- 売上高: 1,957.10億円
- 営業利益: 197.65億円
- 当期純利益: 141.43億円
- 1株当たり当期純利益: 122.39円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,957.10億円 | 1,950.75億円 | +0.3% |
| 売上原価 | 1,394.17億円 | 1,411.40億円 | -1.2% |
| 売上総利益 | 562.92億円 | 539.34億円 | +4.4% |
| 販管費 | 365.26億円 | 356.38億円 | +2.5% |
| 営業利益 | 197.65億円 | 182.96億円 | +8.0% |
| 営業外収益 | 36.23億円 | 31.03億円 | +16.8% |
| 営業外費用 | 33.89億円 | 45.33億円 | -25.2% |
| 経常利益 | 199.99億円 | 168.66億円 | +18.6% |
| 税引前利益 | 203.11億円 | 167.19億円 | +21.5% |
| 法人税等 | 61.67億円 | 47.46億円 | +29.9% |
| 当期純利益 | 141.43億円 | 119.72億円 | +18.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 124.19億円 | 114.85億円 | +8.1% |
| 包括利益 | 203.78億円 | 89.56億円 | +127.5% |
| 減価償却費 | 90.58億円 | 87.77億円 | +3.2% |
| 支払利息 | 16.23億円 | 16.76億円 | -3.2% |
| 1株当たり当期純利益 | 122.39円 | 112.55円 | +8.7% |
| 1株当たり配当金 | 48.00円 | 48.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 3,472.12億円 | 3,498.89億円 | -26.77億円 |
| 現金預金 | 1,134.38億円 | 1,101.17億円 | +33.21億円 |
| 売掛金 | 919.74億円 | 1,100.57億円 | -180.83億円 |
| 棚卸資産 | 685.80億円 | 615.07億円 | +70.73億円 |
| 固定資産 | 1,951.47億円 | 1,932.28億円 | +19.19億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 312.85億円 | 330.00億円 | -17.15億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -173.34億円 | -170.78億円 | -2.56億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 6.3% |
| 粗利益率 | 28.8% |
| 流動比率 | 311.2% |
| 当座比率 | 249.7% |
| 負債資本倍率 | 0.51倍 |
| インタレストカバレッジ | 12.18倍 |
| EBITDAマージン | 14.7% |
| 実効税率 | 30.4% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +0.3% |
| 営業利益前年同期比 | +8.0% |
| 経常利益前年同期比 | +18.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +8.1% |
| 包括利益前年同期比 | +127.5% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 103.77百万株 |
| 自己株式数 | 3.38百万株 |
| 期中平均株式数 | 101.48百万株 |
| 1株当たり純資産 | 3,582.24円 |
| EBITDA | 288.23億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 48.00円 |
| 期末配当 | 52.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Chemicals | 90百万円 | 130.43億円 |
| FoodProducts | 28百万円 | 20.67億円 |
| LifeSciences | 5百万円 | 41.60億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 4,410.00億円 |
| 営業利益予想 | 430.00億円 |
