クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1451.8億 | ¥1367.7億 | +6.1% |
| 営業利益 | ¥288.6億 | ¥323.8億 | −10.9% |
| 経常利益 | ¥319.1億 | ¥351.5億 | −9.2% |
| 純利益 | ¥241.1億 | ¥282.1億 | −14.5% |
| ROE | 7.1% | 8.5% | - |
Executive Summary
2026年度第3四半期累計決算(連結)は、売上高1,451.8億円(前年同期比+84.1億円 +6.1%)、営業利益288.6億円(同-35.2億円 -10.9%)、経常利益319.1億円(同-32.4億円 -9.2%)、親会社株主帰属純利益241.1億円(同-41.0億円 -14.5%)となった。増収減益の構図であり、売上の伸びが営業利益に結びつかず、営業利益率は前年同期23.7%から19.9%へ縮小した。総資産は前年同期比+853.0億円増の5,496.8億円へ拡大し、M&Aや設備投資による資産規模拡大が進んだ。
業績変動要因
【売上高】トップラインは前年同期比+6.1%と堅調な増収を達成した。国内医薬品需要の底堅さと事業拡大が増収を牽引した。セグメント情報は医薬品事業単一セグメントのため開示なし。【損益】売上原価は215.8億円で売上高比14.9%、前年同期の売上原価189.1億円(売上高比13.8%)から増加し、原価率が約1.1pt上昇した。販管費は947.4億円で売上高比65.2%、前年同期854.7億円(売上高比62.5%)から+92.7億円増加し、売上成長を上回るペースで増加した。この販管費の増加が営業利益圧迫の主因となった。営業利益は-10.9%減の288.6億円となり、営業利益率は19.9%へ縮小した。営業外損益では為替差益を含む営業外収益が42.5億円、支払利息等の営業外費用が12.0億円となり、営業外純増は+30.5億円で前年同期+27.7億円から小幅増加した。経常利益は-9.2%減の319.1億円となった。特別利益では投資有価証券売却益21.9億円を計上した一方、特別損失には製品自主回収関連損失15.9億円が計上された。税前利益は325.1億円、税金費用83.9億円を差し引き、純利益は241.1億円となった。【一時的要因】投資有価証券売却益21.9億円および製品自主回収関連損失15.9億円は一時的要因に該当する。経常利益319.1億円と純利益241.1億円の乖離は約-24.4%と大きく、主に法人税等負担と特別損益の相殺によるものである。【結論】増収減益型の決算であり、売上成長が利益に結びつかない構造的な課題が浮き彫りとなった。
主要財務指標
【収益性】ROE 6.8%(業種中央値-35.8%を大幅に上回り黒字を確保)、営業利益率19.9%(前年同期23.7%から3.8pt縮小、業種中央値-218.2%比では優位)、純利益率16.6%(前年同期20.6%から低下、業種中央値-216.8%比では大幅に優位)。【キャッシュ品質】現金同等物694.8億円、短期負債カバレッジ1.29倍で流動性は確保されているが、営業CF40.5億円に対し純利益241.1億円で営業CF/純利益比率0.17倍と極めて低く収益の現金化に深刻な課題がある。キャッシュコンバージョン率0.11倍は業種中央値0.41倍を大幅に下回り、利益がキャッシュに転換されていない。【投資効率】総資産回転率0.264倍(年率換算0.35倍、業種中央値0.17倍を上回るが過去水準からは低下)。【財務健全性】自己資本比率61.6%(前年71.1%から低下、業種中央値67.8%をやや下回る)、流動比率265.1%(業種中央値6.62倍、単位換算で662%を下回るが一般基準では良好)、負債資本倍率0.62倍、Debt/Capital 19.3%、インタレストカバレッジ46.63倍と財務レバレッジは保守的だが、短期負債比率66.7%と短期借入金540.1億円(前年同期52.9億円から+922.0%増)の急増が短期的なリファイナンスリスクを高めている。
キャッシュフロー分析
