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43232026 第3四半期プライムJGAAP

日本システム技術(4323) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は228億円(前年同期比+11.0%)、営業利益は26.2億円(同+28.5%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥228.0億¥205.5億+11.0%
営業利益¥26.2億¥20.4億+28.5%
経常利益¥27.1億¥21.2億+28.0%
純利益¥17.7億¥14.3億+24.1%
ROE11.4%9.6%-

Executive Summary

2026年度第3四半期累計(2025年4月-12月)は、売上高228.0億円(前年同期比+22.5億円 +11.0%)、営業利益26.2億円(同+5.8億円 +28.5%)、経常利益27.1億円(同+5.9億円 +28.0%)、親会社株主に帰属する四半期純利益17.7億円(同+3.4億円 +24.1%)と増収増益基調が続く。営業CFは30.2億円で純利益の1.7倍と高い現金化率を示し、フリーCFは29.1億円と潤沢な資金創出力を確認できる。通期業績予想は売上高320.0億円、営業利益35.9億円、経常利益36.6億円で、Q3進捗率は売上71.3%、営業利益73.0%と順調に推移している。

業績変動要因

【売上高】トップラインは前年比+11.0%の伸長を実現し、全セグメントで増収となった。DX&SI事業が145.3億円(前年127.6億円、+13.9%)と最大の増収額+17.9億円を牽引、パッケージ事業も47.3億円(前年39.4億円、+20.1%)と+7.9億円の大幅増となった。医療ビッグデータ事業は20.3億円(前年18.7億円、+8.9%)、グローバル事業は15.2億円(前年20.7億円、-26.5%)で唯一減収だが、全社売上への影響は限定的である。セグメント別の売上構成比はDX&SI 63.7%、パッケージ 20.7%、医療ビッグデータ 8.9%、グローバル 6.7%となり、DX&SI事業が主力事業の位置づけを堅持している。

【損益】売上総利益は63.8億円(粗利率28.0%)で前年比+9.0億円増加、販管費は37.5億円(販管費率16.5%)で同+4.2億円増と相対的に増加抑制された結果、営業利益は26.2億円(営業利益率11.5%)と前年20.4億円から+28.5%の高い伸びを実現した。営業外損益は純額+0.9億円のプラス寄与で、金融収益などが貢献し経常利益27.1億円となった。税引前利益は26.9億円で、税負担率は34.5%、最終的に親会社株主に帰属する四半期純利益は17.7億円と着地した。営業利益の伸び率+28.5%が売上の伸び+11.0%を大きく上回る点は、営業レバレッジが効いている証左であり、固定費の増加を抑制しつつ増収を実現した効果が顕著である。経常利益27.1億円と純利益17.7億円の乖離は主に税負担によるもので、特別損益の記載はなく一時的要因の影響は見られない。総じて増収増益の好業績となった。

セグメント別分析

DX&SI事業は売上高145.3億円(外部顧客向け、全社比63.7%)、セグメント利益25.0億円(セグメント利益率17.2%)で、構成比・利益額ともに最大の主力事業である。前年同期比で売上+13.9%、利益+10.4%と増収増益を維持している。パッケージ事業は売上高47.3億円(同20.7%)、セグメント利益14.8億円(利益率31.3%)で、前年比売上+20.1%、利益+56.0%と極めて高い伸びを示し、利益率も全セグメント中最高水準である。医療ビッグデータ事業は売上高20.3億円(同8.9%)、セグメント利益3.9億円(利益率19.4%)で、前年比売上+8.9%、利益+66.5%と利益成長が顕著である。グローバル事業は売上高15.2億円(同6.7%)、セグメント損失-3.0億円で前年同期の-0.5億円損失から赤字幅が拡大した。全社費用控除前の合計セグメント利益は40.8億円で、全社費用14.6億円を控除後の営業利益が26.2億円となる。セグメント間の利益率差異は大きく、パッケージと医療ビッグデータが高収益体質である一方、グローバル事業は採算面で課題を抱えている。

