- 売上高: 199.25億円
- 営業利益: 36.06億円
- 当期純利益: 35.57億円
- 1株当たり当期純利益: 1,217.85円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 199.25億円 | 222.88億円 | -10.6% |
| 売上原価 | 142.16億円 | 149.34億円 | -4.8% |
| 売上総利益 | 57.09億円 | 73.53億円 | -22.4% |
| 販管費 | 21.02億円 | 22.62億円 | -7.1% |
| 営業利益 | 36.06億円 | 50.90億円 | -29.2% |
| 営業外収益 | 8.22億円 | 3.55億円 | +131.5% |
| 営業外費用 | 20百万円 | 9.61億円 | -97.9% |
| 経常利益 | 44.09億円 | 44.84億円 | -1.7% |
| 税引前利益 | 49.85億円 | 45.31億円 | +10.0% |
| 法人税等 | 14.27億円 | 12.74億円 | +12.0% |
| 当期純利益 | 35.57億円 | 32.56億円 | +9.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 35.33億円 | 31.95億円 | +10.6% |
| 包括利益 | 45.10億円 | 32.80億円 | +37.5% |
| 減価償却費 | 5.15億円 | 5.22億円 | -1.3% |
| 支払利息 | 0円 | 0円 | - |
| 1株当たり当期純利益 | 1,217.85円 | 1,101.33円 | +10.6% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 678.92億円 | 661.21億円 | +17.71億円 |
| 現金預金 | 337.29億円 | 320.37億円 | +16.92億円 |
| 売掛金 | 93.50億円 | 91.87億円 | +1.63億円 |
| 棚卸資産 | 32.03億円 | 32.93億円 | -90百万円 |
| 固定資産 | 301.75億円 | 290.68億円 | +11.07億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 24.22億円 | 33.30億円 | -9.08億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -11.55億円 | -11.41億円 | -14百万円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 17.7% |
| 粗利益率 | 28.7% |
| 流動比率 | 674.1% |
| 当座比率 | 642.3% |
| 負債資本倍率 | 0.16倍 |
| EBITDAマージン | 20.7% |
| 実効税率 | 28.6% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -10.6% |
| 営業利益前年同期比 | -29.2% |
| 経常利益前年同期比 | -1.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +10.6% |
| 包括利益前年同期比 | +37.5% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 4.51百万株 |
| 自己株式数 | 1.61百万株 |
| 期中平均株式数 | 2.90百万株 |
| 1株当たり純資産 | 29,192.49円 |
| EBITDA | 41.21億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 400.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Japan | 1.30億円 | 35.21億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 412.42億円 |
| 営業利益予想 | 78.92億円 |
| 経常利益予想 | 78.08億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 53.88億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 1,857.12円 |
