- 売上高: 1,304.76億円
- 営業利益: 104.43億円
- 当期純利益: 82.14億円
- 1株当たり当期純利益: 166.86円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,304.76億円 | 1,234.04億円 | +5.7% |
| 売上原価 | 832.70億円 | 784.90億円 | +6.1% |
| 売上総利益 | 472.06億円 | 449.14億円 | +5.1% |
| 販管費 | 367.62億円 | 344.00億円 | +6.9% |
| 営業利益 | 104.43億円 | 105.13億円 | -0.7% |
| 営業外収益 | 27.65億円 | 18.48億円 | +49.6% |
| 営業外費用 | 12.29億円 | 20.23億円 | -39.2% |
| 経常利益 | 119.79億円 | 103.38億円 | +15.9% |
| 税引前利益 | 119.55億円 | 103.00億円 | +16.1% |
| 法人税等 | 37.41億円 | 37.44億円 | -0.1% |
| 当期純利益 | 82.14億円 | 65.55億円 | +25.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 82.14億円 | 65.55億円 | +25.3% |
| 包括利益 | 102.04億円 | 46.54億円 | +119.3% |
| 減価償却費 | 86.82億円 | 73.83億円 | +17.6% |
| 支払利息 | 11.49億円 | 7.76億円 | +48.1% |
| 1株当たり当期純利益 | 166.86円 | 133.17円 | +25.3% |
| 1株当たり配当金 | 30.00円 | 30.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 2,559.84億円 | 2,473.06億円 | +86.78億円 |
| 現金預金 | 495.76億円 | 454.71億円 | +41.05億円 |
| 売掛金 | 569.34億円 | 614.49億円 | -45.15億円 |
| 棚卸資産 | 507.14億円 | 447.70億円 | +59.44億円 |
| 固定資産 | 2,245.46億円 | 2,235.17億円 | +10.29億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 140.92億円 | 86.54億円 | +54.38億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 42.60億円 | 142.03億円 | -99.43億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 6.3% |
| 粗利益率 | 36.2% |
| 流動比率 | 280.4% |
| 当座比率 | 224.9% |
| 負債資本倍率 | 1.67倍 |
| インタレストカバレッジ | 9.09倍 |
| EBITDAマージン | 14.7% |
| 実効税率 | 31.3% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +5.7% |
| 営業利益前年同期比 | -0.7% |
| 経常利益前年同期比 | +15.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +25.3% |
| 包括利益前年同期比 | +119.2% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 51.52百万株 |
| 自己株式数 | 2.29百万株 |
| 期中平均株式数 | 49.23百万株 |
| 1株当たり純資産 | 3,653.68円 |
| EBITDA | 191.25億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 30.00円 |
| 期末配当 | 40.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Domestic | 1,049.15億円 | 132.57億円 |
| Overseas | 2.89億円 | -5.90億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 2,800.00億円 |
| 営業利益予想 | 270.00億円 |
| 経常利益予想 | 253.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 177.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 359.57円 |