営業CFは40.5億円で純利益241.1億円の0.17倍に留まり、利益の現金裏付けが極めて乏しい。主因は運転資本の悪化であり、売掛金が前年同期680.2億円から859.7億円へ+179.5億円増加(売掛金回転日数215.6日は業種中央値151.6日を大きく上回り回収遅延)、棚卸資産は149.4億円から217.6億円へ+68.2億円増加(棚卸資産回転日数54.6日は業種中央値281.6日を下回り在庫回転は相対的に良好だが絶対額の増加がキャッシュを圧迫)している。投資CFは-358.2億円で設備投資244.9億円とのれん・無形資産取得関連が主因である。のれんは前年同期85.1億円から285.0億円へ+199.9億円増、無形固定資産も182.4億円から376.7億円へ+194.3億円増とM&Aや事業買収が進行した。財務CFは+344.6億円で短期借入金の純増487.3億円が主因となり投資資金を調達したが、同時に自社株買い61.3億円と配当支払102.8億円を実施している。FCFは-317.8億円と大幅マイナスで現金創出力は乏しく、現預金は前年末694.8億円から前年同期比では増加しているが資金調達による積み上がりである。短期負債に対する現金カバレッジは1.29倍で流動性は確保されているが、運転資本効率の改善と営業CF拡大が喫緊の課題である。
収益の質
経常利益319.1億円に対し営業利益288.6億円で、営業外純増は約30.5億円となった。内訳は営業外収益42.5億円から営業外費用12.0億円を差し引いたもので、営業外収益には為替差益8.5億円、受取利息4.8億円、持分法投資利益2.0億円が含まれる。営業外収益は売上高の2.9%を占める水準である。一方で営業CF40.5億円は純利益241.1億円を大幅に下回り、営業CF/純利益比率0.17倍と収益の質は極めて低い。主因は運転資本の悪化で売掛金+179.5億円、棚卸+68.2億円がキャッシュを圧迫した。アクルーアル比率は3.5%と低く表面上は良好だが、キャッシュコンバージョン率0.11倍および現金転換サイクル813日は運転資本管理の深刻な課題を示唆している。投資有価証券売却益21.9億円は一時的収益であり、経常的な収益の質の向上には売掛金回収と在庫適正化が不可欠である。
業績予想・ガイダンス
通期会社予想は売上高1,980.0億円(前年比+9.3%)、営業利益350.0億円(同-12.8%)、経常利益345.0億円(同-18.7%)、純利益243.0億円である。第3四半期累計実績の進捗率は売上高73.3%(標準進捗75%を1.7pt下回る)、営業利益82.5%(同+7.5pt上回る)、経常利益92.5%(同+17.5pt大幅超過)、純利益99.2%(同+24.2pt大幅超過)となった。経常利益および純利益の進捗率が通期予想を大幅に上回っており、第4四半期で計画比減益となる想定である。会社は投資有価証券売却益21.9億円等の一時的利益が累計で発生した影響を織り込んでいると考えられる。営業利益の進捗率も標準を上回っており、通期では第4四半期に販管費増加や投資費用が重くなる季節性を前提としている。予想修正は開示されていないが、純利益ベースでは既に通期予想の99.2%に到達しており、実質的に通期予想達成がほぼ確定している状況である。
株主還元
年間配当は会社予想で76.0円(中間38.0円、期末38.0円)を見込み、前年年間配当76.0円と同額である。第3四半期末時点で中間配当68.0円を実施済み(前年中間68.0円と同額)であり、期末配当見込みは38.0円である。配当性向は通期予想EPSベースで23.7%(配当76.0円/予想EPS 320.08円)と保守的水準にある。別途実績ベースでは純利益241.1億円に対し中間配当68.0円を発行済株式数約7,676万株ベースで計算すると年換算で約68億円規模となり、配当性向は約28%程度となる。自社株買いは実施済みで61.3億円が財務CFに計上されており、総還元性向(配当+自社株買い)は約54%と見込まれる。現預金694.8億円を保有し流動性は確保されているが、FCFが-317.8億円と大幅マイナスのため配当と自社株買いは借入等の外部資金調達で賄われている。持続性の観点では営業CFの改善が総還元政策継続の前提となる。
リスク要因