主要財務指標

【収益性】ROE 11.4%(前年データなし、自社過去推移では順調な水準)、営業利益率 11.5%(前年9.9%から+1.6pt改善)、純利益率 7.8%(前年7.0%から+0.8pt改善)。【キャッシュ品質】現金及び預金90.7億円、短期負債カバレッジ1.9倍(現金90.7億円÷流動負債48.7億円)で十分な短期支払能力を保持。営業CF/純利益比率1.7倍で利益の現金化は良好。【投資効率】総資産回転率1.01回転(前年0.90回転から改善)、売掛金回転日数103日と長期化傾向、棚卸資産回転日数4.5日で効率的だが仕掛品比率60.5%の警告あり。【財務健全性】自己資本比率69.3%(前年64.7%から+4.6pt改善)、流動比率342.3%、当座比率336.6%と極めて高水準、負債資本倍率0.44倍で健全。有利子負債0.5億円と実質無借金状態、ネットデット/EBITDA 0.02倍、インタレストカバレッジ478倍で財務安全性は盤石である。

キャッシュフロー分析

営業CFは30.2億円で前年13.3億円から+127.5%と大幅増加し、純利益17.7億円の1.7倍となり利益の現金裏付けは高い。営業CFの改善要因は売掛金の大幅減少(前年比-23.4億円)による回収改善が最大の寄与要因で、運転資本効率の向上が顕著である。投資CFは-1.1億円で設備投資0.4億円が主因、減価償却費1.5億円に対し投資額は抑制されており設備投資/減価償却比率0.26倍と低水準である。財務CFは-10.4億円で配当9.4億円と自社株買い0.6億円を実施し、株主還元を継続している。フリーCFは29.1億円と潤沢で、配当・自社株買いを差し引いても現金積み上げが可能な状況である。現金預金は前年比+19.6億円増の90.7億円へ積み上がり、流動性は十分である。短期負債48.7億円に対する現金カバレッジは1.9倍で支払能力は盤石、運転資本効率では売掛金の大幅減が最大の改善要因である一方、仕掛品が+1.8億円増加しており在庫管理の注視が必要である。

収益の質

経常利益27.1億円に対し営業利益26.2億円で、営業外収益の純増は約0.9億円。営業外収益の内訳詳細は開示されていないが、金融収益が主と推定される。営業外収益は売上高の約0.4%と小規模で本業中心の収益構造である。営業CF 30.2億円が純利益17.7億円を大きく上回っており(営業CF/純利益比率1.7倍)、アクルーアル比率は-5.6%と低く、収益の質は良好である。売掛金の大幅減少が営業CF押し上げに寄与しており、現金回収力の改善が確認できる。一方で仕掛品の増加(前年比+176.3%)は進行中案件の積み上げを示唆し、今後の売上計上・原価化の動向を注視する必要がある。営業利益率の改善と営業CFの高い水準は経常的な収益体質の強化を示している。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対する進捗率は売上高71.3%(228.0億円÷320.0億円)、営業利益73.0%(26.2億円÷35.9億円)、経常利益74.0%(27.1億円÷36.6億円)で、標準進捗率75%(Q3時点)に対し若干下回るが概ね順調である。売上の進捗がやや遅れ気味だが営業利益は通期予想に整合的で、第4四半期に一定の上乗せを見込んでいる。予想修正は開示されておらず、期初予想を維持している。売上進捗率が標準-3.7pt、営業利益進捗率が標準-2.0ptとなり、第4四半期の売上92.0億円、営業利益9.7億円の達成が焦点である。セグメント別ではパッケージ事業と医療ビッグデータ事業の高い利益成長が通期目標達成を後押しする見通しだが、グローバル事業の採算改善が課題として残る。受注残高データは開示されていないが、仕掛品の増加は将来売上の積み上げを一部示唆している可能性がある。

株主還元

期末配当は27.00円で前年比+3.00円の増配を予定している。通期配当予想は24.00円と開示されており、期末配当27.00円との差異は中間配当を含む総額との整合性による可能性がある。配当性向は予想EPS 112.01円に対し配当24.00円で21.4%、実績EPS 71.20円に対し期末27.00円で37.9%となる。自社株買いは0.6億円実施されており、配当9.4億円と合計した総還元額は10.0億円、純利益17.7億円に対する総還元性向は56.5%となり、株主還元は積極的である。フリーCF 29.1億円に対し総還元10.0億円はカバレッジ2.9倍で持続可能性は高い。配当・自社株買いともに実施しており、株主還元姿勢は明確である。

