- 売上高: 25.92億円
- 営業利益: 2.16億円
- 当期純利益: 2.16億円
- 1株当たり当期純利益: 165.79円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 25.92億円 | 25.41億円 | +2.0% |
| 売上原価 | 19.95億円 | - | - |
| 売上総利益 | 5.46億円 | - | - |
| 販管費 | 4.28億円 | - | - |
| 営業利益 | 2.16億円 | 1.17億円 | +84.6% |
| 営業外収益 | 73百万円 | - | - |
| 営業外費用 | 10百万円 | - | - |
| 経常利益 | 2.61億円 | 1.80億円 | +45.0% |
| 税引前利益 | 1.69億円 | - | - |
| 法人税等 | 57百万円 | - | - |
| 当期純利益 | 2.16億円 | 1.12億円 | +92.9% |
| 減価償却費 | 2.21億円 | - | - |
| 支払利息 | 5百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 165.79円 | 85.76円 | +93.3% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 55.02億円 | - | - |
| 現金預金 | 4.09億円 | - | - |
| 売掛金 | 24.79億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 18.93億円 | - | - |
| 固定資産 | 59.75億円 | - | - |
| 有形固定資産 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 8.43億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -7.17億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 8.3% |
| 粗利益率 | 21.1% |
| 流動比率 | 197.5% |
| 当座比率 | 129.5% |
| 負債資本倍率 | 0.52倍 |
| インタレストカバレッジ | 44.20倍 |
| EBITDAマージン | 16.9% |
| 実効税率 | 33.6% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +2.0% |
| 営業利益前年同期比 | +83.6% |
| 経常利益前年同期比 | +45.1% |
| 当期純利益前年同期比 | +93.3% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 1.37百万株 |
| 自己株式数 | 67千株 |
| 期中平均株式数 | 1.31百万株 |
| 1株当たり純資産 | 5,972.96円 |
| EBITDA | 4.37億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 70.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 66.50億円 |
| 営業利益予想 | 3.50億円 |
| 経常利益予想 | 4.30億円 |
| 当期純利益予想 | 3.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 229.64円 |
| 1株当たり配当金予想 | 70.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度第2四半期のスガイ化学工業は、売上の伸びは緩やかながら利益が大幅増となり、利益率が大きく改善した四半期でした。売上高は25.92億円で前年同期比+2.0%と微増にとどまった一方、営業利益は2.16億円で+83.6%と大幅増、経常利益は2.61億円で+45.1%、当期純利益は2.16億円で+93.3%となりました。営業利益率は8.3%(=2.16/25.92)まで改善し、前年の営業利益(推定1.18億円)と売上(推定25.41億円)から逆算すると営業利益率は約4.6%だったため、約+369bpの大幅な改善と評価できます。