運転資本管理リスク:売掛金回転日数215.6日と在庫217.6億円の増加により営業CF40.5億円が純利益241.1億円の0.17倍に留まり、運転資本の効率化遅延がキャッシュ創出を深刻に悪化させている。M&A・のれん減損リスク:のれん285.0億円(前年同期比+199.9億円)および無形固定資産376.7億円(同+194.3億円)の急増はM&Aや事業買収を示唆し、今後の事業統合の成否や減損テストの結果が財務に大きく影響する。短期リファイナンスリスク:短期借入金540.1億円(前年同期比+487.2億円 +922.0%)と短期負債比率66.7%の高さは短期的な借入返済および借り換えリスクを高めており、金利上昇局面や資金調達環境悪化時の流動性確保が課題となる。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 医薬品業種内では当社は黒字を維持し、収益性の面で業種中央値を大幅に上回る。ROE 6.8%は業種中央値-35.8%に対し優位であり、営業利益率19.9%(業種中央値-218.2%)、純利益率16.6%(業種中央値-216.8%)ともに業種内では高水準の収益力を有する。財務健全性では自己資本比率61.6%が業種中央値67.8%をやや下回るが、依然として健全域にある。総資産回転率0.264倍(年率換算0.35倍)は業種中央値0.17倍を上回り、資産効率も相対的に良好である。一方でキャッシュコンバージョン率0.11倍は業種中央値0.41倍を大幅に下回り、業種内でもキャッシュ創出力は劣後している。売掛金回転日数215.6日は業種中央値151.6日を大きく上回り、回収管理に課題がある。棚卸資産回転日数54.6日は業種中央値281.6日を大幅に下回り、在庫回転自体は効率的だが絶対額の増加が問題となっている。流動比率265.1%は業種中央値662%(6.62倍)を下回るが、これは当社の短期負債比率が高いことを反映しており、業種内では相対的に短期資金調達依存度が高い。売上高成長率+6.1%は業種中央値-12.5%に対しプラス成長を維持しており、トップライン成長力では業種内で優位である。【総括】当社は医薬品業種内で収益性・成長性において上位に位置するが、キャッシュ創出と運転資本管理において業種内でも劣後しており、資金効率改善が課題となる。(業種: 医薬品 N=13社、比較対象: 2025年第3四半期、出所: 当社集計)
決算上の注目ポイント
増収減益構造と運転資本悪化の同時進行:売上高+6.1%増の一方で営業利益-10.9%減、純利益-14.5%減と利益が縮小し、売掛金+179.5億円・在庫+68.2億円の運転資本増加が営業CFを40.5億円に抑制した点が最重要である。営業CF/純利益比率0.17倍は収益の質の低さを示し、短期的な資金繰り管理とDSO改善が喫緊の課題となる。M&A投資による資産拡大と減損リスク:のれん+199.9億円、無形資産+194.3億円の急増はM&Aによる事業拡大を示唆し、設備投資244.9億円も含め総資産は前年同期比+853.0億円増加した。投資の収益化と減損回避が中長期の企業価値維持の鍵であり、今後の事業統合進捗と減損テストの開示が重要となる。短期資金調達への依存と配当政策の持続性:短期借入+487.2億円と自社株買い61.3億円を実施しFCF-317.8億円をカバーしたが、短期負債比率66.7%は資金繰りリスクを高める。配当性向は28%程度と保守的だが総還元性向約54%は外部資金調達に依存しており、営業CF改善が持続的株主還元の前提となる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
AI財務分析
総括
2026年度第3四半期累計は、売上高が前年同期比6.1%増の1,451.76億円となった一方、営業利益は同10.9%減の288.62億円となり、増収減益で着地した。売上総利益は694.19億円で前年同期の698.06億円から0.6%減少した。売上原価は前年同期比13.7%増の757.56億円と、売上成長を大幅に上回った。粗利益率は47.8%となり、前年同期の51.0%から約321bp低下した。販管費は405.57億円と同8.4%増加したが、販管費率は27.9%で前年同期の27.4%から約57bpの上昇にとどまった。営業利益率は19.9%であり、前年同期の23.7%から約379bp低下したが、医薬品企業としてなお高水準である。経常利益は319.07億円で同9.2%減少した一方、為替差益29.26億円が営業減益を一部補った。親会社株主に帰属する四半期純利益は231.51億円、純利益率は15.9%で、前年同期の19.4%から約347bp低下した。特別利益には投資有価証券売却益21.93億円が含まれ、税引前利益332.24億円を押し上げた。営業CFは40.46億円にとどまり、親会社株主帰属純利益231.51億円に対する比率は0.17倍である。売掛金の増加90.80億円、棚卸資産の増加139.67億円、および法人税等の支払121.36億円が営業CFを抑制した。設備投資244.89億円と子会社株式取得147.63億円を含む投資CF358.22億円の支出により、フリーキャッシュフローはマイナス317.76億円となった。短期借入金の大幅な増加を中心に財務CFは344.58億円の流入となり、成長投資・買収資金の一部を借入で補っている。通期計画に対する売上進捗は73.3%で概ね標準的である一方、営業利益進捗は82.5%、経常利益進捗は92.5%、純利益進捗は95.3%であり、営業外の為替差益と特別利益を含む下期の利益進捗を注視する局面である。