リスク要因

  1. グローバル事業の採算悪化リスク: セグメント損失-3.0億円で前年-0.5億円から赤字幅拡大。売上減少-26.5%と採算低迷が継続しており、海外案件の受注環境悪化や為替影響が懸念される。第4四半期での改善が見られない場合、通期業績への下押し圧力となる。
  2. 売掛金回転日数の長期化リスク: DSO 103日と業種標準を大きく上回り、売掛金回収遅延警告が発出されている。大口案件の支払サイトが長期化している可能性があり、回収遅延が続くと資金繰りや貸倒リスクに影響する。
  3. 設備投資不足による成長制約リスク: 設備投資/減価償却比率0.26倍と低水準で投資不足警告がある。DX関連投資や技術基盤強化への投資が不足すると、中長期の競争力低下や受注対応力の制約につながる懸念がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

IT・情報通信業種内ポジション(参考情報・当社調べ、2025年Q3業種中央値比較、対象104社)。収益性ではROE 11.4%は業種中央値8.3%を+3.1pt上回り上位水準、営業利益率11.5%は業種中央値8.2%を+3.3pt上回り高収益体質を示す。純利益率7.8%も業種中央値6.0%を+1.8pt上回る。健全性では自己資本比率69.3%は業種中央値59.2%を+10.1pt上回り財務安定性は高く、流動比率342.3%は業種中央値215.0%を大幅に上回る潤沢な流動性を保持している。効率性では総資産回転率1.01回転は業種中央値0.67回転を+0.34回転上回り資産効率は良好だが、売掛金回転日数103日は業種中央値61日を+42日上回り回収効率は業種内で劣位である。成長性では売上高成長率+11.0%は業種中央値+10.4%並みで標準的だが、EPS成長率+23.5%は業種中央値+22%を上回り高い利益成長を実現している。キャッシュ創出力ではキャッシュコンバージョン率1.72倍は業種中央値1.31倍を上回り、営業CFの質は業種内で上位である。総じて収益性・健全性・キャッシュ創出力は業種内で良好な位置づけにあるが、売掛金回収効率は改善余地がある。

決算上の注目ポイント

決算上の注目ポイントとして、第一に営業利益率の継続的改善(11.5%、前年比+1.6pt)と営業レバレッジの効果が挙げられ、増収に対し販管費の伸びを抑制した結果が利益成長を加速させている。第二に営業CF/純利益比率1.7倍と高い現金化率が示す収益の質の高さで、売掛金回収改善が資金効率向上に寄与しており、今後の運転資本管理の持続性が焦点となる。第三にパッケージ事業の高成長(売上+20.1%、利益+56.0%)が全社利益を牽引しており、高利益率セグメントの拡大が収益性改善の鍵となっている点である。一方でグローバル事業の採算悪化と売掛金回転日数103日の長期化は注視すべきリスク要因として挙げられる。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度第3四半期累計は、売上高が前年同期比11.0%増の228.03億円、営業利益が同28.5%増の26.23億円となり、増収を上回る利益成長を達成した。経常利益は同28.0%増の27.10億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同24.2%増の17.60億円である。営業利益率は11.5%と、前年同期の9.9%から約155bp上昇した。売上総利益率も28.0%と前年同期の27.4%から約55bp改善した。加えて、販管費率は16.5%と前年同期の17.5%から約104bp低下しており、粗利率改善と販管費の増収率を下回る伸びが営業レバレッジを生んだ。純利益率は7.7%と前年同期の6.9%から約82bp上昇した。営業外損益は収益0.99億円、費用0.12億円の純益寄与にとどまり、利益成長の主因は営業段階にある。営業CFは30.19億円で純利益17.60億円の1.72倍となり、利益の現金化は良好である。売掛金は前年同期比23.40億円減少して64.26億円となり、営業CFの増加に寄与した。一方、品質アラートではDSOが77日と60日超であり、今後の請求・回収管理は継続的な確認を要する。DX&SI、パッケージ、医療ビッグデータの3事業は増収増益であり、とりわけパッケージ事業と医療ビッグデータ事業で利益率改善が大きい。反面、グローバル事業は売上高が前年同期比24.5%減少し、セグメント損失も2.97億円へ拡大した。通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高71.3%、営業利益73.1%、親会社株主に帰属する当期純利益63.5%である。売上高および営業利益の進捗は第3四半期の標準的な75%に概ね近い一方、純利益進捗は11.5pt下回る。これは、第3四半期累計に0.25億円の投資有価証券評価損を含む特別損失、ならびに実効税率34.0%が影響している。バランスシートは現金預金90.68億円、有利子負債0.47億円と極めて保守的であり、成長投資・株主還元の余力は大きい。今後は、DX&SIの安定成長、パッケージ・医療ビッグデータの高収益化、グローバル事業の損失抑制、ならびに低水準の設備投資が将来の成長力を損なわないかが焦点となる。

