- 売上高: 55.83億円
- 営業利益: 3.46億円
- 当期純利益: 1.22億円
- 1口当たり当期純利益 (EPU): 25.47円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 55.83億円 | 46.92億円 | +19.0% |
| 売上原価 | 35.85億円 | - | - |
| 売上総利益 | 11.07億円 | - | - |
| 販管費 | 9.09億円 | - | - |
| 営業利益 | 3.46億円 | 1.98億円 | +74.7% |
| 営業外収益 | 2百万円 | - | - |
| 営業外費用 | 6百万円 | - | - |
| 経常利益 | 3.41億円 | 1.94億円 | +75.8% |
| 税引前利益 | 1.95億円 | - | - |
| 法人税等 | 72百万円 | - | - |
| 当期純利益 | 1.22億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.63億円 | 1.32億円 | +23.5% |
| 包括利益 | 1.54億円 | 1.22億円 | +26.2% |
| 支払利息 | 5百万円 | - | - |
| 1口当たり当期純利益 (EPU) | 25.47円 | 23.34円 | +9.1% |
| 潜在株式調整後1口当たり当期純利益 | 24.98円 | 23.30円 | +7.2% |
| 1口当たり分配金 (DPU) | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 36.61億円 | 26.70億円 | +9.92億円 |
| 現金預金 | 16.59億円 | 14.71億円 | +1.88億円 |
| 売掛金 | 12.23億円 | 9.90億円 | +2.32億円 |
| 固定資産 | 23.24億円 | 9.19億円 | +14.05億円 |
| 有形固定資産 | 33百万円 | 27百万円 | +6百万円 |
|
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 2.9% |
| 粗利益率 | 19.8% |
| 流動比率 | 245.9% |
| 当座比率 | 245.9% |
| 負債資本倍率 | 0.64倍 |
| インタレストカバレッジ | 70.00倍 |
| 実効税率 | 37.1% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +19.0% |
| 営業利益前年同期比 | +74.6% |
| 経常利益前年同期比 | +75.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +22.7% |
| 包括利益前年同期比 | +26.3% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済投資口数(自己投資口含む) | 7.53百万口 |
| 自己投資口数 | 280千口 |
| 期中平均投資口数 | 6.41百万口 |
| 1口当たり純資産 (NAV) | 503.87円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期分配金 | 0.00円 |
| 期末分配金 | 0.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Communication | 3百万円 | 8.83億円 |
| InvestmentIncubation | 2.78億円 | 39百万円 |
| Solution | 3百万円 | -1.11億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 85.16億円 |
| 営業利益予想 | 5.04億円 |
| 経常利益予想 | 4.88億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 2.53億円 |
| 1口当たり当期純利益予想 (EPU) | 38.23円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3のアクリートは、増収・大幅増益で着地し、営業利益が明確に回復した四半期でした。売上高は55.83億円で前年同期比+19.0%、営業利益は3.46億円で+74.6%、経常利益は3.41億円で+75.5%、当期純利益は1.63億円で+22.7%と、トップラインの拡大に対して利益の伸びが上回りました。営業利益率は6.2%(=3.46/55.83)で、前年同期の推計4.2%程度(営業利益1.98億円/前年売上約46.9億円)から約+198bp改善とみられます。純利益率は2.9%で、前年の推計2.83%前後から約+9bpの小幅改善に留まります。粗利益率は19.8%と開示され、売上成長に伴い付加価値も拡大しています。販管費は9.09億円で、販管費率は16.3%とコスト効率は保たれています。インタレストカバレッジは約70倍と高水準で、金利負担耐性は十分です。流動比率は245.9%、当座比率も同水準で短期の支払い能力は極めて良好です。負債資本倍率は0.64倍で保守的な資本構成を維持しています。ROEは4.5%(デュポン分解値)で、資本効率はなお改善の余地がある一方、ROICは8.1%と資本コストを意識した運営が示唆されます。なお、営業キャッシュフローやフリーキャッシュフロー、配当情報は未記載のため、利益の質・株主還元の持続性の評価には不確実性が残ります。貸借対照表では無形固定資産17.17億円(うちのれん6.75億円)が厚く、将来的な減損リスクのモニタリングが必要です。売掛金12.23億円と買掛金6.14億円の規模感から、運転資本の管理がキャッシュ創出に与える影響は大きいとみられます。総じて、数量成長(A2P/SMS等のトラフィック増)と価格・ミックスの最適化が利益率改善を牽引したと考えられ、今後もスケールメリットによる営業レバレッジ発現が鍵となります。他方、キャッシュフロー未開示と無形資産厚みの点はバリュエーション上のディスカウント要因となり得るため、次四半期でのCF開示と回収指標の改善が重要です。短期的には増収効果の持続、キャリアコスト・原単位の安定、及び販管費の伸び抑制が利益率の上振れ要因です。中期的にはセキュリティ需要や本人認証需要の構造的拡大を追い風に、ROEの引き上げ(利益率・回転率・レバレッジの最適化)が論点となります。
