
| 経常利益 | 15.09億円 | 13.77億円 | +9.6% |
| 税引前利益 | 15.74億円 | 14.04億円 | +12.1% |
| 法人税等 | 4.37億円 | 4.48億円 | -2.4% |
| 当期純利益 | 11.37億円 | 9.56億円 | +18.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 11.37億円 | 9.55億円 | +19.1% |
| 包括利益 | 12.32億円 | 12.31億円 | +0.1% |
| 減価償却費 | 7.20億円 | 7.98億円 | -9.8% |
| 支払利息 | 88万円 | 25万円 | +254.6% |
| 1株当たり当期純利益 | 150.62円 | 126.60円 | +19.0% |
| 1株当たり配当金 | 55.00円 | 25.00円 | +120.0% |
| 年間配当総額 | 3.85億円 | 3.85億円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 211.12億円 | 214.91億円 | -3.78億円 |
| 現金預金 | 107.11億円 | 101.53億円 | +5.58億円 |
| 売掛金 | 54.23億円 | 55.49億円 | -1.25億円 |
| 棚卸資産 | 13.63億円 | 13.32億円 | +31百万円 |
| 固定資産 | 99.15億円 | 83.39億円 | +15.76億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 18.47億円 | 15.92億円 | +2.55億円 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -2.11億円 | -7.89億円 | +5.78億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -3.98億円 | -4.13億円 | +15百万円 |
| フリーキャッシュフロー | 16.36億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 営業利益率 | 6.3% |
| 総資産経常利益率 | 5.0% |
| 配当性向 | 40.3% |
| 純資産配当率(DOE) | 1.7% |
| 1株当たり純資産 | 3,232.10円 |
| 純利益率 | 5.1% |
| 粗利益率 | 22.3% |
| 流動比率 | 365.8% |
| 当座比率 | 342.2% |
| 負債資本倍率 | 0.26倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +7.3% |
| 営業利益前年同期比 | +13.4% |
| 経常利益前年同期比 | +9.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +19.0% |
| 包括利益前年同期比 | +0.2% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 8.14百万株 |
| 自己株式数 | 590千株 |
| 期中平均株式数 | 7.55百万株 |
| 1株当たり純資産 | 3,254.12円 |
| EBITDA | 21.18億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 25.00円 |
| 期末配当 | 26.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Distillation | 2.70億円 | 4.89億円 |
| FineChemical | 24.85億円 | 5.36億円 |
| Paint | 18百万円 | 11.64億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 230.00億円 |
| 営業利益予想 | 14.50億円 |
| 経常利益予想 | 15.50億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 10.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 132.37円 |
| 1株当たり配当金予想 | 27.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q4のナトコ株式会社は、売上・利益ともに増加し、営業・最終利益率の改善を伴う堅実な決算を示しました。売上高は222.75億円で前年比+7.3%、営業利益は13.98億円で+13.4%、経常利益は15.09億円で+9.6%、当期純利益は11.37億円で+19.0%と、各段階での伸長が確認できます。営業利益率は6.3%(13.98/222.75)で、前年の約5.9%から約+34bp改善しました。純利益率は5.1%(11.37/222.75)となり、前年約4.6%から約+50bp拡大しました。粗利率は22.3%で、販売価格維持や製品ミックス改善、コストコントロールの進展が示唆されます。販管費は35.72億円で、売上比16.0%と適正レンジに収まり、営業レバレッジが効いた格好です。営業外収益は1.25億円(受取利息0.80億円、受取配当金0.23億円など)とプラス寄与し、金利環境の追い風と潤沢な手元資金が純利益率の改善を後押ししました。キャッシュフローは営業CF18.47億円と純利益を上回り(営業CF/純利益=1.62倍)、利益の現金化は良好です。投資CFは-2.11億円にとどまり、フリーCFは16.36億円と強く、成長投資と株主還元の両立余地が確保されています。バランスシートは総資産310.26億円、純資産245.84億円、負債合計64.42億円と堅固で、負債資本倍率0.26倍、流動比率365.8%、当座比率342.2%と流動性は極めて高水準です。インタレストカバレッジは1,583倍と、金利負担は事実上無視できるレベルです。営業CFに比して純利益の増加が大きい一方で、運転資本の詳細内訳の期ずれ影響は読み取りにくい点は留意事項です。XBRLの一部報告指標(例:ROA、営業利益率、DOE)は算出値と乖離しており、以降の分析は提供データと通常定義に基づく計算値を優先します。成長率は一桁台後半と安定、利益率はbpベースで着実に改善しており、来期に向けては価格維持とコスト・金利の外部環境次第で更なる純利益率改善の余地があります。潤沢な現金(現金預金107.11億円)と低レバレッジは、景気変動耐性と戦略オプション(M&A・設備投資・還元)を高めています。原材料価格や需要動向の外部変数は残るものの、現状の資本構成とCF創出力はディフェンシブな収益構造を支えています。総じて、収益性の緩やかな改善、キャッシュフローの健全性、強固な財務基盤が確認できる四半期でした。今後は売上の質(価格 vs 量)、運転資本の効率性、金利収益の持続性が注目ポイントです。