収益性分析

年換算ROEは15.1%であり、デュポン3因子では純利益率7.7%×総資産回転率1.352回×財務レバレッジ1.44倍に分解される。ROEは、過大な負債レバレッジではなく、良好な資産回転と7%台後半の純利益率で形成されている。年換算ROAは、年換算純利益約23.47億円を期末総資産224.84億円で除して約10.4%となり、資産効率も高い。最も直接的な改善要因は営業採算であり、営業利益率が前年同期比約155bp上昇した点である。粗利益率の約55bp改善に加え、販管費率が約104bp低下しており、売上高11.0%増に対して販管費は4.4%増に抑制された。これは増収による固定費吸収と、全社費用を含むコスト統制が営業レバレッジとして表れたものとみられる。CFA5因子ではEBITマージン11.5%、金利負担係数1.024、税負担係数0.655である。金利負担係数が1を上回るのは、受取利息・受取配当金等を含む営業外収支が支払利息を上回るためであり、負債コストは収益性を制約していない。税負担係数0.655、実効税率34.0%は、税引前利益から純利益への変換を一定程度抑制した。JGAAPののれん償却は0.36億円で、のれん償却前EBITDAは28.12億円、通常のEBITDAは27.76億円である。のれん償却額はEBITDAの約1.3%にとどまり、JGAAPとIFRSののれん会計差異による利益比較上の歪みは軽微である。セグメント別には、DX&SI事業が営業利益寄与額25.03億円で最大の主力事業である一方、パッケージ事業のセグメント利益率は31.3%と最も高い。グローバル事業の赤字拡大は、連結営業利益率のさらなる上昇を抑える収益性上の懸念である。

成長性評価

売上成長はDX&SI事業、パッケージ事業、医療ビッグデータ事業が牽引している。DX&SI事業の売上高は145.19億円で前年同期比14.0%増、セグメント利益は25.03億円で同10.4%増、セグメント利益率は17.2%である。パッケージ事業の売上高は47.27億円で同20.2%増、セグメント利益は14.79億円で同56.0%増、利益率は31.3%へ上昇した。医療ビッグデータ事業の売上高は20.33億円で同9.0%増、セグメント利益は3.94億円で同66.4%増、利益率は19.4%である。これら3事業の増益は、事業ポートフォリオの収益性改善を支えている。対照的に、グローバル事業は売上高15.24億円で同24.5%減、セグメント損失は前年同期の0.46億円から2.97億円へ拡大し、利益率はマイナス18.7%である。したがって、連結ベースの成長持続性は、高収益のパッケージ事業・医療ビッグデータ事業の拡大とグローバル事業の採算回復の双方に依存する。会社予想に対する進捗率は売上高71.3%、営業利益73.1%で、標準進捗75%をそれぞれ3.7pt、1.9pt下回る程度である。親会社株主に帰属する当期純利益の進捗率は63.5%で標準を11.5pt下回り、通期予想達成には第4四半期の利益積み上げが必要となる。通期予想の営業利益率は11.2%であり、第3四半期累計の11.5%をわずかに下回るため、営業利益予想は現状の採算水準と整合的である。品質アラートの設備投資/減価償却0.26倍は、短期のFCF創出には寄与する一方、ITサービス、パッケージおよび医療データ領域での製品強化・人材生産性向上・基盤更新に必要な投資が先送りされる場合には、中長期の競争力に影響しうる。

