- 売上高: 23.11億円
- 営業利益: -3.44億円
- 当期純利益: -3.40億円
- 1株当たり当期純利益: -24.29円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 23.11億円 | 23.69億円 | -2.4% |
| 営業利益 | -3.44億円 | -27百万円 | -1174.1% |
| 営業外収益 | 23百万円 | - | - |
| 営業外費用 | 2.27億円 | - | - |
| 経常利益 | -4.26億円 | -2.31億円 | -84.4% |
| 税引前利益 | -2.27億円 | - | - |
| 法人税等 | 1.13億円 | - | - |
| 当期純利益 | -3.40億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | -5.68億円 | -3.39億円 | -67.6% |
| 包括利益 | -5.83億円 | -4.94億円 | -18.0% |
| 減価償却費 | 1.45億円 | - | - |
| 支払利息 | 29百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | -24.29円 | -15.71円 | -54.6% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 46.40億円 | 45.39億円 | +1.01億円 |
| 現金預金 | 34.96億円 | 33.40億円 | +1.56億円 |
| 売掛金 | 5.49億円 | 6.89億円 | -1.40億円 |
| 固定資産 | 48.79億円 | 51.17億円 | -2.38億円 |
| 有形固定資産 | 4.80億円 | 5.29億円 | -49百万円 |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 2.29億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 30.48億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | -24.6% |
| 流動比率 | 466.1% |
| 当座比率 | 466.1% |
| 負債資本倍率 | 0.58倍 |
| インタレストカバレッジ | -11.82倍 |
| EBITDAマージン | -8.6% |
| 実効税率 | -49.6% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 24.46百万株 |
| 自己株式数 | 181株 |
| 期中平均株式数 | 23.43百万株 |
| 1株当たり純資産 | 247.04円 |
| EBITDA | -1.99億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 0.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 38.88億円 |
| 営業利益予想 | 1.18億円 |
| 経常利益予想 | 73百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | -71百万円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | -3.25円 |
| 1株当たり配当金予想 | 0.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3のラクオリア創薬は、売上が小幅減の一方で営業赤字・最終赤字が継続し、損益は厳しい四半期でした。売上高は23.11億円で前年比-2.5%と微減にとどまる一方、営業損失は-3.44億円、経常損失は-4.26億円、当期純損失は-5.68億円でした。営業外収益0.23億円に対して営業外費用2.27億円が上回り、営業段階から純利益までの下押し圧力が強い構図です。営業利益率は-14.9%(-3.44/23.11)、EBITDAは-1.99億円(EBITDAマージン-8.6%)と、減価償却等の非現金費用を加味しても赤字が解消されていません。純利益率は-24.6%で、営業段階から純利益段階にかけて約-980bp(-9.8pp)の追加悪化が発生しており、営業外費用と税負担が重石になっています。期中のマージン構造では、EBITDAマージンから営業利益率への段階で約-630bpの悪化(減価償却・償却費の影響)も確認されます。ROEは-9.4%(純利益率-24.6%×総資産回転率0.243×レバレッジ1.58倍)とマイナスで、資本効率は低下しています。流動資産46.40億円に対し流動負債9.95億円で流動比率466%と高く、短期の流動性は厚めですが、インタレストカバレッジは-11.82倍と利払い能力に課題があります。現金預金は34.96億円と潤沢で、長期借入金22.67億円を上回る実質ネットキャッシュですが、損益の赤字が続けば将来のキャッシュ消費リスクは無視できません。営業キャッシュフローは2.29億円と黒字で、純損失-5.68億円との乖離から利益の質には注意が必要です(営業CF/純利益-0.40倍)。無形資産・のれんは合計約74億円(のれん36.98億円、無形固定資産37.33億円)と総資産の約78%に達し、減損リスクや償却負担が利益を圧迫する構図が継続しています。税負担は実効税率-49.6%と歪みが大きく、税効果会計や一過性要因の影響が示唆されます。売上の減少幅は限定的ですが、費用構造の硬直性と営業外費用の負担で損益分岐点を下回っています。推定フリーキャッシュフロー(営業CF2.29億円−設備投資0.97億円)は約1.32億円とプラスですが、研究開発やパイプライン投資の継続性を考えると安定性には疑義が残ります。短期的にはキャッシュポジションに支えられますが、中期的にはマイルストン収入の獲得やライセンス収入の安定化が不可欠です。将来に向けては、営業外費用(とりわけ利息負担)圧縮、無形資産の減損リスク管理、売上の質(反復性の高いロイヤリティ・マイルストン)の改善が収益性回復の鍵となります。商社特有の持分法利益やROIC管理のフレームは本企業には直接適用しにくく、創薬ベンチャーとしての収益ボラティリティと資金繰りの持続性が分析の中核です。