当期純利益率も8.3%で、前年の純利益(推定1.12億円)ベースの約4.4%から約+392bp拡大した計算です。経常利益率は10.1%と、前年約7.1%から約+299bp拡大し、営業外収益(0.73億円、受取配当金0.29億円を含む)の寄与が確認できます。粗利率は21.1%と提示されており、販管費の伸びを抑えたことが営業レバレッジの顕在化につながったと見られます。EBITDAは4.37億円、EBITDAマージンは16.9%と筋の良い水準で、減価償却2.21億円を踏まえると固定費の吸収が進んだ印象です。営業CFは8.43億円と当期純利益の3.90倍に達し、利益のキャッシュ化は極めて良好です。財務CFは-7.17億円と資金流出で、借入金返済や株主還元によるものと推測されます(内訳未開示)。バランスシートは総資産112.91億円、純資産78.03億円、負債資本倍率0.52倍と堅実で、流動比率197.5%、当座比率129.5%と流動性も良好です。一方で、ROEは2.8%と控えめで、ROICは1.6%と警戒レンジ(<5%)にあり、資本効率の弱さが中期的な課題です。総資産回転率は0.230倍と低く、在庫・売掛金など運転資本の資産効率が改善余地を示唆します。営業外収入比率は33.8%と高めで、受取配当など非コア要素への依存は利益の質の観点で注視が必要です。決算データには一部の小計間に不整合(例:売上総利益・販管費・営業利益の整合や税前利益と純利益の関係)が見られるため、精緻な分解分析には限界がある点に留意が必要です。総じて、短期的にはコストコントロールと営業レバレッジの発現で高い利益成長を実現、キャッシュ創出力も強く、財務基盤は健全ですが、ROICの低さと非コア収益依存の度合いが中期の改善論点となります。今後は、製品ミックス改善や価格改定の継続、在庫適正化による資産回転率の引き上げがROIC改善の鍵となるでしょう。資源・原材料価格およびエネルギーコストの変動は粗利率に直結するため、調達・価格転嫁の機動性が持続的なマージン維持の成否を分けます。営業CFの強さは、投資・還元の選択肢を広げる追い風で、仮に同水準が続けば、配当の持続可能性は高いと見られます。もっとも、営業外収入の寄与が縮小した場合でも中核利益でどこまで耐性があるか、次四半期以降のトレンド確認が重要です。
ROE分解(デュポン): ROE 2.8% = 純利益率8.3% × 総資産回転率0.230 × 財務レバレッジ1.45倍。直近期の改善に最も寄与した要素は純利益率の上昇で、営業利益の大幅増(+83.6%)と営業外収益の寄与(0.73億円)により、営業・経常段階のマージンが拡大しました。ビジネス上の背景としては、売上が+2.0%の小幅増に対し、固定費性の高い費用(減価償却含む)の吸収が進んだこと、製品ミックスや価格要因の改善、外部配当収入の増加等が考えられます。持続性評価としては、コストコントロールと価格施策は一定の継続性が見込める一方、営業外収入(配当等)は市況・投資先配当方針に左右されやすく一過性の振れもあり得ます。総資産回転率0.230は依然として低く、売掛金・在庫の回転改善がROE向上の次のドライバーとなります。懸念トレンドとして、現状データでは販管費の絶対額と各小計の整合に不整合があり正確な伸び率比較は困難ですが、今期は売上成長率(+2.0%)を大きく下回る販管費増に見えないため、営業レバレッジはプラスに機能したと評価します。
売上は+2.0%の増収と小幅ながら、営業利益が+83.6%と大幅増で、収益性改善が成長の主因です。営業利益率は約4.6%(前年推計)から8.3%へ約+369bp改善、純利益率も約4.4%から8.3%へ約+392bp改善しました。改善の質としては、EBITDAマージン16.9%への上昇と営業CF/純利益3.90倍という強いキャッシュ創出が裏付けとなる一方、営業外収入比率33.8%と非コアの寄与が大きく、耐久性に注意が必要です。先行きは、原材料価格・エネルギーコスト・為替の動向と価格転嫁のタイムラグが売上総利益率を左右します。運転資本(売掛金24.79億円、在庫18.93億円)の適正化により資産回転を引き上げれば、ROICの底上げ余地は大きいです。CAPEXは1.52億円と抑制的で、足元は効率重視の運営が継続していると見られます。
