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42032026 通期プライムIFRS

住友ベークライト(4203) 2026年度通期決算 増収・営業益43%増

2026年度通期の売上高は3,199億円(前年同期比+5.0%)、営業利益は354.8億円(同+43.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

素材・化学/化学


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥3198.7億¥3047.7億+5.0%
営業利益¥354.8億¥247.9億+43.1%
税引前利益¥388.4億¥286.1億+35.7%
純利益¥283.7億¥195.3億+45.2%
ROE8.1%6.7%-

Executive Summary

半導体関連材料の増収と採算改善により、増収増益ながら利益の伸びは前年の減損非発生等の要因も含む点に留意が必要な決算となった。売上高は3198.7億円(前年比+5.0%)、営業利益は354.8億円(同+43.1%)、純利益(親会社株主帰属)は280.1億円(同+45.3%)となった。営業利益率は11.1%と前年8.1%から300bp改善し、半導体関連材料の売上16.5%増と、事業利益ベースの採算改善が牽引した。ただし報告営業利益の増益幅には、前年計上の減損損失44.3億円の非反復と、その他費用の減少が寄与しており、経常的な収益力は事業利益(前年比+11.9%)で見る必要がある。

業績変動要因

【売上高】売上高は3198.7億円で前年比+5.0%増収となった。セグメント別では半導体関連材料が1064.0億円(同+16.5%)と牽引役となった一方、高機能プラスチック1054.9億円(同+0.0%)、クオリティオブライフ関連製品1071.9億円(同-0.0%)はほぼ横ばいであった。地域別では中国694.6億円(+11.5%)、その他アジア689.4億円(+7.9%)が伸長し、日本1129.3億円(+2.0%)、北米355.2億円(+0.2%)は緩やかな伸びにとどまり、成長は半導体需要とアジア地域への依存度が相対的に高い。

【損益】営業利益は354.8億円(前年比+43.1%)、純利益は280.1億円(同+45.3%)となった。粗利率は31.3%(前年30.7%)、販管費率は20.5%(前年20.6%)とわずかに改善し、増収局面での営業レバレッジが確認できる。もっとも事業利益(売上総利益-販管費)ベースでは344.9億円で前年比+11.9%にとどまり、報告営業利益の大幅増益には、その他費用が前年68.1億円から16.8億円へ縮小したこと、前年計上の減損損失44.3億円が当期は発生しなかったことが寄与している。金融収益37.6億円が金融費用4.0億円を上回り税引前利益388.4億円を押し上げた。増収増益の決算だが、経常的な利益成長率は事業利益ベースの11.9%増を基準に評価するのが妥当である。

セグメント別分析

半導体関連材料は売上1064.0億円(前年比+16.5%)、事業利益207.1億円(同+15.2%)、事業利益率19.5%と最も高い採算性を示し、3セグメント合計事業利益399.2億円の51.9%を占める主力事業である。高機能プラスチックは売上1054.9億円(横ばい)、事業利益62.2億円(+18.4%)、事業利益率5.9%で、売上横ばいながら採算改善が進んだ。クオリティオブライフ関連製品は売上1071.9億円(横ばい)、事業利益129.0億円(+9.5%)、事業利益率12.0%となった。全社費用等の調整額は54.3億円のマイナスで前年42.6億円から拡大し、セグメント収益改善の一部を相殺している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は11.1%で前年8.1%から300bp改善し、粗利率31.3%(前年30.7%)、純利益率8.8%(前年6.4%)もそれぞれ改善した。ROEは8.8%で前年6.5%から2.3pt上昇した。【キャッシュ品質】営業CFは350.0億円で純利益283.7億円の1.25倍であり、利益の現金裏付けは良好である。一方、売上債権16.7億円・棚卸資産25.0億円の増加が運転資本の重石となっており、EBITDA497.4億円に対するOCF/EBITDA比率は0.70倍にとどまる。【投資効率】設備投資は192.8億円で減価償却費142.6億円の1.35倍であり、成長投資を継続している。総資産回転率は0.661倍で、資産拡大(前年比+15.9%)が売上成長(+5.0%)を上回っている。【財務健全性】自己資本比率は71.7%(前年69.6%)で、現金及び現金同等物1247.5億円が有利子負債合計を大幅に上回るネットキャッシュ状態にある。長期借入金は45.1%減の72.9億円まで圧縮された。

キャッシュフロー分析

営業CFは350.0億円で前年比19.9%減となったが、純利益283.7億円対比では1.25倍と現金裏付けは維持されている。減少の主因は、税引前利益の増加を運転資本の増加が相殺した点にあり、売上債権16.7億円、棚卸資産25.0億円の増加、法人税等支払の102.8億円への増加(前年80.4億円)が営業CFを押し下げた。投資CFは79.3億円の支出で、設備投資192.8億円を投資有価証券売却89.4億円や有形固定資産売却28.1億円が一部相殺した。財務CFは135.8億円の支出で、配当支払87.7億円が中心であり、前年に大きかった自社株買い(200.2億円)が当期は0.1億円と大幅に縮小した。フリーCF(営業CF+投資CF)は270.7億円となり、配当支払を十分にカバーしている。現金及び現金同等物は期末1247.5億円まで積み上がり、資金余力は高い水準を維持している。

