- 売上高: 1,145.14億円
- 営業利益: 126.08億円
- 当期純利益: 122.17億円
- 1株当たり当期純利益: 165.77円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,145.14億円 | 1,112.53億円 | +2.9% |
| 売上原価 | 452.79億円 | 448.65億円 | +0.9% |
| 売上総利益 | 692.34億円 | 663.87億円 | +4.3% |
| 販管費 | 566.25億円 | 531.67億円 | +6.5% |
| 営業利益 | 126.08億円 | 132.20億円 | -4.6% |
| 営業外収益 | 41.67億円 | 35.88億円 | +16.1% |
| 営業外費用 | 1.45億円 | 3.37億円 | -57.0% |
| 経常利益 | 166.30億円 | 164.71億円 | +1.0% |
| 税引前利益 | 163.68億円 | 194.12億円 | -15.7% |
| 法人税等 | 41.51億円 | 53.50億円 | -22.4% |
| 当期純利益 | 122.17億円 | 140.61億円 | -13.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 118.90億円 | 136.60億円 | -13.0% |
| 包括利益 | 117.70億円 | 125.02億円 | -5.9% |
| 支払利息 | 15百万円 | 15百万円 | +0.0% |
| 1株当たり当期純利益 | 165.77円 | 185.02円 | -10.4% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 165.57円 | 184.76円 | -10.4% |
| 1株当たり配当金 | 45.00円 | 45.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 1,955.47億円 | 2,037.88億円 | -82.41億円 |
| 現金預金 | 1,014.18億円 | 1,145.18億円 | -131.00億円 |
| 売掛金 | 488.00億円 | 472.23億円 | +15.77億円 |
| 棚卸資産 | 143.40億円 | 120.44億円 | +22.96億円 |
| 固定資産 | 1,467.62億円 | 1,392.80億円 | +74.82億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 10.4% |
| 粗利益率 | 60.5% |
| 流動比率 | 377.2% |
| 当座比率 | 349.5% |
| 負債資本倍率 | 0.26倍 |
| インタレストカバレッジ | 840.53倍 |
| 実効税率 | 25.4% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +2.9% |
| 営業利益前年同期比 | -4.6% |
| 経常利益前年同期比 | +1.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -13.0% |
| 包括利益前年同期比 | -5.9% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 75.16百万株 |
| 自己株式数 | 5.09百万株 |
| 期中平均株式数 | 71.73百万株 |
| 1株当たり純資産 | 3,876.15円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 45.00円 |
| 期末配当 | 45.00円 |
