| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1393.6億 | ¥1311.5億 | +6.3% |
| 営業利益 | ¥174.4億 | ¥153.8億 | +13.4% |
| 経常利益 | ¥178.4億 | ¥164.8億 | +8.2% |
| 純利益 | ¥103.2億 | ¥74.3億 | +38.9% |
| ROE | 10.1% | 8.3% | - |
2026年3月期決算は、売上高1393.6億円(前年比+82.1億円 +6.3%)、営業利益174.4億円(同+20.6億円 +13.4%)、経常利益178.4億円(同+13.6億円 +8.2%)、純利益103.2億円(同+28.9億円 +38.9%)。売上は3期連続増収を達成し、営業段階は増収増益で粗利率33.6%(前年32.5%から+1.1pt改善)、営業利益率12.5%(同11.7%から+0.8pt改善)と収益性が向上した。一方、親会社株主帰属純利益は109.9億円で前年137.2億円から-19.9%と減益。減益要因は前年特別利益(固定資産売却益25.0億円)の剥落と法人税等52.2億円(実効税率29.2%)の負担増が主因。セグメント別では日本・東南アジア・韓国の利益成長が牽引し、欧米は営業利益-49.4%と大幅減益で採算悪化が顕著。財務は自己資本比率64.6%、ROE10.1%で健全性と収益性を維持。
【売上高】売上高1393.6億円は前年比+82.1億円(+6.3%)の増収。セグメント別では日本530.5億円(+6.4%)、中国339.0億円(+7.5%)、欧米333.2億円(+10.9%)が牽引し、韓国215.5億円(-2.0%)は微減、東南アジア250.3億円(+0.3%)は横ばい。地域別売上構成は日本38.1%、中国24.3%、欧米23.9%、東南アジア18.0%、韓国15.5%。日本は国内需要の回復、中国は市場拡大、欧米は為替効果と価格改定が増収に寄与した。全体として価格転嫁と数量拡大の両面が増収を下支えし、3期連続の増収基調を継続。
【損益】売上原価925.8億円(前年885.5億円)に対し売上総利益467.8億円、粗利率33.6%(前年32.5%から+1.1pt改善)。原材料コスト圧力の沈静化と価格改定の浸透により粗利率が改善。販管費293.4億円(同272.2億円から+7.8%)は役員報酬102.9億円(前年96.7億円)や運輸費57.8億円(同53.1億円)の増加で拡大したが、売上成長率を下回る増勢に抑制され、営業利益174.4億円(+20.6億円 +13.4%)、営業利益率12.5%(前年11.7%から+0.8pt改善)と収益性が向上した。営業外は受取利息5.1億円・配当3.4億円・為替差益3.2億円が寄与する一方、支払利息4.7億円・為替差損5.6億円が相殧し、経常利益178.4億円(+13.6億円 +8.2%)を確保。特別損益は固定資産売却益1.9億円と減損損失1.5億円がほぼ相殺し、純額は+0.6億円と軽微。税引前利益179.0億円に対し法人税等52.2億円(実効税率29.2%)、非支配株主持分16.8億円を控除後、親会社株主帰属純利益は109.9億円(前年137.2億円から-19.9%)。純利益減益の主因は前年特別利益(固定資産売却益25.0億円)の剥落と税負担の増加で、経常段階までの収益力は改善基調を維持。結論として、増収増益(営業・経常段階)だが、純利益は一時要因と税負担で減益。
日本セグメントは売上530.5億円(前年498.5億円、+6.4%)、営業利益32.9億円(同22.2億円、+48.1%)、利益率6.2%(同4.5%から+1.7pt改善)。国内需要回復と価格改定による採算改善が奏効。中国セグメントは売上339.0億円(前年315.5億円、+7.5%)、営業利益29.7億円(同27.2億円、+9.3%)、利益率8.8%(同8.6%から+0.2pt)。市場拡大と販売数量増が増収を牽引し、利益も堅調に推移。韓国セグメントは売上215.5億円(前年220.0億円、-2.0%)、営業利益32.8億円(同25.4億円、+28.8%)、利益率15.2%(同11.6%から+3.6pt改善)。減収ながら大幅な採算改善で利益拡大を実現。東南アジアセグメントは売上250.3億円(前年249.7億円、+0.3%)、営業利益41.2億円(同38.5億円、+7.0%)、利益率16.5%(同15.4%から+1.1pt改善)。横ばい売上ながら高採算を維持し、全社最高の利益率で全社営業利益の約24%を寄与。欧米セグメントは売上333.2億円(前年300.5億円、+10.9%)、営業利益11.1億円(同21.9億円、-49.4%)、利益率3.3%(同7.3%から-4.0pt悪化)。増収ながら採算が大幅に悪化し、需要軟化やコスト増が利益を圧迫。東南アジア・韓国の高利益率が全社の収益性を下支えする一方、欧米の採算悪化が全社マージン拡大の足かせとなっている。
