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45272026 第3四半期プライムJGAAP

ロート製薬(4527) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益5%増

2026年度第3四半期の売上高は2,531億円(前年同期比+12.0%)、営業利益は335.8億円(同+5.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

医薬品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥2530.7億¥2258.9億+12.0%
営業利益¥335.8億¥319.6億+5.1%
経常利益¥398.5億¥330.8億+20.5%
純利益¥283.4億¥244.0億+16.1%
ROE9.3%8.7%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計決算は、売上高2,530.7億円(前年同期比+271.8億円 +12.0%)、営業利益335.8億円(同+16.2億円 +5.1%)、経常利益398.5億円(同+67.7億円 +20.5%)、親会社株主に帰属する四半期純利益283.4億円(同+39.4億円 +16.1%)となった。アジア・欧州でのM&A効果と為替改善が増収に寄与し、受取配当金44.0億円や為替差益14.8億円などの営業外収益改善が経常利益を押し上げた。営業利益率13.3%、純利益率11.2%と収益性は良好な水準を維持している。

業績変動要因

【売上高】2,530.7億円(前年同期比+12.0%)となり、前年第3四半期にアジアで連結化したユーヤンサン・インターナショナル社、欧州で連結化したモノ社の寄与が主因である。外部成長がトップラインを牽引する構図となっている。売上総利益は1,423.2億円で粗利益率56.2%と高水準を維持し、製品ミックスの質の高さを示している。

【損益】販管費は1,087.4億円(販管費率43.0%)で営業利益335.8億円(営業利益率13.3%)を確保した。営業利益の増加率+5.1%は売上成長率+12.0%を下回り、販管費増が利益圧迫要因となっている。経常利益段階では受取配当金44.0億円、受取利息7.8億円、為替差益14.8億円などの営業外収益が寄与し、支払利息9.1億円を差し引いても純額で62.7億円の営業外改善効果があり、経常利益は398.5億円(+20.5%)と大幅増益となった。税引前利益387.6億円に対し法人税等114.8億円で実効税率29.6%、親会社株主に帰属する四半期純利益は283.4億円(+16.1%)となった。経常利益と純利益の乖離は比較的小さく、特別損益の影響は限定的である。一時的要因としては、前年度にアジアでののれん増加322.6億円、欧州でののれん増加13.6億円、日本セグメントでの減損損失0.2億円が計上されているが、当期はこれらの一時的要因はない。結論として、M&Aによる外部成長で増収を実現し、営業外収益改善で増益となった増収増益決算である。

セグメント別分析

日本セグメントは売上高1,301.9億円(構成比51.4%)、営業利益179.6億円(利益率13.8%)で主力事業の位置を占める。前年同期比では売上+3.9%、営業利益-2.8%とやや減益傾向にある。アジアセグメントは売上高954.7億円(構成比37.7%)、営業利益132.8億円(利益率13.9%)で、前年同期比では売上+39.3%、営業利益+26.4%と高成長を記録し、M&A効果が顕著に表れている。アメリカセグメントは売上高168.2億円(構成比6.6%)、営業利益10.2億円(利益率6.0%)で前年並みの水準。欧州セグメントは売上高173.0億円(構成比6.8%)、営業利益5.8億円(利益率3.3%)で、前年同期比では売上+29.0%だが営業利益は-40.3%と減益となり、利益率の低さが課題となっている。セグメント間では日本とアジアが13%台後半の営業利益率で高収益性を示す一方、アメリカ6.0%、欧州3.3%と海外事業の収益性に格差がある。

