- 売上高: 172.35億円
- 営業利益: 11.26億円
- 当期純利益: 4.31億円
- 1株当たり当期純利益: 13.95円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 172.35億円 | 147.09億円 | +17.2% |
| 売上原価 | 96.47億円 | - | - |
| 売上総利益 | 50.62億円 | - | - |
| 販管費 | 40.89億円 | - | - |
| 営業利益 | 11.26億円 | 9.72億円 | +15.8% |
| 営業外収益 | 22百万円 | - | - |
| 営業外費用 | 1.26億円 | - | - |
| 経常利益 | 10.57億円 | 8.69億円 | +21.6% |
| 税引前利益 | 8.71億円 | - | - |
| 法人税等 | 4.39億円 | - | - |
| 当期純利益 | 4.31億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 8.08億円 | 4.31億円 | +87.5% |
| 包括利益 | 7.81億円 | 4.59億円 | +70.2% |
| 支払利息 | 24百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 13.95円 | 7.42円 | +88.0% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 13.88円 | 7.07円 | +96.3% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 245.05億円 | - | - |
| 現金預金 | 155.57億円 | - | - |
| 売掛金 | 61.51億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 5.21億円 | - | - |
| 固定資産 | 197.94億円 | - | - |
| 有形固定資産 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 259.88円 |
| 純利益率 | 4.7% |
| 粗利益率 | 29.4% |
| 流動比率 | 152.2% |
| 当座比率 | 149.0% |
| 負債資本倍率 | 1.72倍 |
| インタレストカバレッジ | 46.92倍 |
| 実効税率 | 50.4% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +17.2% |
| 営業利益前年同期比 | +15.8% |
| 経常利益前年同期比 | +21.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +87.1% |
| 包括利益前年同期比 | +70.2% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 59.32百万株 |
| 自己株式数 | 1.39百万株 |
| 期中平均株式数 | 57.94百万株 |
| 1株当たり純資産 | 284.40円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 3.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
XBRLデータ(GPT-5)とPDF決算説明資料(Claude)を統合した分析
