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45432026 第3四半期プライムIFRS

テルモ(4543) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益9%増

2026年度第3四半期の売上高は8,316億円(前年同期比+7.7%)、営業利益は1,449億円(同+8.5%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

テルモ株式会社

電機・精密/精密機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥8315.6億¥7722.4億+7.7%
営業利益¥1448.7億¥1335.0億+8.5%
税引前利益¥1465.9億¥1318.3億+11.2%
純利益¥1095.5億¥986.2億+11.1%
ROE7.2%7.2%-

Executive Summary

売上・利益ともに成長率を伴う増収増益決算であり、収益性も前年から改善した。売上収益は8,315.6億円(前年比+7.7%)、営業利益は1,448.7億円(同+8.5%)、税引前利益は1,465.9億円(同+11.2%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,095.5億円(同+11.1%)となった。増益率が増収率を上回り、営業利益率は17.4%(前年17.3%)へ改善した。血液・細胞テクノロジーカンパニーの増収増益と、OrganOx完全子会社化による連結寄与が牽引役となった一方、買収関連費用・減損損失を含む一時的損益が報告利益を押し下げている。

業績変動要因

【売上高】売上収益は8,315.6億円で前年比+7.7%増収となった。セグメント別では心臓血管カンパニーが4,967.6億円(構成比59.8%、前年比+7.0%)と最大かつ主力の稼ぎ頭であり、血液・細胞テクノロジーカンパニーは1,685.3億円(構成比20.3%、同+13.8%)と最も高い伸びを示した。メディカルケアソリューションズカンパニーは1,631.8億円(構成比19.6%、同+2.2%)と相対的に伸びが鈍い。2025年10月に完全子会社化したOrganOxが28.5億円を新規計上し、連結売上に寄与し始めた。

【損益】営業利益は1,448.7億円(前年比+8.5%)、粗利率は53.6%で前年の54.7%から低下したが、販管費率が35.5%とほぼ横ばいに抑制されたことで営業利益率は17.4%へ改善した。買収無形資産の償却171.2億円と一時的損益△114.8億円(事業再編費用、減損損失47.7億円、買収関連費用等を含む)が報告営業利益を押し下げている一方、これらを除いた調整後営業利益は1,734.7億円(同+10.5%)と基礎的収益力は堅調である。税引前利益から純利益への転化率も良好で、増収増益の決算内容と結論づけられる。

セグメント別分析

心臓血管カンパニーは売上4,967.6億円(構成比59.8%)、営業利益1,293.4億円、利益率26.0%と全社利益の中核を担う。血液・細胞テクノロジーカンパニーは売上1,685.3億円、利益率15.0%で前年から利益率が大きく改善しており、増収と収益性向上が同時に進んだ。メディカルケアソリューションズカンパニーは売上1,631.8億円、利益率12.1%と相対的に低収益であり、成長ペースも緩やかである。新設セグメントのOrganOxは売上28.5億円、利益率18.1%で、買収初期段階として連結利益に寄与し始めている。セグメント間の利益率格差は最大約14ptに達しており、収益構成の中心が心臓血管領域にあることが確認できる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率17.4%(前年17.3%)、純利益率13.2%(前年12.8%)はいずれも前年から改善している。粗利率は53.6%と前年の54.7%から低下したが、販管費の伸び(+5.0%)が売上成長(+7.7%)を下回ったことで営業利益率の改善を確保した。【キャッシュ品質】営業CFは1,419.4億円で純利益の1.30倍にあたり、利益の現金裏付けは良好である。【投資効率】ROEは7.2%であり、純利益率の高さに対し総資産回転率の低さが資本効率の制約要因となっている。【財務健全性】自己資本比率は67.5%、流動資産8,155.6億円に対し流動負債5,397.0億円で流動比率は約151%と、大型投資後も財務基盤は保守的な水準を維持している。

キャッシュフロー分析

営業CFは1,419.4億円で前年同期比-1.6%とほぼ横ばいとなった。営業CF小計1,798.1億円から法人税等支払390.5億円、利息支払18.8億円等を控除した結果であり、売上債権243.5億円、棚卸資産108.5億円の増加を中心に運転資本が資金を圧迫した。投資CFは3,157.4億円の流出で、OrganOx完全子会社化を含む買収・投資が主因であり、通常の設備投資500.4億円を大きく上回る規模である。この結果フリーCFはマイナス1,738.1億円となったが、財務CFは1,776.3億円のプラスで、社債・借入金による資金調達が投資超過を補っている。現金及び現金同等物は2,380.0億円へ増加し、通常の事業活動から生まれるキャッシュ創出力(営業CFから設備投資を控除した約918.9億円)は配当支払412.4億円を十分に賄える水準にある。

