- 売上高: 617.23億円
- 営業利益: 41.04億円
- 当期純利益: 38.45億円
- 1株当たり当期純利益: 219.27円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 617.23億円 | 621.27億円 | -0.7% |
| 売上原価 | 485.64億円 | 496.20億円 | -2.1% |
| 売上総利益 | 131.59億円 | 125.07億円 | +5.2% |
| 販管費 | 90.54億円 | 90.32億円 | +0.2% |
| 営業利益 | 41.04億円 | 34.75億円 | +18.1% |
| 営業外収益 | 8.21億円 | 8.98億円 | -8.6% |
| 営業外費用 | 4.36億円 | 6.22億円 | -29.9% |
| 経常利益 | 44.89億円 | 37.51億円 | +19.7% |
| 税引前利益 | 55.19億円 | 113.86億円 | -51.5% |
| 法人税等 | 16.74億円 | 32.80億円 | -49.0% |
| 当期純利益 | 38.45億円 | 81.06億円 | -52.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 37.64億円 | 80.24億円 | -53.1% |
| 包括利益 | 28.62億円 | 116.36億円 | -75.4% |
| 支払利息 | 1.39億円 | 1.24億円 | +12.1% |
| 1株当たり当期純利益 | 219.27円 | 467.67円 | -53.1% |
| 1株当たり配当金 | 66.00円 | 66.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 1,084.26億円 | 1,101.47億円 | -17.21億円 |
| 現金預金 | 213.80億円 | 242.51億円 | -28.71億円 |
| 売掛金 | 517.65億円 | 515.65億円 | +2.00億円 |
| 棚卸資産 | 332.90億円 | 325.96億円 | +6.94億円 |
| 固定資産 | 889.03億円 | 866.36億円 | +22.67億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 6.1% |
| 粗利益率 | 21.3% |
| 流動比率 | 228.2% |
| 当座比率 | 158.1% |
| 負債資本倍率 | 0.50倍 |
| インタレストカバレッジ | 29.53倍 |
| 実効税率 | 30.3% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -0.7% |
| 営業利益前年同期比 | +18.1% |
| 経常利益前年同期比 | +19.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -53.1% |
| 包括利益前年同期比 | -75.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 18.11百万株 |
| 自己株式数 | 1.04百万株 |
| 期中平均株式数 | 17.17百万株 |
| 1株当たり純資産 | 7,687.69円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 66.00円 |
| 期末配当 | 90.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| ColorAndFunctionalProducts | 60百万円 | 22.09億円 |
| GraphicAndPrintingMaterials | 1.41億円 | 5.08億円 |
| PolymerAndCoatingMaterials | 2.04億円 | 13.72億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 1,273.00億円 |
| 営業利益予想 | 72.00億円 |
| 経常利益予想 | 82.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 69.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 404.22円 |
