- 売上高: 99.36億円
- 営業利益: 5.65億円
- 当期純利益: 2.99億円
- 1株当たり当期純利益: 20.79円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 99.36億円 | 88.05億円 | +12.8% |
| 売上原価 | 60.03億円 | - | - |
| 売上総利益 | 28.02億円 | - | - |
| 販管費 | 24.84億円 | - | - |
| 営業利益 | 5.65億円 | 3.17億円 | +78.2% |
| 営業外収益 | 23百万円 | - | - |
| 営業外費用 | 42百万円 | - | - |
| 経常利益 | 5.57億円 | 2.98億円 | +86.9% |
| 税引前利益 | 5.11億円 | - | - |
| 法人税等 | 2.12億円 | - | - |
| 当期純利益 | 2.99億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 6.30億円 | 2.95億円 | +113.6% |
| 包括利益 | 5.92億円 | 3.86億円 | +53.4% |
| 支払利息 | 29百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 20.79円 | 9.78円 | +112.6% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 20.52円 | 9.65円 | +112.6% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 105.80億円 | 107.10億円 | -1.30億円 |
| 現金預金 | 18.71億円 | 26.14億円 | -7.43億円 |
| 売掛金 | 45.36億円 | 39.02億円 | +6.34億円 |
| 棚卸資産 | 20.72億円 | 22.91億円 | -2.19億円 |
| 固定資産 | 51.75億円 | 51.84億円 | -9百万円 |
|
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 6.3% |
| 粗利益率 | 28.2% |
| 流動比率 | 216.8% |
| 当座比率 | 174.3% |
| 負債資本倍率 | 0.82倍 |
| インタレストカバレッジ | 19.48倍 |
| 実効税率 | 41.5% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +12.8% |
| 営業利益前年同期比 | +77.9% |
| 経常利益前年同期比 | +86.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +113.4% |
| 包括利益前年同期比 | +53.1% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 31.59百万株 |
| 自己株式数 | 1.22百万株 |
| 期中平均株式数 | 30.32百万株 |
| 1株当たり純資産 | 284.55円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 5.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3のFIG株式会社は、増収・大幅増益で着地し、営業・経常・最終利益の各段階で前年同期比で強い伸びを示しました。売上高は99.36億円で前年同期比+12.8%、営業利益は5.65億円で+77.9%、経常利益は5.57億円で+86.5%と、収益性の改善が鮮明です。粗利益率は28.2%と開示され、販管費24.84億円を吸収して営業利益率は約5.7%まで改善しました。営業外収支は純支出(収益0.23億円、費用0.42億円)ながら、経常段階での利益成長が強く、コア事業の改善が主因とみられます。当期純利益は6.30億円と+113.4%の増益で、EPS(基本)は20.79円となりました。総資産は157.55億円、純資産86.43億円、負債合計71.12億円で、負債資本倍率0.82倍、流動比率216.8%、当座比率174.3%と財務基盤は堅調です。インタレストカバレッジは19.48倍(営業利益5.65億円/支払利息0.29億円)と金利耐性も十分です。一方で、ROICは3.6%と目標レンジ(7–8%)を大きく下回り、資本効率の改善が中期課題です。デュポン分解によるROEは7.3%で、純利益率6.3%、総資産回転率0.631、財務レバレッジ1.82倍の積によって説明されます。営業外収入比率は3.7%と低く、本業寄与が中心である点はポジティブです。ただし、売上原価と売上総利益の開示値に齟齬が見られるほか、税前利益(5.11億円)に対し当期純利益(6.30億円)が上回る構造で、特別要因や税効果の詳細が不明である点は留意が必要です。キャッシュフロー(営業/投資/財務CF)は未開示で、利益の質(現金化)評価が現時点では困難です。配当性向は計算値で25.1%と保守的ですが、配当総額やFCFカバレッジが未記載のため持続可能性評価は限定的です。運転資本は56.99億円(売掛金45.36億円、棚卸資産20.72億円)で、売上成長に伴う運転資本増加が営業CFに与える影響を監視する必要があります。総じて、収益性の回復と財務健全性は確認できる一方、ROICの低さとキャッシュフロー未開示、利益段階の一部不整合が今後の検証ポイントです。今後は、粗利率の維持・改善、販管費のコントロール、運転資本効率化によるROICの引き上げがキーとなります。業態として総合商社ではないため、持分法投資利益への依存は低く(未記載)、資源価格等の商社固有ボラティリティは限定的ですが、受注・プロジェクト進捗や顧客投資マインドの変動には引き続き注意が必要です。
