- 売上高: 2,001.97億円
- 営業利益: 90.11億円
- 当期純利益: 79.67億円
- 1株当たり当期純利益: 50.43円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 2,001.97億円 | 2,068.76億円 | -3.2% |
| 売上原価 | 1,632.31億円 | 1,705.69億円 | -4.3% |
| 売上総利益 | 369.65億円 | 363.07億円 | +1.8% |
| 販管費 | 285.79億円 | 265.31億円 | +7.7% |
| 営業利益 | 90.11億円 | 104.55億円 | -13.8% |
| 持分法投資損益 | 5.90億円 | 17.37億円 | -66.0% |
| 税引前利益 | 107.95億円 | 124.28億円 | -13.1% |
| 法人税等 | 28.29億円 | 29.85億円 | -5.2% |
| 当期純利益 | 79.67億円 | 94.43億円 | -15.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 76.12億円 | 89.25億円 | -14.7% |
| 包括利益 | 123.92億円 | 65.32億円 | +89.7% |
| 減価償却費 | 158.94億円 | 158.33億円 | +0.4% |
| 1株当たり当期純利益 | 50.43円 | 58.03円 | -13.1% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 50.43円 | 58.02円 | -13.1% |
| 1株当たり配当金 | 54.00円 | 54.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 2,380.63億円 | 2,554.51億円 | -173.88億円 |
| 棚卸資産 | 839.88億円 | 843.15億円 | -3.27億円 |
| 固定資産 | 2,979.19億円 | 2,882.08億円 | +97.11億円 |
| 有形固定資産 | 2,009.57億円 | 1,942.44億円 | +67.13億円 |
| 無形資産 | 66.91億円 | 44.96億円 | +21.95億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 255.40億円 | 229.79億円 | +25.61億円 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -207.41億円 | -76.01億円 | -131.40億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -135.47億円 | -143.42億円 | +7.95億円 |
| 現金及び現金同等物 | 458.51億円 | 545.65億円 | -87.14億円 |
| フリーキャッシュフロー | 47.99億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 2,559.11円 |
| 純利益率 | 3.8% |
| 粗利益率 | 18.5% |
| 負債資本倍率 | 0.37倍 |
| EBITDAマージン | 12.4% |
| 実効税率 | 26.2% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -3.2% |
| 営業利益前年同期比 | -13.8% |
| 税引前利益前年同期比 | -13.1% |
| 当期純利益前年同期比 | -15.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -14.7% |
| 包括利益前年同期比 | +89.7% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 156.00百万株 |
| 自己株式数 | 7.26百万株 |
| 期中平均株式数 | 150.95百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,622.20円 |
| EBITDA | 249.05億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 54.00円 |
| 期末配当 | 60.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 4,050.00億円 |
| 営業利益予想 | 180.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 150.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 100.35円 |