| 1株当たり配当金予想 | 400.00円 |
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2026年度Q2の松本油脂製薬は、売上減少のなかで営業利益が大幅減益となった一方、営業外収益の寄与で経常段階は小幅減益、純利益は増益を確保した決算。売上高は199.25億円で前年同期比-10.6%、営業利益は36.06億円で-29.2%、経常利益は44.09億円で-1.7%、当期純利益は35.33億円で+10.6%。粗利率は28.7%(57.09/199.25)、販管費は21.02億円で売上対比10.6%、営業利益率は18.1%。営業外収益は8.22億円(受取配当2.69億円、受取利息1.64億円を含む)、営業外費用は0.20億円と軽微で、金融収益の増加が利益を下支え。営業利益率は18.1%と前年推定22.8%から474bp低下した一方、経常利益率は22.1%へと前年推定20.1%から約+202bp改善、純利益率も17.7%と前年推定14.3%から+341bp拡大。EPSは1,217.85円、平均株式数は290.1万株で、純利益35.33億円と整合。ROEは4.2%(純利益率17.7%×総資産回転率0.203×レバレッジ1.16)、高い純利益率にもかかわらず、低い総資産回転率と保守的資本構成がROEを抑制。営業外収入比率は23.3%と高めで、金融収益・配当の寄与に依存度がみられる。貸借対照表は現金預金337.29億円、投資有価証券221.07億円と潤沢な金融資産を保有、負債合計133.73億円、純資産846.95億円で自己資本比率は約86%と極めて強固。流動比率674%、当座比率642%と流動性は非常に高く、満期ミスマッチの懸念は限定的。一方で営業CFは24.22億円にとどまり、純利益35.33億円に対する営業CF/純利益は0.69倍と品質面で警戒シグナル(運転資本増加や非現金項目の影響が示唆)。投資CFは未記載だが、設備投資は2.09億円と小さく、短期的な資金需要は軽微。配当性向は計算値で51.1%と許容範囲だが、FCFカバレッジ未記載のため持続可能性は営業CFの改善度合いに依存。ROICは5.0%と目標域(7–8%)に届かず、資産効率の改善が中期課題。総じて、営業面では売上減と固定費負担の顕在化でマージンが悪化したが、金融収益の押し上げで最終利益を確保した決算であり、今後は売上回復と運転資本の正常化による営業CFの質改善、資産回転率向上が焦点となる。
ROE分解(デュポン): ①純利益率17.7% × ②総資産回転率0.203 × ③財務レバレッジ1.16倍 = ROE 4.2%。ドライバー比較では、①は高水準だが、②の低さがROEの主要な抑制要因で、③も極めて保守的なためテコが効いていない。営業利益率は18.1%と前年から約-474bp低下し、売上減少による固定費負担の顕在化と製品ミックスの変化が主因と推定。一方、経常段階では金融収益(受取配当・利息)の増加で利益率が約+202bp改善し、最終利益率も+341bp拡大。営業外収入比率が23.3%と高く、営業力の鈍化を金融収益で補っている構図は持続性に課題が残る。販管費率は10.6%でコントロールされているが、売上のマイナス幅(-10.6%)に比し固定費の吸収が進まず、営業レバレッジが逆回転。資産効率(総資産回転率0.203)は多額の現金・投資有価証券保有が主因で低位にとどまり、ROICは5.0%と目標を下回る。短期的に金融収益の追い風は続き得るが、長期的な収益性改善には売上成長と稼働率・ミックス改善、遊休資産の圧縮が必要。懸念点として、売上成長率(-10.6%)に対し販管費の絶対額が下がりにくく、営業利益率がボラタイルになりやすい点を挙げる。
売上は-10.6%と縮小し、需要軟化や価格改定の一巡、顧客在庫調整の影響が示唆される。営業利益は-29.2%と減益幅が大きく、固定費レバレッジが逆作用。経常以下は金融収益の増勢で耐えたが、これは市場金利や保有証券の配当に依存するため景気・市場環境次第。純利益は+10.6%と増益だが、持続可能な成長の観点では営業面の回復が不可欠。今後の成長ドライバーは、①販売数量の回復、②高付加価値品比率の引き上げによるグロスマージン改善、③為替の追い風(輸出比率次第)と想定。短期見通しは、在庫調整の一巡と価格政策の浸透で下期にかけて売上・粗利の改善がカタリスト。中期では、ROIC>7%回復に向け、資産圧縮(余剰現金・低収益投資の見直し)や選択的投資が鍵。