【収益性】営業利益率12.5%(前年11.7%から+0.8pt改善)、純利益率7.4%(同10.5%から-3.1pt悪化)、ROE10.1%(前年単期は13.7%から低下、過去3年平均は12.0%程度と推定)。粗利率33.6%(前年32.5%から+1.1pt改善)は原材料コスト圧力の沈静化と価格転嫁が寄与。販管費率21.1%(前年20.8%から+0.3pt)は増収によりやや改善。営業段階の収益性は向上したが、純利益率は特別利益剥落と税負担増により悪化。【キャッシュ品質】営業CF144.2億円は前年145.4億円から-0.8%とほぼ横ばい、営業CF/純利益1.40倍(当期純利益103.2億円ベース)で利益の現金化は良好。営業CF小計176.6億円に対し運転資本変動が-19.5億円(棚卸-14.1億円、売掛-12.4億円、買掛+7.0億円)で資金を吸収し、法人税支払-36.3億円でCFを圧迫。フリーCF159.8億円(営業CF144.2億円+投資CF15.6億円)は前年144.4億円から増加し、配当52.1億円と自社株買い0.0億円を賄って余剰。【投資効率】総資産1575.6億円(前年1447.8億円)、総資産回転率0.88回転(前年0.91回転)は在庫・売掛の増加で低下。売掛金368.2億円(前年340.9億円)でDSO約96日、棚卸資産169.2億円(前年156.9億円)で在庫回転日数約67日と長期化の兆候。有形固定資産226.2億円に対し設備投資25.3億円、CapEx/減価償却1.37倍で更新投資は確保したが、売上比1.8%は控えめで大規模拡張投資は見られず。研究開発費6.1億円(売上比0.4%)は低水準で製品差別化投資は限定的。【財務健全性】自己資本比率64.6%(前年57.7%から+6.9pt改善)、有利子負債435.7億円(短期借入136.7億円、長期借入27.4億円、流動負債17.0億円、リース負債9.9億円)でDebt/Equity45.8%、Debt/EBITDA約2.2倍と低水準。流動比率270.8%(流動資産1177.2億円/流動負債434.8億円)、当座比率231.8%(当座資産1008.0億円/流動負債434.8億円)と短期支払能力は極めて高い。現金預金402.6億円に対し短期有利子負債は約170億円で、現金/短期負債2.4倍と十分な流動性を保有。インタレストカバレッジ37.3倍(営業利益174.4億円/支払利息4.7億円)で金利負担は軽微。財務は極めて健全で、資金調達余力は十分。
営業CF144.2億円(前年145.4億円、-0.8%)は営業CF小計176.6億円から運転資本変動-19.5億円、法人税支払-36.3億円を経て創出された。運転資本変動の内訳は棚卸増-14.1億円、売掛増-12.4億円、買掛増+7.0億円で、在庫・売掛の積み上がりがキャッシュを吸収。減価償却費18.5億円(前年17.0億円)を加味すると営業CF/EBITDA(営業利益174.4億円+減価償却18.5億円≒192.9億円)は0.75倍と低く、運転資本の肥大化が現金創出を抑制している。投資CFは+15.6億円(前年-1.0億円)と流入超過で、有形固定資産取得-25.3億円を投資有価証券売却益や預金払戻で相殺し純流入に転換。財務CFは-103.4億円(前年-124.8億円)で、短期借入純減-34.2億円、長期借入純増-0.1億円、配当支払-52.0億円、非支配株主への配当-13.1億円が主要支出。フリーCF159.8億円(営業CF+投資CF)は配当総額52.1億円の約3.1倍を確保し、配当の持続可能性は極めて高い。現金残高は期首321.7億円から期末380.6億円へ+58.8億円増加し、期末現金預金402.6億円(短期有価証券13.3億円を含む流動性資産は415.9億円)と潤沢。キャッシュ創出力は堅調だが、運転資本効率の改善(DSO短縮、在庫圧縮)が営業CFの一段の改善とROE押し上げのカギとなる。