収益性分析
年換算ROEは9.1%であり、デュポン3因子では純利益率15.9%×総資産回転率0.352倍×財務レバレッジ1.62倍に分解される。収益性を支える最大の要素は15.9%の純利益率であり、財務レバレッジへの依存は限定的である。一方、前年同期比で最も大きく悪化したのは営業利益率で、23.7%から19.9%へ約379bp低下した。主因は売上原価率の上昇であり、売上原価が13.7%増と売上高の6.1%増を上回った結果、粗利益率は約321bp縮小した。販管費率の上昇は約57bpにとどまるため、今回の営業減益は主として原価負担の増加に起因する。営業利益率19.9%、EBITDAマージン25.9%、純利益率15.9%はいずれも絶対水準では良好だが、マージン低下が継続する場合にはROEの低下圧力となる。総資産回転率0.352倍は、売掛金、棚卸資産、有形固定資産および買収に伴うのれん・無形資産の拡大により、資産効率の改善余地を示す。CFA5因子では税負担係数0.697と概ね正常圏にあり、実効税率は27.4%である。金利負担係数は1.151で、為替差益29.26億円など営業外損益がEBITを上回る経常利益に寄与した。インタレストカバレッジ46.63倍、EBITDAベースでは60.71倍と金利負担は軽い。JGAAPののれん償却は6.60億円で、のれん償却前EBITDA382.37億円に対して1.7%にとどまり、会計基準差による利益水準の歪曲は軽微である。
成長性評価
売上高は6.1%増収を維持したが、原価上昇が売上成長を上回ったため、利益成長への転換には粗利益率の安定化が必要である。製薬事業のみの単一セグメントであり、収益性の変化は全社損益に直接反映される。通期売上高計画1,980.00億円に対する第3四半期累計進捗率は73.3%で、標準的な75%を1.7ポイント下回る。通期営業利益計画350.00億円に対する進捗率は82.5%で、標準進捗を7.5ポイント上回る。通期経常利益計画345.00億円に対する進捗率は92.5%で標準を17.5ポイント上回り、為替差益を含む営業外収益の寄与が大きい。通期親会社株主帰属利益計画243.00億円に対しては95.3%まで進捗しており、投資有価証券売却益21.93億円を含む一時的利益が進捗を押し上げた。会社計画は売上高9.3%増、営業利益12.8%減、経常利益18.7%減を見込んでおり、増収でもコスト・投資負担により利益率が低下する前提である。設備投資は減価償却費の2.81倍に当たる244.89億円であり、生産・供給能力または将来成長に向けた先行投資の性格が強い。子会社株式取得147.63億円は売上高の10.2%に相当し、積極的なM&Aに伴う統合成果が中期的な成長持続性を左右する。
財務健全性
流動比率265.1%、当座比率247.7%、運転資本2,065.00億円であり、短期的な流動性は十分に厚い。現金預金694.78億円は短期負債比率に対応する短期負債の1.29倍であり、現金面での満期対応力も確保されている。有利子負債は810.28億円で、Debt/EBITDAは2.16倍、Debt/Capitalは19.3%、負債資本倍率は0.62倍であり、信用指標は投資適格と整合的な水準である。もっとも、短期負債比率は66.7%と40%の警戒水準を上回っており、短期借入金は前年同期の52.85億円から540.12億円へ487.27億円増加した。短期借入金の増加率は922.0%で、設備投資、子会社取得および運転資本増加を短期資金で賄う構成となっている。流動資産3,315.58億円が流動負債1,250.58億円を大きく上回るため、直ちに満期ミスマッチが顕在化する状況ではないが、借入の長期化・返済計画と営業CFの回復が重要である。長期借入金も前年同期比34.7%増の270.16億円となり、総負債は2,110.40億円、総資産に占める負債比率は38.4%へ上昇した。のれんは前年同期比199.89億円増、234.8%増の285.01億円となったが、純資産比8.4%、EBITDA比0.76倍であり、現時点ののれん規模は資本を過度に圧迫していない。無形固定資産は194.27億円増、106.5%増の376.68億円であり、のれんと合わせた買収関連資産の収益化および減損回避が財務健全性上の監視点となる。自己株式は48.79億円増加してマイナス81.21億円となっており、自己株買い61.30億円による株主還元と資本効率向上の一方、投資資金需要との優先順位が問われる。投資有価証券は30.12億円減少して72.64億円となり、売却益の計上と資産入替が実施された。