主要財務指標

【収益性】ROE 9.3%(前年ROEデータ未記載のため過去比較不可)、営業利益率13.3%、純利益率11.2%、総資産利益率(年換算推定)8.2%で、製薬業としては良好な収益性を示す。デュポン分解では純利益率11.2%×総資産回転率0.549×財務レバレッジ1.51倍=ROE 9.3%となり、資産効率と財務レバレッジは保守的な水準に留まっている。【キャッシュ品質】現金及び預金741.0億円、流動負債1,098.6億円に対する現金カバレッジ0.67倍(短期負債に対しては現金/短期負債=2.96倍)で、流動性は確保されている。インタレストカバレッジは営業利益/支払利息=36.8倍と利払い余力は十分である。【投資効率】総資産回転率0.549回転と低水準だが、無形資産・のれんの増加(M&A効果)が総資産を押し上げた影響がある。【財務健全性】自己資本比率66.2%、流動比率203.1%、当座比率169.1%、負債資本倍率0.51倍で健全性は高い。ただし短期負債比率94.6%と短期借入金が250.3億円へ急増(前年70.4億円から+255.8%)した一方、長期借入金が14.3億円へ急減(前年178.2億円から-92.0%)しており、借入の短期化による満期ミスマッチが顕在化している。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書は四半期のため未開示だが、貸借対照表推移から資金動向を分析する。現金預金は741.0億円で前年同期比+18.8億円の微増に留まり、営業増益にもかかわらず現金積み上げペースは緩やかである。運転資本では売掛金538.2億円(前年比+44.4億円)、棚卸資産373.4億円(前年比+23.9億円)と増加し、売上成長に伴う運転資本拘束が資金繰りに影響している。買掛金は299.6億円(前年比+14.5億円)増加し、サプライヤークレジット活用によるある程度の資金効率化が見られる。短期借入金が250.3億円へ急増したことは、運転資本増加や設備投資への資金需要を短期調達で賄った可能性を示唆する。短期負債に対する現金カバレッジは2.96倍で当面の流動性は問題ないが、借入の短期化は金利上昇・リファイナンスリスクの増加要因となる。受取配当金44.0億円や利息収入7.8億円など投資収益の流入があり、これらが資金繰りを下支えしている。

収益の質

経常利益398.5億円に対し営業利益335.8億円で、営業外収益の純増は62.7億円である。内訳は受取配当金44.0億円、受取利息7.8億円、為替差益14.8億円などで、これらが営業利益を上回る利益改善をもたらした。営業外収益は売上高の2.5%程度を占め、本業外の収益寄与度が高い。経常利益から税引前利益への移行では特別損益の影響は軽微(387.6億円→398.5億円で約-11億円の特別損失相当)である。営業キャッシュフローと純利益の比較はキャッシュフロー計算書未開示のため直接評価できないが、売掛金・棚卸資産の増加が営業CFを圧迫している可能性がある。受取配当金や為替差益は一時的・変動性のある要因であり、これらに依存した利益改善は持続性の点で注意が必要である。純利益283.4億円のうち営業ベースの稼ぎは335.8億円だが、税引後・営業外考慮後で純利益が営業利益を下回る構図であり、本業収益の質自体は良好と評価できる。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高74.3%(2,530.7億円/3,405.0億円)、営業利益82.9%(335.8億円/405.0億円)、経常利益85.7%(398.5億円/465.0億円)、純利益は予想データ未記載で算出不可だが、EPS予想146.04円に対し実績125.15円で進捗率85.7%相当となる。第3四半期(9カ月)時点で標準進捗75%を上回っており、営業利益・経常利益ベースでは予想超過達成ペースにある。売上進捗率74.3%はやや標準を下回るが、第4四半期での巻き返しが見込まれる。予想修正は開示されていないが、現状進捗を踏まえると通期予想達成の蓋然性は高い。前提条件として為替差益や受取配当金の寄与があるため、第4四半期の為替動向や投資収益の変動が通期着地に影響する。

株主還元

年間配当予想は23.00円(中間配当16.00円実施済、期末配当7.00円予想)で前年データ未記載のため前年比較は不可。純利益283.4億円を基に年換算した純利益約377.9億円(3/4進捗から逆算)に対し、発行済株式数(自己株除く)225,964千株ベースで配当総額約52.0億円となり、配当性向は約13.8%と極めて保守的な水準である。ただしEPS予想146.04円ベースでは配当性向15.8%となる。配当利回りや時価総額データは未記載のため総還元性向の評価は困難だが、配当性向の低さから配当持続性・増配余地は十分にある。自社株買い実績の記載はなく、株主還元は配当が中心と推察される。