ROE(4.6%)を純利益率(5.1%)×総資産回転率(0.718)×財務レバレッジ(1.26倍)に分解すると、0.051×0.718×1.26≒0.046となり整合します。変化の主要ドライバーは純利益率の改善(前年約4.6%→5.1%、+約50bp)で、営業利益率の拡大(約+34bp)と営業外収益(受取利息・配当)の増勢が寄与しました。総資産回転率は0.718倍と保守的なバランスシート構成(現金多め)により抑制的で、レバレッジも1.26倍と低位安定のため、ROEの上振れは主としてマージン由来です。ビジネス面では、価格転嫁・製品ミックス改善とコスト抑制に加え、金利上昇局面での受取利息増加が最終利回りを押し上げました。これらのうち、コア営業によるマージン改善は継続可能性がある一方、金利収益の押し上げは金利環境に依存し一時色が強めです。販管費率は16.0%で、売上伸長(+7.3%)に対しコストの伸びは抑制され、正の営業レバレッジが確認できます。懸念すべきトレンドとしては、総資産回転率が現金厚めで低位に留まる点(資産効率の伸び悩み)がROEの頭打ち要因となり得ます。
売上は+7.3%の増収で、景気循環を踏まえると安定的な成長。価格転嫁・ミックス改善の寄与が示唆されるが、数量ベースの寄与度は不明でデータ制限あり。営業利益は+13.4%と売上成長を上回り、営業レバレッジが効いた。純利益は+19.0%とさらに高い伸びで、営業外収益(受取利息0.80億円等)が増益を後押し。来期の持続性は、- 原材料価格・エネルギーコストの動向、- 需要(建築・自動車・工業用途)トレンド、- 為替・金利環境の3点がカギ。保守的な資本構成と正のFCF(16.36億円)は、成長投資や新製品開発の余地を確保。資産効率の改善(遊休現金の活用、在庫・売掛の回転改善)ができれば、ROE押上げ余地あり。
流動比率365.8%、当座比率342.2%と非常に健全で、短期支払能力は極めて高い。負債資本倍率0.26倍と低レバレッジで、支払能力に懸念は小さい。総資産310.26億円に対し純資産245.84億円、財務レバレッジ1.26倍と保守的。短期負債57.71億円に対し流動資産211.12億円(うち現金預金107.11億円)で満期ミスマッチリスクは低い。買掛金39.94億円を十分に賄える現金水準。オフバランス債務の開示はなく、重大な認識外リスクは現時点で確認できない(データ未記載により完全把握は不可)。
営業CF/純利益は1.62倍と高水準で、利益の現金化は良好。投資CFは-2.11億円にとどまり、フリーCFは16.36億円と潤沢。設備投資は5.80億円で、営業CF内に十分に収まる規模。配当金支払額は未記載だが、配当性向(計算値)36.5%を前提にすると、FCFによるカバレッジは3.94倍と持続可能性が高い。運転資本については期末の売掛金54.23億円・棚卸資産13.63億円の絶対水準は妥当だが、前年対比の増減や回転期間の評価はデータ不足で限定的。営業CFが純利益を上回っているため、意図的な運転資本操作の明確な兆候は現時点では見られない。
配当性向(計算値)36.5%は保守的で、利益とCFの双方から十分にカバー可能。FCFカバレッジは3.94倍と厚く、減配リスクは低位。EPS150.62円ベースの暗示DPSは約55円程度と推定されるが、実際の配当金総額は未記載のため確定は不可。自己資本比率は算出不可としているが、実質レバレッジ1.26倍から見て内部留保の厚みは十分で、DOE向上余地もある。今後は投資機会とのバランスを見つつ、安定配当+機動的な追加還元(自己株含む)の余地がある。
ビジネスリスク:
- 原材料価格(樹脂・溶剤など)およびエネルギーコストの上昇によるマージン圧迫
- 需要変動(建設・自動車・工業塗料向け)の景気感応度
- 為替変動による輸出採算・輸入原材料コストへの影響
- 競合による価格下落圧力とミックス悪化リスク
- 新製品開発の遅延や品質不具合による販売機会損失
財務リスク:
- 資産効率の低下(現金比率高止まりによる総資産回転率の抑制)
- 金利環境の変化による受取利息の減少(純利益率押し下げ)
- 運転資本の膨張による営業CF変動(売掛・在庫の拡大)
主な懸念事項:
- ROEが4.6%と低位で、資産効率改善が課題
- 一部XBRL報告指標の不整合(例:ROA、営業利益率、DOE)により対外比較が難しい
- 売上成長の数量・価格寄与の内訳が不明で、需要強度の評価に不確実性
重要ポイント:
- 売上+7.3%、営業利益+13.4%、純利益+19.0%でマージン改善が鮮明
- 営業利益率約6.3%(+34bp)、純利益率5.1%(+50bp)に拡大
- 営業CF/純利益1.62倍、FCF16.36億円でキャッシュ創出は健全
- 負債資本倍率0.26倍、流動比率365.8%と財務の安全性が高い
- ROEは4.6%にとどまり、資産効率の改善が中期課題
注視すべき指標:
- 販売数量・価格ミックスの推移(営業総利益率の変化)
- 総資産回転率と運転資本回転(日数ベース:売掛・在庫)
- 原材料・エネルギーコストインデックスと価格転嫁状況
- 受取利息の動向(金利環境の変化に伴う営業外収益)
- 設備投資計画と投下資本利益率(ROIC)
セクター内ポジション:
国内塗料・樹脂系メーカーの中で、財務安全性は上位、利益率・ROEは中位〜やや低位、キャッシュフロー創出は安定というディフェンシブ寄りのポジショニング。
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