ラクスル株式会社の2026年度Q1は、売上高172.35億円(前年比+17.2%)、営業利益11.26億円(+15.8%)と、トップライン・利益ともに二桁成長を確保しました。粗利益率は29.4%(50.62億円/172.35億円)と安定し、販管費率は23.7%(40.89億円/172.35億円)で、営業利益率は6.5%に着地しています。経常利益は10.57億円(+21.6%)で、営業外収益0.22億円(うち受取利息0.04億円)に対し、営業外費用1.26億円(支払利息0.24億円等)と非営業損益はややマイナスながら、営業増益で吸収しました。当期純利益は8.08億円(+87.1%)と大幅増益で、EPS(基本)13.95円、希薄化後EPS13.88円と一株当たり利益も改善しています。実効税率は50.4%(法人税等4.39億円/税引前利益8.71億円)と高水準で、税効果や一時要因の可能性に留意が必要です。デュポン分析では、純利益率4.7%、総資産回転率0.382、財務レバレッジ2.74倍の積でROEは4.9%(報告値と一致)と、レバレッジの寄与が相対的に大きい構造です。貸借対照表は総資産451.50億円、純資産164.78億円で、自己資本比率は概算36.5%(=164.78/451.50)。現金預金155.57億円、短期借入金39.00億円、長期借入金89.51億円から、ネットキャッシュは約27.06億円と良好な流動性を維持しています。流動比率152.2%、当座比率149.0%と短期支払能力は堅調で、インタレストカバレッジは46.92倍(=営業利益11.26億円/支払利息0.24億円)と極めて健全です。運転資本は84.07億円で、受取債権61.51億円・棚卸資産5.21億円・買掛金40.32億円の構成から推計するCCCは概ね0日前後(DSO約32日、DIO約5日、DPO約38日)で、キャッシュ創出に中立~ややプラスです。一方、のれん66.80億円と無形固定資産76.08億円の合計142.88億円は純資産の約86.7%に相当し、M&A・事業投資の回収・減損リスク監視が不可欠です。投資有価証券77.82億円とあわせ、有形資産依存度は低く、資産ライトなモデルを反映します。配当情報は未開示ながら、計算上の配当性向22.0%が示されており、利益成長とネットキャッシュの組み合わせから、配当余力は一定程度あるとみられます(ただしCF未開示のため確度は限定的)。売上成長に対し営業増益率がやや劣後している点から、成長投資・販促費の先行や税率上昇が当期純利益を変動させる可能性に留意が必要です。総じて、トップラインの伸長と健全な財務・流動性が強みで、のれん・無形資産比率の高さと高税率が主な懸念材料です。CF計数・減価償却・セグメント情報が未開示のため、利益の質と成長の持続性評価には追加開示が有用です。
決算説明資料より:
ラクスル株式会社の2026年7月期Q1(2025年8-10月)は、連結売上高172.35億円(前年比+17.2%)、売上総利益60.85億円(+20.2%)、EBITDA(non-GAAP)17.11億円(+11.8%)と、オーガニック成長とM&A双方により利益を伴う拡大を継続しました。PDF資料は、①MBO公開買付けの賛同表明、②調達プラットフォーム事業のオーガニック成長率15.1%と高水準維持、③Canva社との戦略的パートナーシップ、④ラクスルバンクの開設、⑤2件のM&A(ダンデライオン事業譲受・チームライク子会社化)といった成長投資の具体策を明示しています。通期業績予想(売上総利益260-270億円、EBITDA 72-77億円)に対し1Qの進捗率は23%台と順調で、経営陣は成長投資を優先しつつも、期中に四半期EBITDAが20億円超を見込むとし、利益水準の底上げを示唆しました。GPT分析が指摘した高税率・のれん比率・営業レバレッジの弱さは、資料でも株式報酬費用・のれん償却費計3.73億円の調整や、広告宣伝費11.36億円(対売上高6.6%)・テクノロジー投資7.21億円(4.2%)といった先行投資の継続として裏付けられました。M&Aのトラックレコード14件、平均EV/EBITDA倍率4倍台と規律ある投資姿勢は財務健全性と整合し、成長加速とマージン改善の両立が2027年7月期中期目標(売上総利益300億円、EBITDA 100億円)に向けた焦点です。