| 経常利益予想 | 430.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 264.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 262.97円 |
| 1株当たり配当金予想 | 52.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2のADEKAは、売上が微増ながら営業増益を確保し、利益率の改善とキャッシュ創出力の強さが際立つ四半期でした。売上高は1,957.1億円で前年比+0.3%、営業利益は197.65億円で+8.0%と、実質的に価格・ミックス改善とコスト抑制が寄与したかたちです。営業利益率は10.1%と推計され、前年約9.3%から約77bp改善したと見られます。売上総利益は562.92億円で粗利率は28.8%を維持、販管費は365.26億円(売上比18.7%)にとどまり、営業レバレッジが発現しました。営業外は収益36.23億円、費用33.89億円で差し引き+2.34億円寄与し、経常利益は199.99億円(+18.6%)と営業を上回る伸長です。当期純利益は124.19億円で+8.1%、純利益率は6.3%と堅調でした。キャッシュ面では営業CFが312.85億円と純利益の2.52倍に達し、利益の現金化が良好です。一方でROEは3.5%、ROICは4.7%と資本効率は物足りず、特にROICは5%を下回り投下資本のリターンに課題が残ります。財務は総資産5,423.6億円に対し純資産3,596.3億円、負債資本倍率0.51倍、流動比率311%と極めて健全です。インタレストカバレッジも12.18倍と十分な安全域があります。営業外収入比率が29.2%と相応に高く、金利・配当収入が利益に寄与している点は、外部環境変化(為替・金利)への感応度を高めます。配当性向は計算値で83.6%と高水準で、還元方針は積極的ですが、成長投資と資本効率改善とのバランスに留意が必要です。設備投資は82.12億円、自社株買い45.89億円を実施しつつ、営業CFの範囲内で十分に賄えていると推定されます。総じて、利益率改善とキャッシュ創出の強さはポジティブですが、成長鈍化(売上+0.3%)とROIC低位が中期課題です。原材料価格・為替の変動、金利動向による営業外損益のブレは引き続き注視が必要です。今後は価格転嫁と製品ミックス高度化、固定費効率化による営業利益率の持続的改善、および低採算資産の整理によるROIC引き上げが焦点となります。
デュポン分析(ROE=純利益率×総資産回転率×財務レバレッジ): 1) 純利益率6.3% × 総資産回転率0.361 × 財務レバレッジ1.51倍 ≒ ROE 3.5%(報告値一致)。2) 期中の変化要因では、売上が+0.3%にとどまる一方で営業利益が+8.0%と上回り、営業利益率の改善(約+77bp)がROEの押し上げに最も寄与したと評価します。3) その背景として、粗利率28.8%の維持と販管費率18.7%のコントロールにより、価格・ミックス改善やコスト最適化が効いた可能性が高いです。営業外では受取利息11.52億円、受取配当金5.30億円を含む収益が経常利益を下支えしましたが、コアの改善は営業段階での収益性向上が主因と見ます。4) 持続性の観点では、販管費コントロールは継続可能性がある一方、営業外収益は金利・為替に左右され変動性が高く、一時的要素を含む可能性があります。5) 懸念点として、売上成長(+0.3%)が低位であるのに対し、今後販管費の伸びが売上を上回る局面になると営業レバレッジの逆回転となるリスクがあるほか、総資産回転率0.361は低く、資産効率の改善(遊休資産圧縮、在庫回転改善)がROE向上のボトルネックです。
売上は+0.3%と横ばいで、量の伸びは限定的と推測され、価格・ミックスや選別受注の影響が大きい可能性があります。粗利率28.8%維持と営業利益+8.0%から、スプレッドや製品ミックスの改善、固定費の吸収が進んだと評価します。経常利益+18.6%は営業外収益(受取利息・配当等)も寄与しており、営業外への依存が部分的に伸長を押し上げました。営業外収入比率29.2%は、マクロ金利や為替の反転時に逆風となる可能性を示唆します。研究開発費の開示がなく、技術投資の強度が把握できない点はデータ制約です。設備投資82.12億円は持続的成長の基盤強化として適正規模に見える一方、ROIC4.7%と投下資本収益性は目標水準(7–8%)を下回ります。中期的には、在庫・売掛債権の回転改善、非中核資産の圧縮、価格戦略の徹底が売上・利益成長の持続性を左右します。外部環境では原燃料価格と為替(特にUSD/JPY)の変動、エレクトロニクスや包装などエンドマーケット需要の循環性が成長率の上限下限を規定します。