| 1株当たり配当金予想 | 50.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の日本触媒は売上が減少する中で営業・最終利益も減益となり、マージンが圧縮したが、営業キャッシュフローは純利益を大幅に上回りキャッシュ創出の質は高い四半期でした。売上高は2,001.97億円で前年同期比-3.2%、営業利益は90.11億円で-13.8%、当期純利益は76.12億円で-14.7%でした。営業利益率は4.5%(=90.11/2,001.97)で、前年同期の約5.05%から約55bp縮小と推計され、マージン圧力が確認できます。純利益率は3.8%で、前年の約4.31%から約51bp縮小した計算です。粗利益率は18.5%と一定の水準を維持しているものの、販管費率は14.3%(=285.79/2,001.97)と重く、営業レバレッジが効かずに利益率を押し下げました。デュポン分解では、ROEは1.9%(=純利益率3.8%×総資産回転率0.374×レバレッジ1.37)と低調で、特に純利益率の低下が主因です。ROICは1.5%と警戒域(<5%)にあり、資本効率改善が喫緊の課題です。持分法投資利益は5.90億円で利益への寄与は5.5%に留まり、業績は主に本業の収益力に依存しています。営業CFは255.40億円と純利益(76.12億円)の3.36倍で、利益の現金化は良好でした。フリーキャッシュフローは47.99億円と黒字ですが、配当(90.91億円)と自己株買い(52.20億円)の株主還元合計143.11億円を下回り、FCFカバレッジは0.27倍と低位です。財務面では自己資本比率71.0%、負債資本倍率0.37倍、実質ネットキャッシュ(現金458.51億円対有利子負債436.71億円)に近く、レバレッジは抑制されています。総資産回転率は0.374と効率は高くなく、棚卸資産839.88億円の回転改善余地が示唆されます。投下資本に対するリターンが低い一方で、減価償却費(158.94億円)を上回る設備投資(211.55億円)を継続しており、投資回収の可視化が次の焦点です。短期的には原材料価格と販売価格のスプレッド、数量の回復度合いがマージンのカギとなります。中期的には稼働率引き上げ、製品ミックス改善、コスト最適化によりROIC>5%の回復が必要です。為替や原料(プロピレン等)の価格変動、主要製品(アクリル酸・SAP等)の市況が業績感応度の高い変数であり、外部環境の影響が続く見込みです。
ROEを純利益率×総資産回転率×財務レバレッジに分解すると、1.9% = 3.8% × 0.374 × 1.37となります。3要素のうち最も変化が大きいのは純利益率で、営業利益の減少(-13.8%)と売上の減少(-3.2%)のギャップから営業利益率は約55bp縮小、純利益率も約51bp低下したと推計されます。背景には販売数量の弱含みと販管費の相対的な硬直性(販管費率14.3%)により営業レバレッジが効かなかったこと、ならびに価格転嫁・スプレッドの圧縮が示唆されます。財務レバレッジは1.37倍と低水準で安定しており、ROE変動への寄与は限定的です。総資産回転率0.374は化学大手としても低めで、棚卸資産の積み上がりが効率を下押ししている可能性があります。これらの変化は、原材料市況と需要回復の影響を大きく受けるため短期的には変動的ですが、コスト構造改革や在庫回転改善が進めば中期的に改善余地があります。懸念点として、売上成長率(-3.2%)に対して販管費水準が高止まりしており、量・価格の回復なくしては利益率改善が難しい点が挙げられます。加えて、ROICが1.5%と資本コストを大きく下回っており、投下資本効率の改善(不採算資産の圧縮、既存投資の収益化)が必要です。持分法投資利益の寄与は5.5%と限定的で、本業の改善がROE/ROICのカギとなります。
売上は2,001.97億円で前年同期比-3.2%と縮小し、数量・価格いずれかでの弱含みが示唆されます。営業利益は90.11億円(-13.8%)と減益幅が売上減少幅を上回り、営業利益率は4.5%へ約55bp低下しました。EBITDAは249.05億円でEBITDAマージン12.4%と、減価償却費(158.94億円)を確保しつつも成長投資の原資は限定的です。営業外収益の詳細は開示不足(N/A)ですが、営業外収入比率は7.8%と小さく、成長ドライバーは本業の収益力回復に依存します。持分法投資利益は5.90億円と小幅で、外部投資の牽引効果は限定的です。短期的な成長の鍵は、主要製品のスプレッド改善(原料プロピレン/ナフサ対比)と稼働率正常化、在庫調整の進展です。中期的には、高付加価値品(特殊アクリレート、機能性材料等)シフトによるミックス改善とコスト削減(エネルギー効率、物流最適化)で営業利益率の底上げが必要です。ROICは1.5%と低位であり、成長投資の厳選(回収期間、IRR基準の強化)とアセットライト化が求められます。為替(円安)は外貨売上の円換算押し上げ要因となる一方、原材料輸入コストを通じたマージン圧力にもなり得ます。全体として、外部環境の改善に加え、内部の効率改善が持続的成長の前提条件です。