流動比率674%、当座比率642%と非常に強固で、短期支払能力に懸念はない。負債資本倍率0.16倍、自己資本比率は約86%(846.95/980.68)と保守的で、D/E>2.0の警告水準から大きく乖離。短期負債100.71億円に対し、現金預金337.29億円と流動資産678.92億円で十分にカバーしており、満期ミスマッチリスクは極小。オフバランスの保証・コミットメントは開示情報からは不明だが、投資有価証券221.07億円の市場価格変動が評価差額を通じて純資産(包括利益)に影響しうる点は留意。金利上昇局面では受取利息は追い風だが、保有債券の時価評価や再投資利回りのブレに注意。
営業CFは24.22億円で純利益35.33億円に対し0.69倍と基準値1.0倍を下回り、利益の現金化の遅れ(運転資本増、非現金利益の寄与)を示唆。減価償却5.15億円・EBITDA41.21億円からみて、営業CFが弱めである理由は売上減少局面での売上債権の滞留や棚卸資産の積み増し、買掛金の減少などの運転資本要因が想定される。投資CFは未記載だが、設備投資は2.09億円と軽微で、営業CFで十分カバー可能(OCF/Capex約11.6倍)。財務CFは-11.55億円で、自社株買いは-0.01億円と限定的、配当支払は未記載。短期的なFCF(営業CF-設備投資)は概算で約22億円とプラスだが、投資CFのその他明細が不明なため全体FCFの確度は中程度。運転資本の期ズレや操作の兆候の有無は前期比較データが不足しており断定不可だが、営業CF/純利益<0.8の状態が継続するなら品質面の懸念が強まる。
配当性向は計算値で51.1%と許容範囲(<60%)に収まり、利益水準から見た持続性は良好。営業CFは純利益を下回るが、設備投資負担が軽く、概算FCF(OCF-設備投資)は十分にプラスで、短期的な配当原資は確保されていると評価。現金預金337億円の厚い手元資金は配当安定化のバッファ。ただし、投資CFの全体像と配当金総額が未記載であり、正味FCFの対配当カバレッジは算出不能。今後の持続性は、①営業CF/純利益の改善、②ROIC向上(資産効率改善)、③金融収益への依存低下が進むかに依存。資本政策としては、高水準の自己資本・現金保有を勘案すると、安定配当に加え、機動的な自己株取得余地もあるが、成長投資の優先順位とのバランスが重要。
ビジネスリスク:
- 需要サイクルと顧客在庫調整による売上ボラティリティ(売上-10.6%)
- 原材料価格(油脂・界面活性剤原料)の変動によるマージン圧迫リスク
- 製品ミックス悪化・固定費吸収不全による営業利益率低下(-474bp)
- 為替変動(輸出入比率次第)による価格競争力・調達コストへの影響
- 規制・品質要求の高度化に伴う開発・品質保証コスト増
- 競合環境の激化による価格下落圧力
財務リスク:
- 営業外収益依存(営業外収入比率23.3%)に伴う最終利益の市場環境感応度上昇
- 投資有価証券221.07億円の時価変動・減損リスク(包括利益の変動)
- 営業CF/純利益0.69倍と利益の現金化遅延リスク(運転資本の振れ)
- 低資産回転率(0.203)によるROE・ROICの低迷(ROIC 5.0%)
- 金利変動による受取利息の変動と保有債券評価への影響
主な懸念事項:
- 営業面の減益を金融収益で補填している構図の持続性
- 売上回復が遅れる場合の固定費レバレッジ悪化リスク
- 運転資本の増加継続によるキャッシュフロー品質の低下
重要ポイント:
- 売上減少と固定費吸収の悪化で営業利益率は約-474bp低下、営業力の立て直しが最優先課題
- 金融収益の寄与で経常・純利益率は改善、ただし持続性は外部環境次第
- ROE 4.2%、ROIC 5.0%と資産効率がボトルネック、遊休資産の圧縮と事業回転の向上が鍵
- 営業CF/純利益0.69倍は品質面の警戒シグナル、運転資本の正常化が必要
- 極めて強固なバランスシート(自己資本比率約86%、潤沢な現金)で下方耐性は高い
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益の回復(≥1.0倍)
- 売上総利益率と製品ミックス(粗利率の改善継続)
- 総資産回転率(≥0.25への引き上げ)
- 営業外収益の比率と構成(配当・利息の持続性)
- ROICの改善(目標7–8%)
- 運転資本回転(売上債権・棚卸資産の回転日数)
セクター内ポジション:
財務基盤と流動性は同業内でも最上位クラスだが、営業成長の鈍化と資産効率の低さが収益性を抑制。景気・金利環境のサポートが剥落すると利益のボラティリティが相対的に高まる一方、下方耐性は高いというディフェンシブな位置づけ。
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