B/S変動のポイント
短期借入金: +487.27億円(+922.0%)- 540.12億円へ急増。設備投資、子会社取得および運転資本増加への資金対応を示唆し、短期負債比率66.7%の借換リスクを監視。のれん: +199.89億円(+234.8%)- 子会社取得を含むM&Aに伴う増加とみられる。のれん/純資産8.4%、のれん/EBITDA0.76倍は健全圏だが、統合進捗と減損リスクを確認。無形固定資産: +194.27億円(+106.5%)- 買収・事業基盤拡充に伴う資産増加。のれんと合わせて将来の収益・キャッシュフローへの転換が重要。自己株式: -48.79億円(-150.5%)- 自社株買い61.30億円を反映。株主還元・資本効率改善に寄与する一方、フリーキャッシュフローがマイナスの局面では資金配分を注視。棚卸資産: +68.22億円(+45.7%)- 217.61億円へ増加。年換算DIO545日および在庫回転日数79日の警告と合わせ、在庫滞留・評価リスクおよび営業CFへの影響を監視。長期借入金: +69.65億円(+34.7%)- 270.16億円へ増加。短期借入の急増と合わせ、投資資金の調達構成が変化。売掛金: +179.53億円(+26.4%)- 859.70億円へ増加。年換算DSO162日と営業CF/純利益0.17倍を踏まえ、回収速度の改善が重要。投資有価証券: -30.12億円(-29.3%)- 72.64億円へ減少。投資有価証券売却益21.93億円の計上を伴い、当期税引前利益への一時的な寄与となった。
キャッシュフロー品質
営業CFは40.46億円で、親会社株主帰属純利益231.51億円に対する営業CF/純利益は0.17倍となり、0.8倍を大きく下回る収益品質警告に該当する。EBITDA375.77億円に対する現金転換率も0.11倍であり、利益がキャッシュに転化する力は当累計期間において弱い。営業CF悪化の主因は、売掛金の増加90.80億円、棚卸資産の増加139.67億円、法人税等の支払121.36億円である。売掛金は前年同期比26.4%増の859.70億円であり、年換算DSO162日は60日の警戒水準を大幅に超えるため、回収条件、期末出荷および回収進捗の監視が必要である。棚卸資産は前年同期比45.7%増の217.61億円であり、年換算DIO545日、在庫回転日数79日はそれぞれ警戒水準を上回る。在庫の積み上がりは供給安定化・原材料確保の可能性を含む一方、需要見通しとの差異、滞留および評価損リスクを高める。年換算CCC610日は120日の警戒水準を大幅に超えており、売掛金および在庫に資金が滞留する運転資本効率警告を示す。アクルーアル比率は3.5%と5%未満であり、損益計上額そのものの過度なアクルーアル依存は示していないが、当期の営業CFは運転資本の流出により弱い。設備投資244.89億円を実施した結果、設備投資/減価償却比率は2.81倍となり、成長投資の強度は高い。投資CFは358.22億円の支出で、設備投資に加え子会社株式取得147.63億円が資金流出を拡大した。フリーキャッシュフローはマイナス317.76億円であり、当累計期間は内部創出資金のみで設備投資・買収・株主還元を賄えていない。財務CF344.58億円の流入、特に短期借入金の増加は、この資金不足を補完している。
配当持続性
第2四半期配当は1株当たり68.00円である。通期会社予想の年間配当は144.00円であり、予想EPS320.08円に対する予想配当性向は約45.0%となる。これは配当のみを対象とした配当性向であり、60%未満の持続可能性の目安に収まる。自社株買いは当第3四半期累計で61.30億円実施されており、配当と区別して総還元として評価する必要がある。当累計期間のフリーキャッシュフローはマイナス317.76億円、FCFカバレッジはマイナス6.09倍であり、当期の現金創出だけでは配当、自己株買いおよび成長投資をカバーできていない。したがって、配当の利益ベースでの余力はある一方、キャッシュベースの持続性は営業CFの正常化、運転資本の圧縮、および大型投資・買収支出の平準化に依存する。純資産3,386.43億円、現金預金694.78億円および低位のDebt/Capital比率19.3%は、短期的な還元継続の財務的な緩衝材となる。
