- 売上高: 865.87億円
- 営業利益: 85.05億円
- 当期純利益: 50.04億円
- 1株当たり当期純利益: 156.27円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 865.87億円 | 867.82億円 | -0.2% |
| 売上原価 | 700.50億円 | - | - |
| 売上総利益 | 167.32億円 | - | - |
| 販管費 | 94.11億円 | - | - |
| 営業利益 | 85.05億円 | 73.20億円 | +16.2% |
| 営業外収益 | 4.81億円 | - | - |
| 営業外費用 | 6.18億円 | - | - |
| 経常利益 | 82.58億円 | 71.82億円 | +15.0% |
| 法人税等 | 20.47億円 | - | - |
| 当期純利益 | 50.04億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 56.26億円 | 49.22億円 | +14.3% |
| 包括利益 | 61.00億円 | 52.06億円 | +17.2% |
| 支払利息 | 70百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 156.27円 | 132.92円 | +17.6% |
| 1株当たり配当金 | 45.00円 | 45.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 693.66億円 | - | - |
| 現金預金 | 71.58億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 169.49億円 | - | - |
| 固定資産 | 620.95億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 499.80億円 | - | - |
|
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 6.5% |
| 粗利益率 | 19.3% |
| 流動比率 | 148.7% |
| 当座比率 | 112.4% |
| 負債資本倍率 | 0.86倍 |
| インタレストカバレッジ | 121.50倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -0.2% |
| 営業利益前年同期比 | +16.2% |
| 経常利益前年同期比 | +15.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +14.3% |
| 包括利益前年同期比 | +17.2% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 37.15百万株 |
| 自己株式数 | 2.14百万株 |
| 期中平均株式数 | 36.00百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,982.94円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 45.00円 |
| 期末配当 | 45.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 1,274.00億円 |
| 営業利益予想 | 140.00億円 |
| 経常利益予想 | 139.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 100.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 279.69円 |
| 1株当たり配当金予想 | 52.50円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
KHネオケム(4189)の2025年度Q3(累計)では、売上高86,587百万円(前年比-0.2%)と横ばいながら、営業利益8,505百万円(+16.2%)・当期純利益5,626百万円(+14.3%)と利益面での改善が際立つ。売上総利益は16,732百万円で粗利率は19.3%に達し、販管費(推計8,227百万円)を差し引いた営業利益率は9.8%と前年の水準(約8.4%)から約+1.4pt改善した。経常利益は8,258百万円で、支払利息はわずか70百万円にとどまり、実質的に金融費用負担は軽微である。純利益率は6.5%に達し、総資産回転率0.697倍、財務レバレッジ1.79倍のデュポン分解によりROEは8.1%と、資本効率は一定水準を確保している。総資産は124,163百万円、純資産は69,420百万円で、負債資本倍率は0.86倍と保守的なバランスシートである。流動比率148.7%、当座比率112.4%と短期流動性は良好で、運転資本は22,717百万円の余裕がある。売上横ばいの中で利益が伸びたことから、単価改善、製品ミックスの良化、原材料価格の落ち着き等によるスプレッド拡大が示唆される。棚卸資産は16,949百万円で、期末棚卸ベースの概算在庫日数は約88日とみられ、需給環境は中立からややタイトに推移した可能性がある。インタレストカバレッジは121.5倍と極めて高く、金利上昇環境でも耐性は高い。実効税率は、税金等2,047百万円と純利益5,626百万円から逆算すると約26.7%と見込まれ、日本国内実効税率レンジに収まる。資産回転率0.697倍は化学メーカーとしては標準的で、過度な資本過多の兆候は限定的。フリーキャッシュフローや減価償却費、キャペックスの開示がなく、キャッシュ創出力の精緻評価には制約がある一方、損益・BS情報からは収益力と財務健全性のバランスが良好と評価できる。年間配当は0円とされるが、配当方針・実績の連続性やFCFカバレッジが不明で、資本配分の評価には追加開示が必要。EPSは156.27円と利益の一株当たり水準は高いが、発行株式数や1株当たり純資産の情報は不記載である。総じて、売上停滞下での利益率改善、堅調なROE、健全な流動性という三点が今期のハイライトであり、来期はスプレッドの持続性と稼働・数量回復の両立が焦点となる。なお、キャッシュフロー関連および減価償却費等の非開示が多く、キャッシュベースの品質検証には限界がある点を明記する。