ROE分解(デュポン):ROE=純利益率4.7%×総資産回転率0.382×財務レバレッジ2.74倍=約4.9%(報告値一致)。純利益率は4.7%(8.08/172.35)で、営業利益率6.5%(11.26/172.35)から非営業費用1.26億円と高い実効税率50.4%により圧縮されています。総資産回転率0.382は四半期売上÷期末総資産ベースで、年率換算を考慮すると平時は高めに出る可能性があり、季節性に注意が必要です。財務レバレッジ2.74倍は、純資産に対し総資産が厚く、ROEの押上げ要因となっています。利益率の質:粗利益率29.4%はプラットフォームのテイクレート・ミックスを反映し安定的。販管費率23.7%と高めの成長投資を示唆し、短期的な営業レバレッジは限定的。営業外は受取利息0.04億円に対し支払利息0.24億円等で純マイナス。営業レバレッジ:売上+17.2%に対し営業利益+15.8%と、わずかに負のレバレッジ。先行投資(広告宣伝費、人員強化等)または単価・ミックス影響の可能性。インタレストカバレッジ46.9倍と金利負担感は低く、EBITの質は概ね良好。純利益段階では税率の高さがボラティリティ要因。
売上の持続可能性:Q1売上+17.2%は堅調。受取債権DSO約32日・在庫DIO約5日から、実需に支えられた取引回転が確認でき、過度な在庫積み増しは見られません。利益の質:営業利益率6.5%で黒字維持、非営業費用と高税率が純利益を圧縮。のれん・無形資産の厚み(142.88億円)は、買収・新規事業の成長仮説実現が前提であり、売上成長の持続に直結する一方、未達時の減損リスクが利益トレンドの下振れ要因。見通し:販管費の伸長が続くと営業レバレッジは限定的だが、テイクレート改善や規模拡大に伴う固定費吸収が進めば、営業利益率の改善余地はある。税率が平常水準へ低下すれば純利益成長は実力値以上に見え得る。投資有価証券77.82億円の評価損益や持分法適用先のモメンタム(未開示)は、成長の補完/変動要因となり得る。
流動性:流動資産245.05億円、流動負債160.98億円で流動比率152.2%、当座比率149.0%。現金預金155.57億円と売掛金61.51億円が厚く、短期支払い能力は十分。支払能力・資本構成:総負債283.23億円、純資産164.78億円で負債資本倍率1.72倍。短期借入金39.00億円、長期借入金89.51億円で有利子負債計128.51億円、ネットキャッシュ約27.06億円(=現金155.57−有利子負債128.51)と保守的。概算自己資本比率36.5%とバランス適正。インタレストカバレッジ46.92倍で金利耐性は極めて高い。留意点:のれん66.80億円、無形76.08億円と無形資産依存が高く、減損発生時は自己資本比率が低下し得る。
利益の質:営業CF未開示のためCF対利益の裏付けは不十分。ただしCCCが約−0.7日(DSO32.1日、DIO4.9日、DPO37.7日)で、運転資本は成長に対し資金吸収が限定的と推定。フリーキャッシュフロー:未開示につき定量評価不可。ネットキャッシュ27.06億円の保有は短期的なCF変動をバッファ。運転資本の動向:売掛金61.51億円(売上比35.7%/四半期ベース、DSO約32日)は適正レンジ。棚卸5.21億円(DIO約5日)は資産ライトで、過剰在庫リスクは低い。一方、買掛40.32億円(DPO約38日)は取引慣行に沿う。CF信頼性の向上には、営業CF/純利益、FCF、減価償却・償却費の開示が重要。
配当情報は未開示だが、計算上の配当性向22.0%が示され、利益水準(純利益8.08億円)とネットキャッシュの保有から、過度な株主還元負担は見込みにくい。FCFカバレッジは未算出のため、持続可能性評価は限定的。利益の平準化(高税率の正常化、非営業費用の抑制)と投資キャッシュアウト(成長投資・M&A)の規模感が実質的な余力を左右。基本方針は成長投資優先の中での安定配当が適合的とみられるが、CF開示待ち。