財務健全性

流動比率は342.3%、当座比率は336.6%であり、短期債務への流動性は非常に厚い。流動資産166.52億円は流動負債48.65億円を117.87億円上回り、満期ミスマッチのリスクは限定的である。現金預金は90.68億円で総資産の40.3%を占める一方、有利子負債は長期借入金0.47億円のみである。負債資本倍率は0.44倍、Debt/EBITDAは0.02倍、Debt/Capital比率は0.3%であり、借入依存度は極めて低い。インタレストカバレッジは478.21倍、EBITDAベースでは506.15倍であり、金利上昇局面でも利払い能力は強固である。純資産は155.86億円、自己資本比率は69.0%で、前年同期の64.4%から改善した。現金預金は前年同期比19.58億円増の90.68億円となり、営業CFの拡大と投資CFの抑制を反映している。売掛金は同23.40億円減の64.26億円となり、資金拘束の縮小は流動性改善に寄与した。契約負債は12.19億円で、前受金的な資金を保有する構造も運転資金上の支えとなる。退職給付に係る負債11.41億円、資産除去債務2.91億円、リース債務返済を伴う契約は、借入金以外の固定的な負債要素として管理対象である。のれんは1.93億円で純資産の1.2%、総資産の0.9%にとどまり、M&A価値の維持に対する財務依存は低い。のれん/EBITDAは0.07倍であり、のれん減損が財務基盤を大きく毀損する可能性は限定的である。

B/S変動のポイント

現金預金: +19.58億円(+27.5%)- 営業CF30.19億円が投資・財務CFの流出を上回り、流動性と資本配分余力が拡大。売掛金: -23.40億円(-26.7%)- 回収進展が運転資本を解放し、営業CFの増加に寄与。DSO77日は引き続き回収管理上の監視対象。棚卸資産: +1.77億円(+176.3%)- 案件進行や製品在庫の増加を反映する変動。資金拘束・評価リスクの観点から回転状況を確認。仕掛品: +1.77億円(前年同期4.30億円、前年同期2.54億円から約69.5%増)- 仕掛品比率60.5%の品質アラートと合わせ、開発案件の進捗、検収および原価管理が重要。自己株式: -0.41億円(-68.7%)- 自社株買い0.59億円を反映し、株主還元を実施。財務余力に対する負担は限定的。のれん: -0.36億円(-15.7%)- JGAAPののれん償却0.36億円による減少。のれん/純資産1.2%と低く、減損リスクは限定的。

キャッシュフロー品質

営業CFは30.19億円と前年同期の13.27億円から大幅に増加し、純利益17.60億円の1.72倍であるため、利益の現金化は高品質である。OCF/EBITDAは1.09倍であり、EBITDAの裏付けとなる現金創出力も良好である。アクルーアル比率はマイナス5.6%で、会計上の利益が過度に未収収益へ依存している形跡は限定的である。営業CF増加には、売掛金・契約資産の減少23.44億円が大きく寄与している。このため、当期の高いCF転換率には回収進展という一過性の運転資本解放が含まれる可能性があり、将来も同水準のCF上振れを前提とはしにくい。品質アラートのDSO 77日は60日超であり、売掛金残高が前年同期比で減少した後も、案件検収から請求・回収までのリードタイムを管理する必要がある。仕掛品は4.30億円で前年同期比約1.77億円増加しており、品質アラートの仕掛品比率60.5%は、個別案件の進捗、原価見積りおよび収益認識の管理重要性を示す。工事損失引当金1.18億円も、開発・受託案件の採算変動を監視すべきことを示唆する。投資CFはマイナス1.12億円、設備投資は0.40億円で、営業CFから設備投資を控除したFCFは29.07億円である。設備投資/減価償却は0.26倍であり、品質アラートの投資不足警告に該当する。短期的には資本効率とFCFを押し上げるが、継続すればソフトウェア、業務基盤および事業拡張への投資不足となるリスクがある。財務CFはマイナス10.37億円で、配当支払9.43億円と自社株買い0.59億円が主な資金流出である。なお、FCF29.07億円は配当および自社株買いを上回っており、当期の還元は内部創出資金で賄われている。

