- 売上高: 1,727.79億円
- 営業利益: 318.93億円
- 当期純利益: 186.25億円
- 1株当たり当期純利益: 184.28円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,727.79億円 | 1,465.47億円 | +17.9% |
| 売上原価 | 935.75億円 | - | - |
| 売上総利益 | 529.72億円 | - | - |
| 販管費 | 297.28億円 | - | - |
| 営業利益 | 318.93億円 | 232.43億円 | +37.2% |
| 営業外収益 | 13.59億円 | - | - |
| 営業外費用 | 5.67億円 | - | - |
| 経常利益 | 327.58億円 | 240.34億円 | +36.3% |
| 税引前利益 | 246.52億円 | - | - |
| 法人税等 | 60.27億円 | - | - |
| 当期純利益 | 186.25億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 220.64億円 | 156.36億円 | +41.1% |
| 包括利益 | 249.33億円 | 177.21億円 | +40.7% |
| 支払利息 | 64百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 184.28円 | 129.08円 | +42.8% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 184.14円 | 128.94円 | +42.8% |
| 1株当たり配当金 | 29.00円 | 29.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 1,496.40億円 | 1,517.70億円 | -21.30億円 |
| 現金預金 | 547.72億円 | 590.47億円 | -42.75億円 |
| 売掛金 | 467.98億円 | 428.46億円 | +39.52億円 |
| 棚卸資産 | 146.91億円 | 126.02億円 | +20.89億円 |
| 固定資産 | 1,498.85億円 | 1,301.60億円 | +197.25億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 12.8% |
| 粗利益率 | 30.7% |
| 流動比率 | 295.9% |
| 当座比率 | 266.9% |
| 負債資本倍率 | 0.33倍 |
| インタレストカバレッジ | 498.33倍 |
| 実効税率 | 24.4% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +17.9% |
| 営業利益前年同期比 | +37.2% |
| 経常利益前年同期比 | +36.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +41.1% |
| 包括利益前年同期比 | +40.7% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 127.80百万株 |
| 自己株式数 | 7.92百万株 |
| 期中平均株式数 | 119.72百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,880.25円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 29.00円 |
| 期末配当 | 34.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 2,270.00億円 |
| 営業利益予想 | 400.00億円 |
| 経常利益予想 | 410.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 265.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 220.99円 |