リスク評価
ビジネスリスクとして、高優先度:売上原価が前年同期比13.7%増と売上高の6.1%増を上回り、粗利益率が約321bp、営業利益率が約379bp低下している。単一の医薬品事業であるため、原材料調達、製造コスト、薬価・価格改定、製品ミックスの悪化は全社利益率に直接影響する。、高優先度:年換算DSO162日、年換算DIO545日、年換算CCC610日という運転資本効率の警告がある。売掛金回収の長期化と在庫滞留が継続すれば、営業CFの回復遅延、在庫評価リスクおよび追加借入需要につながる。、中優先度:子会社株式取得147.63億円は売上高の10.2%に相当する。のれん285.01億円、無形固定資産376.68億円の増加は、統合遅延、シナジー未達および将来の減損リスクを伴う。、中優先度:医薬品業界固有のリスクとして、薬価制度・医療費抑制による価格圧力、原材料品質・安定供給、製造品質管理、および競合品・後発品による需要変動がある。が挙げられます。
財務リスクとしては、高優先度:短期借入金は540.12億円と前年同期比922.0%増であり、短期負債比率66.7%は40%の警戒水準を超える。流動性は厚いものの、借換条件の悪化や営業CFの弱さが重なる場合、資金コストと資本配分の制約が増す。、高優先度:営業CF/純利益0.17倍およびOCF/EBITDA0.11倍は、キャッシュ転換効率の警告に該当する。短期的には利益計上と資金回収の乖離が資金調達依存を高める。、中優先度:為替差益29.26億円と投資有価証券売却益21.93億円が経常利益・税引前利益を補完している。これらは営業利益率の低下を恒常的に補う収益源ではない。、低優先度:包括利益は187.05億円にとどまり、親会社株主帰属包括利益202.70億円は純利益231.51億円を下回った。為替換算調整額等の変動は純資産および海外関連資産の評価に影響する。が挙げられます。
主な懸念事項としては、最重要監視点は、増収下での原価率上昇を受けた営業利益率の回復可能性である。、次点は、売掛金・在庫の増加による営業CFの弱さと、年換算CCC610日の改善進捗である。、短期借入の急増が一過性の投資・買収資金対応にとどまるか、恒常的な運転資本ファイナンスへ移行するかを確認する必要がある。、M&Aで増加したのれん・無形資産が期待通りの収益・キャッシュフローを生むかが、将来の減損リスクを左右する。、通期利益予想への進捗は高いが、為替差益および投資有価証券売却益を除いた営業利益ベースの達成力が重要である。が挙げられます。
投資示唆
重要ポイントとして、営業利益率19.9%、EBITDAマージン25.9%、年換算ROE9.1%と収益性は一定水準を維持する一方、前年同期比のマージン縮小が明確である。、売上高は6.1%増収だが、原価増13.7%により営業利益は10.9%減少しており、増収の利益転換効率が低下している。、財務レバレッジは過大ではなく、Debt/EBITDA2.16倍、Debt/Capital19.3%、利払い能力46.63倍は健全である。、一方、短期借入金の急増、営業CF/純利益0.17倍、フリーキャッシュフローのマイナスは、資金効率面の重要な警戒材料である。、のれん/純資産8.4%、のれん/EBITDA0.76倍は健全圏だが、買収後の統合・収益化の検証が必要である。が挙げられます。
注視すべき指標は、粗利益率および営業利益率の前年差、売上原価の伸び率と売上高成長率の差、年換算DSO162日、年換算DIO545日、年換算CCC610日の改善状況、営業CF/純利益比率およびOCF/EBITDA比率、短期借入金残高、短期負債比率、Debt/EBITDA、設備投資額、子会社取得支出、フリーキャッシュフロー、のれん・無形固定資産の増加後の収益寄与および減損兆候、通期営業利益350.00億円、経常利益345.00億円、親会社株主帰属利益243.00億円に対する進捗です。
セクター内ポジションについては、営業利益率19.9%と純利益率15.9%は提示された収益性ベンチマーク上で優良水準にあるが、年換算ROE9.1%は10%超の良好水準にはなお届かない。流動性と信用指標は強い一方、キャッシュ転換率0.11倍、営業CF/純利益0.17倍、運転資本日数の長さは、同社の評価上、利益率よりも優先して確認すべき相対的な弱点である。