- 売上高: 150.61億円
- 営業利益: 32.83億円
- 当期純利益: 11.62億円
- 1株当たり当期純利益: 82.25円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 150.61億円 | 148.56億円 | +1.4% |
| 売上原価 | 80.82億円 | - | - |
| 売上総利益 | 67.74億円 | - | - |
| 販管費 | 36.95億円 | - | - |
| 営業利益 | 32.83億円 | 30.79億円 | +6.6% |
| 営業外収益 | 1.17億円 | - | - |
| 営業外費用 | 41百万円 | - | - |
| 経常利益 | 30.99億円 | 31.55億円 | -1.8% |
| 税引前利益 | 18.93億円 | - | - |
| 法人税等 | 7.31億円 | - | - |
| 当期純利益 | 11.62億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 15.31億円 | 11.62億円 | +31.8% |
| 包括利益 | 14.58億円 | 13.08億円 | +11.5% |
| 支払利息 | 22百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 82.25円 | 60.29円 | +36.4% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 165.75億円 | 189.03億円 | -23.28億円 |
| 現金預金 | 80.00億円 | 99.36億円 | -19.36億円 |
| 売掛金 | 37.58億円 | 43.10億円 | -5.52億円 |
| 棚卸資産 | 14.89億円 | 12.31億円 | +2.58億円 |
| 固定資産 | 133.27億円 | 131.07億円 | +2.20億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 10.2% |
| 粗利益率 | 45.0% |
| 流動比率 | 321.5% |
| 当座比率 | 292.6% |
| 負債資本倍率 | 0.31倍 |
| インタレストカバレッジ | 151.40倍 |
| 実効税率 | 38.6% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +1.4% |
| 営業利益前年同期比 | +6.6% |
| 経常利益前年同期比 | -1.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +31.7% |
| 包括利益前年同期比 | +11.5% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 19.29百万株 |
| 自己株式数 | 790千株 |
| 期中平均株式数 | 18.61百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,232.51円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 35.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 209.67億円 |
| 営業利益予想 | 35.08億円 |
| 経常利益予想 | 35.06億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 26.42億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 137.04円 |
