- 営業利益: -26.73億円
- 当期純利益: -21.52億円
- 1株当たり当期純利益: -37.75円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 営業利益 | -26.73億円 | -24.82億円 | -7.7% |
| 営業外収益 | 5.04億円 | - | - |
| 営業外費用 | 21百万円 | - | - |
| 経常利益 | -31.59億円 | -19.99億円 | -58.0% |
| 税引前利益 | -19.97億円 | - | - |
| 法人税等 | 1.55億円 | - | - |
| 当期純利益 | -21.52億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | -27.13億円 | -21.52億円 | -26.1% |
| 包括利益 | -23.07億円 | -26.75億円 | +13.8% |
| 支払利息 | 6百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | -37.75円 | -31.39円 | -20.3% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 33.36億円 | 33.36億円 | 0円 |
| 現金預金 | 29.21億円 | 29.21億円 | 0円 |
| 固定資産 | 1.12億円 | 1.12億円 | 0円 |
| 有形固定資産 | 40百万円 | 40百万円 | 0円 |
| 無形資産 | 44百万円 | 44百万円 | 0円 |
|
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 3.78円 |
| 流動比率 | 455.6% |
| 当座比率 | 455.6% |
| 負債資本倍率 | 3.42倍 |
| インタレストカバレッジ | -418.70倍 |
| 実効税率 | -7.8% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 72.03百万株 |
| 自己株式数 | 538株 |
| 期中平均株式数 | 71.90百万株 |
| 1株当たり純資産 | 6.83円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 0.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 営業利益予想 | -39.20億円 |
| 経常利益予想 | -45.30億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | -40.45億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | -56.17円 |
| 1株当たり配当金予想 | 0.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q3のサンバイオは、売上高未開示のなかで営業損失-26.73億円、当期純損失-27.13億円と赤字が継続し、収益化前段階の開発費負担がPLを圧迫した四半期でした。経常損失は-31.59億円で、営業外収益5.04億円(受取利息0.02億円を含む)を計上したものの、営業赤字の補填には至っていません。税引前損益は-19.97億円ですが、法人税等1.55億円計上により純損失が拡大し、実効税率は-7.8%と逆転しています。総資産は24.06億円、純資産は4.92億円で、財務レバレッジは4.89倍と高水準です。負債合計16.84億円に対してD/Eは3.42倍となり、自己資本の薄さが赤字の影響を増幅しています。流動資産33.36億円、現金預金29.21億円、流動負債7.32億円から、流動比率455.6%と短期流動性は厚く、運転資本も26.04億円と十分です。インタレストカバレッジは-418.70倍で、営業損失が利払い0.06億円を大きく上回っており、収益基盤の脆弱さが示唆されます。EPSは-37.75円(期中平均株式数7,190万株)と希薄化しており、1株当たり純資産は計算値6.83円に低下しています。売上総利益や販管費の内訳は未開示ですが、研究開発費負担が営業損失の主因とみられます。前年比の営業利益率・純利益率のbp変化は売上高未開示のため算出不能です。営業外収益が5.04億円と一定の下支えになった一方、一過性の可能性が高く、持続性は不透明です。営業CFが未開示であるため、営業CFと純利益の乖離に基づく利益の質判定はできず、保守的に品質リスクを意識すべき局面です。資金面では現金厚みが短期の支払い能力を担保する一方、赤字継続が続く場合には希薄化を伴うエクイティ調達の必要性が高まります。固定負債9.52億円の存在は資本性の薄さと相まって中期の財務柔軟性を制約しうる点に留意が必要です。今後はパイプラインのマイルストンや提携一時金など非希薄化資金の獲得、あるいは運転資本・費用配分の最適化がカギになります。中期的な見通しは、臨床・承認進捗と商業化に向けたマイルストン創出の可否に強く依存します。総じて、短期の流動性は良好だが、資本効率と持続的資金繰りはR&D成果に大きくレバレッジされる局面と評価します。
