- 売上高: 97.43億円
- 営業利益: 2.71億円
- 当期純利益: 1.70億円
- 1株当たり当期純利益: 2.61円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 97.43億円 | 73.76億円 | +32.1% |
| 売上原価 | 12.80億円 | - | - |
| 売上総利益 | 60.97億円 | - | - |
| 販管費 | 58.83億円 | - | - |
| 営業利益 | 2.71億円 | 2.13億円 | +27.2% |
| 営業外収益 | 4百万円 | - | - |
| 営業外費用 | 54百万円 | - | - |
| 経常利益 | 1.49億円 | 1.63億円 | -8.6% |
| 税引前利益 | 1.77億円 | - | - |
| 法人税等 | 7百万円 | - | - |
| 当期純利益 | 1.70億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.54億円 | 1.69億円 | -8.9% |
| 包括利益 | 2.50億円 | 7百万円 | +3471.4% |
| 支払利息 | 11百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 2.61円 | 2.90円 | -10.0% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 2.60円 | 2.82円 | -7.8% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 430.97億円 | 458.75億円 | -27.77億円 |
| 現金預金 | 316.66億円 | 357.90億円 | -41.24億円 |
| 売掛金 | 33.38億円 | 36.20億円 | -2.82億円 |
| 固定資産 | 76.73億円 | 67.21億円 | +9.52億円 |
| 有形固定資産 | 1.22億円 | 68百万円 | +54百万円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 1.6% |
| 粗利益率 | 62.6% |
| 流動比率 | 147.5% |
| 当座比率 | 147.5% |
| 負債資本倍率 | 1.55倍 |
| インタレストカバレッジ | 25.00倍 |
| 実効税率 | 3.7% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +32.1% |
| 営業利益前年同期比 | +27.2% |
| 経常利益前年同期比 | -8.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -9.1% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 59.58百万株 |
| 自己株式数 | 415千株 |
| 期中平均株式数 | 59.16百万株 |
| 1株当たり純資産 | 336.97円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 0.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q1のフリー株式会社は、強い売上成長(+32.1%)の一方で、利益は伸び悩み、収益性と資本効率に課題を残す決算となりました。売上高は97.43億円、売上総利益は60.97億円で粗利率は62.6%と高水準を維持しました。営業利益は2.71億円(+27.2%)で、営業利益率は約2.8%と黒字を確保しています。経常利益は1.49億円(-8.8%)と営業外費用(0.54億円)の影響で減少しました。当期純利益は1.54億円(-9.1%)で、純利益率は1.6%にとどまりました。営業利益率は約2.78%で、前年同期の約2.89%から約11bp低下したと推定されます。純利益率は前年の約2.30%から約72bp低下し、販促・開発投資や営業外費用の影響が示唆されます。総資産は507.70億円、純資産は199.37億円で、財務レバレッジは2.55倍、当四半期ベースの総資産回転率は0.192、ROEは0.8%にとどまりました。流動比率は147.5%で短期流動性は概ね良好、インタレストカバレッジは約25倍と十分です。現金預金は316.66億円と潤沢で、短期借入金92.00億円に対し流動資産で十分にカバー可能です。一方、ROICは-10.3%と示され、資本効率面での改善余地が大きいことが示唆されます(定義・期間の不明確性には留意)。キャッシュフロー計算書が未開示のため、営業CF対純利益の整合やFCFの持続性評価に不確実性があります。売上は高成長を継続する一方、SG&A比率が高く、収益性のてこ入れ(単価引き上げ、解約率低下、営業効率化)が重要です。営業外費用のコントロール(利息・その他費用)も経常利益回復に不可欠です。中期的には高粗利・サブスク特性を背景にスケールメリットが働く可能性があるものの、短期的には営業レバレッジの発現が限定的で、利益率の漸進的改善に留まる見通しです。資金面の余力は十分とみられ、成長投資継続は可能ですが、資本効率の改善が株主価値の鍵となります。なお、開示制約(CF、減価償却、R&D等の未記載)が多く、利益の質評価には前提依存が残る点に留意が必要です。