| 1株当たり配当金予想 | 35.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3の恵和は、売上高が微増の中で営業利益が二桁に近い増益となり、収益性の底堅さを示しました。売上高は150.61億円で前年同期比+1.4%、営業利益は32.83億円で+6.6%と増益を確保しています。営業利益率は21.8%(=32.83/150.61)と高水準で、前年から約104bp拡大したと推定されます(前年OP約30.8億円、前年売上約148.5億円の計算に基づく推計)。粗利益率は45.0%と高く、原価管理とミックス改善が寄与した可能性があります。一方で、経常利益は30.99億円(前年比-1.8%)と営業段階からは減速しており、営業外項目のボラティリティが示唆されます。非営業項目は営業外収益1.17億円(受取利息0.26億円、配当0.02億円等)に対し、営業外費用0.41億円でネット+0.76億円ですが、記載の経常利益(30.99億円)は営業利益からの単純合算より低く、その他の慣行差や評価損益等の影響が示唆されます。税引前利益は18.93億円、当期純利益は15.31億円(+31.7%)で、実効税率38.6%(=7.31/18.93)ながら最終利益は大幅増益となりました。ROEは6.7%で、純利益率10.2%×総資産回転率0.504×財務レバレッジ1.31倍の分解と一致し、収益性・効率・資本構成がバランス良く寄与しています。ROICは12.4%と資本コストを大きく上回る水準で、資本効率は良好です。流動比率321.5%、当座比率292.6%と潤沢な流動性に加え、現金80.0億円を保有し、負債資本倍率0.31倍と保守的な財務です。インタレストカバレッジは151.4倍と極めて高く、金利上昇局面でも耐性は強いです。営業キャッシュフローは未開示のため利益の現金裏付けは検証不能で、営業CF/純利益の品質評価は留保が必要です。配当は総額未開示ながら配当性向44.1%と見積もられ、利益水準・バランスシートの余力から持続可能性は高いとみられます。短期では営業増益と高ROICが継続の鍵で、運転資本の圧縮と非営業損益の安定化がEPSバリュードライバーとなります。中期的には機能性フィルム等の製品ミックス最適化と価格転嫁の進捗がマージン維持の前提で、税率の高さ(38.6%)は最終利益率の上値抑制要因です。データ上の制約(CF未開示、営業外の詳細未開示)に留意しつつ、実力ベースのFCF創出力と運転資本効率の改善が次の評価ポイントとなります。
DuPont分解: ROE 6.7% = 純利益率10.2% × 総資産回転率0.504 × 財務レバレッジ1.31倍。最大の変化は営業利益率の改善に起因する純利益率の上昇で、売上+1.4%に対して営業利益+6.6%と営業レバレッジが効いています。営業利益率は21.8%と前年推定20.7%から約+104bp改善しており、原材料コスト安定化や製品ミックス(高付加価値フィルム)シフト、価格改定の定着が要因と考えます。総資産回転率0.504は、現金80.0億円と運転資本114.2億円の厚みが効率を抑制しており、短期的な大幅改善は限定的です。財務レバレッジ1.31倍は保守的で、レバレッジによるROE押し上げ効果は小さい一方、リスク耐性は高い構造です。営業外では受取利息0.26億円等のプラス要因があるものの、記載の経常利益は前年比-1.8%で、為替評価や持価証券関連、その他雑損益などの一過性要因が利益率の逆風になった可能性があります。これらの変化は、コスト/価格の通常化と為替の変動という相反するドライバーが併存しており、営業段階の改善は比較的持続的、非営業の変動は一時的色彩と評価します。懸念トレンドとしては、総資産回転率の低下余地(過剰流動性・運転資本厚み)がROEの上限を抑えやすい点と、税率の高さが純利益率のフル潜在を削ぐ点が挙げられます。
売上高は150.61億円(+1.4%)と横ばい圏の伸びで、数量の頭打ちを価格やミックス改善で補っている展開です。営業利益は32.83億円(+6.6%)と増益で、販管費(36.95億円)の伸びを粗利拡大で十分に吸収した構図です。経常利益は30.99億円(-1.8%)と足踏みしており、非営業項目の変動が成長の見かけを抑制しました。純利益は15.31億円(+31.7%)と大幅増益で、前年の特損や税効果の反動、税前利益構成の違いが寄与した可能性があります。営業外収入比率は7.6%と限定的で、本業主導の成長は維持されています。ROIC12.4%はベンチマーク(>8%)を上回り、投下資本の収益性は良好です。持分法投資利益は未開示で、連結利益の外部変動感応度の把握は限定的です。短期見通しでは、価格転嫁の定着と原材料インフレの安定化が営業利益率の下支え要因。中期では新製品比率向上と海外展開が売上持続性の鍵で、総資産回転率のテコ入れ(在庫・売掛の回転改善と余剰現金の最適化)がROE押し上げ余地となります。非営業損益と税率の変動がEPSのブレ要因であり、安定化が課題です。