自己資本比率は71.0%と厚く、負債資本倍率0.37倍で保守的な資本構成です。総有利子負債は短期193.60億円、長期243.11億円の計436.71億円、現金同等物458.51億円と実質ネットキャッシュに近いポジションです。Debt/EBITDAは約1.75倍と低位で、レバレッジリスクは限定的です。流動比率・当座比率は必要項目がN/Aのため算出不可ですが、短期借入金193.60億円に対し現金458.51億円が上回っており、短期の満期ミスマッチリスクは低いと評価します。インタレストカバレッジは支払利息がN/Aで算出不可ながら、EBITDA水準からみて健全と推定されます(データ制約あり)。のれん・無形は計102.3億円と総資産比で小さく、減損リスクは相対的に限定的です。オフバランス債務(リース、保証等)は開示N/Aのため評価に限界がありますが、現状の低レバレッジが一定のバッファーとなります。総資産5,359.82億円に対する運転資本として棚卸資産839.88億円が厚く、在庫回転の改善余地が資産効率向上のカギです。
営業CFは255.40億円で純利益76.12億円の3.36倍と高品質です。営業CF/純利益が>1.0倍を大きく上回っており、利益の現金化は良好です。フリーキャッシュフローは47.99億円(営業CF255.40−投資CF207.41)でプラスを確保しました。設備投資は211.55億円と減価償却費158.94億円を上回り、やや拡張的な投資局面です。運転資本の詳細内訳(売掛金・買掛金)がN/Aのため、営業CFの増勢に運転資本の解放が寄与したかは判定不能ですが、営業CFが純利益を大きく上回ることから、在庫・債権の回収改善の可能性があります(確証はデータ不足)。株主還元は配当90.91億円と自己株買い52.20億円の合計143.11億円で、FCFの0.27倍に留まり、内部資金のみではカバーできていません。今期の強い営業CFにより資金繰りの制約は小さいものの、同水準の還元継続は、投資と並行する場合にバランスシートの取り崩しに依存しやすく、持続可能性の点検が必要です。
計算上の配当性向は233.6%と高水準で、当期利益ベースでは過大です(注:配当額・DPSの詳細開示はN/A)。FCFカバレッジは0.27倍で、配当と自社株買いを含む総還元はFCFを大きく上回っています。ネットキャッシュに近い財務体質が短期的な余力を与える一方、ROIC1.5%と資本効率が低い現状では、高還元の継続は投資余力や将来の成長資金確保とトレードオフになります。利益の変動(市況感応度)を踏まえると、通期利益・FCFの確度が高まるまでの間は、可変的な自己株買い比率や業績連動の配当方針が望ましいと考えます。持続可能性の評価には、通期の営業CF、設備投資計画の更新、ネットキャッシュ推移のフォローが前提となります。
ビジネスリスク:
- 原材料(プロピレン、ナフサ等)価格の上昇によるスプレッド縮小リスク
- 主要製品(アクリル酸・SAP等)の市況悪化と需要減速
- 販管費の硬直性による営業レバレッジ悪化
- 新規・増設投資の回収遅延(ROIC低位)
財務リスク:
- FCFに対して高い株主還元(配当+自社株買い)の継続による資金流出
- 在庫水準の高止まりによるキャッシュコンバージョンサイクルの悪化
- 金利上昇局面での調達コスト上昇(支払利息N/Aで感応度把握に制約)
- 為替変動(円安・円高)による評価・取引損益の変動
主な懸念事項:
- ROICが1.5%と資本コストを大きく下回る資本効率の低さ
- 営業利益率が4.5%まで低下し、前年から約55bpのマージン縮小
- FCFカバレッジ0.27倍と還元の持続可能性に課題
- 持分法利益の寄与が小さく、外部投資からの安定収益が限定的
重要ポイント:
- 売上-3.2%、営業利益-13.8%でマージンが約55bp縮小、短期的な収益圧力を確認
- 営業CFは純利益の3.36倍と質は高いが、FCFは還元(配当+自社株買い)を賄えず0.27倍
- ROE1.9%、ROIC1.5%と資本効率が低位で、在庫回転やコスト構造の改善が必須
- 財務レバレッジは低くネットキャッシュに近い安全なバランスシート
- 持分法利益の依存度は5.5%と低く、本業改善が株主価値向上の主戦場
注視すべき指標:
- 営業利益率とスプレッド(原料価格vs製品価格)の推移
- 在庫回転日数・売上債権回転日数など運転資本指標
- 設備投資額と投資採算(プロジェクト別IRR/回収期間)
- 為替(USD/JPY、EUR/JPY)とエネルギーコスト感応度
- 配当および自己株買い方針の更新(FCFカバレッジ)
- ROICと事業別マージン/稼働率
セクター内ポジション:
化学セクター内で日本触媒は財務安全性(自己資本比率・レバレッジ)は上位だが、利益率・ROICはセクター平均を下回り、資本効率面での課題が目立つ一方、キャッシュ創出の質は短期的に改善している。
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