2026年7月期通期の業績予想は、売上高750-770億円、売上総利益260-270億円、EBITDA 72-77億円、営業利益(non-GAAP)62-67億円。上限のオーガニック成長率は売上高19.8%、売上総利益19.9%で、前期の14.1%/16.9%から加速を目指す。業績予想に織り込まれたM&A影響は期初完了案件のみ(売上高28億円、売上総利益9億円、EBITDA 1.5億円)で、期初以降公表の2件(ダンデライオン、チームライク)は含まず、保守的な前提。経営陣は2Qに連結売上総利益前年比20%以上の成長、EBITDAは引き続き投資期で10%以上の成長を見込み、26/7期は一年を通して売上総利益・EBITDA共に下期に成長が偏る想定と明示。Q1の通期予想に対する進捗率は、売上高23.0%、売上総利益23.4%、EBITDA 23.8%と過去3年平均22-23%に対しやや上振れ、順調な滑り出しを示す。成長加速に向けた投資(広告宣伝、営業人員、テクノロジー)は期初計画通り進行中で、期中には四半期EBITDAが20億円を超える見込みを示唆。2027年7月期中期目標(売上総利益300億円、EBITDA 100億円)へのロードマップは着実に進捗中で、今期は成長加速を優先し、マージン拡大より売上総利益の絶対額拡大にフォーカスする方針。
経営陣(永見CEO、杉山CFO等)は、①オーガニック成長の加速、②M&Aによる連続的な規模拡大、③クロスセルとID基盤強化、④利益水準の段階的引き上げ、の4点を強調しました。ラクスルエンタープライズの営業人員を前年同期比3倍、期末には前期末比2倍へ増強し、大企業向け売上高はQ1で14.1億円(前年比92%増)と高成長を継続。7-9月は季節性で弱い傾向が見られ、QoQの成長額は限定的だが、年次ペースでは順調。Canva連携、ラクスルバンク開設といった新サービスを通じ、デザイン~印刷~決済・金融まで一気通貫のエコシステムを構築し、顧客LTVの最大化を図る意向。M&Aは、商材領域拡張(ビニールカーテン、スタンプ等ニッチトップ)と生産能力強化(シヤチハタ商品等)を目的とし、平均EV/EBITDA倍率4倍台と規律を維持。経営陣は、広告宣伝費の対売上高比率は6.6%(Q1:11.36億円)、テクノロジー投資は4.2%(7.21億円)と継続投資を行いつつ、対売上総利益EBITDA率28.1%(Q1)を維持しており、Quality Growth(利益を伴う成長)の方針は不変。ただし今期は成長投資を優先し、マージン拡大幅は過去より小さくなる見込み。中期的には、規模拡大と製造内製化の進展により売上総利益率の改善(Q1:33.1%、前年同期32.3%)が期待され、固定費吸収が進めば営業レバレッジは高まるとの見通し。税率については、高い実効税率(PDF未記載だがXBRLで50.4%)の要因・正常化時期は言及なく、今後の注視事項。
- オーガニック成長の加速:広告宣伝費増額(クロスセルが進むカテゴリへの投資)、ラクスルエンタープライズ営業人員3倍増、ID基盤拡充によるクロスセル促進(購入回数+4.7%、購入単価+0.7%)
- Canva戦略的パートナーシップ:ラクスル上からCanvaへの接続とCanva上からラクスル印刷発注の双方向連携。名刺・チラシから開始し、ポスター、パンフレット、ノベルティ、アパレル等へ順次拡大予定。デザイン~印刷のシームレス体験で顧客獲得・LTV向上を狙う
- ラクスルバンクのローンチ:GMOあおぞらネット銀行のBaaS活用で、業界最安級の振込手数料、2.0%ポイント還元、最短当日口座開設を実現。中小企業向けに利便性と経済性の高い金融体験を提供し、将来的な融資・クレジットカードも視野
- M&A戦略:商材領域拡張(ビニールカーテン、スタンプ、名入れ文具等ニッチトップ商材)と生産能力強化(ハンコ領域シェア拡大、シヤチハタ商品生産能力)を目的に連続的に実施。2024年7月期以降14件、累計投資約70億円、平均EV/EBITDA倍率4倍台と規律維持
- テクノロジー投資:ID基盤拡充、ラクスルバンク開発、Canva連携機能開発、グループシナジー最大化に向けたプラットフォーム強化。Q1テクノロジー投資7.21億円(対売上高4.2%)で前年同期比11%増
- 中堅・中小企業向けエコシステム構築:調達プラットフォーム(印刷、梱包材、ビジネスサプライ、ハンコ等)とマーケティングプラットフォーム(SaaS、広告代理店、ペライチ等)に金融(銀行、決済)を加え、End-to-Endで経営課題を解決するテクノロジープラットフォームを目指す
- Quality Growthの継続:売上総利益成長率+20.2%、EBITDA成長率+11.8%と利益を伴う成長。対売上総利益EBITDAマージン28.1%(Q1、前年同期25.6%)を維持し、中期的にはマージン改善と成長加速の両立を目指す