収益の質

報告営業利益1,448.7億円に対し、買収無形資産償却171.2億円および一時的損益△114.8億円(事業再編費用、減損損失、買収関連費用等)を調整した調整後営業利益は1,734.7億円、調整後営業利益率20.9%であり、経常的な事業収益力は報告数値以上に強い。金融収益41.1億円は金融費用17.6億円を上回り、営業外損益は利益に寄与している。営業CFは純利益の1.30倍と利益の現金裏付けは良好であるが、売上債権・棚卸資産の増加が運転資本を圧迫しており、アクルーアルの観点からは在庫・債権回転の動向を継続的に確認する必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対する進捗率は、売上収益75.1%(8,315.6億円/1兆1,080億円)、営業利益79.8%(1,448.7億円/1,815.0億円)、純利益80.5%(1,095.5億円/1,360億円)である。売上進捗は標準的な75%水準に一致する一方、利益進捗はこれを上回っており、収益性改善が計画対比の進捗を押し上げている。通期予想達成には第4四半期の営業利益が前年同期比約51%増となる計算であり、既存事業の利益率維持とOrganOxの寄与拡大が焦点となる。業績予想・配当予想(1株30.00円)はいずれも据え置かれている。

株主還元

第2四半期配当は1株15.00円で実施済み、通期配当予想は1株30.00円と据え置かれている。通期純利益予想1,360億円と期中平均株式数から算出される予想配当性向は約32.5%であり、60%を下回る水準にとどまる。自社株買いは0.01億円と僅少で、総還元性向は配当性向とほぼ同水準である。営業CFから設備投資を控除した約918.9億円は配当支払412.4億円の約2.2倍にあたり、通常の事業キャッシュフローによる配当カバーは良好である。一方、OrganOx取得を含む投資活動によりフリーCFはマイナスとなっており、当期の資本配分は成長投資を優先した内容である。

リスク要因

  1. 運転資本効率の長期化: 売上債権は期首比+20.7%、棚卸資産は+14.6%と、いずれも売上成長率+7.7%を上回るペースで増加している。回収・在庫回転の長期化は営業CFの上振れを抑制する要因であり、今後の改善状況を注視する必要がある。

  2. OrganOx統合・のれん減損リスク: 完全子会社化に伴いのれん及び無形資産は期首比+2,552.6億円(+46.8%)増加し、総資産の35.5%を占めるに至った。統合の進捗や想定シナジーが実現しない場合、将来的な減損リスクが高まる。

  3. 一時的損益および買収関連費用: 当期は事業再編費用、減損損失47.7億円、買収関連費用等を含む一時的損益△114.8億円が報告営業利益を押し下げた。買収・再編局面が続く場合、報告利益の変動性が残る点は決算の質を評価する上での留意点である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率17.4%8.6% (4.3%–12.7%)+8.8pt
純利益率13.2%6.4% (2.8%–10.3%)+6.8pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を大きく上回り、収益性は業種内で上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)7.7%3.3% (-2.1%–8.9%)+4.4pt

売上成長率も業種中央値を上回り、収益性・成長性ともに業種内で優位な水準にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 高い収益性と利益の現金裏付け: 営業利益率17.4%、純利益率13.2%は業種中央値を大きく上回り、営業CFは純利益の1.30倍と利益の質は良好である。調整後営業利益率20.9%は基礎的な事業収益力の強さを示す。

  2. 大型投資後も保たれる財務健全性: 自己資本比率67.5%、流動比率約151%と、OrganOx完全子会社化による大規模投資後も財務基盤は保守的な水準を維持している。

  3. 運転資本とのれんの動向: 売上債権・棚卸資産の増加ペースが売上成長を上回っており、キャッシュ創出力の観点で回転効率の改善余地がある。のれん及び無形資産が総資産の35.5%を占める点は、今後の統合進捗を評価する上での重要な観察点である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,003円
base(基準)1,029円
bull(強気)1,055円
算出前提
1株純資産(BPS)1,032円
調整後予想EPS89.4円
株主資本コスト r8.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向32.5%
予想EPSの信頼度調整×0.970(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.00倍 / 11.5倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,000円〜1,059円、ω±0.1で 1,029円〜1,029円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。