配当持続性

第2四半期配当は1株当たり11.00円であり、提示された計算値による配当性向は15.5%である。この配当性向は配当金のみを純利益で除した指標であり、自社株買いを含む総還元性向とは区別される。FCFカバレッジは10.64倍であり、第2四半期配当の資金裏付けは強い。通期会社予想の年間配当は1株当たり35.00円、親会社株主に帰属する当期純利益予想は27.70億円である。発行済株式数24,836,920株を基礎とする概算では、年間配当総額は約8.69億円、予想配当性向は約31%となる。これは一般的な持続可能性の目安である60%を十分に下回る。期中の自社株買い0.59億円を加えた還元も、強いFCFと現金預金90.68億円により吸収可能である。低レバレッジかつ高い営業CF創出力を踏まえると、現行の配当水準の持続可能性は高い。今後の配当余力は、グローバル事業の赤字改善、中長期成長に向けた設備・ソフトウェア投資の増額、および運転資本の変動との資本配分上のバランスに左右される。

リスク評価

ビジネスリスクとして、高優先度:グローバル事業は売上高が前年同期比24.5%減少し、セグメント損失が2.97億円へ拡大した。赤字の継続・拡大は連結利益率と通期予想の達成に影響する。、中優先度:DX&SI事業では仕掛品が4.30億円、工事損失引当金が1.18億円であり、受託開発案件の遅延、原価超過、検収時期の変動が収益性に影響しうる。、中優先度:情報・通信業特有のリスクとして、DX・パッケージ領域では技術更新の速さ、人材の採用・定着、顧客のIT投資抑制、サイバーセキュリティおよび個人情報保護対応が競争力と案件採算を左右する。、中優先度:設備投資/減価償却0.26倍という投資不足警告は、短期的な収益性の反面、製品競争力、開発環境、データ基盤への投資が不足するリスクを示す。が挙げられます。

財務リスクとしては、低優先度:DSO 77日は品質アラートの基準である60日を上回る。前年同期比で売掛金は減少しているものの、売上拡大局面で回収期間が再び長期化すれば運転資本と営業CFを圧迫しうる。、低優先度:投資有価証券17.34億円に対し、当期は投資有価証券評価損0.25億円を特別損失として計上した。市場価格変動は純利益・包括利益に影響する。、低優先度:退職給付に係る負債11.41億円は借入金ではないが、長期の給付債務・割引率変動への感応度を持つ負債項目である。が挙げられます。

主な懸念事項としては、最優先の確認項目は、グローバル事業の売上回復策、赤字案件の有無、および損失縮小の時期である。、次に、DSO 77日、仕掛品比率60.5%、工事損失引当金1.18億円を通じて、案件別の進捗・検収・回収の質を確認する必要がある。、設備投資/減価償却0.26倍については、資本効率改善ではなく成長投資の先送りとなっていないかを、人材・ソフトウェア・データ基盤への投資計画と併せて評価すべきである。、純利益の通期予想進捗率63.5%は標準進捗を11.5pt下回るため、第4四半期の税負担、特別損益およびグローバル事業の損益が重要となる。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、営業利益率は11.5%へ約155bp改善し、増収率を上回る営業利益成長を実現した。、営業CF/純利益1.72倍、OCF/EBITDA1.09倍、FCF29.07億円であり、当期の利益・還元の現金裏付けは強い。、現金預金90.68億円に対し有利子負債0.47億円で、Debt/EBITDA0.02倍という極めて低い財務レバレッジである。、パッケージ事業と医療ビッグデータ事業は高い利益率と増益を示す一方、グローバル事業の赤字拡大がポートフォリオ上の主要なマイナス要因である。、設備投資/減価償却0.26倍、DSO77日、仕掛品比率60.5%の品質アラートは、中長期の成長投資および案件・回収管理の観点から追跡を要する。が挙げられます。

注視すべき指標は、グローバル事業の四半期売上高、セグメント損益、損失縮小の進捗、DSO、売掛金・契約資産、営業CF/純利益比率、仕掛品、工事損失引当金、案件採算の推移、設備投資/減価償却およびソフトウェア・開発基盤への投資水準、通期営業利益35.90億円および親会社株主に帰属する当期純利益27.70億円に対する第4四半期の達成状況、パッケージ事業・医療ビッグデータ事業の高利益率の持続性です。

セクター内ポジションについては、営業利益率11.5%、年換算ROE15.1%、年換算ROA約10.4%は、提示されたベンチマーク上で良好から優良の水準に位置する。流動性・債務返済能力はベンチマークを大幅に上回る一方、営業利益率は15%超の「優良」基準には未達であり、グローバル事業の赤字と低い設備投資比率が収益性の上振れ余地と持続性を左右する。