2026年度Q3の久光製薬は、売上は堅調増収ながら、営業段階の減益と純利益の2桁減益で、総じて「増収減益」の四半期でした。売上高は1,145.1億円で前年同期比+2.9%と拡大しました。営業利益は126.1億円で前年同期比-4.6%と減少しました。経常利益は166.3億円で+1.0%とわずかに増益となり、営業外収益(41.7億円、内訳に受取利息17.4億円・受取配当金8.1億円)が下支えしました。一方、当期純利益は118.9億円で-13.0%と大きく減少しました。粗利益率は60.5%と先発系製薬のベンチマーク(>60%)を上回り良好ですが、営業利益率は11.0%で前年の約11.9%から低下しました。営業利益率は約87bp低下(11.88%→11.01%)し、純利益率も約189bp低下(12.28%→10.39%)しています。販管費は566.3億円と売上比49.5%で重く、営業段階の圧迫要因となりました(R&D開示なしのため内訳評価は不可)。財務面では有利子負債23.6億円に対し現金1,014.2億円と実質無借金で、流動比率377%・当座比率349%と極めて厚い流動性を維持しています。インタレストカバレッジは約841倍と極めて高く、金利負担は実質的に無視できる水準です。営業外収益への依存度が上がり、営業力(EBIT)よりも金融収益が経常段階を押し上げた構図が見られます。キャッシュフロー情報が未開示で、営業CF/純利益など利益の質の判定は保留(視界不良)です。B/Sでは自己株式が-475.5億円から-204.7億円へ縮小(+57%)し、同時に利益剰余金が2,578.8億円から2,233.8億円へ-13.4%減少しており、自己株式の消却・処分や高水準の株主還元の影響が示唆されます。配当性向は推計56.9%と許容レンジ内ですが、FCFカバレッジは未判定です。総資産回転率0.335、財務レバレッジ1.26倍、純利益率10.4%の掛け合わせでROEは4.4%と低位にとどまっており、資本効率の改善余地が大きいです。今後は、販管費効率化(特にR&D・販促の投資効率)、主力貼付剤の国際展開と新製品寄与、ならびにキャッシュ活用(成長投資 vs. 追加還元)のバランスが鍵となります。
デュポン分析(3因子)に基づくROE分解:ROE 4.4% = 純利益率10.4% × 総資産回転率0.335 × 財務レバレッジ1.26倍。最も抑制要因となっているのは総資産回転率0.335と低レバレッジであり、利益率は10%超と一定の水準を確保している一方で、資産規模(現金・投資有価証券の厚み)に対して売上・利益創出速度が相対的に低いことがROEを押し下げています。営業利益率は11.01%と前年約11.88%から約87bp低下しており、販管費比率(49.5%)の高さがEBITマージン圧迫の主要因です。CFA5因子では、税負担係数0.726(妥当域)、金利負担係数1.298(実質無借金で正の寄与)、EBITマージン11.0%(良好の下限)という構図で、営業外収益がEBTを相対的に押し上げたことが示唆されます。ビジネス上の背景としては、国内薬価改定や販売費(プロモーション、海外展開コスト)負担、R&D関連の投資が営業段階の採算を圧迫した可能性があります(R&D内訳は未開示)。このマージン低下は、販管費の伸びが売上成長(+2.9%)を上回った場合に起きやすく、短期的には一時的(キャンペーン・薬価改定期)である可能性もある一方、構造的に販管費が高止まりしているなら持続性のある課題です。懸念トレンドとして、営業外収益(受取利息・配当)への寄与が高く、コア事業の収益力に対する依存低下が見られる点、また販管費比率が業界ベンチマーク(先発メーカーで販管費<35%)を大きく上回る点を指摘します。
売上は+2.9%で堅調、主力貼付剤・海外の寄与が推察される一方、成長率は中位シングルにとどまります。営業利益は-4.6%と減益で、売上伸長が販管費増を吸収できていません。経常利益は非営業収益により+1.0%と下支えされ、コアの営業力依存度が低下。R&D費の未開示により研究開発生産性(R&D比率、パイプラインのNPV)は評価保留。粗利率60.5%は良好で製品ミックスは堅調と推察されますが、販促・一般管理コスト効率の改善余地が大きいです。見通しとしては、国内薬価改定やジェネリック圧力が逆風となる一方、OTC・グローバルの拡販、スイッチOTCや新剤形の投入で売上の底上げ余地。短期ドライバーは費用コントロールと価格・数量ミックス、長期はパイプラインの承認・上市時期が鍵です。