| 1株当たり配当金予想 | 40.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の東和薬品は、売上増加にもかかわらず営業利益が微減、非営業収益の押し上げで最終利益が大幅増というミックスの決算でした。売上高は1,304.76億円で前年同期比+5.7%と堅調、ジェネリック薬の数量・製品ミックス改善が示唆されます。売上総利益は472.06億円、粗利率は36.2%と前年水準比で大きな悪化は見られず、コスト転嫁は概ね機能しています。販管費は367.62億円で売上比28.2%、営業利益は104.43億円、営業利益率は8.0%で前年からわずかに縮小(約10bp程度の悪化とみられます)。営業外収益27.65億円と営業外費用12.29億円の差し引き+15.36億円が寄与し、経常利益は119.79億円(+15.9%)と二桁増益に転じました。税前利益119.55億円に対して法人税等37.41億円(実効税率31.3%)を計上し、当期純利益は82.14億円と前年同期比+25.3%の大幅増益です。デュポン分解ベースのROEは4.6%(純利益率6.3%×総資産回転率0.272×財務レバレッジ2.67)で、資本効率は依然として低水準です。営業外収入比率は33.7%と高く、今期の利益成長は本業というより金融収支・その他の非営業要因に依存しました。営業キャッシュフローは140.92億円で純利益の1.72倍と良好、キャッシュ創出力の観点では利益の質は高めです。現金495.76億円、流動比率280.4%・当座比率224.9%と流動性は厚い一方、長期借入金1,920.69億円がのしかかり、Debt/EBITDAは約10.35倍とレバレッジが高い点は留意が必要です。EBITDAは191.25億円、インタレストカバレッジは9.09倍で、現時点の利払い耐性は確保されています。ROICは2.2%とベンチマーク(>7-8%)を大きく下回り、のれん262.34億円・無形資産434.56億円の厚みも相まって、資本効率・資産健全性の改善が今後の最重要課題です。営業CFと設備投資(128.03億円)を単純比較すると概算FCFは約12.9億円のプラスで、配当性向(計算値)43.9%は一見持続可能に見えるものの、高水準の有利子負債を踏まえるとキャッシュアロケーションの優先順位が問われます。棚卸資産507.14億円、売掛金569.34億円と運転資本の積み上がりが大きく(運転資本1,647.02億円)、今後の在庫回転・回収の効率化がキャッシュ創出に直結します。総じて、トップラインは堅調、営業力は横ばい、非営業の追い風で最終増益という構図で、短期のキャッシュは良好ながら、中期はROICとレバレッジの改善が株主価値向上の鍵となります。薬価改定や原薬コスト、品質・安定供給対応など業界特有の外部要因が利益率に与える影響を注視すべきです。
ROEは4.6%で、純利益率6.3%×総資産回転率0.272×財務レバレッジ2.67の積に整合します。今期の利益成長は営業利益が-0.7%と横ばい圏であったのに対し、非営業収支(+15.36億円)が経常・純利益を押し上げ、結果として純利益率の改善がROEに最も寄与したと評価します。営業面では粗利率36.2%を維持した一方、販管費率が28.2%と高止まりし、営業レバレッジが効きにくい構造が続いています。非営業では受取利息1.52億円、支払利息11.49億円の環境でその他の営業外収益の寄与が大きく、為替差益や評価・売却益等の一過性要因の可能性があります(明細未開示)。このため、純利益率の改善の一部は持続性に不確実性があるとみます。総資産回転率0.272は製薬メーカーとしても低位で、棚卸・売掛の膨張が効率性を抑制。財務レバレッジ2.67は長期借入依存を反映し、見かけ上ROEを底上げしていますが、ROIC 2.2%と資本コストを下回る水準から、過度なレバレッジの正当化は難しい状況です。懸念点として、販管費の伸びが売上成長(+5.7%)に近いか、やや上回っている可能性があり(内訳未開示)、中期的にOPマージンの拡大余地を狭めています。結論として、ROEのドライバーは非営業による純利益率であり持続性は限定的、構造的な改善には運転資本効率化による総資産回転率向上と販管費抑制による営業利益率の底上げが必要です。