| 1株当たり配当金予想 | 87.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の大日精化工業は、売上が小幅減少する中で営業利益が2桁成長し、営業段階での採算改善が確認できる一方、最終利益は大幅減益となったアンビバレントな決算です。売上高は617.23億円で前年比-0.7%、営業利益は41.04億円で+18.1%、経常利益は44.89億円で+19.7%と、コア収益の改善が鮮明です。営業外収益8.21億円と営業外費用4.36億円の差し引きで経常段階を3.85億円押し上げ、営業レベルの改善を後押ししました。営業利益率は6.65%(41.04/617.23)で、前年約5.59%と推定されるため、約+106bpの改善と評価されます。粗利益率は21.3%と足元では安定しており、販管費率は14.67%(90.54/617.23)で管理コストのコントロールが効いた印象です。一方、当期純利益は37.64億円で前年比-53.1%と急減し、純利益率は6.1%に低下しました。前年純利益は約80.2億円と推計され、純利益率は約12.9%だったため、ネットマージンは約-680bpの収縮です。税引前利益は55.19億円と経常利益を上回っており、特別損益の純増益要因が示唆されるにもかかわらず最終利益が減少していることから、前年の一過性要因(投資有価証券売却益等)の反動減または非支配持分・税効果の影響が大きかった可能性が高いです。実効税率は30.3%と平常水準であり、税率要因のみで最終減益を説明するのは難しいです。財務面では流動比率228.2%、当座比率158.1%、負債資本倍率0.50倍と流動性・レバレッジともに健全で、短期借入金113.75億円は潤沢な現金213.80億円で十分に賄える体力があります。インタレストカバレッジは29.53倍と高水準で、利払い耐性は極めて強固です。一方でROEは2.9%、ROICは2.2%と資本効率は低位にとどまり、特にROICは5%未満の警戒域にあるため、中期的な改善策(資産の入替え、低採算事業のテコ入れ、価格転嫁の徹底等)が必要です。営業外収入比率21.8%は非営業要因への一定の依存を示し、コア収益の一段の底上げが課題です。キャッシュフローは未記載のため、営業CF対純利益の整合性やFCFの持続性を検証できず、利益の質評価には不確実性が残ります。総じて、コスト最適化と価格政策により営業段階の収益性は改善しており、短期的な業績モメンタムは堅調です。一方で最終利益の前年反動減と低ROICが示す構造的課題は残存し、資本効率改善と安定的なキャッシュ創出の証左が今後の焦点です。短期は営業利益の伸長を評価、中期はROIC改善とCF可視性の確保が株主価値向上のカギとなります。
【ステップ1】ROEを分解すると、ROE(2.9%) = 純利益率(6.1%) × 総資産回転率(0.313) × 財務レバレッジ(1.50倍)。【ステップ2】変化の寄与が最も大きいのは純利益率で、営業利益は2桁増だが最終利益は▲53.1%と大きくブレており、ROE低迷の主因になっています。総資産回転率0.313は化学メーカーとしては低めで、資産効率の改善余地も大きいと判断します。レバレッジは0.50倍相当(D/E)で保守的であり、ROE押し上げ効果は限定的です。【ステップ3】純利益率低下のビジネス要因として、前年の一過性益の反動、非営業損益構成の変化、為替や評価損益の振れが想定されます。一方で営業利益率は6.65%と約+106bp改善しており、売価改善・ミックス改善・原材料コスト安定化・販管費効率化のいずれか(または複合)が寄与したとみられます。【ステップ4】営業段階の改善はコストと価格の構造的取り組みによる面が大きく、持続性は相対的に高いと評価。一方、最終利益の振れは一過性要因に左右されやすく、持続性は低い可能性が高いです。【ステップ5】懸念トレンドとして、純利益の変動が営業トレンドより大きい点、総資産回転率の低さ(運転資本・固定資産の膨張)とROIC 2.2%の低位停滞を指摘します。販管費は絶対額90.54億円、売上比14.67%で管理されているものの、売上成長(▲0.7%)に対し最終利益が大幅減で、非営業項目への感応度が高い収益構造が課題です。
売上は▲0.7%と横這い圏で、数量・価格のいずれかで弱含みながらも大崩れは回避。営業利益+18.1%と営業段階では増益モメンタムがあるため、価格転嫁やコスト低減が一定機能しています。営業外収入(8.21億円)への依存度が21.8%とやや高く、持続的成長の観点では営業利益のさらなる底上げが望ましいです。純利益は▲53.1%で、一過性の反動が主因とみられ、来期にかけては“増益の質”の回復(非営業依存の低下、特損/特益の平準化)が重要となります。資産効率(総資産回転率0.313)の低さは成長の資本効率を阻害し得るため、在庫332.90億円・売掛金517.65億円の回転改善や非中核資産の圧縮で売上の質向上が可能です。短期見通しは、原材料価格と為替の落ち着きが継続すれば営業利益率の改善余地あり。中期はROIC>5%回復をマイルストンに、投下資本の最適化と選択と集中が成長の質を高める鍵です。
