- 売上高: 459.65億円
- 営業利益: 18.17億円
- 当期純利益: 16.01億円
- 1株当たり当期純利益: 49.32円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 459.65億円 | 361.35億円 | +27.2% |
| 売上原価 | 333.38億円 | 249.85億円 | +33.4% |
| 売上総利益 | 126.26億円 | 111.49億円 | +13.2% |
| 販管費 | 108.08億円 | 86.25億円 | +25.3% |
| 営業利益 | 18.17億円 | 25.24億円 | -28.0% |
| 営業外収益 | 5.84億円 | 4.16億円 | +40.4% |
| 営業外費用 | 2.78億円 | 1.75億円 | +58.9% |
| 経常利益 | 21.24億円 | 27.64億円 | -23.2% |
| 税引前利益 | 26.91億円 | 39.10億円 | -31.2% |
| 法人税等 | 10.89億円 | 10.76億円 | +1.2% |
| 当期純利益 | 16.01億円 | 28.33億円 | -43.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 14.05億円 | 27.16億円 | -48.3% |
| 包括利益 | 3.90億円 | 24.83億円 | -84.3% |
| 減価償却費 | 14.68億円 | 11.95億円 | +22.8% |
| 支払利息 | 1.08億円 | 41百万円 | +163.4% |
| 1株当たり当期純利益 | 49.32円 | 95.42円 | -48.3% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 49.09円 | 94.89円 | -48.3% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 529.74億円 | 530.66億円 | -92百万円 |
| 現金預金 | 125.35億円 | 126.49億円 | -1.14億円 |
| 売掛金 | 154.72億円 | 157.09億円 | -2.37億円 |
| 棚卸資産 | 87.20億円 | 84.23億円 | +2.97億円 |
| 固定資産 | 812.21億円 | 802.77億円 | +9.44億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 13.93億円 | 24.30億円 | -10.37億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 1.70億円 | -13.00億円 | +14.70億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 3.1% |
| 粗利益率 | 27.5% |
| 流動比率 | 135.5% |
| 当座比率 | 113.2% |
| 負債資本倍率 | 0.79倍 |
| インタレストカバレッジ | 16.82倍 |
| EBITDAマージン | 7.1% |
| 実効税率 | 40.5% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +27.2% |
| 営業利益前年同期比 | -28.0% |
| 経常利益前年同期比 | -23.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -48.3% |
| 包括利益前年同期比 | -84.3% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 29.71百万株 |
| 自己株式数 | 1.16百万株 |
| 期中平均株式数 | 28.50百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,628.19円 |
| EBITDA | 32.85億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 49.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| DomesticPaintCoatings | 4.63億円 | 5.42億円 |
| FluorescencePigment | 60百万円 | 18百万円 |
| Lighting | 35百万円 | 8.44億円 |
| OverseaPaintCoatings | 3百万円 | 2.39億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 920.00億円 |
| 営業利益予想 | 41.00億円 |
| 経常利益予想 | 43.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 29.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 101.75円 |
| 1株当たり配当金予想 | 58.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の大日本塗料は、売上は力強く伸びた一方で利益率が大幅に悪化し、増収減益の厳しい四半期でした。売上高は459.65億円で前年比+27.2%の増収を確保しました。営業利益は18.17億円で前年比-28.0%、経常利益は21.24億円で-23.2%、当期純利益は14.05億円で-48.3%と二桁減益となりました。営業利益率は3.95%(=18.17/459.65)で、前年の約6.99%(当社逆算)から約304bp縮小しています。純利益率は3.1%で、前年約7.5%(当社逆算)から約442bp低下し、税負担(実効税率40.5%)の高さも最終利益の圧迫要因でした。粗利益率は27.5%と一見堅調ですが、販管費率が23.5%まで上昇しており、価格転嫁やミックス改善の不十分さ、費用増が営業レバレッジを相殺したとみられます。