デュポン分解の概観: ROE 4.5% = 純利益率2.9% × 総資産回転率0.933 × 財務レバレッジ1.64倍。主要変化要因: 今期は営業利益の伸長により純利益率が改善したことがROE押し上げに寄与。営業利益率は約+198bp改善(6.2%→推計前期4.2%)と、利益率の改善度合いが最も大きいドライバー。一方で総資産回転率は0.933と標準的で、資産効率がROEを大きく左右した形跡は限定的。ビジネス背景: 売上のスケール拡大に伴う固定費の希釈、単価・ミックス改善、キャリア関連コストの相対低下が営業レバレッジの発現につながった可能性。持続性評価: トラフィック成長が続けば一定の持続性はあるが、キャリアコストや単価の外部要因に左右されやすく、改善ペースは緩やかになるリスク。懸念トレンド: 販管費の絶対額は増加(9.09億円)しており、売上成長率(+19.0%)を上回る販管費伸長が続く場合は営業レバレッジ剥落の懸念が生じるため、販管費率の継続モニタリングが必要。
売上は55.83億円で+19.0%と堅調。数量成長(認証・通知用途のA2Pメッセージ増)と取引規模拡大が主因とみられます。営業利益は+74.6%と伸長し、営業レバレッジが有効に機能。粗利益率19.8%の水準は、過度な価格競争に陥っていないことを示唆。今後の持続性は、主要顧客のトラフィック動向、キャリア課金の改定、国際SMSの料金/迂回リスク、ならびに付加価値サービス(セキュリティ・本人認証関連)の拡販に依存。ROICは8.1%で資本コスト超過が示唆され、成長投資の回収性は概ね良好と評価。もっとも、無形資産の厚みが大きく、投資対効果の可視化(KPI開示)が重要。外部要因としては為替、キャリアフィー、セキュリティ規制・プライバシー規制の変化が成長率に影響。見通しとしては、トップラインは高一桁〜低二桁成長の持続可能性があるが、マージンは外部コストと価格環境によりレンジ内での変動が想定されます。
流動性は強固(流動比率245.9%、当座比率245.9%)で、短期支払能力に懸念はありません。満期ミスマッチは限定的で、流動資産36.61億円が流動負債14.89億円を大幅に上回ります。資本構成は保守的(負債資本倍率0.64倍)で、長期借入金6.85億円の償還負担もインタレストカバレッジ約70倍からみて十分に耐性あり。自己資本比率は未記載ながら、純資産36.53億円・総資産59.85億円から概算で約61%と見られ健全。オフバランス債務の開示はなく不明。無形固定資産17.17億円(のれん6.75億円)の厚みは、将来の減損テスト結果に依存するリスク要因であり、資本の質の観点で注視が必要です。
営業CF、投資CF、フリーCFはいずれも未記載のため、利益のキャッシュ創出力の直接評価は不可能です。営業CF/純利益比率も算出不可で、利益の質に関する定量的検証は次回開示待ちとなります。運転資本では売掛金12.23億円・買掛金6.14億円の規模から、売上成長局面での運転資金需要の増加が予想され、回収サイトの管理がキャッシュ化の鍵。CAPEX未記載のため、維持投資と成長投資の水準・FCFに対する配当/自社株買い余力の評価は現時点で困難です。短期的には、DSOの安定、回収遅延の抑制、在庫負担が小さいビジネスモデルの強みを活かしたCF効率の確保が重要です。
配当金・配当性向・FCFカバレッジはいずれも未記載のため、株主還元の持続可能性は評価不能です。純利益1.63億円、資本構成の健全性、ROIC 8.1%からは、一定の還元余地は示唆されるものの、CF不明のため断定は避けるべきです。今後は営業CFの安定性、FCF創出力、成長投資とのバランス、自己資本効率の改善度合い(ROE/ROIC)を踏まえた配当方針の明確化が望まれます。
ビジネスリスク:
- キャリア料金・SMS接続料の改定による粗利圧迫リスク
- 主要顧客への依存・トラフィック減少リスク
- 競合(CPaaS/メッセージング各社)との価格競争激化
- 代替チャネル(アプリ内通知・認証器・プッシュ通知)へのシフト
- 国内外の通信規制・個人情報保護規制の変更
- 国際SMSの不正トラフィック・迂回ルート等に関わる品質・信用リスク
財務リスク:
- 無形資産(17.17億円、のれん6.75億円)の減損リスク
- 運転資本増による営業CFの変動リスク(売掛回収の遅延等)
- 金利上昇局面での調達コスト上振れ(現状耐性は高いが注視)
- オフバランス債務の不確実性(開示なし)
主な懸念事項:
- キャッシュフロー情報未記載による利益の質評価の不確実性
- ROE 4.5%と資本効率の伸びしろ(株主価値最大化の観点)
- 販管費の絶対額増加と今後のコストコントロールの行方
- 外部コスト(キャリア関連)の変動がマージンに与える影響
重要ポイント:
- 売上+19%、営業利益+75%で営業レバレッジの発現が確認できる四半期
- 営業利益率は約+198bp改善の6.2%、純利益率も小幅改善の2.9%
- 流動性・支払能力は強固(流動比率246%、インタレストカバレッジ約70倍)
- ROE 4.5%は改善余地、ROIC 8.1%は一定の資本効率を示唆
- 無形資産厚み(のれん含む)は減損リスク要因で継続モニタリングが必要
- キャッシュフロー未開示のため、利益の質・配当持続性評価は留保
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益比率(>1.0倍が望ましい)
- DSO(売掛回収日数)と不良債権率
- 粗利率とキャリアコストの動向(単価・ミックスの変化)
- 販管費率と採算性KPI(規模拡大に伴う固定費希釈度)
- ROICと投下資本回転(新規投資の回収力)
- のれん・無形資産の減損テスト結果
セクター内ポジション:
国内メッセージング/CPaaS領域において、トップライン成長と営業レバレッジの両立が進む一方、資本効率(ROE)はなお改善余地があり、キャッシュフローの可視性と無形資産リスク管理が評価の分水嶺となる。
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