流動比率228.2%、当座比率158.1%と潤沢な流動性を確保。短期負債475.18億円に対し、現金213.80億円、売掛金517.65億円、棚卸332.90億円で短期資金需要を十分にカバーしており、満期ミスマッチリスクは低いです。負債資本倍率0.50倍、短期借入113.75億円・長期借入83.25億円で総借入197.0億円、実質ネットキャッシュ約+16.8億円とみられ、レバレッジは抑制的です。インタレストカバレッジ29.53倍で利払い耐性は強固。オフバランス債務は開示なしのため把握不能。自己資本比率は未記載だが、純資産1,312.29億円/総資産1,973.30億円から推計すると約66%と高水準と推察され、財務健全性は高いと評価します。
営業CF、投資CF、フリーCFは未記載のため、営業CF/純利益やFCFの健全性を定量評価できません。よって営業CF/純利益<0.8の警告判定は実施不能です。運転資本は609.08億円と大きく、売掛金と在庫の回転が営業CFの鍵であり、当期の在庫水準(332.90億円)が積み上がっている場合は期末にかけての在庫圧縮がCF改善要因となり得ます。配当・設備投資に対するFCFのカバレッジは不明ですが、ネットキャッシュと高い流動性が短期の資金需要を緩和します。営業外収入依存や一過性損益の振れが純利益とCFの乖離を生む可能性があるため、次四半期以降の営業CF開示で品質の検証が必須です。
配当金実額・FCFが未記載のため定量評価は限定的ですが、計算上の配当性向は75.1%と目安の<60%を上回り、利益ベースではやや重い水準です。もっとも、ネットキャッシュに近い財務体質と高流動性が短期の分配余力を下支えします。持続可能性は“利益の質(営業利益の伸びの継続)”と“FCF創出力”に依存するため、営業CFと投資CFの実績次第で評価が二分します。業績の一過性要因の影響が薄れる来期にかけて、安定的な配当維持にはROIC改善と運転資本効率化が鍵です。資本政策としては自社株買いの有無も不明で、総還元方針のトーンは判定不能です。
ビジネスリスク:
- 原材料価格・エネルギー価格の変動による粗利率の圧迫
- 需要環境の鈍化(売上▲0.7%)による操業度低下と固定費吸収悪化リスク
- 為替変動による採算・評価損益の振れ
- 製品ミックス変化に伴う営業利益率のボラティリティ
財務リスク:
- ROIC 2.2%と資本効率の低位停滞(WACC割れリスク)
- 非営業損益への感応度上昇(営業外収入比率21.8%)
- 運転資本の膨張によるキャッシュフロー圧迫の可能性
- 配当性向75.1%と利益ベースでの分配負担感
主な懸念事項:
- 最終利益が▲53.1%と大幅減益(前年一過性益の反動が示唆)
- 総資産回転率0.313と低い資産効率(在庫・売掛の回転改善余地)
- キャッシュフロー未開示により利益の質・FCF持続性の検証が不能
- 中期のROIC改善策の具体性(事業ポートフォリオの見直し、価格戦略、稼働率最適化)の可視性不足
重要ポイント:
- 売上横ばい下でも営業利益は+18.1%で、営業段階の採算が改善
- 営業利益率は約+106bp拡大し、価格とコストのマネジメントが寄与
- 純利益は▲53.1%と大幅減で、一過性要因への依存度が浮き彫り
- ROE 2.9%、ROIC 2.2%と資本効率が課題
- 流動性・レバレッジは健全で、短期的な財務耐性は高い
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益(目安>1.0)
- 在庫回転日数と売掛金回転日数(総資産回転率改善の指標)
- 営業利益率の持続性(価格転嫁と原材料価格の動向)
- 非営業損益の構成(投資有価証券売却益、為替差損益など)
- ROIC(目安>5%回復)と事業別投下資本の回収状況
セクター内ポジション:
財務健全性は同業内で良好だが、資本効率(ROE・ROIC)は相対的に見劣り。営業利益率は改善基調にある一方、最終利益のボラティリティが高く、キャッシュフローの可視性が現時点で劣る。中期は資産効率の改善が競合との差別化ポイント。
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