デュポン分解: ROE -9.4% = 純利益率(-24.6%) × 総資産回転率(0.243) × 財務レバレッジ(1.58倍)。最大のマイナス寄与は純利益率の大幅なマイナスで、資産回転やレバレッジでは埋めきれません。純利益率悪化の背景には、(1) 営業段階の赤字(営業利益率-14.9%)、(2) 非現金費用(減価償却1.45億円)や無形資産償却・のれん償却の負担、(3) 営業外費用2.27億円と支払利息0.29億円の計上があり、営業から経常、当期純利益にかけて段階的にマージンが圧縮されています。営業外費用の比重が高く、EBITDAマージン(-8.6%)から営業利益率(-14.9%)で約-630bp、営業利益率から純利益率(-24.6%)で約-980bpと二段階での悪化が顕著です。ビジネス面では、創薬ビジネス特有の収益の非連続性(マイルストン/一時金)の影響と、固定的な研究開発・管理コストの先行負担が主因です。これらの負担は当面持続的(構造的)であり、売上の質と規模が上振れない限りROE改善は限定的です。懸念トレンドとして、売上-2.5%に対しコスト情報の詳細は未記載ですが、損益が悪化していることから費用の伸び(または硬直性)が売上の伸びを上回っている可能性が高い点を指摘します。
売上は23.11億円で前年比-2.5%と小幅減。創薬モデルの収益はライセンス・マイルストン・ロイヤリティのタイミングに左右されやすく、反復性の確保が課題です。営業損失-3.44億円、EBITDA-1.99億円は、収益規模が損益分岐点に届かない構図を示します。営業外費用2.27億円と利息負担0.29億円が収益成長の阻害要因となっており、財務コストの縮減(借入金の条件見直し、返済・希薄化なき資本強化)が重要です。売上の質はマイルストンの一過性に依存しやすく、複数提携先からのロイヤリティ増加や製品上市に向けた進捗が中期の持続可能性を左右します。足元の実効税率は-49.6%と歪みが大きく、税効果の揺らぎがEPSボラティリティを増幅させています。将来見通しは、(1) パイプライン進捗とマイルストンの獲得、(2) ライセンス契約拡大による反復的キャッシュインの積み上げ、(3) コスト構造の適正化(外注費、管理費、財務費用)次第で改善余地があります。
流動比率466%・当座比率466%と短期流動性は非常に厚いです。負債資本倍率0.58倍で、D/E>2.0の警戒水準には該当しません。現金預金34.96億円が長期借入金22.67億円を上回り、ネットキャッシュ基調で短期の支払能力は良好です。一方、インタレストカバレッジは-11.82倍と利払い能力に難があり、損益の赤字が継続する限り金利上昇や借換条件悪化の感応度が高い点はリスクです。満期ミスマッチの観点では、流動負債9.95億円に対して現金等が十分で、短期債務の返済リスクは限定的です。のれん36.98億円・無形資産37.33億円(総計約74億円)が総資産95.18億円に対して極めて高い構成比を占め、潜在的な減損リスクや償却負担による資本の毀損リスクに留意が必要です。オフバランスのコミットメント・偶発債務は開示N/Aのため評価不能です。
営業CFは2.29億円と黒字である一方、当期純損失は-5.68億円で、営業CF/純利益は-0.40倍と品質警告に該当します。これは非現金費用(減価償却1.45億円等)や運転資本のプラス寄与による可能性が高く、持続性には不透明感があります。投資CF詳細は未記載ですが、設備投資は-0.97億円。推定フリーキャッシュフロー(営業CF−設備投資)は約+1.32億円とプラスです。ただし、研究開発費や前払金の変動、マイルストン受領の一過性が大きく、翌期以降の再現性は担保されません。運転資本操作の兆候について内訳開示が不足しており、売掛金5.49億円の回収期間や前受金・未払計上の影響はフォローが必要です。財務CFは+30.48億円と大きく、外部資金調達(借入・増資等)の依存が示唆されますが内訳は未記載です。
配当は未記載で、創薬ベンチャーの特性上、当面は内部留保とパイプライン投資を優先する可能性が高いです。純損失とマイナスROE、営業外費用負担を踏まえると、安定配当の持続可能性は低いと評価します。推定FCFは+1.32億円ながら、ボラティリティが高く、配当原資としての信頼性は限定的です。今後の配当方針は、(1) 収益の反復性(ロイヤリティ)の確立、(2) 営業黒字化とインタレストカバレッジ改善、(3) 無形資産の減損リスク後退が確認されてからの再検討が妥当と考えます。
ビジネスリスク:
- マイルストン・一時金依存による売上・利益のボラティリティ
- パイプライン開発失敗・遅延リスク(規制・臨床開発の不確実性)
- 提携先依存(契約更改・販売動向次第でロイヤリティが変動)
- 知的財産の存続・係争リスク
財務リスク:
- インタレストカバレッジ-11.82倍と利払い余力の脆弱性
- のれん36.98億円・無形資産37.33億円に伴う減損リスク
- 実効税率の変動によるEPSの歪み
- 外部資金調達への依存(財務CF+30.48億円)と市場環境の変化
主な懸念事項:
- 純利益率-24.6%によるROEの大幅マイナス(-9.4%)
- 営業外費用2.27億円・支払利息0.29億円が継続的な利益圧迫要因
- 売上微減にもかかわらず赤字継続で損益分岐点超過に至らず
- 営業CFと純利益の乖離(-0.40倍)による利益の質の低下懸念
重要ポイント:
- 売上は-2.5%の小幅減だが、営業・最終赤字が継続し純利益率-24.6%
- ROE-9.4%の主因は純利益率のマイナス、資産回転0.243とレバレッジ1.58では補えず
- 現金35億円で短期流動性は厚いが、インタレストカバレッジは警戒水準を大幅下回る
- 無形資産・のれん計約74億円で減損リスクと償却負担が収益性を制約
- 推定FCFは+1.32億円も持続性は不透明、外部資金調達依存が示唆
注視すべき指標:
- マイルストン・ロイヤリティの四半期推移と契約件数
- 営業利益率・EBITDAマージンの改善度(bpベース)
- 支払利息・有利子負債の推移(利率と満期構成)
- のれん・無形資産の減損テスト結果
- 営業CFの持続性と運転資本の変動内訳(売掛金回収・前受/未払の動き)
セクター内ポジション:
国内創薬ベンチャーの中では流動性は相対的に厚い一方、損益の赤字と高い無形資産比率、利払い余力の弱さがネガティブ。収益の反復性や費用構造の柔軟性で先行組に劣後し、財務安全性では平均以上。
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