リスク要因

  1. リファイナンスリスク(短期負債比率94.6%): 短期借入金が250.3億円へ急増し長期借入金が14.3億円へ急減したことで、借入の満期集中と短期化が進んでいる。金利上昇局面では借り換えコスト増加、市場環境悪化時には借り換え困難リスクが顕在化する。現金740.9億円を保有し短期的な流動性は確保されているが、継続的な短期調達依存は財務脆弱性を高める。
  2. のれん減損リスク(M&A組み込み効果の持続性): 前年度にアジアでののれん322.6億円、欧州でののれん13.6億円が計上され、固定資産に占める無形資産の比重が高まっている。買収子会社の業績が計画を下回った場合、のれん減損が利益を圧迫する可能性がある。特に欧州セグメントは営業利益率3.3%と低く、収益性改善が見られない場合には減損リスクが高まる。
  3. 運転資本効率悪化リスク: 売掛金回転日数・棚卸資産回転日数の増加により運転資本が拡大し、営業キャッシュフローを圧迫する可能性がある。在庫増は販売機会損失回避のためとも考えられるが、過剰在庫化や滞留債権化した場合には資金繰り悪化や評価損リスクとなる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 製薬業種内での同社の財務指標は、業種の大半が赤字・研究開発投資先行段階にある中で異質な収益性を示している。収益性面では営業利益率13.3%、純利益率11.2%と業種中央値(営業利益率-218.2%、純利益率-216.8%)を大幅に上回り、安定収益企業として際立つ。ROE 9.3%も業種中央値-35.8%に対し顕著に高く、収益力のある企業群に属する。財務健全性では自己資本比率66.2%が業種中央値67.8%とほぼ同水準で、財務レバレッジ1.51倍も業種中央値1.47倍と近似しており、業種標準的なレバレッジ活用である。流動比率203.1%は業種中央値662.0%を大幅に下回るが、これは業種内に現金厚い研究開発型企業が多いためで、同社の流動性自体は十分な水準にある。成長性では売上高成長率+12.0%が業種中央値-12.5%を大きく上回り、M&Aを活用した積極的な拡大戦略が機能している。総資産回転率0.549は業種中央値0.17を大幅に上回り、資産効率の高いビジネスモデルを有している。棚卸資産回転日数は業種中央値281.61日に対し、同社は詳細データ未記載だが運転資本回転日数の観点から業種内では効率的な部類と推察される。総じて、研究開発先行・赤字企業が多い製薬業種の中で、同社は安定収益・成長性・資産効率に優れた特異な位置づけにある。 (業種: 製薬(N=13社)、比較対象: 2025-Q3、出所: 当社集計)

決算上の注目ポイント

決算上の注目ポイントは以下の通りである。第一に、M&A効果による外部成長がトップライン拡大に寄与しており、今後の買収シナジー定着とのれん減損回避が業績持続の鍵となる。第二に、営業外収益(受取配当金・為替差益)が経常利益改善の主因となっており、本業営業利益の成長率+5.1%が売上成長率+12.0%を下回る点は、営業段階での収益性改善余地を示唆している。第三に、借入の短期化と運転資本拡大が資金繰り構造に変化をもたらしており、短期負債依存度の高さはリファイナンスリスクと金利感応度の上昇を意味する。営業キャッシュフロー開示がないため配当持続性のキャッシュベース評価は制約されるが、配当性向13.8%は極めて保守的で増配余地は十分にある。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