流動比率311.2%、当座比率249.7%と流動性は非常に強固です。短期借入金168.73億円に対し現金預金1,134.38億円を保有しており、満期ミスマッチ・リファイナンスリスクは極めて低位です。負債資本倍率0.51倍とレバレッジは抑制的で、長期借入金267.19億円を含めても資本の厚み(純資産3,596.32億円)が十分に吸収可能です。インタレストカバレッジ12.18倍と支払利息16.23億円に対する耐性は高いです。オフバランスのリースや保証等は開示N/Aのため評価不能ですが、現時点データからは重大なバランスシート・リスクは限定的とみられます。自己資本比率はXBRL未記載ですが、株主資本3,052.11億円/総資産5,423.59億円から概算で約56%と推計され、財務健全性は高いです。警告に該当する指標(流動比率<1.0、D/E>2.0)はありません。
営業CF312.85億円は当期純利益124.19億円の2.52倍で、利益の現金化は高品質と評価できます。設備投資82.12億円を差し引いたオペレーティングFCF(営業CF−設備投資)は約230.73億円と潤沢です(ただし投資CFのその他内訳が未記載のため最終FCFは不確実)。財務CFは−173.34億円で、自社株買い45.89億円や負債返済・配当支払い(配当金総額は未記載)に充当されたとみられます。運転資本の明細変動は開示されていませんが、売掛金919.74億円・在庫685.80億円・買掛金582.57億円の絶対水準から、在庫・売掛の回収がCFOを押し上げた可能性もあります(確証はデータ不足)。営業CF/純利益>1.0の水準継続が確認されれば、利益の質に対する懸念は限定的となります。
配当性向(計算値)83.6%と高水準で、還元重視の姿勢がうかがえますが、利益変動時の柔軟性は低下します。配当金総額は未記載ながら、当期純利益124.19億円×83.6%を前提とすると概算で約104億円規模と推定され、営業CF312.85億円およびオペレーティングFCF約230.73億円で十分にカバー可能です。自社株買い45.89億円を加味しても、営業CFベースで還元・設備投資を賄える余地があります。もっとも、ROICが4.7%と低位であるため、過度な高配当は将来の成長投資や資産効率改善の機会費用となる点には留意が必要です。今後の配当方針は、ROICの引き上げ見通しや投資案件の採算性次第で見直し余地があります。
ビジネスリスク:
- 原材料価格(石油・化学系フィードストック)変動によるスプレッド圧迫リスク
- 為替変動(特にUSD/JPY、輸入原料・海外売上換算)による収益変動
- エレクトロニクス・包装等の需要サイクル鈍化による数量ボリュームの下押し
- 製品ミックス悪化や価格競争激化による粗利率低下
- サプライチェーン混乱(物流コスト上昇・供給制約)
財務リスク:
- 営業外収益(受取利息・配当)への依存度上昇に伴う金利・市場環境への感応度上昇
- ROIC 4.7%と資本コスト下回りの可能性(価値創造の毀損リスク)
- 高い配当性向により、業績悪化時の財務柔軟性低下
- 在庫・売掛の高水準による運転資本増大リスク(景気後退時の回収・評価損リスク)
主な懸念事項:
- 売上成長が+0.3%と停滞する中、利益率主導の増益がどこまで持続可能か
- 総資産回転率0.361と資産効率の低さがROE/ROICのボトルネック
- 営業外収入比率29.2%で、外部環境反転時の利益ボラティリティ上昇
- 配当性向83.6%が投資余力と中期成長とのトレードオフを拡大
重要ポイント:
- 売上横ばい下での営業増益により営業利益率は約77bp改善し、原価・販管費のコントロールが奏功
- 営業CF/純利益2.52倍で利益の質は高く、還元・投資を内生資金で賄える体質
- ROE3.5%、ROIC4.7%と資本効率は依然低位で、資産効率改善が最重要テーマ
- 営業外収入比率29.2%で金利・為替変動の影響が相対的に大きい構造
- 配当性向83.6%は高還元だが、成長投資やROIC改善とのバランスが肝要
注視すべき指標:
- 営業利益率と販管費率の推移(四半期ベースのbp変化)
- 在庫回転日数・売掛回転日数による運転資本効率
- 総資産回転率と不要資産の圧縮進捗
- ROIC(>7–8%目標)と事業別投下資本の回収状況
- 営業外収益の構成(受取利息・配当・為替など)の変動要因
- 原材料スプレッド(価格転嫁の速度とタイムラグ)
- 為替(USD/JPY)と金利動向の感応度
- CFO/純利益>1.0の維持、オペレーティングFCFの安定性
セクター内ポジション:
国内化学同業と比べ、流動性・レバレッジは極めて健全な一方、ROE/ROICは同業上位層に比べ低位。収益性は改善傾向だが、成長率と資産効率で見劣りしやすい構図。
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