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42212026 第1四半期プライムJGAAP

大倉工業(4221) 2026年度第1四半期決算 増収・営業益34%増

2026年度第1四半期の売上高は240.3億円(前年同期比+10.8%)、営業利益は22.4億円(同+33.8%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

大倉工業株式会社

素材・化学/化学


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥240.3億¥216.9億+10.8%
営業利益¥22.4億¥16.8億+33.8%
経常利益¥22.1億¥16.8億+31.7%
純利益¥14.7億¥12.5億+17.1%
ROE2.3%2.0%-

Executive Summary

当四半期は増収に加え利益成長率が売上成長率を大きく上回り、収益性が改善した決算である。売上高240.3億円(前年比+10.8%)、営業利益22.4億円(同+33.8%)、経常利益22.1億円(同+31.7%)、純利益14.7億円(同+17.1%)となった。営業利益率は9.3%となり、粗利拡大が販管費増加を吸収し明確な営業レバレッジが働いた。合成樹脂事業の増収と新規材料事業の利益率改善が牽引した一方、建材事業は減収減益となっている。

業績変動要因

【売上高】売上高は240.3億円で前年比+10.8%増収。セグメント別では合成樹脂事業が156.2億円(同+17.0%)と最大の伸びを示し、連結売上増加の主因となった。新規材料事業は49.0億円(同+6.4%)、建材事業は31.6億円(同-4.2%)と減収した。合成樹脂と新規材料の増収が建材事業の減収を上回り、連結全体では増収を維持した。

【損益】営業利益は22.4億円(同+33.8%)で、営業利益率は9.3%と前年同期から改善した。粗利率22.8%の確保と販管費率13.4%への抑制が増益に寄与した。セグメント別では新規材料事業の利益率が16.5%へ大幅改善(前年同期比+約5.7pt)、合成樹脂事業も11.9%へ上昇した一方、建材事業は利益率4.9%(同-約2.5pt)へ低下し減益となった。経常利益は22.1億円(同+31.7%)、純利益は14.7億円(同+17.1%)で、税引前利益21.6億円に対し法人税等7.0億円(実効税率約32.2%)が計上され、特別損失0.5億円が純利益を若干押し下げた。結論として増収増益である。

セグメント別分析

合成樹脂事業は売上高156.2億円(前年比+17.0%)、営業利益18.6億円(同+24.3%)でセグメント利益合計29.7億円の62.5%を占める最大の収益源である。新規材料事業は売上高49.0億円(同+6.4%)、営業利益8.1億円(同+63.2%)と、増収率を大きく上回る増益を達成し利益率が大幅に改善した。建材事業は売上高31.6億円(同-4.2%)、営業利益1.6億円(同-36.3%)と減収減益であり、需要または採算面での課題がうかがえる。その他事業は売上高7.8億円(同+24.6%)、営業利益1.4億円(同+34.3%)と利益率18.7%で高水準だが、連結規模への寄与は限定的である。全社費用を含む調整額はマイナス7.2億円で前年同期のマイナス6.7億円から拡大しており、セグメント利益の伸びが連結営業利益にどの程度反映されるか注視点となる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率9.3%、純利益率6.1%はいずれも前年同期から改善しており、粗利率22.8%の確保と販管費率13.4%への抑制が背景にある。ROEは2.3%(四半期実績ベース)である。【キャッシュ品質】売掛金・受取手形185.3億円は売上高に対して相応の規模であり、電子記録債権96.0億円を加えた売上債権の水準は、増収局面における運転資本の動向として確認を要する項目である。【投資効率】研究開発費は3.8億円で売上高比1.6%であり、新規材料事業を中心とした差別化投資の水準を示す。建設仮勘定は63.0億円で有形固定資産400.2億円の15.7%を占め、投資パイプラインの規模を示している。【財務健全性】自己資本比率53.6%、流動資産635.0億円は流動負債366.3億円を大きく上回り、流動性は良好な水準にある。現金及び預金184.7億円は短期借入金51.8億円を大きく上回り、資金繰りの柔軟性を支えている。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の当四半期数値は開示範囲に含まれないため、損益・BS動向から資金状況を分析する。営業利益22.4億円に対し純利益は14.7億円にとどまり、法人税等7.0億円と特別損失0.5億円が主な差異である。現金及び預金は前年同期の79.8億円から184.7億円へ大幅に積み上がっており、資金余力は拡大している。一方で売掛金・受取手形185.3億円に電子記録債権96.0億円を加えた売上債権残高は高水準であり、買掛金152.4億円との差額を踏まえると、増収局面で運転資本が先行的に膨らんでいる可能性がある。有形固定資産は前年同期の349.2億円から400.2億円へ増加し、建設仮勘定63.0億円を含む投資活動が継続していることがうかがえる。長期借入金は前年同期の8.7億円から132.0億円へ大きく増加しており、投資資金の一部を長期借入で調達した可能性がある。