第3四半期累計業績は、売上高が前年同期比12.0%増の2,530.71億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同14.3%増の282.79億円となり、増収増益を維持した。営業利益は同5.1%増の335.75億円で、売上成長率を下回った。売上総利益は1,423.17億円と前年同期の1,287.68億円から135.49億円増加した。粗利益率は56.2%で、前年同期の57.0%から約77bp低下した。販売費及び一般管理費は前年同期比12.3%増の1,087.42億円となり、売上高の伸びを約0.3pt上回った。販管費率は43.0%と前年同期の42.9%から約11bp上昇している。結果として営業利益率は13.3%で、前年同期の14.1%から約88bp低下した。営業段階では、増収に対して利益の伸びが鈍い営業レバレッジの逆風が確認される。一方、経常利益は同20.5%増の398.52億円となり、営業利益の増益率を大きく上回った。経常利益率は15.7%と前年同期の14.6%から約111bp改善した。これは受取配当金44.02億円、為替差益14.80億円、受取利息7.84億円を含む営業外収益80.61億円が寄与したためである。親会社株主帰属純利益率は11.2%で、前年同期の約11.0%から約22bp改善した。純利益の増加には営業外損益の改善が相応に寄与しており、営業利益率の低下とは区別して評価する必要がある。アジアの外部顧客向け売上高は前年同期比32.9%増、欧州は同28.0%増となり、海外地域が連結売上の拡大を牽引した。これに対して日本は同0.3%増、米州は同2.7%増にとどまった。通期会社計画に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高74.3%、営業利益82.9%、経常利益85.7%、親会社株主帰属純利益85.7%である。営業利益以下の進捗は通常の第3四半期基準である75%を上回っており、計画達成に向けた利益面の余力を示す。もっとも、在庫日数およびキャッシュ・コンバージョン・サイクルに関する品質警告は、成長の現金化と在庫管理を今後の確認事項とする。短期借入金への負債シフトも、流動性余力は大きいものの、満期管理の重要性を高めている。

収益性分析

年換算ROEは12.4%であり、デュポン3因子では純利益率11.2%×総資産回転率0.732倍×財務レバレッジ1.51倍に分解される。収益性は純利益率が10%を上回り良好である一方、ROEは財務レバレッジに過度に依存せず、主に利益率によって支えられている。総資産回転率0.732倍は、のれん330.24億円、無形固定資産813.02億円、投資有価証券537.53億円を含む資産基盤に対する売上創出力がROEの制約要因であることを示す。営業面で最も注目すべき変化は、売上高が12.0%増加した一方で営業利益が5.1%増にとどまり、営業利益率が約88bp縮小した点である。粗利益率の約77bp低下に加え、販管費が12.3%増と売上高を上回って増加したことが、営業レバレッジを悪化させた。売上総利益の増分135.49億円に対し、販管費の増分は119.34億円に達し、増収効果の多くを販管費増が吸収した構図である。CFA5因子では、税負担係数は0.729で正常域にあり、実効税率26.9%も利益転換を大きく阻害していない。金利負担係数は1.155であり、受取配当金・為替差益などを含む営業外収支が税引前利益を押し上げている。インタレストカバレッジは36.77倍と強固であり、支払利息9.13億円は営業利益に対して限定的である。営業外収益は売上高の3.2%に相当し、5%を超える水準ではないが、経常利益の増益率が営業利益を大きく上回る主因である。したがって、純利益率の改善は一定程度持続性のある本業収益ではなく、配当収入および為替差益を含む営業外損益の影響を受けている。地域別では、主力事業である日本はセグメント利益179.63億円で最大の利益寄与を維持したが、前年同期比2.8%減、利益率も14.3%から13.8%へ低下した。アジアは売上高910.87億円、セグメント利益132.83億円で、売上同32.9%増・利益同26.3%増と高成長を実現したが、利益率は15.3%から14.6%へ低下した。欧州は売上高171.65億円が同28.0%増となった一方、セグメント利益は5.79億円と同40.4%減少し、利益率も7.2%から3.4%へ大幅に低下した。米州は売上高155.54億円が同2.7%増、セグメント利益10.17億円が同6.2%減であり、利益成長の回復が課題である。

成長性評価

売上成長はアジアと欧州が主導しており、地域ポートフォリオの拡大が連結売上高12.0%増を支えた。アジアは連結外部売上高の36.0%を占め、日本の50.1%に次ぐ規模であり、成長ドライバーとしての重要性が高い。日本の売上成長率は0.3%にとどまるため、全社成長の持続性は海外、とりわけアジアでの成長継続に左右される。アジアでは高い増収にもかかわらず利益率が約76bp低下しており、成長に伴う費用増加や収益ミックスの変化を注視する必要がある。欧州は増収と利益減少が併存しており、売上拡大が直ちに利益成長へつながっていない。通期予想の売上高3,405.00億円に対し進捗率は74.3%で、標準的な第3四半期進捗率75%に概ね沿う。営業利益の進捗率82.9%は標準を7.9pt上回る。経常利益および親会社株主帰属純利益の進捗率はともに85.7%で、標準を10.7pt上回る。利益予想に対する上振れ余地は示唆されるが、営業利益率は前年同期を下回るため、営業外収益への依存度を分けて評価することが重要である。売上原価率の上昇と販管費率の上昇が継続する場合、通期の営業利益率改善には制約となる。