デュポン分析(概念展開): ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ。現状は当期純損失(-27.13億円)で純利益率が負値のため、ROEは負方向に大きく毀損していると推定されます。総資産回転率は売上高未開示により算出不能ですが、開発段階のビジネスモデルから一般的に低回転が想定され、ROEの押し下げ要因です。一方、財務レバレッジは4.89倍と高く、自己資本の薄さが損失を株主資本に増幅して伝達しています。最も変化が大きい要素は純利益率(営業損失の拡大)で、ビジネス上の理由は収益化前のR&D費・管理費の継続計上に対して、製品売上や提携収益が十分に発生していない点です。営業外収益5.04億円は一時的な補填要素で、構造的な収益改善にはつながっていない可能性が高いです。この損失構造は、商業化・提携マイルストン・技術導出による収益源が確立されるまで持続的になりやすく、短期的な反転は限定的と評価します。販管費やR&Dの詳細は未開示ですが、売上未開示のなかで営業損失が拡大していることから、費用の伸びが売上の伸びを上回っている可能性が高い点は懸念材料です。
売上高が未開示で実績のトレンド判定は困難ですが、営業外収益が一定規模(5.04億円)あるものの本業の収益化は未達とみられ、成長の持続可能性はパイプラインの開発・承認・提携進展に依存します。利益の質は、営業赤字継続と一時的な非営業収益頼みの構図から、現時点では低いと評価せざるを得ません。今後の見通しは、(1) 臨床試験の主要評価項目達成、(2) 提携契約に伴う一時金・マイルストン入金、(3) 固定費の抑制と資源配分の再設計、の3点が業績トラジェクトリを左右します。
流動比率455.6%・当座比率455.6%と短期流動性は非常に厚く、現金預金29.21億円が支払能力を支えています。一方、D/E 3.42倍(>2.0)は明確なレバレッジ警戒シグナルで、自己資本薄化により財務クッションが限定的です。固定負債9.52億円を抱えており、赤字継続が続く場合は中期の財務柔軟性に制約が生じる可能性があります。短期負債7.32億円に対して流動資産33.36億円と満期ミスマッチのリスクは低く、短期償還能力は十分です。オフバランス債務の開示はなく、リース・将来のコミットメント等の潜在債務は不明で、評価は限定的です。
営業CFが未開示のため、営業CF/純利益やFCFの定量評価はできません。営業損失が大きいことから、営業CFもマイナスである可能性が高く、利益の現金化は弱いと推定されます。運転資本の細目(売掛金・棚卸等)が未開示で、四半期内の運転資本変動に伴うキャッシュ創出/消費の寄与は不明です。投資CF・財務CFも未開示のため、外部資金調達(増資・借入)の有無や規模、設備投資負担の持続性は評価不能です。現金残高29.21億円は当面のキャッシュバッファとして機能しますが、赤字の継続を踏まえると追加資金調達の必要性は残ります。
配当情報は未開示で、当期純損失計上・自己資本の薄さ(純資産4.92億円)を踏まえると、現段階での剰余金配当の持続可能性は低いと考えます。FCFや営業CFが未開示のため、配当のキャッシュカバレッジも算定不能です。資本政策は、事業ステージの特性上、内部留保の厚みよりも開発継続と資金確保を優先する局面にあるとみられ、近い将来の安定配当方針は想定しにくい状況です。
ビジネスリスク:
- 臨床開発の不確実性(主要評価項目未達・試験遅延・規制当局の承認不確実性)
- 商業化前段階による売上基盤の脆弱性とマイルストン・一時金依存
- パイプライン集中によるポートフォリオリスク(候補品の失敗時の事業影響が大きい)
- 提携交渉の進捗遅延による資金流入タイミングの不確実性
財務リスク:
- D/E 3.42倍の高レバレッジと自己資本の薄さによる資本毀損リスク
- 営業赤字継続に伴うキャッシュバーン拡大と希薄化を伴う増資リスク
- インタレストカバレッジが大幅マイナスで、収益力不足に起因する債務耐性の低さ
- 固定負債9.52億円の存在による中期的な償還・リファイナンスリスク
主な懸念事項:
- 売上・販管費・R&D等の詳細未開示により損益ドライバーの透明性が低い
- 営業CF・投資CF・財務CF未開示でキャッシュ創出力・資金調達動向の把握が困難
- 一時的な営業外収益への依存度が収益の質を低下させる可能性
- 純資産の薄さにより、損失拡大時の継続企業の前提への懸念が高まりやすい
重要ポイント:
- 営業損失-26.73億円、純損失-27.13億円で赤字継続。非営業収益5.04億円では構造的赤字をカバーできず
- 流動比率455.6%、現金29.21億円と短期流動性は厚いが、D/E 3.42倍で資本性が脆弱
- インタレストカバレッジは-418.70倍と収益力が極めて弱く、資本政策の柔軟性確保が重要
- 売上・CF未開示により利益の質・FCFの持続性評価は限定的。慎重なモニタリングが必要
- 今後の業績反転は臨床・承認・提携マイルストン創出の成否に大きく依存
注視すべき指標:
- 現金残高および四半期キャッシュバーン(営業損失・営業CF)
- 臨床試験の主要評価項目達成状況と規制当局の審査進捗
- 提携一時金・マイルストン収入の発生タイミングと規模
- 費用構造(R&D費・固定費)の伸びとコスト最適化の進捗
- 資本政策(増資・転換社債・デットのリファイナンス条件)
- 希薄化影響(発行済株式数の増加、潜在株式の行使状況)
セクター内ポジション:
国内バイオ・創薬スタートアップ群の中では、短期流動性は比較的厚い一方、自己資本が薄くレバレッジが高い部類。収益化前で非営業収益への依存が見られ、同業のキャッシュリッチな先行組と比べ財務耐性は弱い。業績の転機はパイプラインの臨床・提携進展次第で、相対的なポジショニングは『開発リスク・資本政策リスクが高く、イベントドリブン』に位置づけられる。
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