売上は+5.7%と堅調で、数量伸長や欠品正常化、製品ポートフォリオの更新が想定されますが、価格改定の逆風を完全には相殺できていない可能性があります。営業利益は104.43億円(-0.7%)と微減で、粗利率は36.2%を維持しつつも販管費の重さが成長のブレーキになりました。経常・純利益の二桁増は非営業の押し上げが主因で、持続的成長ストーリーとしては営業段階の改善が不可欠です。EBITDA191.25億円、EBITDAマージン14.7%は一定の安定感があるものの、Debt/EBITDA 10.35倍を踏まえると成長投資の裁量余地は金利環境次第で変動しやすいです。今後は(1)薬価改定の影響織り込み、(2)原薬調達コストと歩留まり改善、(3)製造キャパシティの稼働率上昇と不良率低減、(4)在庫適正化によるキャッシュ創出が、売上の持続性と利益の質を規定します。短期見通しは、数量面の追い風が続く一方、価格・コストの逆風でOPMの大幅拡大は限定的とみます。中期はROIC改善(>5%への回復)を目標に、選択的投資と負債圧縮の両立が鍵です。
流動比率280.4%、当座比率224.9%と、短期流動性は非常に健全です。負債資本倍率1.67倍はベンチマーク(<1.5倍)を上回り、レバレッジはやや高めです。長期借入金1,920.69億円に対し短期借入金は57.84億円で、償還期限のミスマッチは大きくなく、満期ミスマッチリスクは限定的です。インタレストカバレッジ9.09倍と利払い余力は十分ですが、金利上昇局面では負担増に注意が必要です。自己資本比率は未記載ながら、純資産1,798.63億円・総資産4,805.30億円から単純推定すると約37.4%程度とみられ、バランスシートの耐性は中立〜やや良好。のれん262.34億円・無形資産434.56億円の厚みは減損リスクと資本保全の観点でモニター要。オフバランス債務の情報は開示不足で不明です。
営業CF140.92億円は純利益82.14億円の1.72倍で、営業CF/純利益>1.0のベンチマークを上回り、利益のキャッシュ裏付けは良好です。設備投資は128.03億円の支出で、営業CFとの差引による概算FCFは約+12.9億円(投資CFのその他項目未開示のため参考値)。運転資本は1,647.02億円と厚く、売掛金569.34億円・棚卸資産507.14億円が資金を拘束しており、回転期間短縮がFCFの安定化に直結します。営業CFの強さは減価償却86.82億円など非資金損益の寄与も大きく、短期的なキャッシュ創出は堅調です。一方で、Debt/EBITDAが高水準であるため、FCFの一部は負債サービスに優先配分される必要があります。運転資本の積み増しに依存した営業CFのブーストは今のところ見られず、CF品質は総じて良好と評価します。
配当性向(計算値)は43.9%と健全レンジ(<60%)に収まっています。概算FCFはプラスで、配当のキャッシュカバレッジは一定程度確保されていると推測されますが、投資CFの全体像や配当金総額が未記載のため確度は限定的です。高水準の長期負債とROIC 2.2%という資本効率の低さを踏まえると、中期的には配当より負債削減・ROIC改善投資の優先順位が上がる可能性があります。今後の配当方針の持続性は、(1)営業段階のマージン改善、(2)FCFの安定化、(3)金利環境の動向に依存します。
ビジネスリスク:
- 薬価改定による価格下落圧力とマージン圧縮
- 原薬・資材コスト上昇や為替変動による原価率悪化
- 品質・GMP遵守、供給安定化対応コストの増加
- 製品ポートフォリオ入替の遅れによる売上鈍化
- 棚卸資産の増加に伴う滞留・廃棄リスク
財務リスク:
- 長期借入金1,920.69億円に起因する高レバレッジ(Debt/EBITDA約10.35倍)
- 金利上昇時の利払い負担増(支払利息11.49億円、インタレストカバレッジ9.09倍の低下リスク)
- 無形資産・のれん(計約696.9億円)の減損リスク
- 運転資本の大きさに起因するキャッシュフロー変動性
主な懸念事項:
- ROIC 2.2%と資本コストを下回る資本効率
- 営業利益の伸び悩み(OP -0.7%)に対し純利益が非営業要因に依存
- 総資産回転率0.272の低位固定化と在庫・売掛の肥大化
- 非営業収益の明細未開示による持続性評価の不確実性
重要ポイント:
- 売上+5.7%とトップラインは堅調も、OPMは8.0%でわずかに縮小
- 非営業の押し上げで純利益+25.3%、純利益率6.3%へ改善
- 営業CF/純利益1.72倍と利益のキャッシュ裏付けは良好
- Debt/EBITDA約10.35倍、レバレッジは高水準で資本効率はROIC 2.2%と低位
- 在庫・売掛の大きさが総資産回転率0.272を抑制、効率化が重要
注視すべき指標:
- 営業利益率(目標:継続的な拡大)
- 運転資本回転(在庫・売掛の回転日数)
- Debt/EBITDAおよび純有利子負債/EBITDA
- ROIC(>5%への回復の進捗)
- 非営業収益の内訳(持続性の検証)
- 設備投資とFCFのギャップ
- 薬価改定影響後の数量動向と単価
セクター内ポジション:
国内ジェネリック業界の平均と比べ、流動性は厚いがレバレッジが高く、資本効率(ROIC)が劣後。収益性は中位、キャッシュ創出は短期的に良好だが中期の改善余地が大きい。
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