収益の質

報告営業利益354.8億円の前年比+43.1%増には一時的要因が含まれる点に留意が必要である。経常的な収益力を示す事業利益(売上総利益-販管費)は344.9億円で前年比+11.9%にとどまり、この差異は、その他費用が前年68.1億円から当期16.8億円へ縮小したこと、および前年に計上された減損損失44.3億円が当期は発生しなかったことに起因する。金融収益37.6億円は売上高の1.2%と小さく、非営業収益への過度な依存はない。税引前利益388.4億円から法人税等104.8億円を控除した純利益283.7億円は、営業CF350.0億円の裏付けを得ており、アクルーアル(純利益と営業CFの乖離)はマイナスで利益の質に懸念は小さい。包括利益は655.6億円と純利益を大きく上回るが、これは為替換算差額202.1億円やFVOCI金融資産評価益137.7億円といったOCI項目によるもので、事業の経常収益力とは区別して捉える必要がある。

業績予想・ガイダンス

会社は次期(2027年3月期)予想として売上高3370.0億円(当期比+5.3%)、営業利益375.0億円(同+5.7%)、EPS324.84円、年間配当120円を公表している。親会社帰属利益の予想285.0億円は当期比+1.7%にとどまり、営業利益の伸びを下回る前提であり、金融収支や税率、一時項目の平準化を織り込んだ計画とみられる。増収増益・増配を見込む一方、利益成長率は前期実績(+43.1%)から大きく減速する計画である。

株主還元

年間配当は1株110円(中間50円・期末60円、うち記念配当5円を含む)で、配当性向は34.4%であった。自社株買いは0.1億円と小規模にとどまり、前年(200.2億円)から大幅に縮小している。配当支払額87.7億円は営業CF350.0億円の約4.0倍のカバレッジを持ち、配当の持続性は資金面で十分に支えられている。次期は年間配当120円への増配を予定しており、予想EPS324.84円に対する予想配当性向は約36.9%となる見込みである。

リスク要因

  1. 半導体市況・顧客在庫調整リスク: 半導体関連材料は売上1064.0億円、事業利益207.1億円と全社利益の過半(51.9%)を占める主力事業であり、同市場の設備投資・在庫調整サイクルの変動が全社業績に大きく波及する構造にある。

  2. 運転資本効率(在庫・売掛金)リスク: 棚卸資産は前年比+10.2%の685.5億円、売上債権は+7.5%の642.2億円に増加した。両者の増加は当期営業CFを41.7億円押し下げており、需要変動時の在庫評価や回収遅延が今後のキャッシュ転換効率に影響しうる。

  3. 為替・海外事業変動リスク: 売上の約43%を中国およびその他アジアが占め、当期は為替換算差額202.1億円を含むOCIの大幅な変動が確認された。海外売上比率の高さは、為替変動が損益・純資産双方に与える影響を高める要因となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
自己資本利益率8.8%6.9% (4.3%–10.7%)+1.9pt
営業利益率11.1%7.6% (4.8%–12.0%)+3.5pt
純利益率8.9%5.9% (2.9%–9.2%)+3.0pt

収益性は3指標すべてで業種中央値を上回り、営業利益率は業種上位レンジ(IQR上限12.0%)にほぼ並ぶ水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)5.0%3.4% (-0.8%–8.8%)+1.7pt

売上成長率は業種中央値を上回るが、IQR上限(8.8%)には届かず、業種内では中位から上位に位置する。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は11.1%へ300bp改善し、業種中央値7.6%を大きく上回る水準にある。改善の中核は半導体関連材料の増収と採算向上であり、事業利益ベースでも前年比+11.9%の増益を確保している。

  2. 報告営業利益の増益幅(+43.1%)には、前年の減損損失44.3億円の非反復とその他費用の減少という比較上の要因が含まれる。決算の持続的な収益トレンドを把握するには、事業利益ベースの伸び率を併用する必要がある。

  3. 自己資本比率71.7%、ネットキャッシュ状態を背景に財務基盤は強固であり、配当性向34.4%・営業CFの配当カバレッジ約4.0倍から、次期の増配計画(120円)は現状の利益・資金水準から支えられる構造にある。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,821円
base(基準)3,907円
bull(強気)3,976円
算出前提
1株純資産(BPS)3,957円
調整後予想EPS349.2円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向36.9%
予想EPSの信頼度調整×1.075(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.99倍 / 11.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,798円〜4,020円、ω±0.1で 3,905円〜3,908円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。