流動比率321.5%、当座比率292.6%と極めて健全で、短期支払能力は非常に高いです。負債資本倍率0.31倍、長期借入金14.72億円に対し現金80.0億円とネットキャッシュ基調で、D/E>2.0や流動比率<1.0といった警告水準からは大幅に乖離しています。満期ミスマッチは限定的で、流動負債51.55億円に対し現金80.0億円と売掛金37.58億円の合計117.58億円で十分に賄えます。固定負債19.51億円の水準も自己資本227.96億円に対し軽量です。インタレストカバレッジ151.4倍と金利耐性は極めて強固です。オフバランス債務の情報は開示なしで、リース等の潜在債務の把握には限界があります。自己資本比率は未記載ですが、総資産299.01億円に対し純資産227.96億円で概算約76%と高水準です。
営業キャッシュフローは未開示のため、営業CF/純利益比率による品質判定は実施不能です。フリーキャッシュフローおよび設備投資額、配当支払額も未開示のため、FCFカバレッジの定量評価はできません。一方で、期末現金80.0億円、運転資本114.2億円(=流動資産165.75−流動負債51.55)の厚みから、短期的な配当や設備投資の資金需要は自己資金で十分賄えると見られます。売掛金37.58億円・棚卸14.89億円・買掛金13.01億円の構成から、ネット運転資本が厚く、回転期間短縮による現金化余地はあります。営業CFが弱い場合は運転資本の積み増しが影響した可能性があり、四半期推移での在庫・売掛回転の確認が必要です。運転資本の季節性調整や期末の回収・支払タイミングによる一時的ブレには留意が要ります。
配当性向は44.1%と保守的レンジ(<60%)に収まり、当期純利益15.31億円の水準からみても持続可能性は高いです。FCFは未開示のため、FCFベースでの配当カバレッジは算定不能ですが、現金80.0億円、低レバレッジ(負債資本倍率0.31倍)というバランスシートの余力がクッションとなります。将来方針としては、ROIC12.4%の維持と余剰資本の最適配分(成長投資と株主還元のバランス)が重要で、営業CFの可視性が高まれば安定的な増配余地も視野です。税率が高止まりするとフリーCF創出に対する下押し要因となり得るため、税負担の平準化も持続性の観点で注視点です。
ビジネスリスク:
- 原材料価格(樹脂・溶剤等)の変動による粗利率圧迫リスク
- エレクトロニクス・ディスプレイ等下流需要サイクルの影響による数量ボラティリティ
- 主要顧客への売上集中による価格交渉力低下リスク
- 新製品開発・量産立上げの遅延に伴う収益化遅れ
- 為替変動(円安・円高)による仕入・販売マージンの変動
財務リスク:
- 営業CF未開示に伴う利益の現金裏付けに関する不確実性
- 運転資本厚み(114.2億円)による資産回転の低下とキャッシュコンバージョンサイクル長期化
- 実効税率の高止まり(38.6%)による純利益率の伸び抑制
- 非営業損益の変動(評価損益等)が経常利益を押し下げるリスク
主な懸念事項:
- 経常利益(30.99億円)が営業外収支の単純合算と整合しない点の開示不足
- キャッシュフロー(営業・投資・財務)の未開示によりFCF持続性評価が限定的
- 持分法投資利益の未開示に伴う連結外部要因の感応度把握の困難さ
- 在庫・売掛の回転効率次第で四半期ごとのキャッシュ創出が振れる可能性
重要ポイント:
- 売上+1.4%に対し営業利益+6.6%で営業レバレッジが発現、営業利益率は約+104bp改善
- ROE6.7%は純利益率の改善が主因、レバレッジ寄与は限定的
- ROIC12.4%と資本効率は良好、成長投資と還元の両立余地
- 流動比率321.5%、ネットキャッシュ基調で財務安全性は高い
- 経常利益は-1.8%と伸び悩み、非営業の変動が課題
- 営業CF未開示で利益の質評価は留保、運転資本効率の改善余地
- 税率38.6%が純利益率の上値を抑制
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益比率とフリーキャッシュフロー
- 在庫・売掛回転日数(CCC)と運転資本の圧縮進捗
- 価格改定と原材料コストのスプレッド(粗利率)
- 非営業損益の内訳(為替・評価損益)の安定性
- 実効税率の推移と税効果の一過性
- ROICと投下資本の増減(案件別IRRの開示があれば尚可)
セクター内ポジション:
機能性フィルム分野の国内同業比で見ると、営業利益率・ROICは上位水準、財務レバレッジは低位でディフェンシブ。資産回転率は余剰流動性と運転資本の厚みで相対的に抑制されており、効率化余地が差別化ポイント。
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