- 売上高: 458.31億円
- 営業利益: -68.37億円
- 当期純利益: 52.52億円
- 1株当たり当期純利益: 186.81円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 458.31億円 | 424.66億円 | +7.9% |
| 売上原価 | 210.68億円 | - | - |
| 売上総利益 | 213.97億円 | - | - |
| 販管費 | 196.16億円 | - | - |
| 営業利益 | -68.37億円 | 17.81億円 | -483.9% |
| 営業外収益 | 7.86億円 | - | - |
| 営業外費用 | 3.30億円 | - | - |
| 経常利益 | -56.22億円 | 22.37億円 | -351.3% |
| 法人税等 | 19.06億円 | - | - |
| 当期純利益 | 52.52億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 77.84億円 | 52.49億円 | +48.3% |
| 包括利益 | 100.01億円 | 14.47億円 | +591.2% |
| 減価償却費 | 22.82億円 | - | - |
| 支払利息 | 9百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 186.81円 | 118.75円 | +57.3% |
| 1株当たり配当金 | 45.00円 | 45.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 1,069.80億円 | - | - |
| 現金預金 | 251.69億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 137.06億円 | - | - |
| 固定資産 | 1,370.79億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 270.69億円 | - | - |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 27.75億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -19.60億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 5,099.32円 |
| 純利益率 | 17.0% |
| 粗利益率 | 46.7% |
| 流動比率 | 645.3% |
| 当座比率 | 562.6% |
| 負債資本倍率 | 0.16倍 |
| インタレストカバレッジ | -759.67倍 |
| EBITDAマージン | -9.9% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +7.9% |
| 営業利益前年同期比 | -11.6% |
| 経常利益前年同期比 | -35.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +48.3% |
| 包括利益前年同期比 | +5.9% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 46.54百万株 |
| 自己株式数 | 5.09百万株 |
| 期中平均株式数 | 41.67百万株 |
| 1株当たり純資産 | 5,129.35円 |
| EBITDA | -45.55億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 45.00円 |
| 期末配当 | 55.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| InformationService | 13.89億円 | 4.07億円 |
| PharmaceuticalProducts | 383.47億円 | -75.01億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 955.00億円 |
| 営業利益予想 | -26.00億円 |
| 経常利益予想 | -11.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 127.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 305.56円 |
| 1株当たり配当金予想 | 60.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
キッセイ薬品工業の2026年度第2四半期(連結、JGAAP)は、売上高458.3億円(前年同期比+7.9%)とトップラインが順調に伸長する一方、営業損失68.37億円(同-11.6%)と研究開発費・販売費の先行投資が重く、コア収益力は赤字となりました。粗利益は213.97億円、粗利率46.7%と過去レンジに比べて堅調で、製品ミックス改善や価格維持が示唆されます。経常損失は56.22億円と営業損失から若干改善しており、金融収支の負担は限定的(支払利息900万円)です。他方で、当期純利益は77.84億円(+48.3%)と大幅な黒字で、特別利益や投資評価益・一過性収益の寄与が大きいと推察されます(実効税率の計算値は0.0%と示唆的)。デュポン分解では、純利益率16.98%、総資産回転率0.176回、財務レバレッジ1.23倍から算出ROEは3.66%で、低レバレッジ下で一時的な純利益率上振れがROEを下支えしています。営業CFは27.75億円と黒字で、営業赤字にもかかわらず減価償却費(22.82億円)や運転資本の解放が寄与したとみられます。流動比率645%、当座比率563%、負債資本倍率0.16倍と財務安全性は極めて高く、潤沢な流動性が確認できます。総資産2,611億円、自己資本2,126億円と、資本の厚みが投資余力とダウンサイド耐性をもたらします。一方、EBITDAは-45.55億円、EBITDAマージン-9.9%とコアキャッシュ創出力は弱含みで、継続的な先行投資の費用化が重石です。営業レバレッジは高く、売上の追加伸長や販管費の伸び抑制が進めば損益分岐点を割り込む改善余地があります。棚卸資産137.06億円は売上成長と整合的ですが、薬価改定や在庫回転の鈍化には留意が必要です。年間配当は0円で、当期は先行投資・パイプライン優先の資本配分姿勢がうかがえます。キャッシュフロー品質は営業CF/純利益0.36と低く、純利益の一過性成分が大きい可能性が高い点は注意です。ビジネス面では中長期の研究開発成果の商業化タイミングが価値創造のカギで、短期的には営業赤字からの改善軌道が評価の焦点となります。データ上、投資CF、現金同等物、自己資本比率、発行済株式数などに不記載項目があり、これらはゼロ値ではなく開示欠落として取り扱う必要がある点を明記します。総じて、財務健全性は極めて良好で資金耐性は高い一方、コア収益力の回復と利益の持続可能性の検証が今後の主題です。
