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44432026 第3四半期プライムJGAAP

Sansan(4443) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益215%増

2026年度第3四半期の売上高は392.6億円(前年同期比+26.1%)、営業利益は59.5億円(同+214.5%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

Sansan株式会社

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥392.6億¥311.4億+26.1%
営業利益¥59.5億¥18.9億+214.5%
経常利益¥59.4億¥18.5億+220.2%
純利益¥41.1億¥16.8億+145.2%
ROE21.6%10.4%-

Executive Summary

売上高の高成長と販管費率の低下が重なり、増収増益率が大幅に拡大した決算である。売上高は392.6億円(前年比+26.1%)、営業利益は59.5億円(同+214.5%)、経常利益は59.4億円(同+220.2%)、純利益は41.1億円(同+145.2%)となった。営業利益率は15.1%まで拡大し、売上成長を上回る利益成長を達成した増収増益が実現している。

業績変動要因

【売上高】売上高392.6億円は前年同期比+26.1%増加した。主力のSansanBillOne事業が343.0億円(同+25.2%)で売上構成比87.8%を占め、成長を牽引した。Eight事業は47.7億円(同+38.3%)と主力事業を上回る成長率を示し、連結成長への追加的寄与となった。

【損益】営業利益59.5億円(同+214.5%)は売上成長率を大きく上回り、明確な営業レバレッジが働いた。粗利率は87.9%(前年86.7%)とわずかに改善する一方、販管費率は72.7%と前年80.7%から約8pt低下しており、利益率改善の主因は固定費吸収の進展である。特別損益は差し引き0.3億円の損失で、前年に計上された投資有価証券売却益4.2億円への依存が解消され、より経常的な収益力を反映した増益となった。経常利益59.4億円と純利益41.1億円の乖離は主に法人税等18.0億円(実効税率約30%)によるもので、一時的な要因は限定的である。結論として増収増益である。

セグメント別分析

SansanBillOne事業は売上高343.0億円(前年比+25.2%)、営業利益58.7億円で営業利益率は約17.1%となり、前年同期の約7.7%から大幅に改善した。連結売上高の87.8%を占める中核事業であり、利益成長の主要な牽引役である。Eight事業は売上高47.7億円(同+38.3%)、営業利益2.1億円で営業利益率約4.3%となり、前年同期の営業損失から黒字転換した。その他事業は営業損失1.3億円で、両事業の利益拡大を一部相殺している。株式報酬関連費用と企業結合関連償却の合計は当期1.4億円と前年の7.4億円から大幅に縮小し、報告営業利益の改善にも寄与した。

主要財務指標

【収益性】営業利益率15.1%は前年同期6.1%から908bp改善し、純利益率も10.5%と前年5.5%から拡大した。粗利率は87.9%と高水準を維持している。【キャッシュ品質】営業外収益は0.7億円と売上高の0.2%未満にとどまり、利益は主として本業から創出されている。特別損益は差し引き0.3億円の損失で、前年の投資有価証券売却益への依存から脱却した点は収益の質の改善を示す。【投資効率】ROEは21.6%であり、純利益率10.5%×総資産回転率0.82倍×財務レバレッジ2.51倍に分解される。純利益率の拡大がROE水準を主導している。【財務健全性】自己資本比率は37.7%(前年31.2%)に改善し、現金及び預金は299.4億円と潤沢である。有利子負債は23.9億円にとどまり、Debt/Capital比率は低水準で保守的な資本構成を維持している。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示はないため、貸借対照表の変動から資金動向を分析する。現金及び預金は299.4億円で前年同期の311.7億円からやや減少したが、依然として流動負債248.9億円を上回る潤沢な水準を維持している。利益剰余金は71.8億円と前年比+41.1億円増加しており、当期純利益の積み上げが自己資本を拡充した主因である。投資有価証券は21.9億円と前年から15.4億円減少しており、資産構成の見直しが進んだ。のれんは13.9億円、無形固定資産は23.9億円に増加しており、2社の子会社化に伴う投資活動の拡大が資金使途の一部を占めたとみられる。有利子負債は23.9億円と小規模であり、財務活動を通じた資金調達への依存度は低い。

収益の質

当期利益は主として本業の営業活動から創出されており、収益の質は高いと評価できる。営業外収益は0.7億円、営業外費用は0.8億円といずれも小さく、経常利益は営業利益とほぼ同水準の59.4億円で推移している。特別損益は特別利益0.5億円に対し特別損失0.8億円で差し引き0.3億円の損失となり、前年同期に計上された投資有価証券売却益4.2億円という一時的な押し上げ要因が当期は存在しない。この点から、当期の利益成長は前年よりも経常的な収益力を反映したものといえる。包括利益は42.2億円で純利益41.1億円との乖離は1.1億円と小さく、為替換算調整額や有価証券評価差額金といったその他包括利益項目の影響は限定的であり、アクルーアルの観点からも利益の質は概ね良好である。

業績予想・ガイダンス

当四半期において業績予想の修正が行われた一方、配当予想の修正はない。通期配当予想は1株当たり0円で据え置かれている。

株主還元

第2四半期配当および通期配当予想はいずれも1株当たり0円であり、無配方針が継続している。配当性向は0%であるため、当期純利益41.1億円は全額が内部留保として蓄積される形となる。利益剰余金は71.8億円で前年同期比+133.8%増加しており、成長投資やM&A機会への資本配分余地が拡大している。自社株買いに関する情報は開示されていない。

リスク要因

  1. 主力事業への依存: SansanBillOne事業が連結売上高の87.8%を占めており、同事業の契約獲得・顧客継続・価格競争力の変化が連結業績に大きく波及する構造である。

  2. 資本効率指標の乖離: ROICが算定上マイナスとなっており、営業利益率15.1%やROE21.6%との対照が大きい。投下資本に対する収益創出力の評価には、算定根拠の確認が必要である。

  3. M&Aに伴うのれん増加: 当期に2社を新規連結し、のれんが前年同期比+46.1%の13.9億円に増加した。純資産比7.3%と水準は低いが、買収先の統合進捗と収益貢献の継続的な確認が必要である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率15.1%8.3% (3.6%–18.6%)+6.8pt
純利益率10.5%6.1% (2.3%–12.8%)+4.3pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を上回り、収益性は業種内で優位な水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)26.1%10.4% (-0.9%–19.9%)+15.7pt

売上高成長率は業種中央値の約2.5倍で、IQR上限をも上回る高成長を示している。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高+26.1%の高成長と営業利益率908bp改善が同時に進行しており、Rule of 40の観点でも成長と収益性の両立が確認できる決算である。

  2. 主力のSansanBillOne事業の営業利益率は約17.1%まで上昇し、Eight事業も黒字転換した。両事業の利益率格差が今後どう縮小するかが構造的な注目点である。

  3. 特別利益への依存が前年より低下し、当期利益はより経常的な収益力を反映している一方、M&Aによるのれん増加と資本効率指標の推移は継続的な確認事項である。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。