財務健全性

流動比率は203.1%、当座比率は169.1%であり、短期支払能力は健全である。運転資本は1,132.49億円で、流動資産2,231.09億円が流動負債1,098.60億円を大きく上回る。現金預金は740.99億円で、短期負債に対する現金カバーは2.96倍である。負債資本倍率は0.51倍、Debt/Capital比率は8.0%にとどまり、資本構成は保守的である。純資産は3,048.57億円、自己資本比率は62.3%で、前年同期の60.2%から改善した。インタレストカバレッジ36.77倍は、借入金利負担に対する利益耐性の高さを示す。一方、品質警告の通り短期負債比率は94.6%と高く、負債の満期が短期に集中している。短期借入金は前年同期の70.35億円から250.32億円へ179.97億円増加し、前年比255.8%増となった。これに対して長期借入金は178.18億円から14.29億円へ163.89億円減少し、前年比92.0%減となった。短期借入金の増加と長期借入金の減少は、借入期間の短期化または長期債務の返済・借換を示す。現金残高と高い流動比率により直近の支払余力は十分であるが、短期資金市場への依存が高まる局面では借換条件や金利上昇の影響を受けやすくなる。転換社債型新株予約権付社債253.30億円も資本・負債管理上の重要な資金調達手段であり、将来的な希薄化および償還・転換動向を確認対象とする。のれんは純資産の10.8%、総資産の7.2%であり、M&A価値への依存度は現時点では過度ではない。無形固定資産は総資産の17.6%で、20%未満のバランス水準にある。

B/S変動のポイント

短期借入金: +179.97億円(+255.8%)- 70.35億円から250.32億円へ急増。長期借入金の減少と併せ、資金調達の短期化または借換を示唆し、満期・金利条件の監視が必要。長期借入金: △163.89億円(△92.0%)- 178.18億円から14.29億円へ大幅減少。短期借入金増加との組み合わせにより、負債満期の短期集中が強まった。無形固定資産: +100.69億円(+14.1%)- 813.02億円へ増加し、総資産の17.6%を占める。ブランド・製品権利等を含む無形資産の収益貢献が資産効率の重要な決定要因となる。投資有価証券: +73.26億円(+15.8%)- 537.53億円へ増加。受取配当金44.02億円は経常利益に寄与する一方、市場価格および投資先業績の変動が利益・包括利益に影響しうる。売掛金: +66.91億円(+14.2%)- 538.20億円へ増加。電子記録債権204.81億円と合わせた債権管理は、CCC高止まりの改善に向けた重要項目である。

キャッシュフロー品質

在庫過剰警告として、年換算DIOは164日で90日の警戒水準を上回る。さらに、年換算在庫回転日数は92日で60日の警戒水準を上回る。指標定義は異なるものの、いずれも棚卸資産の滞留が運転資本効率の主要な論点であることを示す。棚卸資産は373.36億円で総資産の8.1%を占め、原材料233.11億円および仕掛品55.20億円を含む在庫投下額は大きい。年換算CCCは166日で120日の警戒水準を46日上回っており、売上成長に伴う資金拘束が長い。売掛金538.20億円に電子記録債権204.81億円を加えた回収債権残高は743.01億円であり、運転資本管理では在庫のみならず債権回収も重要である。買掛金224.33億円および電子記録債務16.97億円に対して債権・在庫が大きく、成長投資の現金化を運転資本が抑制しうる構造である。

配当持続性

第2四半期配当は1株当たり21.00円であり、提示された計算値ベースの配当性向は17.5%である。これは配当金のみを親会社株主に帰属する利益で除した配当性向であり、自社株買いを含む総還元性向とは区別される。通期会社予想の年間配当44.00円と予想EPS146.04円に基づく予想配当性向は約30.1%となる。予想配当性向は60%を大きく下回り、利益水準に対する配当負担は保守的である。利益剰余金は2,506.35億円、現金預金は740.99億円であり、財務余力は配当継続を支える。もっとも、在庫日数およびCCCの高水準は運転資本による資金拘束を示すため、配当の現金カバー力は運転資本の改善度合いと併せて評価する必要がある。