ROE分解では、純利益率6.50%×総資産回転率0.697×財務レバレッジ1.79=約8.10%と整合的。純利益率は営業利益率9.8%(=8,505/86,587)から金融費用(70)と税負担(2,047)を経て6.5%に着地しており、営業段階でのマージン拡大が主因。前年の営業利益は逆算で約7,321百万円、前年売上は約86,760百万円とみられるため、営業利益率は約8.44%→9.82%へ+1.38pt改善した。粗利率19.3%に対し販管費率は約9.5%(=8,227/86,587)で、費用効率の寄与が示唆される。インタレストカバレッジ121.5倍は利払い負担がROEの毀損要因になっていないことを示す。ROAは約4.53%(=5,626/124,163)で、営業利益率の改善により資産効率の底上げが進む。営業レバレッジの観点では、売上-0.2%でも営業利益+16.2%と高い感応度が確認され、固定費の吸収・ミックス改善・原材料スプレッド拡大が要因。今後はスプレッド反転局面での利益弾性に注意が必要。
売上高は-0.2%と横ばいで数量面の伸びは限定的。一方、営業・純利益が二桁増益であり、売上成長依存ではなくスプレッド・効率改善ドリブンの成長局面。利益の質は営業段階の改善が中心で、非営業項目や一過性要因の寄与は小さい(支払利息70百万円と軽微、特別損益は不明だが影響は限定的と推測)。短期見通しは、原材料価格(ナフサ等)の動向と需要回復(自動車・電子材料向け等)次第で、売価維持と数量改善の両立ができれば増収増益の余地。中期的には資産回転率の引き上げ(在庫効率・稼働率改善)と高付加価値品のミックス強化がROE押し上げに寄与。データ制約により設備投資・新製品投入の定量評価は不可だが、現状の利益率水準は過去平均を上回る可能性が高く、持続性検証が鍵。
流動資産69,366百万円に対し流動負債46,649百万円で流動比率148.7%、当座比率112.4%と短期支払能力は良好。運転資本は22,717百万円のプラスで、資金繰りの余裕がある。総資産124,163百万円、負債59,542百万円、純資産69,420百万円で負債資本倍率0.86倍と保守的。金利負担は70百万円と小さく、金利上昇耐性も高い。自己資本比率は不記載(0.0%表示)だが、BS数値からは純資産比率約55.9%(=69,420/124,163)と推計され、財務の健全性は高いとみられる。コベナンツや償還期限の詳細は不明だが、現状の資本構成にストレスは見られない。
営業CF・投資CF・財務CFの開示がなく、キャッシュ創出力やFCFの定量検証は不可。損益からの間接評価としては、営業利益8,505百万円、税引前利益(仮)7,673百万円(=5,626+2,047)からみて、利益の現金化は在庫・売掛・買掛の変動に依存。棚卸資産は16,949百万円で、COGS70,050百万円ベースの概算在庫日数は約88日(=16,949÷(70,050/365))と過度ではない。減価償却費は不記載でEBITDA評価も不可のため、利益の現金性(D&A控除)・維持更新投資の水準は判断不能。FCF分析は不可能だが、運転資本の水準と低金利負担から、平常時のFCF創出余地は一定程度見込まれる一方、在庫増や原材料高騰局面ではキャッシュ吸収リスクがある。
年間配当0円・配当性向0%とされるが、方針・累年実績や自己株式の動向は不明で判断保留。EPS156.27円に対する配当性向仮試算は0%で、利益留保重視の局面と解釈可能だが、投資(成長投資・メンテ投資)と財務余力のバランスが背景の可能性。FCFカバレッジは不明(CF非開示)で、持続可能性の定量評価は不可。今後の配当見通しは、(1) 利益水準の持続、(2) キャッシュフロー(特に運転資本の解放/吸収)、(3) 設備投資計画とネットデット動向の3点次第。現状の財務健全性と低金利負担を踏まえると、利益が持続する限り還元余地はあるが、会社方針の確認が必要。
ビジネスリスク:
- 原材料(ナフサ等)価格の変動によるスプレッド圧縮
- 需要サイクル(自動車、電子材料、建材向け等)の変動による数量・稼働低下
- 為替(主にUSD/JPY)変動による採算ブレ
- 在庫評価影響(原材料・製品価格の下落局面での在庫評価損)
- 競争激化・輸入品価格競争によるマージン低下
- 環境規制・安全規制強化によるコスト増・投資負担
財務リスク:
- 運転資本の膨張による営業CFの毀損
- 原材料高騰局面での追加運転資金需要
- キャペックス増加時のFCF圧迫(減価償却・投資CF不明のため見通し不確実)
- 金利上昇耐性は高いが、長期的な借入依存増加時の利払いリスク
主な懸念事項:
- 売上が横ばいの中での高マージン持続性(スプレッドの循環性)
- CF・減価償却・投資計画の不記載によりキャッシュ創出力の定量評価ができない点
- 配当方針・資本配分の透明性不足(配当0円データの解釈に不確実性)
重要ポイント:
- 売上-0.2%でも営業利益+16.2%と、費用効率・スプレッド改善で高い営業レバレッジを確認
- ROE8.1%、ROA4.5%と資本効率は良好で、負債資本倍率0.86倍・当座比率112%の健全な財務体質
- インタレストカバレッジ121倍と金利感応度は小さく、金融環境悪化リスクに耐性
- 在庫日数約88日と運転資本は概ね適正レンジだが、原材料市況反転時のCF吸収に留意
- キャッシュフロー・減価償却・配当方針の追加開示がバリュエーションと還元余地評価の鍵
注視すべき指標:
- 営業利益率と粗利率のトレンド(スプレッドの持続性)
- 総資産回転率と在庫回転(資産効率)
- 原材料価格(ナフサ指標)および為替レート
- 営業CF・FCFと運転資本増減(CF開示後)
- 設備投資額・減価償却費(維持投資水準と成長投資のバランス)
- 資本配分(配当方針・自己株式の活用)
セクター内ポジション:
化学セクター内で、財務健全性と利益率改善が目立つ中位〜上位のポジショニング。売上成長は足踏みだが、営業レバレッジと費用効率で相対的な収益耐性を示す一方、スプレッド循環の影響度は同業と同様に残る。
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