経常利益178.4億円に対し営業外収益15.5億円、営業外費用11.5億円で純額+4.0億円と軽微で、経常段階の収益は大半が営業活動由来。営業外収益の内訳は受取利息5.1億円、受取配当3.4億円、為替差益3.2億円が中心で、金融資産からの安定収益と為替の評価益が寄与。営業外費用は支払利息4.7億円、為替差損5.6億円が主因で、為替影響は差益・差損が混在し純為替効果はややマイナス。特別損益は固定資産売却益1.9億円、減損損失1.5億円、投資有価証券売却益0.2億円・評価損0.2億円で、純額+0.6億円と極めて軽微。前年は固定資産売却益25.0億円の一時利益があり、当期はその剥落が純利益減益の主因となった。包括利益189.9億円(当期純利益103.2億円+その他包括利益63.2億円)は、為替換算調整32.2億円、有価証券評価差額26.2億円、退職給付調整4.8億円の評価益を取り込み、純利益を大幅に上回る。営業CF144.2億円と当期純利益103.2億円の差異は減価償却18.5億円と運転資本変動-19.5億円、法人税支払-36.3億円で説明でき、アクルーアルは運転資本の膨張が主因。経常的収益力は営業・経常段階で改善し、純利益の減益は一時要因と税負担に起因するため、収益の質は構造的に毀損していない。
期末配当63円(内訳は普通配当49円+特別配当14円)、中間配当48円で年間配当111円(前年40円から大幅増配)。配当性向は親会社株主帰属純利益109.9億円(EPS221.66円ベース)に対し55.5%で、前年35.0%から+20.5pt上昇。配当総額52.1億円はフリーCF159.8億円の32.6%をカバーし、FCFからの配当余力は極めて高い。現金預金402.6億円(短期有価証券含む流動性資産415.9億円)と潤沢な手元資金を考慮すると、配当の持続可能性は高い。自社株買いは当期-0.0億円(前年0円)で実施なし。特別配当14円は業績連動の機動的な還元策で、次期以降の継続性は業績次第。普通配当49円+特別配当14円の合計111円は、前年の年間40円から+71円の大幅増配で、株主還元姿勢の強化を示す。配当性向の上昇と特別配当の導入により、株主還元は大幅に拡充された。
欧米セグメントの採算悪化: 売上333.2億円(+10.9%)に対し営業利益11.1億円(-49.4%)、利益率3.3%(前年7.3%から-4.0pt悪化)。需要軟化やコスト増が収益を圧迫し、全社最大の採算リスク。欧米の利益寄与は全社営業利益の約6%にまで低下し、早急なテコ入れが必要。
運転資本の肥大化: 売掛金368.2億円(DSO約96日)、棚卸資産169.2億円(在庫回転日数約67日)で、運転資本変動が営業CFを-19.5億円圧迫。営業CF/EBITDA0.75倍と低く、運転資本効率の改善がキャッシュ創出と資本効率向上のカギとなる。
研究開発投資の低水準: 研究開発費6.1億円(売上比0.4%)は業界水準を大きく下回り、製品差別化・価格交渉力の弱体化リスク。原材料コストや競合圧力への対抗力が限定的で、中長期の成長持続性に懸念。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 12.5% | 7.8% (4.6%–12.3%) | +4.8pt |
| 純利益率 | 7.4% | 5.2% (2.3%–8.2%) | +2.2pt |
営業利益率・純利益率ともに業種中央値を大きく上回り、製造業群の中で上位の収益性を確保している。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 6.3% | 3.7% (-0.4%–9.3%) | +2.6pt |
売上成長率は業種中央値を上回り、成長力は製造業群の中で相対的に良好な水準にある。
※出所: 当社集計
営業段階の収益性改善と財務健全性の高さが注目点。営業利益率12.5%(前年11.7%から+0.8pt改善)、自己資本比率64.6%(同57.7%から+6.9pt改善)、Debt/EBITDA約2.2倍と、価格転嫁と原材料コスト圧力の沈静化により営業採算が向上し、財務も極めて堅固。フリーCF159.8億円は配当総額52.1億円の約3.1倍をカバーし、配当の持続可能性は極めて高い。年間配当111円(普通配当49円+特別配当14円)は前年40円から大幅増配で、株主還元姿勢の強化を示す。
欧米セグメントの採算悪化と運転資本効率の改善余地が今後の焦点。欧米は営業利益-49.4%で利益率3.3%まで低下し、全社マージン拡大の足かせとなっている。売掛金368.2億円(DSO約96日)、棚卸資産169.2億円(在庫回転日数約67日)で運転資本が肥大化し、営業CF/EBITDA0.75倍と低く、運転資本の圧縮がキャッシュ創出力とROE押し上げのカギとなる。研究開発費6.1億円(売上比0.4%)は低水準で、製品差別化投資の強化が中長期の競争力維持に必要。
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