ビジネスリスク:
- のれん・無形資産合計142.88億円の高水準による減損リスク(純資産の約86.7%相当)
- 広告・販促費など成長投資の先行による営業レバレッジ低下
- テイクレートや顧客ミックス悪化による粗利率低下リスク
- 主要プラットフォームのトラフィック/顧客獲得コスト(CAC)上昇
- 競争激化(印刷・広告・物流領域)による価格圧力
財務リスク:
- 実効税率50.4%の高止まりによる純利益ボラティリティ
- 投資有価証券77.82億円の評価変動・流動性リスク
- 金利上昇局面での資金調達コスト増(現状はカバレッジ高で耐性あり)
- 無形資産の減損発生時の自己資本比率低下
主な懸念事項:
- 営業増益率が売上成長率を下回る軽度の負の営業レバレッジ
- 高税率の継続性と要因の不透明性
- CF(営業・フリー)未開示による利益の質の検証限界
決算説明資料のリスク要因:
- MBO成立を条件とした期末配当予想の変更(無配)。公開買付け不成立時は配当方針が再検討される可能性
- 広告代理店事業のボラティリティ:1Qは広告案件の一部が2Qに期ずれし期初想定を下回るも、通期業績への大きな影響はなしと説明。案件ベースの変動リスクは継続
- のれん・無形資産比率の高さ(のれん66.80億円、無形資産76.08億円、合計142.88億円が純資産164.78億円の約86.7%)。M&A先の成長仮説未達時の減損リスク
- 高い実効税率(XBRL:50.4%)の継続性。一時要因か恒常的かは資料で言及なく、純利益ボラティリティ要因
- 営業レバレッジの弱さ:売上成長+17.2%に対し営業利益成長+15.8%(non-GAAP換算)と軽度の負の営業レバレッジ。先行投資継続により短期的なマージン拡大は限定的
- 競争環境:印刷・広告・物流・決済各領域での競合激化リスク。テイクレートや顧客獲得コスト(CAC)上昇の可能性
- 季節性:ラクスルエンタープライズ(大企業向け)でQ1(7-9月)が他四半期比弱い傾向が顕在化。売上・利益の四半期ボラティリティに留意が必要
- 金利・金融市場リスク:現状のインタレストカバレッジ46.92倍と健全だが、金利上昇局面での資金調達コスト増
- 投資有価証券(77.82億円)の評価変動・流動性リスク。持分法適用会社(ハコベル等)の業績が連結利益に影響
- CF(営業・フリー)未開示による利益の質の検証限界。運転資本は良好だが、実際のキャッシュ創出状況の透明性に課題
重要ポイント:
- 二桁増収増益、営業利益率6.5%と安定した収益性
- ネットキャッシュ約27.06億円、流動比率152%と強固な流動性
- ROE4.9%はレバレッジ寄与が大きく、利益率・回転率改善が課題
- のれん・無形資産比率が高く、成長仮説の実現が価値維持の前提
- 高い実効税率が純利益の上振れ余地を抑制
注視すべき指標:
- 営業利益率と販管費率(成長投資の効率性)
- DSO/DPO/CCCなど運転資本回転
- 実効税率の推移と一時要因の有無
- のれん・無形資産の減損兆候(収益性とWACCの関係)
- 有利子負債コストとインタレストカバレッジの推移
- 投資有価証券の評価損益と換金性
セクター内ポジション:
国内のプラットフォーム型/インターネットサービス同業と比べ、資産ライトでCCCが中立~若干マイナスとキャッシュ創出に優れる一方、営業利益率は中位、ROEはレバレッジ依存度が高い。流動性と金利耐性は良好だが、無形資産比率の高さと税率の高さが相対的な弱点。
- 経営陣はゴールドマン・サックス関連会社によるMBOに賛同を表明(買付価格1,710円/株、プレミアム36.8-48.6%)。期末配当予想を無配に変更。今回の決算説明会では本件質問は受け付けず。
- 調達プラットフォーム事業:売上高159.94億円(+17.9%)、売上総利益52.99億円(+20.8%)、セグメント利益25.79億円(+23.0%)と全指標で二桁成長。オーガニック成長率15.1%(M&A影響除く)で、期末に向けさらに加速を目指す。