ROE分解(デュポン): 純利益率16.98% × 総資産回転率0.176回 × 財務レバレッジ1.23倍 = ROE 3.66%(報告値と一致)。純利益率は特別要因を含むとみられ、営業段階は赤字(営業利益-68.37億円)で実力ベースの収益性は低い。粗利益率46.7%は製品ミックス・価格の堅調さを示すが、販管費(含R&D)の増加が粗利を吸収。EBITDA-45.55億円、EBITDAマージン-9.9%とキャッシュ創出力も弱含み。営業レバレッジ: 売上+7.9%でも営業損失が拡大しており、固定費負担が大きい構造。売上増加が一定閾値を超えれば損益は急速に改善し得る一方、短期のボラティリティも高い。経常段階では金融費用は軽微(支払利息900万円)で、非営業収益が損失縮小に寄与。純利益上振れは一時的要因の可能性が高く、実力ベースのROE/ROICは実質的に低位と評価。
売上成長は+7.9%と堅調で、主力品の伸長や新製品寄与、海外ロイヤルティ等が示唆される。粗利率46.7%は価格・ミックスの改善を反映し、売上の質は良好。もっとも、営業赤字の継続は拡販コストやR&D先行投資が上回る局面で、短期の利益成長は限定的。純利益は+48.3%と大幅増益だが、一過性収益の影響が大きい可能性が高く、持続性には疑義。総資産回転率0.176回と資産効率は低く、資産規模に対する売上の伸びが十分ではない。中期的には開発案件の上市・適応拡大・地域展開が成長源泉となるが、薬価改定や後発品圧力の逆風は継続。今後は売上の高マージン領域(スペシャリティ領域、ロイヤルティ・ライセンス)比率上昇が利益牽引の鍵。費用規律や選択と集中の徹底により、成長の質(利益転化)を高められるかが焦点。
流動性: 流動比率645.3%、当座比率562.6%と非常に高く、短期支払能力は盤石。運転資本904.02億円と潤沢で、需給ショックへの耐性が高い。支払能力: 負債合計339.33億円、負債資本倍率0.16倍とレバレッジは極めて低い。支払利息900万円に対し営業損失でインタレストカバレッジは計算上-759.7倍だが、利払い負担は軽微。資本構成: 総資産2,611.25億円、純資産2,126.25億円と厚い自己資本。自己資本比率は不記載扱い(0.0%は欠落表示)だが、貸借対照表の整合から高水準と推定。資金調達余力は大きく、与信面の制約は限定的。
利益の質: OCF/純利益=0.36と低く、純利益は一過性・非現金の寄与が大きい可能性。営業赤字にもかかわらずOCFが正なのは、減価償却費22.82億円と運転資本の解放が寄与したためとみられる。FCF分析: 投資CFが不記載(0円表示は欠落)で、算出FCFも0円表記は参考不可。したがってFCFカバレッジの評価は保留。運転資本: 棚卸資産137.06億円は売上伸長と整合するが、回転率・滞留の変化は注視。売掛・買掛の詳細開示は本データに欠落し、ワーキングキャピタルの構成変化分析には制約あり。総じて、現時点のキャッシュ創出力は営業段階で弱く、利益のキャッシュ転換率は低位。
配当は年間0円、配当性向0.0%(データベース表示)で、当期は内部留保・投資優先の方針。営業CFが正で財務健全性は高いものの、コア利益が赤字である以上、安定配当の持続可能性評価は慎重。FCFデータが不記載のためFCFベースのカバレッジ判定はできない。将来の配当再開/増配には、(1) 営業黒字化とEBITDA黒字転換、(2) 投資キャッシュ需要のピークアウト、(3) 一過性収益に依存しない純利益の安定化、が前提と想定。
ビジネスリスク:
- 研究開発の不確実性(臨床試験の遅延・失敗、承認取得リスク)
- 薬価改定による収益性低下リスク
- 主力製品の競争激化・後発品参入
- 一過性収益依存(マイルストン、資産売却益等)の継続可能性
- 販売費・R&Dの固定費的性質による営業レバレッジの高さ
- サプライチェーン・在庫回転の鈍化に伴う在庫評価損リスク
財務リスク:
- コア営業赤字の長期化に伴うキャッシュ消費リスク
- FCF情報不記載により投資キャッシュ需要の把握が困難
- 資産効率の低さ(総資産回転率0.176回)による資本生産性の低下
- 為替変動によるロイヤルティ・原材料コストの変動
主な懸念事項:
- 純利益の増加が一過性要因に依存している可能性
- EBITDAマイナスでキャッシュ創出が弱い点
- 営業赤字解消のタイムライン不透明
- 投資CF・現金同等物の開示欠落により資金残高の正確な把握ができない点
重要ポイント:
- 売上は+7.9%と堅調、粗利率46.7%で製品ミックスは改善
- 営業損失68.37億円・EBITDAマイナスでコア収益は弱い
- 純利益77.84億円は一過性寄与が大きい可能性、OCF/純利益0.36
- 流動比率645%・負債資本倍率0.16倍で財務耐性は非常に高い
- ROE3.66%は低レバレッジ下での純利益率上振れによるもの
- 今後の評価軸は営業黒字化、EBITDA黒字転換、R&Dの成果の商業化
注視すべき指標:
- EBITDAマージン(-9.9%からの改善度)
- 営業利益率と販管費率(R&D比率含む)のトレンド
- OCF/純利益および在庫回転日数
- 高マージン収益(ロイヤルティ・ライセンス)比率
- 薬価改定影響と価格維持率
- 主要パイプラインの進捗(承認・上市・適応拡大)
セクター内ポジション:
同業国内スペシャリティ製薬に比して財務安全性は最上位クラスだが、2026年度Q2時点のコア収益性(営業・EBITDA)は劣後。売上成長は同業平均並み~やや上だが、利益の持続性と資産効率が課題。R&D成果の顕在化タイミング次第でギャップ解消余地はある。
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