| 1株当たり配当金予想 | 35.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3の東京応化工業(TOK)は、半導体関連需要の持ち直しと高付加価値品ミックス改善を背景に、売上・利益ともに2桁成長で堅調でした。売上高は1,727.79億円で前年比+17.9%、営業利益は318.93億円で同+37.2%、経常利益は327.58億円で同+36.3%、当期純利益は220.64億円で同+41.1%と、利益の伸びが売上を上回りました。営業利益率は売上高に対して約18.5%(318.93/1,727.79)と推計され、前年の約15.9%程度(逆算ベース)から約+260bp改善したとみられます。純利益率は12.8%(提供指標)で、前年の約10.7%(逆算)から約+210bp改善と、税前から純利益までのレベルでも収益性が向上しました。粗利益率は30.7%と高水準で、価格改定や製品ミックスの改善、歩留まりの改善が寄与した可能性が高いです。販管費は297.28億円で販管費率は約17.2%にとどまり、営業レバレッジが効きました。営業外収益13.59億円(受取配当3.63億円、受取利息2.60億円を含む)、営業外費用5.67億円で、非営業要素の純寄与は+7.92億円と限定的で、業績の主因は本業の強さです。実効税率は24.4%と適正水準で、税負担の変動は利益率に大きな歪みを与えていません。財務面では総資産2,995.25億円、純資産2,254.03億円、負債資本倍率0.33倍、流動比率295.9%とバランスシートは非常に健全です。現金預金は547.72億円、長期借入金161.00億円・短期借入金3.64億円に対し、実質ネットキャッシュで耐性が強いです。インタレストカバレッジは498.33倍と極めて高く、金利上昇局面でも影響は限定的です。ROEは9.8%(デュポン分解: 純利益率12.8%×総資産回転率0.577×財務レバレッジ1.33)で、資本効率はコストオブエクイティを十分上回る水準と評価できます。なお、提供データ上、売上総利益(529.72億円)と販管費(297.28億円)から逆算される営業利益(約232億円)と報告営業利益(318.93億円)に乖離があり、その他営業収益・費用の区分や会計区分が影響している可能性があります。キャッシュフローは未開示のため、営業CF対純利益の整合性やFCFの創出力は評価保留です。総じて、半導体市況の回復局面で同社の高付加価値ポートフォリオが奏功し、利益率の改善と資本効率の向上が並走しています。今後は先端レジスト(EUV等)の拡販ペース、需要回復の持続性、在庫水準の適正化、ならびに投資計画とキャッシュアロケーションのバランスが持続的成長の鍵となります。
デュポン分析(ROE=9.8%)の分解は、ROE=純利益率(12.8%)×総資産回転率(0.577)×財務レバレッジ(1.33)です。営業利益成長(+37.2%)が売上成長(+17.9%)を上回っており、利益率(純利益率・営業利益率)の改善がROE向上の主因とみられます。ビジネス面の背景としては、半導体市況のボトムアウトに伴う数量回復、高付加価値レジスト・高純度薬液のミックス改善、価格改定の浸透、歩留まり改善・収率向上等が挙げられます。総資産回転率0.577は資本集約度の高い業態としては妥当ですが、前年との比較データはないものの、売上の回復に対し資産増が相対的に抑制されれば今後改善余地があります。財務レバレッジは1.33倍と低く、ROEの押し上げ寄与は限定的で、同社はレバレッジに依存せずに収益性でROEを稼いでいます。販管費の絶対額は増加している可能性があるものの、販管費率は約17.2%にとどまっており、売上成長率を販管費成長率が上回っている兆候は見られません。営業レバレッジの効きにより営業利益率は前年からおよそ+260bp改善(逆算)したと考えられ、この改善は製品ミックスと価格主導で一定の持続性が見込まれる一方、半導体サイクル次第で一時的に逆風もあり得ます。非営業の寄与は営業外収入比率6.2%と小さく、利益の質は概ね本業主導と評価します。
売上成長は+17.9%と市況回復を確かな成長に転換しました。営業利益は+37.2%で伸びが加速、価格・ミックス改善と固定費の吸収(製造固定費・販管費のヘッジ)が寄与した可能性が高いです。純利益は+41.1%と最も伸びが大きく、営業段階の改善に加え、営業外収支の小幅なプラスと安定した税率が下支えしました。持分法投資利益の情報は未記載で、成長への外部投資の寄与度は評価できません。ROICは12.9%と高水準で、資本コストを十分に上回っており、投下資本の回収力は良好です。今後の持続可能性は、先端ロジック向けEUVレジストやパワー半導体向け材料の拡販、中国・台湾・北米の設備投資再開ペース、ならびに顧客在庫調整の進捗に依存します。短期的には、前工程の稼働率改善と単価維持が続けば2桁の営業増益トレンドに現実味がありますが、中期では先端投資の増加に伴う減価償却・研究開発比率の上昇がマージンの上蓋になり得ます。数量主導の回復局面では運転資本需要が高まりやすく、キャッシュ面のモメンタムは売上成長に対してラグが出る可能性があります。なお、粗利益率30.7%は歴史的にも堅調域で、先端品の拡大が続けば中期的にはさらなる改善余地もありますが、競争激化・価格交渉での逆風には留意が必要です。