営業外収益は5.84億円、営業外費用は2.78億円で、純額+3.06億円が経常段階を下支えしました(経常利益の約14%相当の寄与)。キャッシュフロー面では営業CFが13.93億円で、純利益14.05億円に対する営業CF/純利益は0.99倍と概ね良好です。一方で設備投資21.99億円を差し引いた当社計算のフリーCFは約-8.1億円とマイナスで、投資負担が先行しています。財務健全性は流動比率135.5%、当座比率113.2%、負債資本倍率0.79倍、インタレストカバレッジ16.8倍と良好で、短期的な支払能力に大きな懸念はありません。資本効率はROE1.9%、ROIC1.4%と低位で、WACCを大きく下回る公算が高く、投下資本の収益性が最大の論点です。営業外収入比率(報告指標)41.6%とされる一方、当社試算では経常利益の約14%が営業外の純寄与で、定義差はあるものの非業務寄与への依存度上昇には注意が必要です。配当性向は103.6%と示され、FCFがマイナスの中での高配は持続性に課題が残ります。今後は原材料高の収束・価格改定の浸透・高付加価値塗料へのミックス転換と、投資案件の回収によるROIC改善が鍵となります。短期的にはマージンの底打ち、費用抑制、運転資本の最適化でキャッシュ創出を優先し、中期的には投資の収益化によりROIC>5%の回復が必要です。データに未記載項目が多く、販管費の詳細や投資CFの内訳が不明な点は分析上の制約です。
デュポン分析(ROE=純利益率×総資産回転率×財務レバレッジ)では、ROE1.9%=3.1%×0.343×1.79で説明されます。今期のROE低下の最大要因は純利益率の悪化です(売上+27.2%にもかかわらず純利益-48.3%)。営業利益率は3.95%で前年約6.99%から約304bp縮小、純利益率は前年約7.5%から約3.1%へ約442bp低下したと推計され、粗利改善が販管費増や価格転嫁の遅れに吸収されたとみられます。総資産回転率0.343は、増収も総資産規模の拡大・在庫/売掛の積み上がりで大きくは改善していないと解釈されます。財務レバレッジ1.79倍は保守的で、レバレッジ効果によるROE押上げは限定的です。利益率悪化のビジネス要因として、原材料コスト(樹脂・溶剤等)の上昇、価格改定のタイムラグ、海外/自動車・建築向けミックスの変化、販促・人件費・物流費増が想定されます。これらの一部は一時的(コストピークアウト、価格改定浸透)ですが、固定費の増分や人件費の高止まりは構造的で、完全な反転には時間を要します。懸念すべきトレンドとして、売上成長率(+27.2%)に対し営業利益が減少(-28.0%)しており、費用の伸びや値引きが売上成長を上回った負の営業レバレッジが発生しています。
売上は+27.2%と強い伸長で、需要回復または価格改定の寄与が示唆されますが、粗利率27.5%と販管費率23.5%の組み合わせから、数量増より価格要因や低マージン案件の比重増の可能性があります。営業外収益(受取配当1.65億円、受取利息0.38億円等)が経常段階を補完しており、コア事業の成長だけで収益が伸びきっていない点は課題です。利益の質は、営業CF/純利益0.99倍と概ね良好で、収益の現金化は確保されていますが、FCFは当社計算で約-8.1億円(=営業CF13.93−設備投資21.99)と投資先行。短期的見通しは、原材料価格の落ち着きと価格転嫁の浸透に伴う営業利益率の漸進的回復が焦点です。中期的には、現在の投資の稼働・高付加価値塗料(重防食、機能性、インフラ更新関連)へのミックスシフトによりROICの改善が必要です。高い実効税率(40.5%)は純利益の伸びを抑えるため、税効果や損益通算の最適化も収益拡大に寄与し得ます。
流動比率135.5%、当座比率113.2%、負債資本倍率0.79倍、インタレストカバレッジ16.82倍。満期ミスマッチは限定的(流動資産>流動負債)。オフバランス債務は情報未記載で評価不能。
営業CF/純利益0.99倍で概ね良好。設備投資21.99億円を控除した当社概算FCFは約-8.1億円で投資先行。運転資本操作の有無はデータ不足で判断不可。
配当性向103.6%は持続性に課題。FCF(当社概算)マイナスのため、配当維持には収益改善または投資配分見直しが必要。
ビジネスリスク:
- 原材料価格上昇・変動(樹脂、溶剤、顔料)による粗利圧迫
- 価格改定の遅延・競争によるマージン希薄化
- エンドマーケット(自動車、建築、インフラ)の需要変動
- 製品ミックスの低採算化(大口案件・受注単価低下)
- 投資案件の収益化遅延によるROIC低迷
財務リスク:
- ROIC1.4%と低位で資本効率がWACCを下回るリスク
- FCFマイナス(当社概算)下での高配当性向(103.6%)の持続可能性
- 運転資本の膨張(売掛・在庫)によるキャッシュ創出力低下
- 非業務収益への依存度上昇(経常利益の一部を営業外が下支え)
主な懸念事項:
- 営業利益率の約304bp縮小と純利益率の約442bp低下
- 実効税率40.5%の高止まりによる最終利益圧迫
- 投資先行で短期FCFが赤字化、ROIC改善の可視化不足
- データ未記載(投資CF内訳、販管費内訳)に伴う分析不確実性
重要ポイント:
- 増収にもかかわらずマージンが大幅悪化し、ROE1.9%、ROIC1.4%と資本効率が大きく低下
- 営業CF/純利益0.99倍と利益の現金裏付けは概ね良好だが、投資先行でFCFは当社概算でマイナス
- 財務体質は保守的(D/E0.79、インタレストカバレッジ16.8倍)で短期リスクは限定的
- 配当性向103.6%は持続性に懸念、収益回復または方針見直しが必要
- 価格改定浸透、ミックス改善、運転資本効率化が短中期の改善ドライバー
注視すべき指標:
- 営業利益率と粗利率の四半期推移(bpベース)
- 原材料指数(樹脂/溶剤)と販売価格改定の進捗
- 運転資本回転(売掛・在庫・買掛の回転日数)
- ROIC(>5%への回帰の道筋)
- FCFと投資案件のIRR/回収状況
- 実効税率の正常化(税負担軽減施策の効果)
セクター内ポジション:
国内塗料大手群と比較すると、今期の利益率およびROICは下位レンジ。財務レバレッジは低く安定性は高いが、収益性の弱さが評価ディスカウント要因となりやすい。コア事業の稼ぐ力回復と投資の収益化が相対的評価改善の鍵。
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