流動比率377.2%、当座比率349.5%と極めて健全で、警告水準(<100%)を大幅に上回ります。D/Eは有利子負債23.6億円・自己資本2,685.6億円相当で実質0に近く、Debt/Capital 0.9%と極めて保守的です(D/E>2.0や流動比率<1.0の警告条件には該当せず)。満期ミスマッチは、流動資産1,955億円に対し流動負債518億円と十分余力があり、現金/短期負債109.4倍が示す通り流動性リスクは極小。オフバランス債務の開示はなく、確認不可。注目すべきB/S変動として、自己株式が-475.5億円から-204.7億円へ縮小(+57%)し、利益剰余金が2,578.8億円から2,233.8億円へ-13.4%減少。これは自己株式の消却・処分や高水準配当に伴う資本の払い出しを示唆し、資本政策が自己資本を圧縮したとみられます。ただし現金潤沢のため支払能力上の問題はありません。
自己株式: -475.5億円 → -204.68億円(+57.0%)- 自己株式の消却・処分によりマイナス項目が縮小。資本効率改善(発行済株式数減)には追い風だが、同時に利益剰余金や資本剰余金の取崩しを通じ自己資本を減少させる側面がある。利益剰余金: 2,578.81億円 → 2,233.84億円(-13.4%)- 高水準の株主還元(配当・自己株式関連)やその他資本取引の影響が示唆。将来の投資余力と還元バランスの見直しを要監視。
営業CF、投資CF、フリーCFはいずれも未開示のため、営業CF/純利益やFCFカバレッジの定量評価は不可。したがって、利益の現金裏付け(営業CF/純利益>1.0が望ましい)の判定は保留です。運転資本の構成は、売掛金488.0億円・棚卸143.4億円で総資産比18.5%程度ですが、前年比較データが不足し、在庫積み増しや売上債権の伸長によるCF影響の検証はできません。営業外収益の増加(利息・配当)はキャッシュ創出にプラスですが、コア営業CFとの乖離がないか次四半期以降の開示確認が必要です。設備投資額・減価償却とも未記載のため、更新投資を下回る投資不足や過大投資の判定も不可です。
推定年間配当は90円(中間45円+期末45円)で、推計配当性向は56.9%と持続可能レンジ(<60%)の上限付近に位置します。純利益の減少(-13%)にもかかわらず配当は維持されており、平準化方針の示唆。FCFが未開示のためFCFカバレッジの検証はできませんが、現金預金1,014億円の潤沢な手元資金と実質無借金を踏まえると、短中期の配当維持余力は高いと判断します。一方で、自己株式の減少(消却・処分)と利益剰余金の減少から、総還元(配当+自己株式関連)が高水準であった可能性があり、今後の配当の持続性は利益成長とFCF創出の継続に依存します。配当性向が60%を超過しないか、ならびに営業CFが安定的に配当支払いをカバーするかを注視してください。
ビジネスリスクとして、薬価改定・価格圧力による収益性低下リスク(国内先発薬の構造的逆風)、ジェネリック・OTC競合の激化に伴う数量・価格の侵食、販管費(プロモーション・対面活動・海外展開費用)高止まりによるEBITマージン圧迫、パイプライン不確実性(R&D未開示により承認時期・成功確率の可視性低い)、海外売上の為替影響(円高時の目減り)が挙げられます。
財務リスクとしては、利益剰余金の減少と自己株式の縮小(消却等)による自己資本の減少トレンド、非営業収益への依存度上昇に伴う利益変動(金融環境変化で受取利息・配当が変動)、キャッシュフロー未開示に伴う利益の質評価の不確実性が挙げられます。
主な懸念事項としては、営業利益率の低下(約87bp)と純利益率の低下(約189bp)、販管費比率49.5%の高さ(業界ベンチマーク超過)、ROE 4.4%と資本効率の低位停滞(総資産回転率0.335が主因)、キャッシュフロー情報欠落によるFCF・配当カバレッジの判定不能が挙げられます。
重要ポイントとして、増収ながら営業減益、経常は金融収益で下支え、純利益は2桁減益、粗利率は60.5%と堅調だが販管費負担でEBITマージンが鈍化、ROEは4.4%と低位で、資本効率改善が最重要課題、流動性・レバレッジは極めて健全(実質無借金・現金厚い)、配当性向は約57%で持続可能レンジ内、ただしFCF確認が必要が挙げられます。
注視すべき指標は、営業CF/純利益(>1.0の維持)、販管費比率およびR&D費率(研究開発生産性の可視化)、EBITマージンと価格・数量ミックス(薬価改定影響の吸収度)、総資産回転率(現金・投有の活用度合い)、在庫・売掛の推移(運転資本によるCF圧迫の有無)、海外売上成長と為替感応度、総還元性向(配当+自己株式)と自己資本の推移です。
セクター内ポジションについては、財務健全性は同業上位だが、収益性(ROE・営業利益率)は中位〜やや劣後。粗利率は良好ながら、販管費効率・資本効率の改善余地が相対的に大きい。