収益の質

当期の利益は営業利益22.4億円を起点とし、営業外収益2.0億円(受取配当金1.1億円、為替差益0.3億円等)と営業外費用2.3億円(支払利息0.4億円、支払手数料1.9億円)がほぼ相殺し、経常的な収益構造からの乖離は小さい。特別損失0.5億円(固定資産除売却損0.2億円等)は純利益の3.5%相当であり、一時的要因の影響は限定的である。包括利益は13.6億円と純利益14.7億円をやや下回り、その差異は有価証券評価差額金マイナス1.1億円が主因である。純利益と包括利益の乖離は前年同期(純利益12.5億円、包括利益5.1億円)と比べ縮小しており、その他有価証券の時価変動による振れが小さくなったことを示している。全体として、営業外・特別損益とも規模が限定的であり、営業利益の増益が経常利益・純利益の増益に概ね連動する質の高い決算といえる。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高980.0億円(前年比+13.1%)、営業利益65.0億円(同+5.1%)、経常利益67.0億円(同+4.2%)であり、業績予想の修正はない。Q1の進捗率は売上高24.5%、営業利益34.5%、経常利益33.1%と、四半期均等進捗の目安25%を上回る水準にある。特に営業利益はQ1実績が前年比+33.8%と大幅増益であった一方、通期予想の伸び率は+5.1%にとどまっており、下期にかけて増益ペースの鈍化を織り込んだ計画となっている。この前提の妥当性は、建材事業の採算回復や原材料・エネルギーコストの動向次第で変わり得る。

株主還元

会社予想の年間配当金は1株220円であり、前年実績の95円(中間・期末合計)から増額の予想となっている。予想EPS380.66円に対する配当性向は約57.8%で試算される。期中平均株式数11,296千株を用いた年間配当総額は約24.9億円で、通期純利益予想43.0億円に対しても同水準の配当性向となる。自己株式取得の当期実施額は開示範囲に含まれないため、総還元性向としての評価は行わない。現金及び預金184.7億円、自己資本比率53.6%という財務基盤は、配当支払いの原資として一定の裏付けとなっている。

リスク要因

  1. 建材事業の採算悪化: 建材事業は売上高が前年比-4.2%、セグメント利益が同-36.3%と減収減益で、利益率も4.9%へ低下した。需要環境やコスト転嫁の弱さが継続すれば、全社利益成長の抑制要因となる。

  2. 売上債権の増加: 売掛金・受取手形185.3億円に電子記録債権96.0億円を加えた売上債権残高は高水準にある。増収局面での債権増加は、利益の現金化ペースに影響を与えうる項目であり、今後の推移を確認する必要がある。

  3. 原材料・エネルギー価格および為替変動: 合成樹脂・新規材料を中核とする事業構成のため、原材料・エネルギー価格の変動は粗利率に影響を与えうる。当四半期は為替差益0.3億円を計上しており、為替動向も営業外損益の変動要因となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率9.3%7.2% (3.2%–12.5%)+2.2pt
純利益率6.1%5.9% (2.9%–12.5%)+0.2pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を上回り、収益性は業種内で相対的に良好な水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)10.8%5.6% (1.1%–13.9%)+5.2pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回るものの、業種内上位レンジ(13.9%)には届いていない。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は9.3%へ改善し、新規材料事業の利益率が前年同期比で大幅に上昇したことが全社収益性向上の主因である。合成樹脂事業と合わせ、両事業の採算改善が建材事業の減益を吸収した点が、当四半期決算の構造的な特徴である。

  2. 通期営業利益予想の前年比伸び率+5.1%は、Q1実績の+33.8%増益と比べ保守的な前提となっている。下期にかけての増益ペースの想定と、実際の進捗との乖離が今後の確認ポイントとなる。

  3. 現金及び預金は前年同期比で倍増し184.7億円に達する一方、長期借入金も131.97億円へ増加している。建設仮勘定63.0億円を含む投資活動の進捗と、それに伴う資本構成の変化が、財務健全性を評価するうえでの継続的な観察点である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)5,119円
base(基準)5,214円
bull(強気)5,291円
算出前提
1株純資産(BPS)5,585円
調整後予想EPS409.2円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向57.8%
予想EPSの信頼度調整×1.075(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.93倍 / 12.7倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 5,074円〜5,360円、ω±0.1で 5,202円〜5,222円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。