- Canva社との戦略的パートナーシップを締結。ラクスルからCanvaへの接続と、Canva上からラクスルを通じた印刷発注を可能とし、デザイン~印刷の一気通貫体験を提供(名刺・チラシから順次拡大)。
- ラクスルバンクを2025年11月27日にサービス開始(GMOあおぞらネット銀行のBaaS活用)。業界最安級の振込手数料119円、デビットカード2.0%ポイント還元、最短当日口座開設を実現。将来の融資・クレジットカードでパートナーシップ戦略を継続予定。
- 2件のM&A(1.ダンデライオン「はんこ奉行」の事業譲受でハンコ領域シェア拡大、2.チームライク子会社化でビニールカーテン等ニッチトップ商材追加)。いずれも連結初年度EV/EBITDA倍率は一桁中盤と規律を維持。
- マーケティングプラットフォーム事業:売上高11.61億円(+11.7%)、売上総利益7.65億円(+18.8%)、セグメント利益0億円(±0)。広告代理店事業は案件の一部が2Qに期ずれしQ1は想定を下回るも、通期業績への大きな影響なし。SaaS/Professional Serviceは利用者数ほぼ横ばいで中堅企業フォーカスを強化中。
- 経営陣は、ラクスルエンタープライズ(大企業向け)の営業人員を前年同期比3倍に増強、期末には前期末比2倍増を計画。クロスセルによる購入回数増加(2.2回、+4.7%)が徐々に顕在化しており、期末に向けさらに積み上げる意向。
- ネットデット約25億円、ネットデットtoEBITDA(FY25実績)0.26倍と極めて低く、レバレッジ余地が大きい。のれん対純資産比率41.9%、M&A累計投資約70億円(平均EV/EBITDA 4倍台)はバランスシート健全性と両立。
PDF資料のQ&Aセクション(p.27)から、以下の経営陣コメントが追加洞察として得られました。①オーガニック成長加速の投資進捗:「期初計画発表時に画策していた各投資項目は順調に投資が進んでいる。ラクスルエンタープライズの営業人員は前年同期比3倍に増加、期末には前期末比2倍で倍増する見込み。広告宣伝費はクロスセルが進むカテゴリでの投資が進み10%増加。テクノロジー投資に関しても、ID基盤の拡充、ラクスルバンクの開発やCanvaとの連携の機能開発など11%増加。」②2027年7月期中期目標への進捗:「2024年に発表した中期財務ポリシーの通り、2027年7月期に売上総利益300億円、EBITDA100億円を目標としており、この目標に向けて順調に進捗している。Quality Growthの方針に変化はないが、今期(2026年7月期)は成長加速に向けてクロスセル加速、営業による顧客獲得、プラットフォームへのテクノロジー投資を含む成長投資を行う環境が整ったため、マージン拡大よりも成長加速に優先順位を置く。一方でFY26期中には四半期でEBITDAが20億円を超える見込みであり、利益水準は徐々に引きあがる見込み。」③ラクスルエンタープライズの進捗:「大企業向けサービスのラクスルエンタープライズは順調に成長しており、四半期売上高は14.1億円、前年比92%成長。徐々に事業規模が拡大する中で季節性が出てきており、7-9月の需要は他の月と比べ弱い傾向が見えてきた。そのためQoQの成長額は大きくないが、順調に年次ペースで拡大を継続している。2026年7月期1Q時点で導入企業数6,353社、38,305ユーザーまで拡大。」④ラクスルバンクの事業開始に伴うバランスシートへの影響:「ラクスルバンクは銀行代理業として、GMOあおぞらネット銀行のBaaS(Banking as a Service)プラットフォームを活用した事業(同行を所属銀行とした銀行代理業)であり、ラクスルバンク社が媒介する預金等は同社のバランスシートを経由しない。今後融資やクレジットカードのサービスを検討していく際も同様にパートナーシップ戦略を志向していく。」これらのコメントは、成長投資の規律、中期目標へのコミットメント、セグメント別の季節性把握、金融事業のリスク限定といった経営陣の姿勢を明確にし、GPT分析が定量的に捉えた財務状況に、質的・戦略的文脈を付与しています。
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