ROEはデュポン分解で、ROE(0.8%)= 純利益率(1.6%)× 総資産回転率(0.192)× 財務レバレッジ(2.55倍)で説明されます。3要素のうち、今期は純利益率の低下(前年約2.30%→今期1.6%)がROEの重しです。純利益率の低下は、営業外費用(0.54億円、支払利息0.11億円含む)の増加と、営業利益率の小幅低下(約-11bp)によるものと解釈されます。ビジネス的には、高成長を維持するための獲得投資・人件費・開発費などSG&Aの先行投資が利益率を圧迫し、スケールメリットの顕在化が期中では限定的だったことが背景です。これらのコストは成長投資色が強く、収益化が進めば中期的に改善余地はある一方、短期的には一時的というより継続的に発生する性格が強いと評価します。懸念点として、売上成長(+32.1%)に対して営業利益の伸び(+27.2%)が下回っており、販管費成長率が売上成長率を上回っている可能性を示唆します(詳細内訳未開示)。総資産回転率は0.192(四半期ベース)とSaaS特性としては妥当ですが、現金厚めのバランスシートが回転率を希薄化しています。財務レバレッジ2.55倍は極端ではないものの、ROE押し上げ効果は限定的で、根源的なROE改善には純利益率の向上が不可欠です。
売上成長率は+32.1%と高水準で、プロダクト拡張・ARPU向上や顧客基盤拡大が想定されます。粗利率62.6%はSaaSとして健全で、価格改定やアップセル余地を残します。一方で営業利益の伸びは+27.2%にとどまり、短期的な営業レバレッジは限定的です。営業外費用の影響で経常利益・純利益は減益となり、利益成長の継続性に不透明感があります。売上の持続可能性は高いとみられる一方、解約率・獲得単価・販売効率の改善が利益成長の前提となります。今後は、(1) 獲得効率の改善(S&M比率低下)、(2) プロダクトミックス改善によるARPU上昇、(3) R&Dの投資対効果顕在化が利益率改善のドライバーとなる見込みです。非営業項目では利息費用の抑制、余資活用(預金金利の取り込みや借入削減)もEPS改善に寄与します。総じて、トップラインは堅調、ボトムラインは投資先行で改善は漸進的という見立てです。
流動比率147.5%、当座比率147.5%と短期支払能力は概ね良好(ベンチマーク150%に近接)。現金預金316.66億円に対し短期借入金92.00億円と、流動資産で短期負債を十分カバー可能で満期ミスマッチリスクは低いと評価します。負債資本倍率は1.55倍で、目安<1.5倍をわずかに上回りやや積極的なレバレッジですが過度ではありません。インタレストカバレッジは約25倍(営業利益/支払利息=2.71/0.11)で利払い余力は高い水準です。固定負債16.05億円と小さく、長期の債務負担は限定的とみられます。自己資本は199.37億円(利益剰余金-79.80億円)で累積損失を抱えるものの、資本金・資本剰余金が厚く債務耐性は一定程度確保されています。オフバランス債務は未開示のため評価不能です。資本効率面ではROIC -10.3%が示され、投下資本に対する収益性は現時点低位と判断されます(算定期間・定義の不確実性あり)。
キャッシュフロー計算書が未開示のため、営業CF/純利益、FCF、運転資本の動態は評価不能です。営業CF/純利益<0.8であれば利益の質に懸念が生じますが、現時点は判断留保とします。現金残高は316.66億円と厚く、短期的な投資・運転資金需要に対する耐性は高いとみられます。運転資本は138.69億円とプラスで、売掛金33.38億円の増減や前受収益の動きがCFに与える影響を次四半期以降で確認する必要があります。配当・設備投資へのFCFカバレッジはデータ不足で結論不可です。季節性の強いSaaSでは前受収益の変動が営業CFを左右しうるため、四半期単体ではなく通期トレンドでの評価が望まれます。
配当は未記載で、同社の成長投資ステージを踏まえると無配継続の可能性が高いと推定します。配当性向、FCFカバレッジは算出不能で、還元方針の示唆も開示不足です。現金水準は高いものの、累積損失とROIC低位を踏まえると、当面は成長投資・プロダクト強化・営業効率改善への資源配分が優先されると見ます。自己株買い等の資本還元は、中期の持続的黒字化とキャッシュ創出の見通し確度が高まった段階での検討が現実的です。
ビジネスリスク:
- 売上高成長に対し営業利益の伸びが相対的に鈍化(営業レバレッジ未発現)
- 解約率上昇や新規獲得効率悪化によるARRの成長鈍化リスク
- 価格改定の受容性不足によるARPU改善遅延
- プロダクト開発投資の回収遅延(R&Dの投資対効果低下)
- 競合(国産・外資SaaS)との価格・機能競争激化
財務リスク:
- 営業外費用(支払利息等)の増加による経常利益の下押し
- 負債資本倍率1.55倍とやや高めのレバレッジに伴う金利感応度上昇
- ROIC -10.3%に示される資本効率の低位持続
- キャッシュフロー未開示に伴う利益の質評価の不確実性
- 短期借入金依存に伴うリファイナンス条件の悪化リスク(市場金利上昇時)
主な懸念事項:
- 純利益率の低下(約72bp)と経常減益が続く場合のEPS伸長鈍化
- SG&A比率の高止まりによる営業利益率の頭打ち
- 現金厚め資産構成による総資産回転率・ROEの希薄化
- 開示不足(CF、減価償却、R&D等)により運営効率の把握が困難
重要ポイント:
- 売上+32.1%と高成長を維持する一方、純利益-9.1%でマージンに課題
- 営業利益率は約2.78%で前年から約11bp低下、営業レバレッジの発現が不十分
- 営業外費用0.54億円が経常減益の一因、利息費用抑制が課題
- 現金316.66億円と流動性は堅固、短期借入92億円の圧縮余地あり
- ROE0.8%、ROIC-10.3%と資本効率は低位で改善余地大
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益(>1.0の維持)
- 解約率(チャーン)とネットリテンション
- S&M/売上比率、CAC回収期間、LTV/CAC
- ARPUとアップセル率、価格改定の進捗
- 利息費用推移と純現金ポジションの変化
- 営業利益率と粗利率のトレンド(bpベース)
セクター内ポジション:
国内SaaS同業内では売上成長は上位水準、流動性も高い。一方で利益率・資本効率は同業優良銘柄に比べ見劣り、営業レバレッジの立ち上がりがテーマ。短期は投資先行、 中期はスケールメリット顕在化が鍵。
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