ステップ1: ROEを純利益率×総資産回転率×財務レバレッジに分解すると、ROE 7.3% = 6.3% × 0.631 × 1.82で説明されます。ステップ2: 前年比で最も寄与が大きいのは純利益率の改善(営業利益+77.9%、経常利益+86.5%に整合)とみられ、営業レベルの改善がROE押し上げに寄与しています。ステップ3: ビジネス上の理由は、売上成長(+12.8%)に対し、粗利率28.2%の確保と販管費の伸びを抑制したことで営業利益率が改善した点が大きいと推定されます。ステップ4: 粗利率改善が価格改定・ミックス改善・原価低減に基づくなら一定の持続性が期待できますが、費用の一時抑制やスポット案件寄与であれば来期反動のリスクがあります。ステップ5: 懸念されるトレンドとして、売上高成長に伴い売掛金・棚卸資産が積み上がっており、運転資本負担が拡大すると、将来的に総資産回転率が頭打ちになる可能性があります。また、ROICが3.6%と低位で、資本コストを下回る恐れがあり、長期的価値創出の観点で改善余地が大きいです。
売上は99.36億円で前年同期比+12.8%と堅調で、需要環境の底堅さまたは新規案件の獲得が示唆されます。粗利率28.2%の維持により、トップライン拡大が確実に利益へ転化しています。営業外収益は0.23億円(受取配当0.08億円が主)と限定的で、コア事業のモメンタムが成長ドライバーです。営業利益率は約5.7%まで改善しており、費用対効果の向上が確認できます。一方、ROIC 3.6%は成長投資の回収力に課題を示すため、案件選別や価格交渉力強化、運転資本圧縮が必要です。売掛金45.36億円、棚卸資産20.72億円と運転資本が厚く、成長局面でのキャッシュ消費リスクが懸念されます。税前利益5.11億円に対して当期純利益6.30億円と数値の整合性に疑義があり、特別要因の影響次第で増益の持続性評価は限定的です。中期的には、粗利率の安定、SG&Aの伸び管理、受注残とパイプラインの質向上が成長持続性の鍵となります。
流動比率216.8%、当座比率174.3%と短期流動性は健全です。負債資本倍率0.82倍でレバレッジは保守的、警戒ライン(D/E>2.0)から十分な距離があります。短期借入金10.24億円に対し現金預金18.71億円、売掛金45.36億円と、満期ミスマッチのリスクは相対的に低いと評価します。長期借入金14.33億円を含む固定負債22.31億円は、固定資産51.75億円で裏付けられており、資本構成は安定的です。インタレストカバレッジ19.48倍と金利上昇局面でも耐性が高い水準です。オフバランス債務の情報は未記載のため、リース負債や保証債務の潜在リスクは評価不能です。自己資本比率は未記載ですが、総資産157.55億円と純資産86.43億円から概算で約55%と推定され、財務の安全余裕度は十分とみられます。
営業CF、投資CF、フリーCFは未記載であり、利益の現金化度合い(営業CF/純利益)を評価できません。一般論として、売掛金と棚卸資産の増加は営業CFを圧迫し得るため、今期も営業CF/純利益が0.8倍未満となる場合は利益の質に注意が必要です。配当と設備投資に対するFCFカバレッジも不明で、配当の内部資金による賄いの確度は判断困難です。運転資本では、売掛金45.36億円、棚卸20.72億円が積み上がっており、回転日数の上昇があれば四半期ごとの営業CFにボラティリティが生じる可能性があります。次四半期以降は、営業CFの黒字転換・維持、在庫回転改善、売掛金回収の進捗が重要なチェックポイントです。
配当金総額・FCFカバレッジは未記載のため定量的評価は限定的です。計算上の配当性向は25.1%と保守的であり、単年度の利益水準が維持される限り、基本的には持続可能なレンジです。財務レバレッジが低く、金利負担も軽微であることは配当余力を下支えします。一方、ROICが3.6%と低位で、投下資本回収力が弱い点は将来の成長投資と株主還元の両立余地を狭める可能性があります。よって、今後は営業CFの安定性、投資キャッシュアウト規模、在庫・売掛の圧縮進捗を踏まえて、実質的な配当持続性を再評価する必要があります。
ビジネスリスク:
- 受注・プロジェクト進捗の遅延に伴う売上計上の後倒しリスク
- 価格競争激化による粗利率の低下リスク
- 顧客の設備投資・IT投資サイクル変動による需要減速
- 新規事業/製品の立ち上がり遅延
- 人的資本・開発要員の採用・定着難による供給制約
財務リスク:
- 運転資本増加による営業CF圧迫
- ROIC低位(3.6%)に伴う資本コスト割れの可能性
- 税前利益と当期純利益の不整合に起因する決算の一過性リスク
- 金利上昇時の資金調達コスト増(現状耐性は高いが構造的リスクは残存)
- 潜在的なオフバランス債務(リース・保証)の未把握
主な懸念事項:
- キャッシュフロー未開示により利益の質を検証できない点
- 売上原価と売上総利益の数値齟齬、税前・当期純利益の整合性不明瞭
- ROICが警戒水準(<5%)で構造的な資本効率の課題を示唆
- 運転資本の積み上がりによる資金需要の増大
- 一時要因(特別損益・税効果)の影響度合いが判別不能
重要ポイント:
- 増収・大幅増益でコア収益力は改善
- 営業外依存は低く、事業の質は概ね良好
- 流動性・レバレッジともに健全で金利耐性は高い
- 一方でROIC 3.6%と資本効率は警戒域、改善余地が大きい
- CF未開示と数値不整合により利益の質・持続性評価は留保が必要
注視すべき指標:
- 営業CFおよび営業CF/純利益比率(目安>1.0倍)
- 受注残高・パイプラインと案件採算(粗利率の持続性)
- 売掛金・棚卸資産の回転日数(在庫回転・DSO)
- ROIC(目安>7–8%)と投下資本の推移
- 販管費の伸び率と売上成長率のバランス
- 税前利益と当期純利益のブリッジ(特別損益・税効果の開示)
セクター内ポジション:
同業中小型IT/ソリューション企業との比較では、財務健全性は優位、利益成長は堅調だが、ROICと開示充実度で見劣り。持分法依存の高い総合商社モデルとは異なり、非資源・非商社型のコア事業ドリブンのため、案件品質と運転資本管理が株主価値の主ドライバーとなる。
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