流動比率295.9%、当座比率266.9%と流動性は極めて厚く、短期支払能力に懸念はありません。負債資本倍率0.33倍、純資産2,254.03億円に対して有利子負債(短期3.64億円+長期161.00億円)は限定的で、実質ネットキャッシュ基調(現金547.72億円)です。インタレストカバレッジは498.33倍と強固で、金利上昇の影響は軽微です。短期負債505.68億円に対し流動資産1,496.40億円(現金・売掛金・棚卸資産で約1,162億円超)が大きく上回っており、満期ミスマッチリスクは低いと評価します。買掛金274.32億円に対し売掛金467.98億円・棚卸資産146.91億円の構成から、運転資本は前向き(営業活動の拡大に整合)ですが、売掛金の増勢が続く場合の信用リスク管理は引き続き重要です。オフバランス債務についての開示はなく、評価は保留です。自己資本比率は未記載ながら、総資産2,995.25億円に対し純資産2,254.03億円のため概ね75%程度と推計され、資本基盤は厚いです。
営業CF、投資CF、フリーCFの開示がなく、営業CF/純利益やFCF創出力の定量評価はできません。一般論として、売上高が+17.9%と高成長の局面では、売掛金・棚卸資産の増加により営業CFが純利益を下回る局面が生じやすく、営業CF/純利益が一時的に0.8倍を割り込む可能性には留意が必要です。ただし、同社は高い粗利率と低負債構造を有しており、運転資本のコントロール次第でキャッシュ創出は改善可能とみられます。設備投資額の未開示により、成長投資(先端レジスト・生産能力増強)とFCFのバランスは評価保留です。配当・自社株買いの実施状況も未記載のため、株主還元のCFカバレッジは算出できません。運転資本については、売掛金467.98億円、棚卸資産146.91億円、買掛金274.32億円の水準から、売上モメンタムに沿った積み増しと推察されますが、回転日数のデータがないため操作的な運転資本の動き(期末在庫引き上げ等)の有無は判断できません。
配当性向は計算値で36.5%と保守的な水準で、利益ベースでは十分に持続可能です。営業CF・FCF・配当金総額の開示がないため、FCFカバレッジによる検証は不可ですが、ネットキャッシュ基調と低い負債依存度から、短期の配当継続性に懸念は限定的と見ます。将来的な先端投資(EUV関連設備や品質保証体制の強化)が増加する局面では、配当性向よりも成長投資優先の資本配分を選好する可能性がありますが、現状の利益水準であれば増配余地も残ります。DOEは未記載のため、資本効率と株主還元のリンクは評価保留です。総じて、キャッシュフローの定量データが揃い次第、配当のFCFカバー率とネットキャッシュ維持の両立を確認したいところです。
ビジネスリスク:
- 半導体サイクル変動による数量・稼働率のボラティリティ
- 先端レジスト(EUV等)での競争激化と価格圧力
- 主要顧客への集中度上昇に伴う交渉力低下リスク
- 新製品立ち上げにおける歩留まり・品質安定化の遅延
- 地政学(対中輸出規制等)に伴う需要・供給制約
財務リスク:
- 売上拡大局面での運転資本増加に伴う営業CFのラグ発生
- 原材料価格・物流コストの変動による粗利率圧迫
- 為替変動(円高)による外貨売上・利益の目減り
- 将来の大型投資による減価償却負担の増加
主な懸念事項:
- キャッシュフロー(営業CF・投資CF・FCF)未開示により利益の質の検証が未了
- 売上総利益・販管費と営業利益の表示上の乖離があり、会計区分による一時要因の有無を精査要
- 持分法投資利益の未開示で、非連結領域からの利益変動リスクの把握が困難
- 在庫・売掛金の回転日数データ不在により運転資本効率の評価が限定的
重要ポイント:
- 売上+17.9%、営業利益+37.2%、純利益+41.1%と増収増益、マージン拡大が鮮明
- 営業利益率は約18.5%(推計)で前年から約+260bp改善、粗利率30.7%で高水準維持
- ROE9.8%、ROIC12.9%と資本効率は良好、レバレッジ依存は小さい
- ネットキャッシュ基調かつ流動性厚く、財務耐性は高い
- 営業外の寄与は限定的で本業主導の増益、利益の質は概ね良好
- CF未開示によりFCF持続性・配当カバーの検証は今後の開示待ち
注視すべき指標:
- EUV/先端レジストの売上構成比と単価動向
- 粗利益率および営業利益率の継続性(価格・ミックス・コスト)
- 売掛金・棚卸資産の回転日数(営業CF/純利益の回復度)
- 設備投資額・減価償却費の推移(ROIC維持可能性)
- 為替感応度(特にUSD/JPY、TWD/JPY)
- 主要顧客の投資計画(前工程稼働率・先端投資の再加速)
セクター内ポジション:
国内同業(レジスト・半導体材料)と比較して、営業利益率・ROICが高位で、財務レバレッジの低さにより下方耐性が強い一方、先端領域の競争とサイクルの影響度は相対的に高い。総合商社フレーム(持分法利益依存度等)は非該当で、本業の技術優位と製品ミックスが相対優位性の源泉。
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