リスク評価

ビジネスリスクとして、高:アジア売上は前年同期比32.9%増と全社成長を牽引する一方、セグメント利益率は15.3%から14.6%へ低下している。海外成長の採算悪化が続けば、全社営業利益率の回復を制約する。、高:欧州は売上高が28.0%増加したにもかかわらず、セグメント利益は40.4%減、利益率は7.2%から3.4%へ低下した。価格、コスト、販売構成または統合後の収益性に関する不確実性が顕在化している。、中:日本は最大の利益寄与地域であるが、売上高は0.3%増、セグメント利益は2.8%減である。主力地域の低成長・減益が長期化すれば、海外事業への成長依存度がさらに高まる。、中:ヘルスケア・OTC関連事業では、原材料価格、販促投資、流通在庫および競争環境の変化が粗利益率と販管費率に影響する。今期は粗利益率低下と販管費率上昇が同時にみられる。が挙げられます。

財務リスクとしては、高:短期負債比率95%は40%の警戒水準を大きく上回る。短期借入金が250.32億円へ前年比255.8%増加しており、借換時の金利・流動性条件がリスク要因となる。、高:年換算CCC166日、年換算DIO164日、年換算在庫回転日数92日はいずれも警戒水準を超える。販売計画の変動、需要鈍化または在庫評価の変化がキャッシュ創出力と利益率に影響しうる。、中:受取配当金44.02億円および為替差益14.80億円が経常利益を押し上げている。これらの変動により、経常利益・純利益が営業利益よりも振れやすい。、中:転換社債型新株予約権付社債253.30億円は資金調達の柔軟性をもたらす一方、転換時にはEPSおよび1株当たり価値の希薄化要因となる。が挙げられます。

主な懸念事項としては、最優先は、在庫滞留と長いキャッシュ・コンバージョン・サイクルの改善である。成長局面での在庫積み上がりが需要を上回る場合、値引き・廃棄・評価損を通じて粗利益率を圧迫しうる。、次に、短期化した借入満期構成の管理が重要である。現金/短期負債2.96倍、流動比率203.1%と流動性は十分だが、短期資金への依存度上昇は資本市場環境の変化に対する感応度を高める。、営業利益率は前年同期比約88bp低下している。通期利益の進捗は高いものの、営業外収益を除いた本業の収益性改善が持続的な利益成長の確認点となる。、のれん330.24億円は純資産比10.8%で現時点の水準は抑制的だが、海外成長地域の利益率低下が継続する場合には、買収関連資産の収益性を継続監視する必要がある。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、売上高は12.0%増、親会社株主帰属純利益は14.3%増であり、通期計画に対する利益進捗は標準的な第3四半期水準を上回る。、営業利益率は13.3%と良好な水準を維持するが、前年同期比では約88bp低下しており、増収に対する販管費・原価の管理が重要である。、日本の減益をアジアの高成長が補う構図である一方、欧州の利益率急低下は地域別収益性のばらつきを示す。、流動性と資本構成は強固だが、短期借入金の急増による満期短期化、および高水準の在庫・CCCが財務運営上の主要な確認事項である。、予想配当性向約30.1%は保守的であり、利益・財務余力の観点では配当負担は重くない。が挙げられます。

注視すべき指標は、営業利益率、粗利益率、販管費率、アジアおよび欧州のセグメント利益率、年換算CCC166日、年換算DIO164日、年換算在庫回転日数92日の改善状況、短期借入金250.32億円、短期負債比率94.6%、借換条件、受取配当金、為替差益を含む営業外損益の変動、通期営業利益405.00億円、経常利益465.00億円、親会社株主帰属純利益330.00億円に対する最終進捗です。

セクター内ポジションについては、純利益率11.2%、年換算ROE12.4%、流動比率203.1%、インタレストカバレッジ36.77倍は、収益性・流動性・支払能力が総じて良好な水準にあることを示す。一方で、営業利益率は15%超の優良基準には届かず、在庫・CCCの効率性および短期負債比率は、堅固なバランスシートの中で相対的に弱い領域である。