流動比率197.5%、当座比率129.5%と流動性は健全域で、短期支払能力に問題は見られません。負債資本倍率0.52倍、長短借入合計約14.05億円、自己資本78.03億円と資本構成は保守的です。インタレストカバレッジは44.2倍と強固で、利払い負担は軽微です。満期ミスマッチについては、流動資産55.02億円に対し流動負債27.86億円でカバーされ、短期借入金7.00億円は現金4.09億円と運転資本により概ね吸収可能です。オフバランスの債務は開示なしのため不明ですが、投資有価証券17.64億円の含み損益や価格変動リスクには留意が必要です。自己資本比率は未記載ながら、計算上は約69%(=78.03/112.91)と高水準です。
営業CFは8.43億円で当期純利益2.16億円の3.90倍と極めて高品質です。営業CFの強さは、減価償却2.21億円の非資金費用や運転資本のプラス寄与が背景と推測されます(詳細内訳は未開示)。投資CFは未記載ですが、設備投資額は1.52億円で抑制的。便宜上、FCFの推定値として営業CF−設備投資=約6.91億円を算出すると、内部資金で投資と潜在的な株主還元を十分に賄える水準です。営業CF/純利益が1.0を大きく上回るため、利益の質に大きな問題は見当たりません。運転資本については売掛金24.79億円、在庫18.93億円とバランスシート上の比重が大きく、今後の在庫回転・回収リードタイムの動向がCFの継続性に影響します。財務CFは-7.17億円で借入返済や配当・自社株買いの可能性が示唆されますが、内訳未開示のため確定的評価はできません。
配当性向は計算値で44.5%と目安の<60%に収まり、収益水準からみた持続可能性は良好です。営業CFベースの推定FCF約6.91億円は、仮に安定配当を継続する場合でも十分なカバレッジが見込めます。もっとも、配当総額および財務CFの内訳(配当・自社株買い・借入返済)は未記載で、還元実行の実態把握には制約があります。中期的な配当余力は、非コア収益(受取配当など)の変動影響よりも、中核事業のマージン維持とROIC改善に左右されます。
ビジネスリスク:
- 原材料・エネルギー価格の変動による粗利率の圧迫
- 価格転嫁のタイムラグ拡大によるマージン減少リスク
- 製品ミックス・需要変動に伴う稼働率低下と固定費吸収の悪化
- 主要顧客・用途への依存度が高い場合の需要ショック
- 環境規制強化・化学物質規制(REACH等)対応コストの上昇
財務リスク:
- ROIC 1.6%と資本効率の低さ(投下資本の収益性不足)
- 総資産回転率0.230の低水準(在庫・売掛の回転効率)
- 営業外収入比率33.8%と非コア依存度の上昇
- 投資有価証券17.64億円の価格変動・配当変動リスク
- Debt/EBITDA 3.22倍のレバレッジ(現状カバレッジは高いが景気後退時に上振れ懸念)
主な懸念事項:
- 決算小計間の不整合(PL各小計や税前・当期純利益の整合性)による分析精度の制約
- 営業外収益の減少局面での利益維持力
- 在庫水準の適正化と回収条件による営業CFの変動
- ROE 2.8%と資本コスト対比の収益性不足
重要ポイント:
- 売上+2%に対し営業利益+84%と営業レバレッジが顕在化、営業利益率は約+369bp改善
- 営業CF/純利益3.90倍と利益のキャッシュ化が極めて良好、推定FCF約6.9億円
- 資本構成は保守的(負債資本倍率0.52倍、インタレストカバレッジ44倍)で流動性に余裕
- ROIC 1.6%と資本効率は警戒水準、総資産回転率の改善が最優先課題
- 営業外収入比率33.8%と非コア寄与が大きく、持続性に注意
注視すべき指標:
- 粗利益率と価格改定進捗(原材料価格・エネルギーコストの転嫁状況)
- 販管費率とEBITDAマージンのトレンド
- 営業外収益比率(受取配当・有価証券関連損益の動向)
- 運転資本回転(在庫・売掛の回転日数)と営業CF/純利益
- ROIC(NOPAT/投下資本)と総資産回転率の改善度合い
- Debt/EBITDAとインタレストカバレッジの維持
セクター内ポジション:
国内中小型化学メーカー群と比べ、財務安全性とキャッシュ創出は強い一方、ROIC・資産回転率が低く資本効率で見劣り。短期の利益率は改善傾向で同業平均並み〜やや上だが、非コア収益依存度が相対的に高い点は慎重評価。
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